2024.12.19
74歳の事務員がたった1人で請求業務を担当…… 作業時間を105時間→10時間まで削減させた、介護DX成功の舞台裏
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渡邊大介氏(以下、渡邊):実際に(ZEALSのチャットボットを)導入いただいていますが、ズバリ決め手はどういったところだったでしょうか。
小笠原充俊氏(以下、小笠原):まず1つ、手法としておもしろそうなのでチャレンジしてみたいところはありました。もう1つは、いろいろなコンテンツを作るといった導入までの準備や初期費用のところを、基本的に全部ZEALSさんでやっていただけるところです。
我々が「やりたいです」と手を挙げると、当然いろいろな詳細の打ち合わせはありますけど、基本的には全部ZEALSさんにやっていただけるので、結果として(リードが)取れたぶんだけをお支払いするというかたちになります。そういう意味で、導入する際のデメリットがほぼないところが一番大きかったかなと思ってます。
渡邊:なるほど。ちなみにこういうふうに新しいものを取り入れることは、埼玉りそなさんとしては、もともとかなり積極的にやられてはいるんですか?
小笠原:予算もある程度制約はありますが、チャレンジの部分の予算をなるべく確保しようとしています。そういったことができるような予算組みを意識しています。
渡邊:なるほど、その予算の一部をご活用いただいたということで、ありがとうございます。我々は実際、先ほど申し上げたとおり、初期費用は基本無料で接客体験をご提供しています。
ローンの契約や申し込みに至った場合に、いわゆるアフィリエイト広告のようなかたちでフィーをいただくので、かなり導入のハードルを下げたかたちでサービスをご提供しております。
渡邊:ただ、我々としては導入のハードルを下げているつもりではあるのですが、やはり新しいサービスだと思いますし、一見してかなり作り込んでいるのに初期費用無料というのは若干の怪しさもあるな、というところもあって(笑)。
社内の承認や稟議がスムーズにいったのか非常に気になるところですが、このあたりはいかがでしょうか。
小笠原:そういう意味では、我々は最初は単純に新しい広告媒体を追加するだけという感じで、社内で起案をして始めようと思っていたんですけれども。
これ専用に、新たなLINE公式アカウントの開設をしなきゃいけなかったり。友だち登録をしていただいたお客さまの個人情報管理について、きちんと社内でリスクチェックを受けた上で進めていく必要がありました。
当初は1ヶ月ぐらいで進められるかなと思ったんですけど、準備に3~4ヶ月ぐらいかかってしまったのが実際のところです。
渡邊:ありがとうございます(笑)。ちなみに、もともとLINEアカウントは別でお持ちでしたが、その棲み分けは社内ではどういったご説明をされましたか?
小笠原:個別に運用することで了承を得たかたちですね。
渡邊:ちなみに、言える範囲でかまわないのですが、どこが一番ハードルになりましたか?
小笠原:先ほど話したLINE公式アカウントの新設と、個人情報の管理の2つは特に理解していただくのになかなか(苦労しました)。
渡邊:公式アカウントの新設について補足させていただくと、おそらくみなさまの所属されている企業さまでも、LINE公式アカウントをお持ちじゃないかなと思います。LINE社も公式に見解を発表していますが、用途に合わせてLINE公式アカウントを新規で開設するのは、比較的ポピュラーになってきています。
既存のお客さま向けのLINE公式アカウントと新規のお客さま向けのLINE公式アカウントだと、どうしてもコミュニケーションが変わってきます。目的やユーザーさまに合わせて使い分けていくのは、比較的一般的になってきているかなと思います。
加えてLINEという性質上、かなりの(個人)情報が取れてしまうところがあります。我々と近しいサービスベンダーも複数存在しているんですけれども、セキュアな認証資格を持っているところ(ISMS等)は、1つ判断材料になってくるんじゃないかなと思っております。
渡邊:そろそろ本丸のご質問というか、実際の施策の結果についてお話しさせていただきたいと思います。導入から半年弱ぐらいが経って、当初の想定と比べて結果はいかがだったでしょうか。
小笠原:当初おうかがいしてた目標件数もあったんですけれども、今はたぶんその倍ぐらいは取れていますね。このグラフのとおりで、直近1月や2月はWeb広告全体の5~6パーセントぐらいは、このチャットコマースから取れていると思います。
渡邊:ちなみに総数ではなくて単月が伸びているということですよね。
小笠原:そうですね。
渡邊:我々としてはもっともっと貢献したいなと思っています。いわゆるデジタルマーケティングの施策は、リスティング広告やアフィリエイト広告など、いろいろな獲得施策があると思います。今の埼玉りそなさんで言うと、例えば100件のうち5件ぐらいがチャットコマース経由で取れている感覚かなと思います。
我々はいろいろな業界のお客さまの情報を共有いただいていて、その中央値で言うと、全体の施策の10パーセント強が我々経由で獲得できるといった実績が出ております。
これは、我々(のチャットコマースでの顧客獲得)が11パーセントぐらいを占めているお客さまのファネルで、ランキングのちょうど中央値ぐらいになります。一番上がGoogleのCPCです。いわゆるクリック課金型のリスティング広告ですね。
次にGoogleの自然検索、その次にジールスのチャットコマースがいるという状態です。最近は、Instagramなど、他のディスプレイ広告よりも実績を出せるケースが出てきております。そういう意味では我々ももうちょっと貢献できると思いますので、引き続きがんばらせていただきたいなと思っております。
渡邊:それから、デジタルマーケティングに関わられている方は、「アシスト効果」という言葉を聞いたことがあると思います。我々の施策を踏んだあとに、他の施策から契約に至った人数ですね。そういった効果のことをアシスト効果とか、間接コンバージョンと呼びますけれども。
これは他業種業界の数値ですが、ちょうど真ん中で、我々のチャットコマースの導入前と導入後の数値を比較させていただいています。
このグラフは、我々のチャットボットから直接コンバージョンした人を除いた、アシスト効果を表しています。簡単にサマリーすると、ジールス導入後に我々のサービス以外の施策のコンバージョンも伸ばせているということです。
おそらく金融商品は、ユーザーさまもかなり比較検討されると思います。その中で、チャットボットの接客体験を経由していただくと、最終的にリスティングやアフィリエイトにコンバージョンするかもしれないと。我々のそういった貢献も可視化できてきておりますので、そういった意味でも非常に効果的な施策なのかなと思っております。
その他の効果もお聞きしたいと思います。コンバージョンの総数だけではなく、ユーザーの承認率といった、いわゆる質的なところはいかがでしょうか。
小笠原:いわゆるアフィリエイトなどに比べると、非常に高い承認率になっています。全体も含めた承認率に対してほぼ同率なので、非常に効率の良いチャネルかなと思っています。
渡邊:ちなみに小笠原さんとして、「承認率を担保できている要因はこれだろう」というものは何かありますか。
小笠原:推定でしかないんですけれど、1回当社のホームページに普通に入ってきている方なので、アフィリエイトのように、いろいろ検討して比較サイトから入ってきた方とは、またちょっと違う層なのかなと。埼玉りそなをある程度意識して入ってきている人たちなのかなとは思っています。
渡邊:選択肢に入っているということですよね。加えて、やはり僕らとしても、チャットボットの中で承認率の低そうな方を除外していくことで、結果的に承認率を増やせると思っています。単純な総数だけではなく、本当にユーザーになっていただくところにも、今後もきちんと貢献していきたいなと思っております。
渡邊:先ほどから、いい話しかしてなかったんですけれども(笑)。我々は、初期費用無料で成果報酬、基本的に金銭的なリスクはないというところと、基本的なLINEアカウントの運用も完全に巻き取らせていただいています。
あまり現場の方々の負荷がかからないような設計にしていますが、実際に導入するにあたっての工数やご負担の感覚はいかがでしたでしょうか。
小笠原:そういう意味では、先ほども申し上げたとおり、最初の導入のところが思ったよりかかったところはありますけれども(笑)。始めてしまえば、運用のところはかなりお任せできますし。
かつ、いろいろなかたちで「もっと効率的に取れるんじゃないか」といった改善提案もいただけるので。それを社内のチェックにかけるという手間はありますが、実際に作って運用していただくのは御社なので、大きな工数がかかっているという認識はないですね。
渡邊:最初の導入の時だけ、けっこう擦り合わせや社内の承認があると。
小笠原:そうですね、そのへんの調整がありました。
渡邊:ちなみに今、我々からのご提案や改善のループは、だいたいどういったサイクルで回されているんですか?
小笠原:今はまだ始めて半年も経っていないので、かなり頻繁にいろいろとご提案いただいていると思っています。新しいチャネルの追加などもしていただいているので、かなり頻繁にやってもらっている感じですね。
渡邊:月イチよりぜんぜん高い頻度で。
小笠原:そうですね。
渡邊:ちなみにミーティング自体の工数は大丈夫そうですか。
小笠原:基本は電話やメールでのやり取りが主で、時間をとって打ち合わせするようなところではそんなに時間はかかってないので。
渡邊:わかりました。発注される側として、成果を出すためのポイントとされていることや、考えていらっしゃることはありますでしょうか。
小笠原:1つは、提案いただいた内容をそのまま鵜呑みにしてやるのも楽は楽なんですけど。いろいろと我々がやってきた中での考えもあると思うので、「もっとこういった見せ方が良い」とか、時期によって「こういう商材をもっと強く押し出してほしい」といった工夫は、こちらから言っていく必要があると思っています。
渡邊:我々も体制としては、業界ごとにチーム組成をしていまして、それこそ金融業界専属チームがあります。お客さまからそういったことを教えていただけると、我々もどんどん学習曲線を描いていけると思いますので、うまく一緒に成長していきたいなと思っています。
今は、他の業界を含めて、だいたい400数十社とやり取りをさせていただいていますが、他業種のうまくいった事例もうまく流し込めれば、より良い提案ができると思っています。このあたりは少し現場の方にもがんばってもらいながら、今後も良い提案をさせていただければと思っています。
こういったマーケティング系のパートナーは、我々に限らずたくさん存在していると思うんですけれども、チャットコマースから引いた目で見た時に、何かパートナー選びのポイントはあるでしょうか。
小笠原:特に金融業界ならではというところはわからないのですが、先ほども申し上げたとおり、プロモーションをやっている人間はそんなに多くないです。
1人でできることも限られているので、いかに事前の提案や、その後の改善や運用も含めて手伝ってもらえるか。主体的にこちらの意を汲んでやっていただけるかどうかは、大きなポイントかなと思っています。
あとはこういうWeb業界の方々は、けっこう担当が頻繁に変わるので。長く信頼関係を築くことがなかなか難しくて、「この人だったらいろいろ話せるな」と思っていたら「来月で辞めます」という人はけっこう多いです(笑)。そのへんがもうちょっと長く付き合えるといいかなとは思っています。
渡邊:確かにそうですよね。ちなみに我々はどちらかというとSaaSっぽいサービスだと思っていますが、昨今はマーケティングSaaSも、それこそ今日は他にもスポンサードされている企業さまもいらっしゃると思います。
いわゆるマーケティング機能の内製化の流れは、この10年ぐらいで比較的進んできていると思います。チーム内でできることが増えている中で、いわゆる代理店やソリューション提供者との付き合いも変わってきているように感じるんですけれども、そのあたりは埼玉りそなさんはどのようにお考えですか?
小笠原:我々の現状の人員からすると、そこまで内製化するのはたぶん難しいかなと思っています。アフィリエイトなどはたぶん代理店さん経由ではなくて、直接やり取りしたほうがいろいろな意味でスピーディーに対応できると思っています。
そうすると管理を含めて全部こっちがやるという話なので、今はやはりある程度は相談しながらやっていったほうがいいかなという感じですね。
渡邊:我々のようなソリューションベンダーがむしろ中に入っていって、本当に伴走できるような関係が理想的だということですね。ありがとうございます。
渡邊:最後にチャットコマースを含めて、こういったデジタル施策の今後の展望や、今お考えのところをぜひおうかがいできればなと思っております。
小笠原:ZEALSさんと絡めた話でいくと、まだまだチャットコマースは伸びる余地があるかなと思っています。併せてLINE広告を絡めたチャットコマースも3月から始めさせていただいています。そういった意味では、Web広告の中に占めるZEALSさんの貢献はどんどん大きくなるかなと思ってます。
当然、我々としては今後それ以外のところもやっていかなきゃいけないので、いかに情報をキャッチして、新しい媒体やチャネルについてトライ&エラーをしていけるかが今後の課題というか。継続的にやっていかなきゃいけないかなといつも思っています。
渡邊:ChatGPTとかGoogleのBardのような、いわゆるジェネレーティブAIという領域が昨今、ようやく社会実装され始めていますが、我々もチャットボットの領域で、そういったテクノロジーに取り組みながら、よりスピーディーに生産性を高めるサービスを作っていきたいと思っています。
先ほどおっしゃっていただいたとおり、広告への転換、あるいはLINEだけではなくてInstagramやTikTokなど、より若年層や新規ユーザーに合わせたメディア展開も考えていきたいなと思っていますので、ぜひご期待いただければと思います。
ということで時間ぴったりぐらいですかね。ご清聴ありがとうございました。DXの流れになぞらえながらチャットコマースの有用性と、ちょっと生々しい実績も語っていただきました。
それでは小笠原さん、ありがとうございました。みなさまもありがとうございました。
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