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【S1グランプリ王者 笹田氏が語る】トップセールスになる10個のコツ 〜生産性を爆上げする秘訣〜(全6記事)

営業が見るべきは、予算規模の大きさよりも問題意識の高さ トップセールスの「顧客ポテンシャル」の考え方

スタートアップ、新規事業、ベンチャー企業、中小企業向け法人営業支援を行うセールスギルド株式会社は、日本最大級の営業の大会「S1グランプリ」を運営しています。今回はそのS1グランプリで優勝した株式会社営業ハック笹田裕嗣氏が登壇したイベントの模様をお届けします。セールスギルド古瀬貴大氏とともに、「トップセールスになる10個のコツ」について語りました。本記事では営業が押さえておくべき2つの視点について語られました。

BANT情報を「会話で明確にしていく」人が売れる営業

笹田裕嗣氏(以下、笹田):では続きです。みなさん、外せないという表現はちょっと言葉が悪いですが、失注できない、取りこぼせない案件・顧客、お客さまはいますか? これが次の質問でございます。

わざわざこういう問いを投げかけさせていただいたのは、営業って常に合意獲得活動ですよね。予算に対してOKをもらわなければ当然買ってもらえません。意思決定の方法、もちろん決裁権もそうですが、社内の稟議の上げ方とか、会話の仕方とか、意思決定の方法とか、判断基準とか、このあたりもちゃんと合意を得ていかないと提案がズレていくんです。

そもそもの必要性、そしていつまでに必要なのか、いつまでにその成果が必要なのかということで、ここで挙げたのは有名なBANT情報です。BANT情報は聞くものではなくてお客さまと一緒に作っていく、会話をしながら明確にしていく。これができる営業が、売れる営業だなと思います。

例えば電気屋さんに行っても、「ご予算いくらですか?」で終わりにするんじゃなくて、「今回こういうことがしたいのであればこれぐらいのご予算が必要かと思いますが、現実的な範囲ですかね?」と聞かれたほうが、こちらも検討しやすいですし、実際「それぐらいだったらいいかな」って判断もできるわけです。

なので、ぜひみなさんBANT情報で会話ができる、一緒に合意を作れる。獲得という表現をここでは書いてしまいましたが、合意形成ができる、一緒に形作っていける、そんな営業を目指していきましょう。

「顧客のポテンシャル」という発想

今回ここで書いたんですが、顧客のポテンシャルという発想をみなさんは持てていますかというところです。自分たちが解決できる問題への予算規模を「顧客のポテンシャル」と私は定義をしているんですが、今回こういった見方ってできませんか。

確かに会社全体では予算として大きな金額を動かせるんだけれども、その問題に対する意識や予算が低ければ、当然みなさんに払われるお金は小さくなります。一方で全体の予算は小さいんだけれども、会社の最優先議題になっているのであれば、その問題に対して使われる金額も当然増えますよね。

あらためてみなさんが意識すべきことというのは予算の規模がどれぐらい大きいかだけではなくて、最終的に自分たちが解決できる問題に対しての意識・課題感です。ここを意識しておかないと営業をがんばってもがんばってもお金がいただけないということが起こってしまう可能性が高い。

会いたい人、会いやすい人に営業するのではなくて、最終的に自分たちに頼ってお金を払ってでもお願いしたい範囲が大きい人をぜひ顧客にして、ターゲットにして進めていただきたいなと思っています。

営業で抑えておくべき「LTV」「CPS」の2つの視点

今回ここに書きましたが、営業で押さえておくべき2つの視点ということで、有名なところでいけばLTV、ライフタイムバリュー。みなさんも聞かれたことがあるんじゃないかなと思いますが、取引の期間の中でどれぐらいの売上・利益をもたらしてくれるのかという点と、もう1つは獲得コストです。マーケティングの言葉でいくとCPAであったりとかそういう表現をしますが、ちょっと私が勝手に作った造語ですが、CPS、「成功顧客の獲得コスト」です。

成功していただく、使ってよかったと思っていただけるお客さまは、どれぐらいのコストがかかって獲得できるのかどうかです。カスタマーサクセスの視点まで見ていった時に、取引後にコミュニケーションコストが高いお客さんに出会ったことって、みなさんないでしょうか?

契約したあとに言っていること、ぜんぜん会話が通じないとか。どんだけ言ったところでなかなかOKがもらえないとか、「これ、もっとやったほうがいいです」と提案したのにも関わらず、ぜんぜん返事をくれないとか。

結局、次客、次客、次客みたいなかたちのコミュニケーションコストが高いお客さんって、契約は確かにいただいて、お金はいただけたかもしれませんが、満足いく結果、成果を出すためのコミュニケーションであったり、手間であったりとか、やり取りのストレスが大きいと、これって結局「コストが高いお客さん」なんですよね。

なので、たくさんお金がいただけるから良いお客さんというだけではなくて、あらためて限られた時間で、限られたコストで成果を出していくという視点は、常に持っていかなきゃいけないなと感じております。

コミュニケーションに負担をかけないための「期待値調整」

繰り返し意識いただきたいポイントとして、LTV。どれだけの期間でどれだけのお金をもたらしてくれるお客さまなのかという点とあわせて、どれぐらいのコストで、できたらコストなんて安いほうがいいですよねという前提のもと、成功していただけるお客さまがどれぐらいのコストで獲得できるのか。この2つの視点で、ぜひお客さまの見極め判断をしていただきたいなと思います。

以前、古瀬さんと「営業代行が失敗する会社」というかたちで、もう1人、S1グランプリの発起人の釣田さんと一緒にウェビナーをさせていただいたことがあります。やはり「ちゃんと会話ができる人と仕事したいですよね」という話をしたことがあるんですが、こういった期待値調整がちゃんとできると、コミュニケーションに負担やストレスがかからない。

こういったところを意識いただいた上で、受注基準、御社の中で明確になっているかということを意識いただきたいなと思います。

これはあくまで一例で8個挙げさせてもらいましたが、コミュニケーションをとるにあたってストレスやコストがかかりすぎないお客さまというところ。

そしてポテンシャルがあるお客さまという見方をすれば、課題感と優先順位が高いお客さまをしっかり見つけることと、作っていく、育てていくという視点を持ちながら、ぜひ顧客対応を進めていただきたいなと思います。

「競合不在」のお客さまは、本当にラッキーなのか?

そしてその延長線上でというところで、「競合不在はラッキーなのか」というところです。みなさん商談しました。打ち合わせをしました。競合は誰もいませんとお客さまが言っている。

この言葉を聞いてもだいたい疑うべきなんですが、本当に競合他社がなんの提案もしていないというお客さまに出会えた時に、良いと思うのか、ラッキーと思うのか、やばいかなと思うのか、どちらでしょうかというところなんですが、私はあまりラッキーとは感じませんというところがこれへの回答です。

なぜなのか、競合不在ということは今まで利用実績がない、利用実績であったりとか商品・サービスを考えたことがない可能性が高いので、お客さま自身が先ほどの問題意識が高くない、低い可能性が高いんです。

この便利なご時世で「そういった商品があるの知らなかったです」「サービスがあるの知らなかったです」「解決手段があるの知らなかったです」という業態はけっこう危険なんです。

ゼロからすべてを説明しなければいけないので、先ほどの成功顧客、CPSコストが高い可能性があるというところでございますので、競合不在イコール「ラッキー」「いいかも」みたいなふうに思い込みすぎるのも危険だなというところでこちら、お話し上げさせてもらいました。

トップセールスには「なりたい」という気持ちがないとなれない

ということでみなさん、最後の質問です。

今回のテーマはトップセールスということでお話しさせていただきましたが、「トップセールスになりたいですか?」。みなさんなりのトップセールスの定義でかまいません。トップセールスになりたいと思っていただいている方はですね、ぜひリアクションボタンをなにか押していただいて、トップセールスになりたいという気持ちを自分の中で高めていただけたらなと思っております。

最後になんでこの質問をさせてもらったのかなんですが、たまたまお客さまの相性がよくてとか、大きいプロジェクトが決まってトップセールスになっちゃったという人は一定数いると思います。そういった方はもちろん、それはそれで良いと思うんですが、ただ営業としてトップセールスを本気で目指すのであれば、まず「なりたい」という気持ちがないと、なれないことのほうが多いと思っています。

組織規模が大きかったりとか、営業のライバルが優秀な会社であればあるほど自分がなりたい、なろうという気持ちが強くなければ、トップセールスになかなかなりきれない、実現できない目標かなと思います。

今回の話もいろいろ聞いていただいて、1時間弱聞いていただいた中でですね、あらためて私がトップセールスになるんだと。なりたいという気持ちを固めていただいて、またがんばっていただけたらと思います。ぜひみなさんトップセールスを目指して今年もがんばっていただければと思います。

ということで、私の話は今日は締めさせていただければと思います。みなさん、ご清聴いただきましてありがとうございます。古瀬さん、ぜひ戻ってきていただいて、お願いいたします。

セールスギルド1号社員のキャリアの考え方を学ぶ

古瀬貴大氏(以下、古瀬):ありがとうございます。最高でしたね。特に最後の質問も非常に良かったですね。やはり「なろうとしてなろう」という話は非常に大事なところかなと思いました。みなさんもありがとうございました。かなりコメントとかツイートとかも出ていたので、ご反響も多いんじゃないかなと思っております。

いろいろと話したいこととか聞きたいことがあるんですけど、その前にですね、いったんここでですね、5分弱ぐらいですね、ちょっと次のイベントのご案内とコミュニティの案内だけ少し挟ませていただいて、そのあとにみなさんからの質問を受けたいなと思っております。

あまりなければ、ちょっと緊張して出せないという人がいたら私からいろいろ聞いたりとか、私と営業の話を進めていきたいなと思っております。よろしくお願いします。ここでご案内させていただきたいのは、まず1つですね、来月の次のイベントのご案内です。

次回ですね、横山さんと吉武さんをゲストにですね、3社合同の勉強会ということでやらせていただきたいなと思っております。近々またツイッターで案内を出しますので、拡散もお手伝いいただけるとありがたいです。

どんな内容かというと、まず横山さんのキャリアを考えます。目標の決め方とか、実際達成するためのキャリアの考え方とか作り方といった講義を、最初に20分ぐらいしていただいて、そのあとに横山さんに私が、横山さんのキャリアについてちょっと聞かせていただくという深堀をするパネルをします。

そのあとに横山さんから私と吉武さんのキャリアについてヒアリングしていただいて、それをみなさんで聞いていただいて、学ぼうという会ですね。

私自身は毎度お話ししていますけど、営業キャリアから1回転職して、副業して、フリーランスになって起業しています。そして吉武さん、実はセールスギルドの1号社員なんですよね。1人目の社員で今24歳です。なんですが、彼はセールスギルドに入る前は1社経験して、セールスギルドに入っていただいて、そのあとに弊社に一昨年の10月に入っていただき、そのあと個人事業主を開業して副業をやっていたんですよ。

さらにそれを会社化したんですね、去年の10月には。みたいなかたちでですね、社員プラス会社の社長みたいなのをやっているキャリアがあったりとかするので、なんかいろんなパターンのですね、キャリアのお話しができたらなと。

なんなら横山さんはですね、もともとスタートは営業じゃないんですよね、エンジニア系から始まって、セミナー講師とかコンサルタントになって社長になっていると。そういう流れもありますので、かなり営業のキャリアの可能性みたいなお話しができるので、おもしろいのでぜひ見てください。

1年後には1000人のコミュニティを目指して

古瀬:そして次、入っている方もいらっしゃると思うんですけれども、Slackというチャットツールでコミュニティを運営しております。こちらはみなさん同士がノウハウを共有し合ったり、相談し合ったり、なにか「困ったな」という時に質問して誰かが答えてくれたりとか、そういう場所があるといいんじゃないかということで作ったものになります。

S1グランプリ後に動いていて、今200人ちょっとぐらい参加いただいている状況なので、ぜひイベントの他にも、チャットに参加して自分でアウトプットしてみる場所だったりだとか、誰かと交流してみていただければと思います。

たまにオフラインで20〜30人で集まって交流会が行われますので、ぜひ参加していただければと思います。そのうち笹田さんにも来ていただいて、一緒にみんなで盛り上げられたらと思いますので、よろしくお願いします。

笹田:お願いします。

古瀬:たぶんリアル笹田さんに会った人は、なかなかいないんじゃないですかね(笑)。

笹田:出てこないですからね(笑)。

古瀬:僕が引っ張り出しますので、ぜひ来てください(笑)。

笹田:お願いします!

古瀬:1年後には1,000人にしたいなと思っていますので、お願いします。ご案内はここぐらいまでで、ここからはアフタートークと質疑応答ということでお話ししていきたいなと思います。

対面とオンライン、どちらの営業スタイルがいいのか

古瀬:ではいくつか質問が出ていると思うので、それに答えていただきながら、質問が切れたら私が話したいことを話すという感じでお願いします(笑)。

笹田:お願いします(笑)。

古瀬:まず1つ、「対面営業とオンライン営業の振り分けの判断軸はなんですか? また初訪はどちらが有効だと思いますか?」、こちらはいかがでしょう?

笹田:ありがとうございます。基本的に対面のほうが有効だとは思っています。関係性を深めるであったりとか、相手の反応を見るであったりとか、温度感ですよね。

オンラインって結局、「体感した」という実感を与えづらいので、この打ち合わせ体験を突き詰めていくと、やはり会って話したほうがいいというのが事実あるかなと思っています。一方で費用対効果、効率、件数みたいなことを考えていった時に、これは正直相手次第になっちゃいます。話す相手と商談内容。

ごちゃごちゃ話しちゃいましたが、どの商材でもオンラインでも売ろうと思えば売れるし、対面でも売れないものは売れないというところは事実あるなと思っていて、さっき古瀬さんが言ってくれましたが、私本当にこの部屋から出ないので。すべてをいかにオンラインで完結するかということを突き詰めた結果、「これ、いけるな」というのが結論なんですよね。

なので自分の費用対効果、成約率から判断をいただくと、たぶん自分の得意不得意もあると思うので、本当に対面じゃなきゃ駄目という人もいれば、私のように本当にこの部屋から一切出ませんという中でも営業が成立する。

このあたりは、有効性では対面ですが、費用対効果、コスパ、または自分の得手不得手みたいなところからジャッジいただくのが良いかなと思います。ちょっと明確な回答ではなくて恐縮ですが、この点を意識いただければというのが回答でございます。古瀬さんは逆にどうですか?

1回目はお互いを「見極める」時間に使っていい

古瀬:そうですね、私もほとんど引きこもっているので、初回はほとんどオンラインですね。基本的に、まず相手も「なにか相談したい」というフェーズなので、「やってほしい」というフレーズでもないと思っていて。

オンラインで「はじめまして」「こういうことやっています」と、お互い手探りですよね。今日ははじめましてなので、お互い知り合う場だと思ってくださいと。私がどんな人か、なにをやっているか話しますし、あなたのことを教えてください。

そして営業の状況を教えてもらいながら、そこについてディスカッションしましょう。弊社ができることがあればやれるように考えていきますし、ちょっと違うなという話であれば合っている人を紹介しますねと。

そんな感じでいいですかと言ってスタートしているんですよね。それで「もっと」となったら2回目にいきますし、会わなきゃいけないとなったら会うという行動に移るので、1回目はお互いの見極めになるんじゃないかなという気はしていますかね。

笹田:本当にわざわざ会うという価値がどこまであるかって、最初だと判断つかないですよね。

古瀬:そうですね。

笹田:その判断材料をお互いに交換し合うところを、ちゃんとしなきゃいけないですね。

「わざわざ会う」という価値の高まり

笹田:でも私はいかに全部オンラインで完結するかしか考えていないので、発想が若干ひねくれているんですが、初訪に関してはオンラインで、会って損したというのは当然あり得ます。そうならないように会話の認識合わせ、すり合わせをしていただくのが良いかなと。

古瀬:そうですよね。相手がもし成果報酬をやってほしいと思っていた時に、「いや、固定報酬です」みたいなズレがありすぎたり、あった時にそれで「あっ、えっ、あっ、じゃあ......」と言って終わっちゃうじゃないですか(笑)。

笹田:相手も罪悪感持ちますもんね(笑)。

古瀬:そうです。「わざわざ来てもらったのにすみません」みたいになっちゃうので、基本は行かないかなという感じですかね。

笹田:わざわざ会うという価値は前より高まっていたり、相手もそう思ってくれる率が高くなっていると思うので、この「わざわざ」という意味合いがお互い持てるかどうかが判断軸かなと思います。

古瀬:ありがとうございます。じゃあ次、いきましょうか。

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