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恋愛マッチングのプロが解説!理想の相手と出会うために必要なマーケティング視点とは?(全3記事)

デートは自分という商品を“フィードバック”してもらう場 スタートアップ企業の戦い方が「婚活」でも役に立つワケ

最新のマーケティングを学習、実践、仲間をみつけるコミュニティ「Blue Eagle Marketing(BEM)」主催で行われた、「恋愛×マーケティング(心理学含む)」がテーマのオンラインイベントの模様をお届けします。ゲストに株式会社Parasolが運営する紹介型マッチングサービス「ヒトオシ」のマッチングプランナー・都田氏を招き、恋愛・結婚とマーケティングの共通点を探る今回のイベント。本記事では、自分という「商品」の売り出し方について語られました。

婚活市場で、自分という「商品」をどう売り出していくか

都田氏(以下、都田):では次に行きましょう。「どうしたら好きな人に選ばれる?」ということで(笑)。市場分析が済んだところで、次はどうしたら好きな人、いわゆるお客さまに選ばれるかどうかというところをやっていきたいと思います。

今回は「商品」=「自分」と考えてみてほしいです。婚活市場において、自分という商品を理解してプロデュースして、どんな層にどう刺さるように売り出していくのかと考えるのが、非常に大事かなと思っています。 

まず商品を売る時に、販売コンセプトや販売ビジョンを立てると思うんですよね。どういう人に手に取ってほしいとか。それに近いものとして、自分がどういう結婚生活を望んでいて、結婚によってどんな姿になりたいか、どんな人と一緒になりたいかというのを、まずは想像してみるのがいいと思います。

例えば、「お互い切磋琢磨できるバディみたいな関係性がいい」とか、あとは「お互いの家族を大事にして、実家の家族とよく旅行に行くような関係性を築きたい」とか。あとは「育児や家事をお互いが平等になるようにこなして、お互いが家庭でも社会でも自己実現ができるような関係性にいたい」とか。「海外に住んで子どもは3人いて、犬を飼っている」とか、いろいろ理想の結婚生活がありますよね。

理想の結婚生活がなかなか思い浮かばない人は、自分のご両親とか、周りにいる(パートナーと)仲良く暮らしている先輩方に、「どんな暮らしをしていますか?」と聞いてみると、意外と理想像が出てきたりします。

自分を知ることで「作戦」が立てられるようになる

都田:そうすると自然と今度は、自分という商品がどんなもので、それをよく知ることでどんな関係がいいとか、どうしたら理想の結婚生活に近づけるとか、その人の目指す方向性が見えてきます。そして「どうしたら売れる商品になるのか」とブラッシュアップ、つまり自己磨きをして、どうやって売り出すかという作戦が立てられるようになるんです。

だからまずは、自分という商品を分析してみようということになるわけです。私たちヒトオシのマッチングプランナーは、その商品分析を、初回の1時間の面談で客観的に行っていきます。その人の生い立ちだったり、ご家族との関係性だったり、あとはどんな人に囲まれて、どんなコミュニティ、どんな会社で生活をしてきたのか。

また、どんな人と(恋愛のパートナーとして)お付き合いをしてきたのか。仕事で何を得てきたのか。そんなたくさんの複合的な要素から、その商品、あなた自身を分析していくんですね。

今日はせっかくなので、Blue Eagle Marketingの運営メンバーの淳一さんにモデルになっていただいて、マッチングプランナーの目線で見た、「淳一さんはこんな人」「淳一さんの恋愛観」というのを考えてみました。

この講演の前に、淳一さんとは1on1で1時間、じっくりと話を聞かせていただきまして、こんな人じゃないかなと私なりに分析をしてみました。

仕事でも趣味でも目標を持って何か楽しそうに取り組んでいる方。向上心があったりとか、そういう人に惹かれやすいんじゃないかなという分析をいたしました。淳一さん、どうですか? 私の分析当たっています?

清水淳一氏(以下、清水):もう大正解で、脳の中とか覗かれているのかなと思って、自分が『サトラレ』なのかなって心配になるくらいですね。怖いですよ。

都田:(笑)。ありがとうございます。日本で一番、淳一さんのことを知っているかもしれないです、というぐらい。これらを導き出すのに、自分でやるのはなかなか難しいと思うんです。

就活の「自己分析」は、恋愛においても重要

都田:そういう方は、まず子ども時代にどんな人に囲まれてきたのかとか、あとは自分の人生に大きく影響を与えてきた人だったり、経験。挫折やうれしかったことから、自分の大事にしている価値観だったり、こだわりを掘り起こしてみる。

それと同時に、今までの恋愛でも同じように深堀りをしてみると、自分がどんな人で、自分がどんな方に惹かれてきたというのが、だんだんとわかってくると思います。

みなさんは随分前に感じるかもしれないですけど、就活の時にこういうことされているんじゃないかなと思います。つまり「自己分析」に近いですよね。

結婚の平均年齢は27~29歳ぐらいになるんですけれども、就職活動から10年弱経ってからあらためて自己分析をやってみると、あの時とぜんぜん違ったとかとかよくあるんです。またその当時は、恋愛に関しての振り返りは一切やらなかったんじゃないかなと思います。

自分を知るというところから逃げてほしくないですし、(本当は)楽しいんです。嫌なところもいっぱい見つかると思うんですけど、なるべくポジティブなところを自分で見つけて、自分で自分を深堀りしていってあげると、すごい楽しくできるかなと思います。

過去から逃げずに、自分の恋愛観を深掘りする

都田:さっきちょっと言い忘れていたんですけど、特に恋愛観のところに関しては、お付き合いしたことある人がどんな人だったかとか、その人のどんなところに惹かれて、あと何が原因で駄目になっちゃったとか、過去から逃げずに考えて、書き出してみるといいと思います。

お付き合い経験がない方も最近は多くて、ぜんぜん恥ずかしいことじゃないと思うんですね。「もう8年彼氏・彼女いません」とか。記憶が果てしなく遠い方とかでも、ぜんぜんいいと思うんですよ。

周りにいいなと思う方がいるかとか、その人はどんなところが素敵だったかなとか、よく思い返してみるといいと思います。その人のどんな姿を見ていると、楽しいとかうれしいという気持ちになるとか、そういったことを書き出してみる。思考の整理をしてみると、自己分析がよくできてくると思います。

では次に、商品を受け入れるペルソナを考えるというところです。理想の人、いわゆる自分にはどんな人が合うのかというところを、今度は考えていきたいと思います。

婚活市場に売り出す商品、つまり自分自身を理解したところで、次にその商品を受け入れてくれるお相手探しが大事ですよね。とはいえ、闇雲に売り出しても、奇跡が起きない限り、売れることってなかなかないですよね。

ですので、ここではあなたを受け入れてくれる、理想のお相手を探していきましょうということで、先ほど登場いただいた淳一さんに合いそうなタイプを考えてみました。お願いします。

恋愛がうまくいかないのは、自分を客観視できていないから

都田:淳一さんに合いそうなタイプはこんな人じゃないかなというところで、3点を主眼に置いて導き出しています。1つ目は「自分に似ているタイプ」。これは人によって、時には真逆が合う場合もあります。凸凹の理論みたいに、月と太陽みたいな感じです。

あとは、話すペースとか連絡頻度とか「コミュニケーションの熱量」が似ている方が、合う傾向にあると私は考えています。最後に「こだわりのありなし」ですね。この3つを考えて、どんな人が淳一さんに合いそうかなと導き出しました。

1つ目は、気性が安定していて穏やかな方ですね。目標があって、精神的に自立している方がいいんじゃないかなと思います。何でかというと、精神的に安定している方は自分のやりたいことがあって、それに向かってがんばっていける方。楽しんで生きている方が多いですよね。

でもその代わり、いわゆる追いかける恋愛はできない。ちょっとメンヘラの方は、追いかけて追いかけて追いかけてやっと振り向いてくれるとか、「私を気にして」というところがあると思うんです。そういうところは(このタイプの方は)できないので、ちょっと物足りないかもしれないですけど、そこはグッと我慢です。

あとは、素直に喜べる女性。相手に意見を押し付けない方。淳一さんは、人が反応を示してくれることがよろこびにつながる方だと思っていて、淳一さんは人の反応を見るのが好きなんですね。人が喜んでいる姿を見るのがすごく好き。だから素直に喜ぶ人がいいんじゃないかな。

次に、苦労をしてきていて、家族でも仕事でも人の痛みがわかる方。共感力の高い方というのが淳一さんには合っていると思っています。淳一さんもなかなかの苦労人だなと感じたので、その気持ちがわかる方がいいんじゃないかなと思います。あとはおっとりしている方よりも、よく活発的に話してくれる、コミュニケーション熱量の高い方が合うんじゃないかなと思います。

最後に、こだわりがある人とは、すごい合うと思うんですよね。淳一さんの話を聞いていたら、わりと寛容なんですよ。何でも受け入れてくれているか、許してくれたり、受け止めてくれるんです。広い心をお持ちで、海のように深い気持ちをお持ちです。(だからこだわりがある方とも一緒にいられる、)そんな印象を抱きました。

淳一さん、今までの方とはもしかしたら違うかもしれないんですけど、聞いてみていかがですか?

清水:おっしゃるとおりで、ぜんぜん違う気がしますね。すごくびっくりしました。

都田:意外だと思われるかもしれませんが、けっこう初回の面談を1時間やって「あなたにはこんな人が合うと思います」と言うと、「ええ! 本当ですか? そんな人、選んだことありません」と言われることが多いです。

でも実際にお見合いと呼ばれる顔合わせをやっていただくと、「自分では選ばない方だったんですけど、すごくしっくり来てびっくりしました」と言われることがけっこうあります。やっぱり自分自身のことになっちゃうと、人って客観性を見失うんですよね。人にはアドバイスができても、自分のことはなかなか客観視できない。なので恋愛ってうまくいかない方が多いんじゃないかなと思います。

マーケティングの2つのアプローチ方法

都田:さとけんさん、どうでしょう。ここまで聞いていただいて、マーケティングと近そうなところはありました? 自分の売り出し方、商品の売り出し方に関して。

大里憲哉氏(以下、大里):わざとらしいんですけど、やっぱりピシャリ(と合うん)だなと思いました。ちなみに都田さん、これは上から順番に優先順位が高いイメージなんですか? それとも特に考えずに並べたんですか?

都田:いえ、順番は大事かなと思っています。考え方としては順番にやってほしいなというところですかね。

大里:なるほど。マーケティングで言うとやり口は2個あって、いったん目先のことからポツポツ行こうぜというタイプと、先のゴールとか儲かった世界とか、いい感じにこの商品が広がりきったところまで行くという到達点を見ちゃうタイプがあるんですね。僕の場合は後者です。

これは諸説あるんですけど、目の前から行こうぜでもいいんだけど、僕の(成功)パターンから行くと、まさに左上の「思い描くゴールを明確にする」ですね。商品を売って儲けて終わりじゃないんです。商品を売ったあとに、さらにお客さん、ユーザーさま、クライアントさんがどう幸せになって、「本当にもう●●さんのおかげで、この商品に出会えて良かったです~(泣)」という絵面から、僕は逆算するんですよ。

僕の膝下で涙を流して、僕の手を握って「すげぇ感謝しているな、この人」というところから1回妄想するんですね......なんか上からだな、ごめんなさい(笑)。上から目線でやってはいないんですけど、それぐらいから逆算していく。

その絵面を完成させるために、僕の膝下で涙を濡らしている人はどんな人かと考えていく。これがペルソナです。

一番下の「ペルソナを考える」は、どんな人か超絶具体的に考えます。髪の毛の長さや色、メガネかけているかかけていないか、何歳なのか、どこに住んでいるのか、年収どれくらいなのか、どういう性格でSNSは何を使っていて、何色が好きなのかレベルまで考えるんですね。

それが終わったあとに、ゴールとその人をつなぎ合わせる商品やサービス、あとはデートのロケーション。マーケティングではデートロケーションは考えないんだけど、どうやって(プランを)組み、ガチャコンってしようかなって順番で僕は考えるので、いやいや親和性が高いなぁと、そんなことを思いながら聞いておりました。

都田:ありがとうございます。私はマーケティングは得意じゃないんですけども、恋愛のことを考えると、意外とやっていることは近かったんだなと、「なるほど」と思ってます。次の項目に行きましょうかね。

マッチングアプリのメッセージは「減点方式」

都田:ここまでは自分の売り出し方とか、どんな方が理想の方というのを見てきたんですけれども、そんな人を見つけるにはどうしたらいいかということで、これからの人生を一緒に過ごすパートナーを見極めて、最適なアプローチの方法を考えて行きたいと思います。次のページをお願いします。

もちろん自分の分析とか理想はあるんだけれども、行動が起こせない方。そして起こせても何か的はずれな行動をやってしまっている方って、たくさんいると思うんですよね。でももちろん、行動しないよりはしたほうがマシです。

今日は、私がマッチングプランナーとして見てきた理想の人探し。良いご縁になっている人がやっている行動の一例をご紹介していこうかなと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

まずはマッチング。これはご紹介でもマッチングアプリでも一緒なんですけども、まずマッチング。まずはとにかく早めに会って、お互いの印象とか雰囲気というのを確かめてほしいと思います。

よくマッチングアプリの悩みで聞くのが、メッセージだけして会えないという例です。メッセージって、加点方式じゃなくて減点方式なんですよ。やればやるほどボロが出るんですよね(笑)。

なので技量が本当に必要なので、あなたが本当にメッセージに自信がない限り、あまり長引かせるのはお勧めしません。ほとんどの人が自信ないと思うんです。だんだんネタがなくなってきたりとか、下手すればメル友みたいな感じで終わっちゃうと思うんです。

ただ女性って、特にマッチングアプリの場合では警戒している場合がある。最初に会ってしまうのを避けたい方も中にはいるので、「すぐ会おう」って最初に言っちゃうと(うまくいかないです)。まずは「すぐ会いたい派」か「メッセージしてから会いたい派」か、確認してもいいと思います。

余裕のある婚活をするには、ファンクラブをつくること

都田:また婚活というのは、常に余裕のある人が魅力的に見えることが多いんですね。なのでまずは、多くの人からいいと思われることが重要ですね。いわゆる「人たらし」というやつになりましょう。あなたのファンクラブを作って、いいと思ってもらっている人の期待に応えて、最後にその中から1人を選べば、その瞬間に婚活終了ですよ。

ファンクラブの100人いる中から1人を選ぶのと、ファンクラブ2人から1人選ぶのとでは、ぜんぜん心の余裕が違ってくると思うんですよね。追いかけるのは恋愛までにしていただきたい。私は「ファンづくり大作戦」と呼んでいるんですけど、婚活ではぜひそのような作戦を使っていただくのもいいんじゃないかなと思います。何かあります? さとけんさん。

大里:しゃべりたい! しゃべりたい!

都田:どうぞ。

大里:畑が違うかもしれないんですけど、よくお客さまやクライアントさんに「たくさん分析してたくさん作りこんで、完璧に仕上げないと商品出しません」という人がいるんですね。そういう人にはいつも「いったんちょっと試そうぜ」と言っているんです。

さとけん饅頭でも都田饅頭でもいいんですけど、いったん隣の友だちとかお母ちゃんにでも、パッと作った饅頭を食わせればいいんですよ。まずはお母ちゃんに食わせて、「うまい? まずい? どっち?」とやってほしいんですね。

これが恋愛でいうところの、「いったんデートしようぜ」という話だと思うんですよ。お母ちゃんに食わしたらマズイならマズイって言ってくれるんですよ。「もうちょっと甘いほうが」って教えてくれるんですね。それで改善ができる。

恋愛で言うと、わかんないけど「メイクもうちょっと厚化粧にしよう」とか、そんな話なのかな。それをやっていくうちに、小言を言ってくれる人が出てくるんです。小言おじさん、小言おばさんが現れるんですよ。 

「さとけんさん、これちょっとまずい。砂糖足したほうがいいんじゃないですか?」と言い出す人が出てくるんです。ファンクラブができあがっていきますよ。まずいと言っているくせに、応援してくれるんです。ありがたいですね。

まずはいったん世の中に出して“フィードバック”をもらってみる

大里:だんだん磨きがかかっていって、そうしていくと今度は「さとけんさん、そろそろ饅頭、PRTIMESなり新聞にでも出せば?」って、やたらと背中を押してくれるんです。

今回は饅頭の話ですけど、「饅頭早く出しなよ。おいしいから。できあがった。がんばったじゃん。がんばったから大丈夫だよ」って周りが応援してくれて、その気になって「じゃあリリースします」という、こんな流れをよく起業家さんとかで見られるんですね。

資本とか従業員が充足した状態からガンとやりだす人はそんなにいないというか、どっちかというとスタートアップの領域では、小さくてもボロカスでもいいからいったん外に出してみて、温かい目で見守ってもらって、みんなに応援されて。意外と日本社会はみんな温かいんで。応援してくれるファンクラブをつくる。

中には、そのファンクラブの中で付き合っちゃったりなんかしてっていうのもあるだろうなと(笑)、思いながら聞いていました。以上です。

都田:ありがとうございます。こういうファンづくり大作戦はすごい大事だというのも、マーケティングの世界も一緒なんだなとおわかりいただけたかと思います。

しかるべきタイミングで撤退するための「デートの目的」の明確化

都田:最後に1つ。デートの目的を明確にして欲しいと思っていて。いわゆる売れない人、いつまでも受注できないような相手にずっと宙ぶらりんな感じで、撤退するタイミングもわからず、ずっと押し売りしていくのも良くないと思うんですよ。然るべきタイミングで撤退するのも大事ですね。

デートの目安。1週間か2週間に1回〜3回くらいで判断するといいと思います。告白の自信がなければ、好意を示すというだけでもいいと思うんですよ。「あなたと一緒にいて楽しい」「もっと知りたいなと思うんだ」とか、そういうかたちで示していく。いわゆる合意形成。みなさんが好きそうな横文字で言うと「コンセンサス」を取っておくといいと思います。

もし迷った時は、周りの既婚者に相談するのも1つですが、もちろん私たちのようなマッチングプランナーのプロに頼っていくのも、1つの方法だと思います。

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