400店舗以上の飲食店に式場やホテル、多角経営ゆえの「悩み」

寺田勇介氏:こんにちは、DDホールディングス・情報システム部の寺田と申します。短い間ですが、本日はよろしくお願いいたします。

まず最初に、簡単に弊社の紹介をさせていただきます。弊社は100店舗・100業態を目標に掲げて達成し、おかげさまで今では400店舗以上まで発展しております。

実際にお店の中で藁を使って焼き上げる「わらやき屋」や、『不思議の国のアリス』をコンセプトとした「アリスのファンタジーレストラン」。ビリヤードやダーツ・カラオケなどが楽しめる、大人のエンターテイメント空間を提供している「バグース」。九州の繁盛店をそのまま感じることができる「熱中屋」。

ほかにも日本の美しさに出会える結婚式場や湘南のホテルなど、さまざまな業態を展開しております。現在、万全の衛生対策をしたうえで営業しておりますので、ぜひお楽しみいただければ幸いでございます。

それでは本題に入ります。冒頭でもお伝えしましたとおり、100店舗・100業態を達成、その後400店舗以上にまで増えたため、業態別にさまざまなシステム導入をして最適化を図っていました。しかしながら、その結果生まれたものは、何通りものスキームでした。

これは当社のあるあるなのですが、どこかの部署がシステム導入をするとともに、別の部署で「毎日データを同期してほしい」とお願いします。かたやほかの部署がシステム導入をすると、ほかの部署宛に「CSVを用意してほしい」。こういった業務が非常に多くなっておりまして、結果どこの部署もやることだけが増えていく一方で、まさに部分最適しかできていない状況でございました。

手間やムダの多い“贅肉体質”から筋肉質へ

そこで当社は、「贅肉ありきで大きくなるのではなく、筋肉質に大きくなろう」という目標を本気で掲げました。

そこでまず当社が取りかかったのが、入社手続きとなります。当社では多い時で1ヶ月に700人以上のアルバイトの方を採用しております。こちらに記載のとおり、紙を使って入社手続きを行っていると、手間だけが多くなって店舗は業務に集中できません。単純に郵送費もかかりますので、お金もかかります。人事担当者は手入力の手間が膨大に増えていきます。

そしてなにより一番の問題が、差戻しです。紙ベースなので、入社申請者の方もどのようにでも書けてしまいます。その結果、大量の差戻しが発生し、紙で再度郵送の繰り返しとなっておりました。

よって、大変お恥ずかしい話ではございますが、当社では面接から入社まで平均7日もかかっておりました。すぐにでも働きたいアルバイトの方にも迷惑がかかりますし、すぐにでも採用して戦力としたい店舗も困っている状況が、ずっと続いておりました。

そこでシステム導入を考え、まずは最近CMでもよく見るSmartHRの導入を考えたのですが、やはり当社のような店舗別や業態別でそれぞれ入力項目が異なるような制御が難しかったのです。そして、そういった制御をしやすいサイボウズさんのkintoneでやろうと思ったのですが、やはり入社関連の専門システムではないので、メンテナンスが追いつきません。

個々のシステムを連携させ、課題を一気に解決

こういったそれぞれの課題を、すべて解決してくれたのがASTERIA Warpです。今回、ASTERIA Warpを使ってこのようなシステムを組みました。まず店舗が氏名やメールアドレスといった、最低限の情報をkintoneに入力します。kintoneでは最低時給以下を入力するとエラーになり、業種別に入力項目を非表示にしたり、必須/任意にしたりと制限をかけているので、入力ミスはほぼ発生しません。

そして、kintoneに入力した情報が自動でSmartHRへ飛び、SmartHRの標準機能によって、入社従業員へ招待フォームが配信されます。ここで大きなポイントとなるのが、店舗の従業員はkintoneに必要情報を入力する以外は、一切やることはありません。よって「接客や調理といった本来の業務に集中できる時間が増えた」と声をいただいております。

そして入社従業員の方は、給与口座や家族情報などといった情報をスマートフォンから入力することで、人事部門が直接SmartHR上で確認をします。第三者を介さないのでセキュリティも万全ですし、差戻しがあった場合も人事部門と入社従業員が、直接SmartHR上で行います。そしてASTERIA Warpによって、SmartHR上の確定情報を自動で勤怠システムへ登録します。

こちらのシステムによって絶大な効果が生まれました。郵送費がなくなるのはもちろんのこと、人的工数の削減、差戻し率の削減、そして一番の課題であったリードタイムも、面接から入社まで、最短で1日まで短縮可能となりました。

人事系ワークフローの最適化に成功

ここでもう1つ事例を紹介します。当社の人事系ワークフローは多数ございます。ASTERIA Warp導入前には何個か課題がありました。まず人事マスタとの連携がないため、それぞれ申請を行う際、従業員番号から氏名・役職・所属など、すべて手打ちでした。その結果、入力するのも手間ですし、確認する人事部門の手間も多数ございました。

そして、せっかくシステム上でワークフローをしているにも関わらず、手入力によるデータゆえ精度が低く、人事マスタにそのまま取り込むこともできませんでした。こういった業務の結果、やはり「手打ちが多い」「都度マスタと突き合わせ」、そして先ほど申し上げましたとおり「手で補正しないと取り込めない」といった工数が発生しております。

人事系ワークフローをすべてkintoneに移行することによって、ASTERIA Warpを介して常に人事マスタとワークフローを連携することにしました。これによって、入力する時は人事マスタから情報を取得できますし、自動連携されるからマスタの手動メンテナンスも一切不要です。結果、大幅な工数削減を実現することができました。

部分最適を最大限に活すことが、全体最適につながる

これらのシステム構築によって、弊社が至った結論はこれです。 「部分最適は悪くない」。 部分最適を最大限に活かすことこそが、全体最適につながるのです。

最後に、今後やりたいことを発表して締めさせていただきます。 1つ目は、構築者がいなくなってしまったExcelマクロをゼロにする。弊社ではかなりの数のマクロを利用していたのですが、残すは2つです。

2つ目は、アダプターが利用できるものはすべて内製化する。現在、私以外に社内で構築できる人員を2名追加予定です。

3つ目は、定型化しているデータ加工業務をゼロにする。現在業務の洗い出しはすべて完了し、ASTERIA Warpの構築作業をしております。

本日はご視聴いただきありがとうございました。ぜひ少しでもみなさまのお役に立てたら幸いです。