2024.12.19
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How Did North America End Up With a Marsupial?(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:みなさんもご存じのとおり有袋類は、オーストラリア大陸に生息する、袋があってかわいらしい変わり種の動物です。
でも、これは正確な描写ではありません。南アメリカ大陸にも多様な有袋類が生息していますし、北アメリカ大陸にも1属のみ、オポッサムが生息しています。
ところで、このひとりぼっちの有袋類は、どうして他の仲間からこんなにも離れて暮らしているのでしょうか? 実は北アメリカ大陸には、オーストラリア大陸が袋を持った哺乳類の楽園となる前から、多くの有袋類が繁栄していたのです。
化石を調べてわかるのは、有袋類の発祥の地がオーストラリアではないことです。最古の有袋類の化石が見つかったのは、オーストラリアではありません。これまでに発見された最古の有袋類の祖先の化石は1億2,500万年前のもので、2003年に中国北東部で出土しました。
また、1億1,000万年前の有袋類の化石が、カナダと米国のモンタナ州やユタ州南西部で見つかっています。2009年には、米国ワイオミング州ビッグホーン盆地の石灰岩層で化石化した頭骨が見つかりました。
この頭骨は、今日私たちがよく目にする人気者の現生有袋類に外見がそっくりでした。これは「peradectid(ペラデクティド)」という太古の有袋類で、現生のオポッサムに近い仲間だということがわかりました。
北米ではちょくちょく「オ」を外して呼びますが、学術的には「ポッサム」と「オポッサム」は別の生き物です。前者はオーストラリア大陸、後者は南北アメリカ大陸で生息しています。
頭骨の発見により、peradectidは、ちょうど恐竜が絶滅した6,500万年前頃に北アメリカ大陸で発生したことがわかりました。peradectidをはじめとする太古の有袋類は、南北アメリカ大陸を自由に行き来していたと考えられています。
しかしこの頃に南北のアメリカ大陸は分裂し、それぞれの大陸の有袋類は別々の運命を歩むこととなります。北アメリカ大陸固有の有袋類は絶滅しました。南アメリカ大陸は他の大陸から孤立し、この期間に南アメリカ大陸固有の有袋類が分化を続けました。
300万年前、南北のアメリカ大陸はパナマ地峡を挟んで再び融合します。こうして多様な進化を遂げた有袋類たちは、新たな大陸に足を踏み入れることとなりました。
北アメリカ大陸に新しく入って来た有袋類の中には、現在たった2種類だけ生き残っている有袋類が含まれていました。その1つがキタオポッサム(virginia opossum)で、今日メキシコ以北で見られる唯一の有袋類です。
もう1つが、メキシコから南米の一部地域に生息するミナミオポッサム(southern opossum)です。
北アメリカの有袋類は、こうして一時繁栄してから絶滅し、再び栄えたのです。キタオポッサムは、私たちには酒瓶のイラストでもおなじみですよね。
さて、オーストラリアの有袋類はどのような経緯を辿ったのでしょうか。オーストラリアの有袋類は、南アメリカ大陸とオーストラリア大陸、南極大陸がつながった1つの陸塊だった時に、オーストラリア大陸に渡って来たと考えられています。
しかし、そもそもの有袋類の発祥の地は、北アメリカとアジアだったのです。
有袋類発祥の地のはずの北アメリカ大陸に、なぜ現在は2種類しか存続していないのか、研究者たちは議論を続けています。北アメリカ大陸の有袋類は、有胎盤哺乳類との競合に負けたためという説を唱える学者もいます。
南アメリカ大陸とオーストラリア大陸では、競争はそれほど激しくなかったと考えられています。有袋類と有胎盤哺乳類は別の時代に生きていたとして「競合説」に反対する学者もいます。
いずれにせよ、エサを食べる姿の愛らしさもさることながら、有袋類の系譜の歴史をひもとく鍵となるオポッサムは、これからも人気者であり続けるでしょう。
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