2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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柳川小春氏(以下、柳川):ありがとうございました。さっそく気になるところがたくさんありました! この取り組み、さらっとお話しされていますが、けっこう地道なボトムアップとインタラクティブな対話(が必要だったと思います)。役割を越えた対話の場も含めて、緻密に地道に取り組まれている印象を受けたんですが、どれくらいの期間を要したんでしょうか?
滝沢勝則氏(以下、滝沢):着任したのが2019年なので、今は3年目になります。一応最初は、ひと通りを1年くらいかけてやりましたかね。この2つ(不安の解消やコミュニケーションの改善)を1年がかりぐらいで。その少し後に「ミッション・ビジョン」を行って。担当横断プロジェクトは1年目からやっていましたが、やっぱり1年ぐらいはかかりましたね。まだまだそれでも課題はたくさんあります。
柳川:みなさんから、さっそくコメントがありますね。
滝沢:いろいろ書いていただいてる。
柳川:トップからの情報発信って大切なんでしょうね。最初、メンバーのみなさんは「解散させに来たんじゃないか?」っていう目で滝沢さまをご覧になっていた、ということなんですけど(笑)。そこで「それはしない」と。「売上貢献はできないかもしれないけど、この事業部を会社として重要な事業部にするのが役割です」っていうのをしっかりと、直接お伝えしたことが一番大事なところだったんじゃないかと感じました。それで、どれだけメンバーの方が安心したんだろうって想像しました。
その後、横断プロジェクトが11件も立ち上がっていったんですよね。ここまで積極的になった理由の根幹には、滝沢さまのお話が効いたというのがあったんじゃないかなと思いましたが、いかがですか?
滝沢:最初に、情報をオープンにしたのはすごく大きかったと思っています。それまで会社がどうなっているのか、この事業部がどうなっているのか? みんなまったく情報を持っていなかったんです。
なので守秘義務に関わること以外、私が経営会議で聞いてきた内容や決算発表の内容も全部、事務の方も含めてみんなにオープンかつ噛み砕いて説明ました。全員が前向きな集団になるにはまだまだ課題があると思いますが、それによって少しずつ不安を解消してきたのはあるのかなと思います。
柳川:ありがとうございます。おそらくこの1つ目(不安の解消)と2つ目(コミュニケーション改善)の順序が逆だと、あまりうまくいかなかったのかもなと思いました。
アンケートを取って「今は雨マークなんだね」って1 on 1でお話をしても、そもそも「この人は事業部を解散させに来ているんじゃないか?」という不安があったら、何も耳に入ってこないじゃないですか(笑)。だから順序がすごく肝だなと感じました。
滝沢:実は、全社で従業員満足度調査みたいなアンケートがあったんですね。当時、お恥ずかしい話なんですが、全社でも下位のほうで、ちょっと“見るも無残な感じ”でした。でも今は上から3番目ぐらいになりましたので、ずいぶん意識は変わっているのかなと思います。もちろん、順番をつけるようなものではないかもしれませんが。
具体的にどう変わったかというと、例えばプロジェクトもそうなんですけど、前は「自由にやっていいよ」と言うと「困ります」と返ってきたんですね。指示してくれないと困ると。そこで「これぐらい自由なことをやっていいよ」って私が事例を提示すると、その通りのものが出てきちゃうんですよ。だから「これは相当に時間かかるな」と思ったんですが(笑)。
そういう意味では今はもう「みんなが勝手に」と言ったらおかしいですが、どんどんそういう(意見やアイデア)も出てくるようになりました。メンバーが変わったことの具体例としては、こんなところです。
柳川:ありがとうございます。Q&Aでホスピタリティについての質問がありますので、ディスカッションテーマに移っていきたいと思います。まず前提としてホスピタリティとは「いい仕事って何だろう」「いい接客って何だろう」ということを考える上で、成果を出されている「スタイリスト」(三越伊勢丹における優秀な販売員の呼称)の共通点に(ヒントが)あるのかなと思います。
どんな状況でも、お客さまに対して期待以上のホスピタリティを発揮できるスタイリストさんの共通点とは、どういったことなのでしょうか?
滝沢:じゃあ参考資料からお話ししたいと思います。三越伊勢丹は百貨店が中心なので、販売員を「スタイリスト」と呼ぶんです。実は過去に優秀なスタイリストの行動をマニュアル化しようという取り組みを散々やってきたんですが、うまくいかなかったんですね。例えば「食品と婦人服は違う」みたいな話で。
滝沢:ただ、様々な角度から分析していくと、実は共通項があるのがわかってきまして。例えばここ(スライドを指して)にもちょっと書いたんですけど、優秀な販売員は「早くからお客さまに注目」しているんですね。
遠くからお客さまを見てるので「あそこで何か手に取った」「ここでもまたバックに触った」「ここで小さいバックに触ったぞ」……で「いらっしゃいませ」ときた時に「お客さま、ご旅行ですか?」から入るんですね。そうすると(お客さまからすると)「えっ、なんでわかったの?」という話になるわけです。
その前から見ているので、お客さまが何を探してらっしゃるかが意外とわかってしまう。なので接客が“8合目”ぐらいからスタートできると。「何かお探しですか?」なんていう的外れな質問はしないんですね。そんなことがいろいろ共通項で出てきたので、こういったものをいくつか共有できるようにしてきました。それが当社のホスピタリティの源泉になっているのかなと思っています。
柳川:ちなみに、具体的に「こんなサービスをされているスタイリストさんがいらっしゃった」など、接客の具体的な例はございますか?
滝沢:例えばこれは京都の伊勢丹での事例なんですが、1階にお菓子の売り場があるんですね。そのスタイリストはやっぱりお客さまに早くから注目して、エスカレーターを降りてくるところから見ていたんです。そしてお客さまが(お菓子の)お土産を買った時に、晴れているのに、雨用のビニール袋をそっと掛けてお渡ししたんだそうです。
お客さまが「雨降ってないのに、なんでビニールを掛けてくれたの?」と聞くと「お客さまは東京からご出張でいらして、これからお帰りになるんですよね? 東京は今日、雨ですよ」ということでビニールを掛けたと。
そのスタイリストはエスカレーターの右側に立っているか、左側に立っているかを遠くから見ていて、「この人は関東から来た人だな」「この人は出張なんじゃないかな」「この時間だから新幹線で帰るんだな」「手土産を探してらっしゃるんじゃないかな」ということを想像し、会話の中からもそれとなく感じ取って雨用のビニールを掛けた、ということなんです。これもホスピタリティの1つかなと思います。
柳川:そんなことされたらもう絶対、次にまた京都に出張したらそこで手土産を買いますよね(笑)。記憶にずっと残りますよね。
滝沢:もちろん、全員がそんなことをできているわけじゃないんですが。
滝沢:あとは売上にはまったくならないんだけど、お客さまからファンになって頂くみたいなことでは、少し前にこんな話がありました。
ブライダルのコーナーに、お子さま連れの方がいらっしゃいました。お子さま連れのお客さまですから、もうブライダルはお済みの場合が大半なわけですが、小さなお嬢さまがプリンセスのようなウェディングドレスにうっとりとして、ショーウィンドウにかじりついていたんです。
そこで、スタイリストがちょっと手招きをして、女の子の頭に本物のティアラを乗せて差し上げたんです。そしてお母さまに「よかったら写真をお撮りになってくださいね」とご案内して。お母さまはいったんは恐縮して「いや、いいです、私はもう結婚式はしないんで!」とおっしゃられたそうですが、最後は写真を撮られたということです。
私どもとしてはそれで完結したんですが、そのお母さまがそのことをSNSに投稿されたんです。お嬢さまは、その時には恥ずかしがって何も言わなかったみたいなんですが、(後で)お母さまに小さな声で「私は将来、伊勢丹で結婚式する」ってつぶやいたらしいんですね(笑)。
その話が「神対応」としてSNSで拡散されて。そのスタイリストは知らなかったみたいですが、そんな話もあります。売上にはまったくならなくとも、お客さまをよく観察して、心に触れる接客をするように心がけてくれた事例です。それは私どもが積み重ねてきていることの1つです。
柳川:そういった体験がすべて資産ですよね。そういったホスピタリティから生まれるポジティブな記憶や体験が、すべて資産になる。この瞬間には1円も生み出さないけれど、巡り巡って企業の成果にも当然ポジティブな影響が、長期的に出てくるのかなと思います。感動しちゃいますよね。私この話、何度聞いても感動しちゃうんですけれども(笑)。
柳川:ただ一方で疑問に思っていることとしまして、このすばらしいおもてなし「ホスピタリティを発揮できました」という情報って、基本的には埋もれてしまうものだと思います。拠点が多かったり、シフト制で働く時間が違ったり、売り場がぜんぜん違ったりで、なかなか伝わらない。また、学ぶ機会があまりなかったりもしますよね。あと(行った本人にとっては)「できて当たり前」なので、あえて自分では言わない。
質問コメントにもありましたが、どうやって「こういった接客がステキだよね」という価値観を共有・浸透させていったんでしょうか?
滝沢:これはおっしゃるとおりで、そういったスタイリストに「すばらしい接客をしてくれてありがとう」なんて言うと、みんな「えっ?」って顔をするんですよ。「私、特別なことしてません」ってみんな言うんですね。「すごいことをした」ってあんまり思ってないんです。「当たり前にいつもの接客をしただけなんです」っておっしゃる。「やってやったぜ」という感覚がないので(笑)、おっしゃるとおり埋もれていっちゃうんですね。
なんですけれど、一応まとめてみようという動きを一時やりまして。全社の「優秀」と言われている人たちから、徹底的に話を聞いたんですよ。「普段何をしていますか?」とか「あなたはどうして接客(という職業に)就いたんですか?」とか。そういう一見関係ない話でも全部聞いていくと「なるほど、だからあなたはホスピタリティのある方なんですね」って(わかってくるんです)。
もちろん「会社が教育して」ということではなくて、そのスタイリストさんたちの人生そのものが現れていることが大半なんです。そのノウハウをシェアするための「場作り」みたいなこともいくつかやりました。
例えばですが、みんなが集まる朝礼のようなものなど。今はリアルにはあまりやらないんですけど、朝礼みたいな場で、先ほど申し上げたお客さまへの観察眼を高めるための取り組みをしたり。これ「ウォーキング朝礼」って言って一部でやっていたんですが、お客さま役の人が目の前をサッと通り過ぎるんですね。一瞬で通り過ぎちゃうんです。
それで「今の方ってどんな靴履いてた?」とか「どんなバッグ持ってた?」とか、後で質問する。覚えていることはみんなバラバラなんですが、優秀と言われてる人はしっかり記憶しているんですね。「みる」には「見る」と「観る」があると思いますが、優秀な人は、一瞬でパッと観察し、お客さまを「観る」ことをしていますね。
以前、笑い話みたいな話であったのは、婦人靴売り場の方に「さっきのお客さまはどんな人だった?」って聞くと、覚えていないことがあるんですよ。足しか見てないから(笑)。
柳川:(笑)。
滝沢:そういうことを習慣付けていくことも、一緒にやっていますね。“秘伝のタレ”っていうほどのものではないんですが、そういうノウハウの場をみんなでシェアするような、さまざまな「場作り」は行っています。
柳川:なるほど。優秀なスタイリストさんの視点を体感するような「場作り」をするんですね。その「場」で、「お客さまをしっかり観て、しっかり関心を持つこと」が優秀さの裏側にあることに気づいていく。そういう機会をご用意されているんですね。
滝沢:はい。ほとんどの接客が「一期一会」と申しましょうか。その瞬間で終わってしまうものですし、どなたがいらっしゃるか基本的にはわからないので。その時に、いかに全方位にアンテナを張って、会話なりアンテナなり五感をフルに使って接客することが大事かなと思います。
柳川:ちなみに、優秀なスタイリストさんを表彰する場などはあるんですか?
滝沢:はい、あります。私どもで雇用している従業員だけでなく、店頭にはショップを構えているテナントの従業員の方もいらっしゃるんです。そういう方にもすばらしい人が多いので、(テナントの方も含め)年に1度「エバーグリーン」と呼ばれる、優秀なスタイリストの認定・表彰制度があります。
その人たちが「エバーグリーン」という特別なネームプレートを着けていますので、店頭に行っていただくと、65,000人ぐらいの中で何人かの割合でいたりします。
柳川:エバーグリーンというお名前も素敵ですね。みずみずしい感じ。
滝沢:そうですね。これ実は、みなさんのヒアリングからも出てきているんです。優秀なスタイリストさんの共通項の1つとして「終わりがない」というんですかね。自己研鑽(の意識)がすごく強い方が多いんですね。
「いえいえ、まだまだ私なんか全然です」と言う方がほとんどなんです。そのグリーンというのは、一つひとつ違う1本の木で。いろんな木が森のようになっていって広がっていくと、いずれはエバーグリーンの森になっていく。この会社全体が、たくさんの多様な木の緑でいっぱいになるように、エバーグリーンの森になるように願いを込めて「エバーグリーン」という名前をつけさせていただいています。
柳川:そのネーミングによって、また意識付けされるものがあるなと感じました。売り場を「お買い場」とおっしゃっていたり、販売員さんじゃなく「スタイリスト」さんと表したり、トップ接客大賞などではなく「エバーグリーン」と呼称したり。
そういった一つひとつの「言葉」の使い方が、(組織の)風土作りにもすごく良い影響があるのではないかなと感じました。単なる感想になっちゃいましたけど(笑)。
滝沢:もちろん「売上が1番」とか「お客さまの数が1番」みたいなことで優秀と言われる方もいるんですけど、我々のエバーグリーンはそういう観点よりも……もちろんそういう面もなくはないんですけれど。
やっぱりたくさんのお客さまに喜んでいただいた方とか、みんなが真似したい存在である方を表彰させていただいています。ここが私どもの特徴かもしれませんね。
柳川:すごくヒントになります。ありがとうございます。
滝沢:ちなみに今おっしゃっていただいた「言葉」ですが、優秀なスタイリストさんはあまりネガティブワードを使わないんですよ。
食品だと「固いお肉」とは決して言わないで、「歯ごたえのあるお肉」という言い方をするとかね(笑)。
柳川:(笑)。
滝沢:衣料品でも「残り物」とは言わないで、「希少価値のあるお洋服」と言ったりするみたいですよ。それも意識しているわけではないようです。
柳川:無意識なんですね。それはマニュアルにするというよりも、さっきのお話にもあったとおり日々耳に入るいろいろな情報とか、視野に入るもので徐々に共通認識が生まれていくものなのかなと感じました。
滝沢:そうですね。
柳川:まだまだこのテーマで深堀りができそうですが、お時間が差し迫っていて。次の質問、けっこうみなさん気になるところだと思います。
新しい取り組みに対する反対意見とか「そんなこと意味ないからやらなくていいよ」みたいな抵抗って、必ずあると思います。「さまざまなステークホルダーさんがいる中で、そういった反対意見などにどうやって向き合われてきたのでしょうか?」。そこをぜひお聞かせいただきたいです。
滝沢:ビジネスソリューション事業部という新しい部署を、この4月に立ち上げました。私は中間管理職というポジションで、それに対してもやっぱり反対意見ってあるんですよね。
社内でも「また勝手に新しいことを始めている」と見る方もいらっしゃるし、もっと言うと我々の事業部の中にも「部長はいつも『新しいこと』『新しいこと』と言うけど、目の前のお客さまはどうするんだよ。そっちのほうが大事じゃないの?」と言う方もやっぱりいらっしゃいます。
なので、そこはバランスを取るようにはしていますが、そういう意味ではなるべく現場の意見を尊重することを意識しています。それでも、まだまだ課題は大きいかなとは感じています。
柳川:けっこうみなさん、温度感の差は常に苦しまれるポイントかなと思います。
滝沢:そうですね。
柳川:先ほど冒頭でもおっしゃっていた、最初に不安の解消をするとか、まずはしっかりと相手の感情を受け取った上でアクションを起こすというのが、1つの答えなのかなと感じました。
滝沢:やっぱり温度差ってあるんですよね。なので、私がこうやっていくら申し上げても、現場に行くとやっぱり「そうは言っても」という話は当然出てきます。
「それはそういうものなんだ」と、私は思うようにしています。なので、私はなるべく「言い続けること」「発信し続けること」「みんなが迷わないように決めてあげること」だけは、逃げずにやろうと思っています。あと「責任を取ること」ですかね。それだけです。仕事内容は全部みんなに任せて、なるべくみんなを尊重することで温度差を少しでも埋めていこうと考えていますね。
柳川:考え方は接客と一緒かもしれませんね。観察して、何が今の自分にできるかという視点で取り組まれていらっしゃる。
滝沢:発信し続けると、やっぱりいろんな人が見てくれるんですよね。いつのまにか仲間を巻き込んでいることもありますし。心理学的な話でもありますが、発信を続けることで、偶然の出会いを生んだり、発言したことによって仲間が増えたり。発信することが、新しい出会い、偶然の発見、何かを始めることにつながっています(≒計画的偶発性理論)。
柳川:継続的な発信を通して、最初は不信感を持っていた方も徐々に「こういう考えは共感できるな」などいろいろ感じるものがあったんでしょうね。それで仲間になって。仲間が1人2人と増えていくと、だんだん抵抗勢力を上回る日が来ると思うので。そうなった時に初めて組織内で、大きな動きが目に見えるかたちで起きるのかなと思いました。
滝沢:あと先ほどの温度感の話ですが「フラットに意見が言える風土にする」って、すごく大事だなと思っていて。それこそ「部長は解散しに来たんですか?」ってストレートに言ってくれて、逆に良かったなって思うんですよね。
率直に意見交換することもそうですが。その意味では、ちょっと宣伝っぽくなってしまいますが、Uniposさんのアプリなんかは、誰でもフラットに意見が言える・感謝をし合える風土作りに役立っていると思います。それでフラットな体制ができていると思っています。
柳川:良かったです。ありがとうございます。
滝沢:あと(コメントを指して)「任せるというのは無責任だ」っていう意見もあったりして。これはおっしゃるとおり「無責任だ」とか「方針が出てない」とか言う人もいますね。
「方針がなきゃ我々は動けない」「なんで上は方針を出さないんだ?」と。出してるんですよ、出しているんだけど、たぶんみんなの腹に落ちてないんですよね。その代わり、判断すること、要は「決めること」と「責任を取ること」は絶対にやるようにしています。
だから例えばメンバーに任せて何かトラブルがあったりしても、(責任を取らせるようなことはしない。)もちろん原因(究明)はやりますけれどね。それは「私の責任」として逃げないことは、なるべく意識しています。でも、(任せるのは無責任という意見も)おっしゃるとおりです。なかなか難しいです。
柳川:感じ方も人それぞれですし、いろんな意見が出てくると思います。でも「責任を取る」「決定する」「ここはやる」などしっかり発信され、有言実行をされていますよね。これを繰り返しているうちに、信頼関係や役割分担が決まり、(社員の方が)自分のやるべき範囲などに違和感が生じた時には、きちんと伝えられる関係にもなっていきますよね。
滝沢:この「答えを教えてくれ問題」は今も続いています(笑)。だからここは非常に難しいですね。ただ、もうこういう時代になってしまいましたから。例えばコロナがまさにそうじゃないですか。誰も正解がわからないから、もう各自が試行錯誤して行動していくしかないんですよね。
PDCAじゃなくて「OODAループ」というものがありますよね。状況に合わせて、とにかくその都度判断して、修正しながら進んでいくやり方ですが。(我々は)そうしないと、もう生きていけないんだと言い続けているんです。
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