一人で消費をする「ソロ活市場」が急増

荒川和久氏(以下、荒川):今日は、多少回り道的なお話もすると思います。これは市場でいうと、今までの高度経済成長期のスーパーマーケットの主婦が希望したのは、ここ(ノンソロ)です。家族市場です。

なぜなら、家族の財布はお母さんが握っていて、お母さんが一家の買い物を全部仕切っていた部分がありました。この4割の世帯の家族のお母さんが全部買い物を仕切って、家族市場というものが全体を占めていたんです。

今後は、さっきも言ったように4割、5割が独身になる。もうすでに4割です。状態としては、独身の人たちが物を買う市場があるということが1つと、実はもっとデカいのが、カゲソロも含めて「本当は1人で行動したいんだけどな」というような人たちが使うソロ活市場というのがものすごく増えている。

実は、独身市場と、既婚・未婚の状態に関係なく1人で消費をするソロ活市場というものの両方が生まれてきます。家族市場はたぶん、さっきも言ったように、6-4くらいにシュリンクしていくんだろうと。

これは「ソロ活が増えた」という話です。「1人で行けるもん」という、1人で行ける人の率です。

中野信子氏(以下、中野):ああ。

荒川:これ、意外に水族館とか動物園とか、女性のほうが1人で行っている。

中野:美術館もたぶん女性が多い。

荒川:ああ、そうです。一人で旅行に行くのもけっこう女性が多い。この間ちょっとテレビを見ていたら、男はおっさんになると国内旅行に行きたがる。

(会場笑)

海外ではなく、国内旅行に1人で行きたがる。

中野:お疲れなんでしょうね……。

(会場笑)

荒川:温泉みたいなところと、フェス。音楽のフェスとかライブって、昔は友だち同士で行ったじゃないじゃないですか。今は1人で行くんですって。なぜならば、音楽の趣味が合わない友だちと行っても気を使うだけで楽しめない。

中野:わかる(笑)。

荒川:行くんだったら、行った先には好きなやつしか集まっていないんだから、そこで友だちになればいいじゃんみたいな。

中野:合理的ですよね。

荒川:みたいなノリらしいですよ。

性格と何の関係もない血液型診断を信じる心理

中野:女性の選択もすごく変わってきたなという印象があります。生まれつきじゃないんだろうなと思います。昔は、女性は仲間を求めたがるというような都市伝説が流布していましたけれど、けっこうそうでもないですね。

荒川:あ、そうなんだ。このあと詳しく説明しますけど、女性の特性というようなことがずっと言われていたじゃないですか。そういうものが最近当てはまらないことが多いなと。

中野:非常にいい傾向だと思います。というのは、ステレオタイプ脅威というのがあって。例えば、みなさん、ナントカ分析とかナントカ診断とか自分の性格はこうだというのをやりますよね。そうすると、「そうだ」といわれた性格に寄せちゃう。その現象をステレオタイプ脅威といいます。

この記事は無料会員登録で続きをお読み頂けます

既に会員登録がお済みの方はログインして下さい。

登録することで、本サービスにおける利用規約プライバシーポリシーに同意するものとします。

SNSで会員登録

メールアドレスで会員登録

パスワードは6文字以上の文字列である必要があります。