1,000人規模の会社でたったひとりの人事担当

杉浦二郎氏:みなさん、こんにちは。20分と短い時間ですので、だいぶ駆け足になりますけれども、よろしくお願いいたします。

まず簡単に自己紹介ということで、私は現在、モザイクワークという会社を経営しております。2015年の9月までは三幸製菓というお菓子メーカーで、ずっと採用活動をしておりました。最近も服部泰宏先生が『採用学』という本を出されて、いろいろな事例を出していただいています。私はそれをずっとやってきました。現在は独立をしまして、組織人事のコンサルティングや採用のコンサルティングの仕事をしています。

三幸製菓という会社はすばらしい会社でして、約1,000人くらいの社員がいるのですが、もともと人事は私1人でやっておりました。最終的には5人くらいまで増えましたが、それまでずっと1人でやっていたんですよ。

毎月の給与計算から労務の対応、年末調整や年に2回の賞与の計算など、採用以外も全部やっておりました。結果として全部できてしまうことになったので、独立した今となっては、ありがたい会社だったなと思います。

そんな話を他の人にしますと、「すごいブラックですね」と言われてしまいますが……。三幸製菓のイメージをどんどん悪くしてしまっていますね(笑)。

そういった意味で、いろいろ貴重な経験はできているんですね。三幸製菓は新潟の会社で、実は私、今も新潟市民なんですよ。家族は基本的に新潟にいて、東京と二拠点生活をずっとやっているという状況ですね。というところで、私の紹介はこのくらいで終わりにします。

採用強者と採用弱者

今日のテーマは「データと採用」ですが、僕は正直、AIそのものに関して知見があるわけではないんです。なぜかというと、ずっと自分ひとりで人事をやってきたからなんですね。なので立ち位置としては、AIもしくはデータというものを使って、採用というフェーズにどうやって落とし込んでいくのかについて、少し泥臭い観点からお話ができたらなと思っております。

その前に、ちょっと考えなきゃいけないことがあります。実は僕、そもそも採用に関して一生懸命がんばらなきゃいけない人と、がんばらなくてもいい人がいるんじゃないかなと思っているんです。

(スライドを指して)左側の人はそんなにがんばらなくてもいいんじゃないかなと個人的には思っているんですね。大量採用していて、分母が多い場合ですね。つまり、社内に労働市場が形成されていて、採用がうまくいかなかったとしても配置でなんとかなるケースです。

そういうケースって、たぶん実際にあるんだろうなと思っているんですね。その場合は、採用がめちゃくちゃがんばらなくても、その後のフェーズでなんとかなると思っているんですよ。

一方、こちらの右側のところですね。三幸製菓もここに入ります。内部の労働市場が形成されていない、もしくは採用人数があまり多くないという場合です。この場合、かなりピンポイントでしっかり採用していかないと、後工程でどうにもならなくなってしまうケースです。(採用には)この2つがあるんだろうなと思っています。

僕らはそれを「強者・弱者」と呼んでいます。つまり、採用人数が多い有名企業で、黙っていても人がいっぱい来るようなところは採用の強者になります。その場合、一人ひとりピンポイントでしっかりと丁寧に採用していこうとしてしまうと、はっきり言って選考コストが上がるだけなんですね。

その一方で、我々も含め少数精鋭で、後工程ではどうにもならないという場合、少数高質な採用をしっかりとやっていかないとだめなんです。ここでこそ、データをしっかりと見定めながら、採用を丁寧にやっていく必要があるんじゃないかなと思います。

「なにを見ないか」の定義が重要

(スライドを指して)ここに採用の課題をいくつか提示しているのですが、なんといっても感覚的で非常に曖昧なところに課題感があります。あとはなにを見るのか。採用における一番の問題は、「なにを見ないか」の定義がほとんどされていないことだと思っているんです。

だから、ペルソナ設定をしたときに、とんでもなくたくさんのものを抱えてしまうんです。その条件に合う人材は社内に全然いないし、労働市場で採用しようとしても、年収がものすごく高くなる。そういうことが普通に行なわれてしまっているのが、今の採用市場なんですね。だから「なにを見ないか」をちゃんと設定をすることが大事じゃないかなと個人的には思っています。

あと、僕は面接そのものがあまり好きではないというのが結論としてあるんです。なにより、優秀の定義がやっぱり曖昧ですよね。とくに自社の優秀定義が非常に曖昧だと、一般論化されてしまうんです。「やっぱりコミュニケーション能力だよね」だとか「主体性がほしい」とか、結局そんな話になってしまう。しかもそれが暗黙知化してしまっているんです。

結果としてナレッジがあまり共有されず、採用担当者が代わるたびに方法や戦略、考え方がどんどん変わっていってしまう。そして結局PDCAが回っていかない、といった現象がけっこう多いなと思っています。

いかにして面接に頼らない選考をすべきか

(スライドを指して)これは採用学研究所で服部先生もよくお出しになるデータです。右側にいけばいくほど変わりにくくて、左側にいけばいくほど変わりやすい。まぁ、左側の能力なんてものは見なくていいんじゃないのと思っていますし、逆に右側の能力は変わりにくいのでしっかり見ないといけません。

ただ間違ってはいけないのが、これが高いからいいとか、低いからだめだという話ではないということです。自社にとってどれくらいがちょうどいいのかをちゃんと定義したほうがいいという話であって、右側を持っていればいい、持っていないから悪いという話ではないことは付け加えさせていただきたいなと思います。

僕はあまり面接が好きではないんですが、面接の選考や選抜はやっぱり難しいなと思っています。ですが、データが必要なのを否定はしません。アセッサーとしてトレーニングをちゃんと積んで、しっかりと面接できる方であれば、ある程度の効果は出せると思います。

ただそれを、現場マネージャーにいたるすべての人にインストールする作業は膨大です。手間ですし、結局無駄になるんじゃないかと考えると、かなり精度の悪いものになっていってしまうと思っているんですね。

そうなったときに、「いかにして面接に頼らない選考をすべきか」について考えなければいけないのが、1つ重要なことです。

好き嫌いのバイアスもプラスになり得る

もう1つは面接の効果をきちんと考えることです。僕は、これには2つの効果があると思っています。

1つめは社内の合意形成ですね。言うならば稟議書みたいなものです。一次面接であの人に会わせて、二次面接でこの人、そして最後は社長に会わせればOKだよね、というものですね。

もう1つは、熱量の交換です。人と人とが会うと、どうしても熱量が交換されてしまいます。結果として、好き嫌いのバイアスがかかっていくわけですね。でもこの部分って、実はプラスでもあると思っているんですよ。

会わなければ好き嫌いのバイアスはかかりにくいですよね。でも一度会ってしまうと「よくわかんないけどお前のことが好きだから採用するよ」とか「よくわかんないけどごめん、ちょっとお前違うと思う」とか、最終的にそんな感覚的なことで決めたりすることになります。

でも、それってわりと大事なんじゃないかと思っているんです。僕がよく社長に言っていたのは、「最終的には社長の好き嫌いで決めていいですよ、だってオーナー会社でしょ」ということでした。

オーナーが社員を嫌いになったらもうどうしようもない。オーナーの好き嫌いについてなんか、自分にはよくわかりません。だから「社長はとにかく好き嫌いで選んでください」という話もしていたんです。

つまり、面接というのはこういった効果はあるけれど、アセスメントをするという機能から考えるとちょっと弱いというのが、僕が人事をずっとやってきた中での1つの結論かなと思っています。

マイクロリクルーティングという採用のデザイン

そんな中で、僕らはマイクロリクルーティングという言葉を最近よく使うようにしています。最小の効率で最高の採用をしていこうということですね。これはなにかというと、採用と配置と育成を3つセットにして、しっかりと戦略を立てていかないといけないということです。

どこにどれだけのウェイトを置くか考えるのは当たり前のことなのですが、意外とできていないと思っているんですね。そんなときには、立場の上と下で採用に対する考え方が違っているはずなんですよ。

つまり、「後工程が全然ダメだからとにかく採用をがんばらない」といけないという会社もあれば、「後工程はけっこう上手だから、採用なんて正直最初から順番に採用したらいいんじゃないですか」という会社もあるんです。

まずは人事戦略全体のポートフォリオを形成しつつ、どこに配分していくのか考えなければいけないんですね。僕が三幸製菓で、話題にしていただけるくらい採用をがんばっていたのは、(スライドを指して)三幸製菓はどちらかというと上だからなんですね。残念ながら後工程があんまり期待できなかったんです。

ということは、めちゃめちゃがんばってピンポイントで採用していかないと、辞めていくとか活躍しないといった現象が起きてしまうんです。これはマズイなということで、採用をめちゃめちゃがんばっていた経緯があります。

これって結局、効率なんですよね。よく採用における費用対効果で、「今年は去年に比べて媒体費を何百万円増やしたから、エントリー数も何人増やさなきゃいけない」「今年は1.5倍にしなきゃいけない」といった話があります。

KPIって、そういった極めて小さいところで形成されがちなんですよ。でも、僕らからしてみたら「そもそも人って、活躍しなければなんの意味もないよね」ということを考えていかないといけない。

活躍できる人材を最小の効果でどうやって取りに行くのか。それをデザインしていくのがこれからの採用の考え方なんです。僕らはそれをマイクロリクルーティングと呼びます。

日本一短いエントリーシート

マイクロリクルーティングによる世界観ですが、「1人を募集、1人が応募、1人の採用」というのがシンプルで気持ちが良いんですね。1人しか採用しないなら、必要な1人だけが応募してこればいいじゃないかという考えですね。

僕らが提唱しているのは、「じゃあ、その1人はどんな人なのかについてちゃんと定義しようよ」ということです。私たちがコンサルティングに入らせていただくときは、「ここを徹底的に追求してしっかり見極めましょう、そのためにはデータの活用が不可欠なので、しっかりと押さえていきましょう」とお話ししています。

ここで、三幸製菓で行なったことについて少しお話ししたいなと思います。日本一短いエントリーシートです。内容は「メールアドレスを入力してください」「新潟が好きですか?」「お煎餅が好きですか?」だけだったんですよ。ネーミングが良かったのか、いまだに取り上げていただくケースがけっこう多いです。

(スライドを指して)もしかしたらみなさんも見たことがあるかもしれませんが、実はネタ元があるんです。最近ではセプテーニさんも、データの話をされるときにこの『マネーボール』の話をされています。僕らも同時期にこの映画に感化されているんですね。なぜかというと、みんな同じ時期にそんな話をしていたからです。

セプテーニさんには、江崎(修平)さんという方がいらっしゃいます。彼はだいたい5〜6年くらい前に「これからはもっとデータと向き合って活用していかなきゃいけない」と考えて、そこから大きく変えていったところがあるんですね。

野球を「27回アウトを取られるまでは終わらない競技」に再定義する

ただ、僕らが『マネーボール』から得たものは、実は「データは大事だよね」という話ではないんです。ではなんだったのか。

ベースボールの辞書的な役割は、「9人ずつ二組に別れて、ボールを打って得点を争うスポーツ」ですよね。ビリー・ビーンのすごいところは、この野球の定義から見直しをしたところなんです。つまり、野球とはどうあるべきなのか、野球とはなんなのかという定義を変えたんです。僕らは、そこがこの『マネーボール』の一番の肝というか、データを見るべきポイントの肝がここにあるんだなと感じたんですよね。

野球を「27回アウトを取られるまでは終わらない競技」と定義することで、見るべきポイントがまったく変わっていくわけです。先ほどのように「1点でも多く点を取る」というスポーツになってくると、やはりホームラン数や勝利数に目が行きがちですよね。

だけど、こういう捉え方をすることで、「アウトにならないためにはどうしたらいいのか」という見方になっていきます。そうなると、出塁率みたいなところや、いかにフォアボールをもらうかという人が大事になってくるんですね。

つまり、「アウトを取られない人をどう採用していくか」にシフトすることができるわけです。これは採用と同じ考え方だと思っています。当然のことながらホームランを取れればいいし、打率が高い人や打点が多い人を取れればいいわけですが、そうそう取れるわけではないですよね。

じゃあどういう人だったら取れるのか。その定義を変えてあげることで、僕らなりのデータの取り方ができる。この方針は、実はこの映画から学んだことがベースとしてあります。

採用活動を再定義してわかったこと

そうすると見え方が変わってきます。僕らがなにを変えたかですが、まず採用活動の定義を変えてみようとなりました。(スライドを指して)採用活動の辞書的な定義はこうなっています(注:採用活動=「官庁・会社・団体などがその構成員として選び雇うための活動」)。その中で、僕らは「採用は個と組織の接続であり、採用活動はその中における情報のやり取りだ」と再定義をしたんですね。

(スライドを指して)つまり情報のやり取りの再定義をしました。いつ、どこで、どんな情報を、どれくらいの量をもらえばいいのか。それをジャスト・イン・タイム的な考え方で順番に並べていったんです。そうしたら、最初に僕らが取らなきゃいけないのは連絡先だとわかりました。その次に、その人がどんな能力を持っているか。名前や学校名って、正直最初いらないよねとなったわけです。

まぁ当たり前ですよね。名前がいいから採用したり、大学名がいいから採用したりするのではないですし、その人がどういう能力を持っているのか、どういうスキルを持っているかのほうが大事なんです。

それ以前に、連絡先がわからないと連絡ができないですよね。こうやって並べていって、それぞれに合うデータの取り方をどうするかについて施策を打っていきました。

でも、じゃあエントリーシートはこれで適正審査はこれ、選考方法はこれといった感じでなんとなく作ってしまうと、そこには話題性もなにもないじゃないですか。なので、ちょっとキャッチーな言い方やおもしろい言葉を使って打ち出すことによって、マスコミにも取り上げていただこうと思ったんですね。

もちろん、ただおもしろいだけではなく「実はこんなことを考えて、こうやってるんです」という話をすると、記者の人がものすごく食いついてきて、情報がどんどん拡散していきます。当時話題になったことには、こういう現象が起きたからなのかなと思っております。

採用後から逆算してプロセスを考える

実は、これまで僕らが講演するときに言っておらず、記事にもしていないことがいろいろあるんです。今日はそれをお話ししたいと思います。

つまり採用後にどうするかという話です。逆に言えば、採用後から逆算してどう採用するかを考えないといけなくなったときの場合ですね。採用って、ある種のネットワークの中に人をぶち込むわけじゃないですか。5人の部署だったら5人の、10人の部署だったら10人のネットワークにポンと入れることになるわけです。

そういったある種のネットワークの中に人をぶち込むには、そこで人が機能するのかを理解して採用しないといけません。例えば、会社としていい人を採りましたと。でも、どこの部署に置いたら一番効果が出るのかがわからない。さらには、「採ったはいいけど、入れる場所がないぞ」となってしまう可能性もあります。なので、逆算してちゃんと採っていこうというところをやっていったんです。

ただ、あんまりかき回してもよくわからなくなるので、クラスターを3つぐらいに分けて、どのパターンが一番多いか分析をかけていったんですね。そうすると、クラスター1、クラスター2、クラスター3というのが、どうやら三幸製菓の社員のパターンとしては一番多いと。この3つくらいにわけられるという結論が出たんですね。

部署ごとのクラスターをすべて可視化

(スライドを指して)ここに部署名をずらっと挙げてあります。各部署にどのクラスターの人がどのくらいいるか、データを全部可視化していったんです。すると、例えば今回採った人はクラスター1なので、じゃあクラスター1が多いところに配属するといったことができるようになります。

例えば、クラスター1とクラスター2しかいない部署に、スキル的にどうしてもクラスター3の人を配属しなければいけないとします。異動も含めて、どうしても配属しなきゃいけないとなったときには、上長に「これまでの部下にはちょっといないタイプです」と連絡をします。

「部下のみなさんには、たぶん◯◯なタイプと◯◯なタイプが多いです。今度配属される人は◯◯なタイプなので、こうやって対応してあげてください」と具体的に伝えます。感覚ではなくて、実態を見せながら受け入れ先とすり合わせをして配属するようにしていきました。

そうしている内に部門長も、「人事は適当に採用している」「いきなり押し付けられる」といった捉え方から、「そこまで考えてくれてるんだ」「そこまで可視化してくれてるんだ」と変わっていきます。

こうしてだんだん受け入れる体制ができていきます。なにより、受け入れるときに「なんかこいつよくわかんないんだけど」という言葉がなくなって、「言ってたとおりだね」と納得してもらえるんです。

こうやって、こまかくクラスターごとに特徴を出していくんですね。さらに各部門長には、それぞれのクラスターに対する対応の仕方や、こういうクラスターの人はこういうタイプで、こういった特性があるからこうした方がいいですよ、みたいにディスカッションしていきました。

欲しい人材は、得てしてすでに社内にいたりするもの

これは言わずもがなですが、採用・配置・育成はちゃんと連動させなければいけません。感覚ではなく、可視化してデータを見せて取り組んでいかないと、やっぱりお互い納得していきません。

ましてや自分よりも目上の役職者の人に話をするときは、当然のことながらマウンティングされてしまいます。マウンティングされず冷静に話すためにも、データはとても大事です。それを見ながら詰めていく作業は、人事マンとしてとても大事な話じゃないかなと思っています。

他にも、実はいろいろと事例があります。具体的にどこの会社がどうだという話はできないのですが、僕らがコンサルティングに入っているときは、データを分析しながら「御社にはこういうタイプの人がいます」と提示します。けっこう多いのは「うちはこういう人が欲しいんだ」「ああいう人が欲しいんだ」という話ですね。当然のことながら、こうやって分析して可視化するわけですね。

そうやって「おそらく社長がおっしゃってる人は、僕らが分析した結果によると、こういったタイプの人です」とバイネームを挙げるんですよ。「御社にいますよ、この人です」という話をするんですね。もちろん事前に僕らが調べておくのですが、だいたいそういう人は異端児なので、評価されていないんですよ。

でも、トップは「今までにない人が欲しい」という話をするじゃないですか。実際に僕らがコンサルに入らせていただいた会社さんでも、そういった結果が出たんですよね。たまたま1人だけピッタリの人がいて、その人の評価シートを人事の方からいただき、同僚の人たちにヒアリングをしてみたんですね。すると、評価が良くないんですよ。むしろ普通以下だったんです。でも周りの人に話を聞いてみると、「あの人って、変わった発想をする人だよね」とか「ちょっと変わってるけど、おもしろいこと言うんだよね」と認めているわけです。

だけど上長側は、結局その人に対して「こいつは言うこと聞かない」とか「なに言ってるかわかんない」「ぜんぜんチームの和を尊重しない」とか、そういったよくわからないところで評価をぐっと下げてしまっているわけですね。当然のことながら社長はそんなことを知らないので、こういった話になってしまいます。

ワーディングだけでペルソナ設定することの危険性

そんな結果がでたときに「じゃあどうしますか?」という話をするわけです。採用するときに、「この人を採用することになります。でも、この人を採用したらまた不幸な人になっちゃいますけど大丈夫ですか?」という話をしたんです。そこでこの会社がなにをしたかというと、データをちゃんと見せてお伝えしていますので、社長は「わかりました、自分たちが変わります」という話になったんですね。

そして「ただ、自分ではうまく説明できないから、全役員の前であなたから説明をしてくれ」「我々の採用はどうあるべきか、そのためには自分たちがどう変わらなきゃいけないのか説明をしてくれ」との話を受けました。

結局僕らが入って、全役員のみなさんに実名をお出ししながら説明せざるを得なかったわけですね。「こういう人がいます。これからはやっぱりこういうタイプの人が評価されないといけないと御社では思っているし、社長のメッセージングとしてもそうなりました」と説明しました。「評価者であるみなさんが変わってください」という話をして、納得してもらったということがあったんです。

データに基づき、しっかりとペルソナ設定をしたから納得してくれたんですね。ワーディングだけでペルソナ設定をするとやっぱり間違ってしまうので、裏側でしっかり補足してあげながらどうするか議論をして、最終的に決めました。

おそらくみなさまの会社の中でも、なかなか推進できないとか、やりたいけれども導入できないといったように、うまく進まないことはあると思います。しかし突破口はいくらでもあるはずで、うまくデータを活用して説得すれば経営と握れるような気はしています。

僕らはずっとそれをやり続けていますし、もちろん今もやっております。ぜひ、うまく活用していただけるといいなと思っております。駆け足でしたが、私からは以上で終了したいと思います。どうもありがとうございました。

(会場拍手)