Gunosyのミッション
福島良典氏:みなさま、本日は第1回事業戦略発表会にお集りいただき、誠にありがとうございます。
株式会社Gunosy・代表取締役の福島と申します。Gunosyとしてこういう発表会を行わせていただくのは初めてとなりまして、非常に感慨深い思いです。本日お集まりいただいた400名の方々に改めてお礼を申し上げます。
さて、本日はGunosyの今までの歩み、これからの戦略の発表をさせていただきます。まず、Gunosyは先月で3周年を迎えたのですが、Gunosyを使っている方はどのくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
ありがとうございます。Gunosyというのは3年前、人工知能を研究する大学院生3人ではじめたんですね。それが今では60名を超える組織となり、このように大勢の方々に使われるサービスになりました。
あの頃から我々の気持ちは変わっておらず、自分たちの好きなものを作ってそれをこんなに多くの方々に使っていただき、社会に多くの影響を与えられるんだという当時の感動が今でも忘れられません。
Gunosyはこのようなミッションを掲げております。
「情報を世界中の人々に最適に届ける」
人工知能が持っているテクノロジーとデータをもとにした人の判断をミックスしましてユーザーが欲しい情報をストレスなくきちんと受け取れる社会を目指しています。
Gunosyの3年間の歩みについて
まず、Gunosyの3年間の歩みについてお話しさせていただきます。
ダウンロード数については700万ダウンロードを超えました。特に注目していただきたいのは、最近のダウンロード数の急激な伸びですね。4月では大体月間50万ダウンロードほどだったのが、先月の10月は月間で100万ダウロードを達成しました。伸びが非常に加速しています。
そして、Gunosyはリリース当初多くの方に疑問をもたれました。Gunosyのようなニュースアプリはニッチなサービスなんじゃないか、本当に多くのユーザーが使うようなサービスになるのか、と。そういった期待を良い意味で裏切れたかな、と思っています。
次に、提携メディア数です。提携メディアは200社を超えました。提携しているメディアの方々と一緒にやらせていただいていることとしまして、記事を高速に表示するという取り組みをさせていただいています。
そして次は、各メディア様に送っている送客数、PV数ですね、月間100万PV以上を超えているメディア様が100媒体以上。つまり、実に参加いただいているメディア様に月間100万PV以上の送客ができています。この数字を我々は非常に誇りに思っています。
Gunosyの広告効果について
続いてアクティブ率ですね。我々がアクティブ率を発表するのは初めてとなります。このアクティブ率の定義ですが、DAU(デイリーアクティブユーザー)をMAU(マンスリーのアクティブユーザー)で割ったものになります。
(アクティブ率について)46パーセントという数字が出ております。Gunosyはあまりアクティブに使われていないという声をたまに聞くのですが、この数字がひとつの答えになっているかと思います。
Gunosyは非常にアクティブに毎日使われているサービスだということがわかると思います。
続きまして、広告主様についてお話しします。GunosyAdsという広告のサービスを販売させていただいていまして、そこにご出稿いただいている広告主様の数が過去3ヶ月で400社様となっております。
この数字も1年前からすると全く信じられない数なんですが、ここでひとつ疑問があると思います。
「本当にGunosyに広告を出して効果があるのか?」という疑問です。これについては非常に高い評価を得ています。これは我々の広告を経由して、予約・購買にいたった数、コンバージョンは累計で100万以上となっています。強調しておきたいのはこの数字は送客した数ではなく、送客した先で実際に予約・購買にいたった数となります。
数字のイメージがつきにくいかもしれませんので、ここで仮に単価を10000円だと考えてみましょう。そうするとGunosyを経由して100億円もの予約・購買が実際に行われていることになります。
購買活動への繋がりやすさがGunosyの特徴
さらに、この数字で注目すべきは「広告を経由して」、つまり直接だけの数字でこれだけの数になっていまして、Gunosyは様々な記事を配信していますので検索などによって間接的に店舗に行ったりする数も含めると数倍から10倍の数字になります。
つまり、Gunosyを通じて500〜1000億円くらいの経済活動が生まれていてもおかしくないということです。そして、今回発表させていただく新戦略の根幹となる部分もここに関する話となります。
Gunosyというサービスについて多くの方々はニュースアプリとして認識されていると思います。しかし、実際に我々が届けているのは情報です。Gunosyを経由して、そういった実際の行動につながる情報を提供していると我々は捉えています。
情報を届け、興味を促進して、その中で行動する、そういったメディアになっています。
スマートフォンの普及によって生じた変化
新戦略の話に移る前に、スマートフォンについて考えてみましょう。我々は、外に持ち運べるインターネットだと思っております。実際にスマートフォンが登場したことによって生活に近いサービスが増えてきています。
例えばアメリカでは、スマホからタクシーが配車できるだとか、位置情報を使ったチラシだとか、専門家に簡単にチャットで聞けるなど、生活に密着したサービスが増えてきています。今後こういったサービスはますます増えていくと思われます。
一方、スマートフォンでアプリを入れている人について考えてみましょう。1年間でスマートフォンのユーザーがいくつのアプリをダウンロードすると思いますか?
100ですかね? App Storeを見ると大量のアプリがあるので1000ですかね? 実際の数字は平均で7〜8個なんですね。
1年間で7〜8個です。では、その中でどれくらいの量を使っているのか? 1ヶ月に10回以上使うアプリの数は平均で9個と言われています。ここでいうアプリというのは、基本的なメールだとか、メッセンジャーだとかも含まれていますので、実体で言うとかなり少ないです。
スマートフォンによってできることはどんどん増えているのに、ユーザーにとっては非常に難しく、おそらく使えないものが多いという問題があると考えています。
そこで、我々はスマホポータルの再定義をしたいと考えています。どういうことかと言いますと、ポータルというのは情報の入り口ですね、スマートフォンになって生活に近いサービスが出てきて、その中で情報の入り口も再定義する必要があると考えたわけです。
「Gunosy5000万人都市構想」
そこで、今回我々が示すビジョンが「Gunosy5000万人都市構想」。
ひとつひとつ説明していきます。まず、都市とはどういうものか? 駅を入り口にして魅力的な店を誘致していきます。その魅力的な店が魅力的なサービスを提供することによって人はさらに駅に集まります。
そして、スマホポータルとは何なのかを再定義するとき、それは都市のようなものだと考えています。
スマホでまずGunosyを入り口にします。Gunosyへニュースを見に来ます。それによって、先ほど数字にもあったように非常に多くのユーザーが見ることになります。そこに様々な生活に密着した魅力的なサービスを誘致することによって、Gunosyをニュースだけではなく、もっと楽しい街にしていく。
例えば、Gunosyで簡単に物が買える、簡単に予約ができる。そういったGunosyを毎日訪れる都市のようなサービスにしたいと考えています。
これを、「Gunosy5000万人都市構想」と言います。
Gunosyでもっと生活を便利に
では、我々がどのようにこの構想にたどり着いたかを簡単に説明したいと思います。これは一般的なマーケティングダイジング「AISAS」というものになります。
「Attention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(購買)→Share(情報共有)」
こちらはPCにおけるユーザーの行動をモデル化したものなんですが、特に真ん中の「Search(検索)」に注目していただきたいです。
スマホポータルにおける「Search(検索)」というのは重要な役割を果たしていました。ポータルとサービスをつなぐものが「Search(検索)」でした。
しかし、スマートフォンになって、この「Search(検索)」というものの役割が非常にゆらいでいると私は考えております。どういうことでしょう?
Gunosyに見られるユーザー行動を例にして考えたいと思います。例えばこのような記事がGunosyで配信されたとします。
「こんな場所に行ってみたい、京都の絶景10選」
けっこうGunosyではこういう記事が配信されるんですね。そうすると、次に旅行をするときなんとなく「京都に旅行へ行ってみよう」などの欲求が想起されると思います。
その次にどういった行動がなされるでしょうか? (今までであれば)検索アプリを立ち上げて「京都 旅行」と検索したりとか、旅行代理店に行って「京都へ旅行したいんです」と言ってみたりといった行動がなされていると思います。
でも、それって本当に必要なんでしょうか? 例えば、Gunosyのなかでその記事を見たらそのまま予約・購買できる。もしくはGunosyの記事を見て簡単にプランの相談ができたり、旅行の企画が立てられる。
そういったことができれば、何かアプリを立ち上げたりですとか、どこかへ情報を得にいくという行動が必要なくなるのではないかと思います。もっとスマホを使って生活が便利に、シームレスになるのではないかと考えます。
魅力的なサービスが集まるひとつの都市を目指す
我々は、今回の構想でこういった形を実現したいと思います。
(Search・検索がスライドから消える)
Gunosy内で簡単に予約・購買ができる、Gunosy内で簡単に様々なコンテンツが閲覧できる。Gunosy内で簡単にプランの比較や企画ができる。そういったプラットフォームを考えております。
これが新戦略のGunosy Platformになります。スマートフォンによってより生活に近いサービスの提供が可能となりました。しかし、そういったサービスの課題はディスカバリー問題。見つけてもらえない、思い出してもらえない。
そういった問題をGunosyのトラフィックパワーを使って、一緒に手を組むことで解決していきたい。そのようなサービスをエンパワーメントするプラットフォームにしていく構想を今回考えております。
そう、まさにこのようなGunosyという魅力的なサービスが集まるひとつの都市。Gunosyに行くとニュースだけでなく、もっと面白いサービスに簡単にアクセスできる、記事をフックにもっと面白いサービスを知ることができる。
そういった構想を今回考えております。
Gunosy Platformを通じて月間25万件の取引を目指す
では、実際の数値目標の方に移らせていただきます。
1年後のアプリのダウンロード数「2000万」を目指しております。
次に、ページビュー数、実際のメディア様に送客するPV数ですね。「500万PV以上を、100メディア以上に送客する」これを目標としております。
そして、提供事業数。Gunosy Platformで実際に提携する事業数、「500社」を目指します。
最後に、Gunosy Platformを通じて、予約・購買など実際の取引が行われる数、これを「月間25万件」を目指します。月間25万件という数字にイメージが持ちにくいかもしれません。そこで、Gunosy Platform上で取引される単価を4000円と仮定しましょう。
そうするとですね、月間10億円のトランザクションが行われる。そういった数字を目指しております。
続いて、具体的な企業との提携内容につきましては弊社COOの竹谷よりご説明いたします。
ご清聴ありがとうございました。