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チャレンジする人生のススメ(全3記事)

あのジョブズもやっていた? 「やるかどうか」を「どうやるか」に変える、"ノータイム決断法"とは?

「やるかどうかを迷っている時間があったら、とりあえずスタートしてみてから考えればいい」と語る、小野裕史氏。小さな決断で人生を大きく変えていった人々の事例を紹介し、それらの成功の共通点は「ノータイム決断」にあると主張しました。(IVS 2014 Summer Workshopより)

未来のことを考えてもしょうがない

小野裕史氏:「チャレンジ」って言うと、これが思い浮かぶんですね。「うまくいかなかったらどうしよう」だとか、「失敗したら恥ずかしいな、カッコ悪いんじゃないかな」とかいろいろと思うんですが、これ全部未来のことを言ってますね。

未来っておもしろい言葉で、「未だ来ていない」と書いて「未来」って読むんです。まだ来ていないことを考えてもしょうがないんですけど、人間考えちゃうんですね。頭を使っちゃうんです。

でも思い返すと、みなさんにもまだ小さくて若かりし頃があったと思うんです。赤ちゃんだったり子どもだったりする頃。昔どんな風になりたいかと考えると、実に自由になりたいものを発想していたと思うんですね。

今、小学校の男子がいちばん憧れてなりたいものは、サッカー選手だそうです。この前の日本戦の後、たぶんこの数は減ったと思うんですけれども。いずれにしても、みんな「本田のようになりたい」って言うんですね。

我々は大人になって経験を積むと常識が芽生えて、「お前な、サッカー選手なんて簡単になれるわけないだろう」「本田なんか簡単になれるわけないだろう」と思っちゃう、言っちゃうんですね。でも子どもの頃はそんな常識なんかないので、自分の心を優先して自分のなりたいものが描けるんですね。

頭を使った瞬間負け、ノータイムで決断すべき

でも、常識ができて経験を積んだとしたって、なりたいものを自由に目指せない理由はないんですね。子どものようにやりたいアクションに実際にチャレンジする権利はあるんですね。でも頭が止めちゃう。

こんな時に便利なのが、この最初から出てきている「ノータイムポチリ」なんですね。何故ならば、ノータイム。頭を使う余地を与えず、時間をかけずにポチッと次の目標設定を決めてしまうんです。この目標設定をするのが大事なんですね。

もう頭を使っちゃダメなんですよ。「ホントかぁ?」とか「そんなノータイムとかやっちゃまずいだろう」とか、頭を使った瞬間、負けなんですね。人と話をすると、「小野さんの仕事って会社に数億円とか投資するんですよね、それノータイムポチリで投資するんですか? 大丈夫なんですか?」なんて聞くヤツがいるんですが、これ、大丈夫なんですね、何故か。

最近学生からよく受ける相談で「僕アプリ作ってみたいんですけど、アイデアはあるんですけど、プログラミングできないんです。どうしたらいいですかね?」って。そんなのはもうエンジニアに声かけまくればいいんですよね。

知り合いじゃなくても、どんどん友達の友達を紹介してもらうとか、そういう小さなアクションも1つのノータイムポチリですね。あとこういうのもありますね、「僕シリコンバレーに行ってみたいんですよね、でもちょっとどうしたらいいのか……」とりあえずチケット取っちゃえばいいじゃないですか。そんなことなら誰でもできるんです。

動き出せば「どうやるか」にマインドが変わる

小さなノータイムポチリ的なアクションなんですが、こういうことの1つ1つではまだリスクは取ってないんですね。ポチっただけで、次のアクションで実際にアメリカに行ってみて打ちひしがれるかもしれないし、アプリ作ってみて全然ダメかも知れないし、成功するかもしれない。

誰かに声をかけてエンジニアを探すだとか、エアフライトを取るだけだったら、ポチる時点では何のリスクもないんですね。でも、その1つの小さなアクションがなければ未来にはつながらないですね。

なので、最初のアクションはなるべく時間をかけずにまず目標設定をしてしまう、ポチリと決めてしまうというのがとても大事かなぁという風に思っています。僕もこんな経歴を辿ってきているんですけれども、iモードのCMを見て買いに行くなんて、もう小さな小さなきっかけじゃないですか。

もしくはCAモバイルの立ち上げも、たまたまその人に飲み会に誘ってもらって「CAモバイルっていう会社があるんだけど来てみない?」って言われて「行きます」って言わなかったら。その瞬間はポチリしかしていないですね。ポチった後に頑張るのは自分次第なんですけども、そんな小さなきっかけから今につながっているんですね。

それで重要なことは、ポチリをやる前は「俺まだそんなことできるレベルじゃない」とか「アメリカなんか行っても英語しゃべれないし」とか「アプリなんか出してもどうせ失敗するかもしれないし」とか、「やれるかやれないか」なんですけども、ポチった瞬間、やる前提に変わるんですね。

これ、ぜひみなさんやってみてください。小さなポチリだけで、「どうやるか」にマインドセットがガラリと変わるんです。

高橋尚子さんとの対談が実現

全然話を変えますけれど、この間こんなありえない体験をさせてもらいまして……。なんと、高橋尚子さん、金メダリストのですね。日本で初めて女子スポーツ界で国民栄誉賞になった高橋尚子さんと対談をやらせてもらったんです。

Qちゃんは日本人で初めて女子フルマラソン世界一になったじゃないですか。僕も一応、日本人で初めて砂漠マラソン世界一になったので、ちょっと対談でもできませんかね? ってノリで頼んだら、なんと実現してしまいまして(笑)。

人間言ってみるもんだなぁと思って。それでおもしろかったのが、Qちゃんが僕の本を読んでくれて、「小野さん、私も実はノータイムポチリの人生なんですよ」と。

それを聞いて感動したんですが、Qちゃんは金メダリストになる3年前までフルマラソンをやったことがなかったそうですね。あの小出監督のもとに育ったわけですけれども、小出監督のところに行くときも「小出監督のところに行ってみたら?」って先輩に言われた言葉に対して、「いや、私なんか無理無理」って電話を切ったところからスタートしたそうです。

なんだけれども、なんとなくチャンスなんじゃないかと思って、大学生で普通に就職活動してたそうなんですけれども、8社あった内定を全部断って、退路を断ったんですね。そして、とりあえず小出監督のところに会いに行くっていう小さなきっかけから生まれているんですね。

まさに、ノータイムポチリ的な。そこから3年間で金メダリストにまでのし上がってしまうという。彼女も最初にそういう小さなきっかけをポチリしてなかったら、こんな風になってなかったかもしれないですね。

ジョブズもしていたノータイムポチリ

話はちょっと大きく飛びますけれども、みなさん大好きなApple。実は、最初はこの方もポチってるんですね。ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんけれど、彼は13歳ぐらいの時にヒューレットパッカードっていう会社に憧れて、電話帳をめくってウィリアム・ヒューレットの自宅の番号を見つけて、いきなり突撃電話しているんですね。

完全にノータイムポチリ的なノリだと思うんですけれども、それが彼のヒューレットパッカードと同じような会社を作りたいという最初のステップだったかもしれないですね。

本当に「チャレンジ」って言うと重苦しいんですけれども、きっかけは本当に今日ここに来たっていうのもそうですし、このあと色んな素敵な方の話を聞くっていう機会もそうかもしれませんし、横のつながり、色んなおもしろい人と出会うっていうのもあるかもしれませんし、ゴロゴロあるんですね。

その中で、まず興味を持ったものにどんなに小さな一歩でもいいので、具体的なアクション、目標設定をしてアクションするっていう、その一歩がとても大事です。

小学校の成績表では運動の技能は上中下の「下」

こういうことを言うと、まぁそんな話はできるヤツに限定された話だろう、とよく言われるので、僕自身もいかにできなかったかっていう証拠を持ってまいりました。

登壇するときには必ず出すんですけれども、小学校4年生の時の小野裕史くんの成績表です。中を覗いてみると、マラソンで世界一取ったなんて言ってるんですけど、最後はオール3、運動の技能は上中下の「下」でして……。上中下の下って建前の枠で、普通は○が付かないんです。10歳ですよ。10歳に「お前上中下の下だよ」って言わないですよね?

いまだにサッカーなんてやろうものなら3分間で足をくじいて負傷するぐらいにスポーツの技能はないんですが、我慢比べのマラソンは得意なんですね。まぁこんな人間でも世界一が取れるんですけれども、もっと驚くべきことに、国語の成績で「話す」という技能が上中下の下なんですね。信じられますか?

僕、時間を見ながらちょっと駆け足でベラベラとマシンガントークしてるんですけれども、リアルな話、僕が小学校2、3年の頃、担任にうちの母親が呼び出されて、普通の子どもが100しゃべれるとしたら20しかしゃべれないって言われて、母ちゃんが泣いて帰ってきたぐらい、いわゆるコミュニケーション障害の子どもだったんですね。

あまりにもしゃべることができなくて、小学校3、4年と登校拒否を起こして学校に行ってないんです。そんな人間が、いろんなきっかけがあったんですけど、こんな人前でベラベラしゃべれる人間に変われるんですね。

小さなきっかけから変わっていったんですけども、今日はちょっと割愛しますが、僕も全然こんな風になれる人間じゃなかったのが小さなきっかけで変わったし、みなさんもそういうきっかけを作ることができるんです。

とは言っても、僕の話だけだと説得力がないので、今日ここには学生のみなさんですとか若手の社会人の方がいるのでちょっとそこにフォーカスを当てて、近しい人、僕の周りで小さなきっかけから自分を変えた人の話題を紹介したいなと思います。

山本良太氏のノータイムポチリ

まず1人目は、見るからに頭の悪そうな顔をしている山本良太くんという、僕と同年代。もうおっさんなのでみなさんとは年齢が離れてるんですけれども。彼は新卒で、とある大きな日本の半導体メーカーに入って頑張ってたんですけど、ずっとこんなつまらないことを言っていたんです。Twitterで「日本の半導体メーカーにいるヤツなんてクソだ!」なんて、自分のことをディスるんですね。

知らない第三者に向かって、Twitterで。「お前、何悲しいことやってるんだよ、自分がチャレンジして海外に行けばいいじゃないか」と言うと、「いや、俺はいいんだよ。俺なんかいいや」と。

「でも、みんなに危機感を醸しだしたくてさ」って、知らんがな! っていう残念なヤツだったんですが、この彼は、小さなノータイムポチリから劇的に人生が変わったんですね。

何をポチったかというと、なんと酔っ払った勢いで、僕と一緒に砂漠マラソンに行くって。頭悪いのかと。バカなんじゃないかと思ったんですけども、泥酔していたみたいなんですね。

僕がTwitterで「砂漠250kmマラソンポチリだん!」とか言ったら、それにつられて「俺もだん!」って(笑)。バカかと思ったんですけれども、彼はレースの3ヶ月前にポチったんです。

でも僕がさっき言ったように、彼もポチった瞬間から「できる・できない」から「どうやるか」にマインドセットが変わり始めたんですね。「小野さん、どうやれば3ヶ月で砂漠走れるようになるかなぁ?」っていろいろと相談を受けて。

やっぱり頑張り始めるんですね、ポチったからには。結果、彼は無事に僕と一緒に砂漠で250kmを走り切ることができたんです。3ヶ月間のトレーニングで。

やりたいことをやれる環境にいるとポジティブな人間になる

ここから彼の人生は劇的に変わり始めました。なんと今は、彼が自分で「日本の半導体なんてクソだ」と言っていたメーカーを飛び出して、上海で活躍しています。しかも、それまでずっと営業職をやりたいと思いながら技術職でキャリアを積んできたんですが、その技術職のキャリアを捨てて、今は営業職にチャレンジしているんですね。やったことがない職種。

さらに彼が変わったのは、それまでTwitterやFacebookでくだらない、つまんないネガティブなことばっかり言っていた人間が、めちゃくちゃ建設的な発信をする人間に変わったんです。

これ何でかなぁっていう話を良太くんとしてわかったんですけれども、まず人間やりたいと思うことがあるのにやりたい環境に自分の身を置いていない、やっていないと、どんどん鬱屈してネガティブな発信をしがちになるんですね。

「自分はできない」だとか言い訳をつけてやらないと、どんどんネガティブになっていく。でも彼は、自分の「海外でチャレンジしたい」というキャリアとは全然関係のない砂漠マラソンに、ちょっと興味があるからポチってしまった。

ポチったから頑張る、やってみたらできたっていうその小さな成功体験が、自分のキャリアに対しても、「俺、ひょっとしたら海外で仕事チャレンジできるんじゃないか?」と頑張り始めて、もちろん紆余曲折、努力はあったんですが、結果的に自分が行きたいと思っていた海外での仕事の切符を手に掴むことができたんですね。小さなポチリから始まったわけですね。

しかも人間っていうのは、やりたいことをやれる環境にいると、ネガティブな心がどんどんポジティブに変わっていって、周りに対してもポジティブに発信ができるように変わるんです。

こんな風に彼はいちサラリーマンという人間から、今は海外で活躍する営業マンに変わっています。社会人の方がいれば、こういう事例もあるんだということで、小さなきっかけから自分を変えることができるということを知っていただければ。

かかんちゃんの挑戦

もう1人、今度は学生。みなさんに近い学生で、僕が去年アタカマ砂漠を走った時の話なんですが、岡田果純ちゃん、かかんちゃんと呼ばれている当時大学4年生の女の子に出会いました。この中で知ってる人もいるかもしれない、けっこう講演してる女の子だから。

彼女は小学校の頃に1型糖尿病という病気にかかってしまうんです。1型糖尿病って大人がなる糖尿病と違ってインシュリンが全く身体に作られないので、メシを食う度にインシュリンを注射しないと死に至るっていう、怖い病気になってしまうんですね。

でも、彼女はそんなことにめげずに、「私は病気だけど、糖尿病なんだけど、砂漠250km走りに行きたい」っていうことでチャレンジを始めるんです。これは実際に彼女が言っていた言葉なんですが、「私は病気だから何かを諦めたことはなくて、むしろ病気だからチャレンジする」って言うんです。

自分の病気を言い訳にしないんですね。非常にでかいリュックを彼女は背負ってるんですが、それもそのはずで、普通の人は7日間分の荷物を持っていくのにプラスして、彼女はインシュリンの注射を大量に持ち込まないといけないんですね。

血糖値を測る道具だとか。当然人よりも重い荷物を小さな身体で運ばなければいけない。それを持って250km砂漠を走ると。非常に苦しいチャレンジなんですが、それも自分の病気を言い訳にせずにチャレンジしたんです。

父親からの大反対

でも、彼女にはもっとハードルがあったんですね。砂漠マラソンに行くのには、だいたい50万円ぐらいお金がかかるんです。渡航費だとかエントリー費だとか。普通その時点で学生は諦めますね、「50万円なんて、全然そんなお金持ってないや」と。

彼女もそんなお金は持ってなかったんです。でも諦めたくなかった。何をしたかっていうと、学生の仲間を募って、新潟に住んでるんですが、新潟の地元スポンサーを集めようとした。アタカマ砂漠に行くから「アタカマン」っていうかわいいチームを作って、営業活動を始めるんですね。

学生のみなさんなので、営業活動をあんまりやったことがなくてやり方がわからないと思うんですが、彼女も営業なんかわからないんですね。とりあえず電話帳から調べて電話をかけて、「はい、なんとか会社です。」「私、岡田っていうんですけれども、砂漠に行きたいんでお金くれませんか」って。「ふざけんな!」ってガシャンと切られるところからスタートするんです。

でも、彼女も一生懸命営業活動をやっていくうちにだんだんコツを覚えて、徐々にプレゼンもうまくなっていって、結果的にお金がないっていう言い訳もはねのけて、スポンサーを得ることができたんですね。彼女は病気も乗り越えて、お金がないっていう言い訳も乗り越えて……。でも、もっと大きなハードルが最後残っておりまして……。

なんとお父さんが、「お前は病気なんだから絶対に砂漠に行くな!」って言って反対したそうです。普通だったらいちばん応援してもらいたいお父さんが反対する。困ったかかんちゃん、それでも砂漠に行きたいと思って、元アスリートだったおじいさんに相談して、こんな言葉をもらったそうです。

「お前のお父さんは最後までお前のことを反対すると思うけれども、ただ反対されていると思わずに、お前のことを心配してくれているからだということを理解しなさい。」って言われて、この言葉を胸にかかんちゃんは砂漠に行ったわけです。

結果的に砂漠から帰ってきた時にはこっぴどくお父さんに叱られて、砂漠でつながったヤツらと全員縁を切れと言われて。でも、未だに交流があるのでこの話はぜひご内密にしといていただければと思うんですけれども(笑)。

生き残るのは強い者でもなく、賢い者でもなく、変化できる者

何が言いたいかというと、彼女のように「病気だから」とか「お金がない」だとか、もしくは「親が反対する」だとか、その前に出てきた良太くんのように「自分には海外なんか無理だ」とか、そういった全てのハードルは、実は自分で作り上げたものなんですね。

みなさんもよくあると思うんです。「いや、今の学校では」「今の時代では」「いまの国では」とかいくらでも言い訳は思いつくんですけれども、そんなの自分次第で変えていけるんです。いちばん最初の変化っていうのは、本当にささいなきっかけからみんなスタートしてるんですね。

繰り返しになりますけれども、みなさんの中にも、今日も含めて実に日々さまざまなきっかけがあると思うので、その中で自分の心の針がピッと動くものにまずアクションしてみるっていうのが大事なんですね。

小さな一歩、ノータイムポチリをやってみる。チャレンジとか難しい堅いこと言わずに、ポチッとアクションしてみるっていうことが大事なんですね。ぜひやってみていただければと思います。

何よりも、動かないと何にも未来が変わらない可能性があるんですね。激変する時代の中で、こんな何も変わらない、昨日と同じ明日が永遠に死ぬまで続くとしたら、そんなの恐怖でしかないわけですね。

僕はもともと生物をやっていたので、種の起源を書いたチャールズ・ダーウィン先生のことを敬愛していて、彼が言ったとされていて最近は実は違う人が言ったとされているこの言葉が大好きなんですけれども……。実はこれ、ダーウィンが言った言葉じゃなかったそうです。

どういう言葉かっていうと、「未来に生き残る生物種というのは、最も力の強いものでも最も賢いものでもなくて、最も多くの変化のチャンスを作ったものが生き残る」と。これはチャールズ・ダーウィンが言ったかは別にして、生物学的には真理とされているんですね。

我々もまさにそうです。どんどんどんどん打席に立っていかないと。失敗することはたくさんあるかもしれないんですけど、とにかく動いていかないと、未来は変えていけないですね。

トヨタも最初は機織り機の会社からスタートした

今日これから私のあと、実にたくさんの素敵な方々の話を聞けると思いますけれども、何度も言いますが、昔は最初は学生だったり、もしくは大学すらも行ってないようなところからスタートしてるみなさんなんです。

これから登壇する人たちも、小さなきっかけから、ノータイムポチリという言葉は使わないまでも、1つのアクションから実に大きな、人生を変えるようなきっかけを作っているんですね。ですので、忘れちゃならないのは、みなさんもそういうチャンスを常に持っているんだということを覚えていてほしいです。

日本でもたくさんビッグベンチャーからスタートして大きくなった会社があります。トヨタって今はこんなにすごい車を作ろうとしていますが、ご存知ですか? 昔は機織り機を作っていた会社なんですよ。そんなところからスタートしてるんです。

あと、これも有名な話ですけれども、有名な任天堂ってありますね。これも昔は花札とかトランプを作ってたところからスタートしてますし、何ならタクシー会社をやったりラブホテルを経営したりだとか、いろんなことをやって失敗したりしているんですよ。

みなさん大好きなスマートフォンも、これも有名な話ですけれども、いちばん最初の製品はなんと長距離電話をジャックしてハッキングする、ただ乗りして電話をかけるという機械からスタートしているんですね。こんな風に、小さなスタートから大きな変化を掴んでいってるわけなんですね。

「月に行く」という大きな夢

大事なことは、必ずみんなここにいる全員は、いつか死ぬんですね。今日かもしれないし、明日かもしれないし、1回きりなんです。僕も常にそうなんですけれども、だからこそ、有限な中で見たことがない世界を見てみたいし、どうせだったらアップサイド、大きな世界を見てみたいっていうのは常に思っています。今はベンチャーっていう仕事で頑張っているんですが、僕もまだまだ大きな夢があります。

僕の1つの大きな夢はこれですね。「月に行く」っていうことで。これ本気なんですけど、嫁にバカかって言われながらも本気なんですが、これに対して僕はまだノータイムポチリしてないっていうことに最近気がついて、何かアクションしなくてはと焦ってインターネットを探してこんなものを見つけまして、ポチってしまいました。

最近Googleが買うかもしれないっていう話題でちょっと盛り上がっていますが、Virgin Galactic社が宇宙旅行っていうのを今計画しているんですね。

Virgin社っていうのもおもしろい会社で、イギリスのリチャード・ブランソンっていうちょっとクレイジーな経営者が、もともと中古のレコード屋からスタートして、今は航空会社を持ったり、宇宙旅行会社まで立ち上げようとしているんですけれども。

彼のビジョンが素晴らしくて、今まで人類で宇宙に行ったことがある人っていうのは500人ぐらいしかいないそうなんですね、宇宙飛行士。しかも全部国のお金で行ってるんですね。彼はそれを民間で、いち企業で1年間に今まで人類が宇宙に行った人数以上の人間を宇宙に送り出してやると。

これに感動して、僕もひとまず月に行ける一歩かもしれないと思ってポチってしまいました。432番目のシートを持ってるんですけれども、なんとこの旅行はまだ日程が決まってなくて、4年前からずっといつか行けるいつか行けるって言って、いつ行けるかまだわからないんです……。

小さな一歩を踏み出すことでしか未来は変わらない

たぶん来年、今年の年末あたりにスタートすると思うんですが。しかもこれ、この宇宙船に乗った2時間のフライトなんです。地上から100kmぐらいしか上がらなくて、別に月に行くわけではないんですね。

でもです、月に行くわけじゃないんだけど、何か小さな一歩はきっかけになるかもしれないと僕は本気で考えてるんですけれども。みなさんもそういう形で、ぜひ何か小さな一歩をまず動き出すことから未来は続くということで、今日のセッションのゴールを勝手に冒頭に作りましたけれども。

今日も何かしらのきっかけや興味があってここに来ている。これも1つのポチリの行動だと思うんですが、さらにこれから何か、起業したいだとかでもいいですし、新しいチャレンジをしてみたいという方がいたら、即座にノータイムにポチリとアクションをしてみるということをぜひやってみていただけたらと思います。

この後すぐ、みなさんのお手元のスマホでamazon.co.jpに行って、『マラソン中毒者(ジャンキー)』と検索してポチリとやるのも1つのノータイムポチリです。

最後のセッションで話しますが、我々は今こんな活動をしておりまして、TechTempleという500万円からのシード、会社はないけどこれから何か新しくサービスを作ろうみたいな人たちを支援する場所を作りました。

後で登壇してもらいますが、今日もそこに第1号案件として採択されたEmakiという3人のチームがそこにいるんですけれども。

こんなこともやっておりますので、何か事業を立ち上げたいと思っている人は、ぜひtechtemple.jpに行ってポチっとエントリーするのも1つのノータイムポチリかと思います。

ということで、これからいろんな楽しい、大きな話が聞けると思いますが、みなさんと同じような学生から、小さなきっかけからスタートしてるっていうことを忘れずに、ぜひ大きな野望を持って2日間のセッションを聞いていただければと思っております。ちょっと早めではありますけれども私の話は以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

(会場拍手)

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