2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
これから2日間に亘って、実にいろんな経営者たちのおもしろいお話が聞けると思います。かつインタラクティブなセッションが多いと思いますが、私は最初に、インタラクティブ一切なしで突っ走るプレゼンテーションをしていきたいなと思います。
「チャレンジする人生のススメ」と書いておりまして。なんかおどろおどろしいチャレンジの絵がありますけども、チャレンジって言うとなんか重苦しいんですね、ですので、僕の話を聞いたことある方はご存知だと思うんですが、この言葉だけ憶えて帰ってください。
「ノータイムポチリ」。軽いですね。これは僕が勝手に作った言葉なんですが、どういう意味かというと、時間をかけずに、ノータイムで、ポチッと、何かアクションとかを軽くやってみるといいということです。「チャレンジ」とかじゃなくて、軽いノリで一歩踏み出してみる、目標設定してみる、みたいなノリのことを「ノータイムポチリ」と呼んでおります。
今日僕の話の中ではこの言葉はしょっちゅう出てきますし、たぶん今日、明日といろんな経営者の話を聞く中で、ノータイムポチリとは言ってないかもしれないですが、同じようなキーワード、小さなきっかけに一歩踏み出すとか、そんな話がたくさん出てくると思いますので、頭に留めていただければと思います。
勝手ながらこのセッションの僕のゴールは、みなさんの心の中で「やりたいな」と思っていながらまだ実は何もアクションしていないみたいなことがたくさんあると思います。
そういったものを軽いノリで、まず時間をかけずにポチリと小さな一歩を踏み出してみるということをやってみていただければと思っています。
これから実にさまざまな、本当に素敵な話が聞けると思うんですが、大事なことは、僕も含めてステージに上がる人たちは全員、みなさんと同じように学生だったんですね。もしくは学生じゃなかった人、大学生にすらなっていない人も中にはいるんですけれども。
ですので、ステージに上がってる人たちは自分とは違う存在の人だなんて決して思わずに、自分と同じ人間なんだっていう風に思っていただければと思いますね。
こういう人たちみなさんに共通しているのは、本当に意外に小さなきっかけから経営者になったりだとか、素晴らしくおもしろい人生を作っていったりだとか、変わっていっているんですね。ですから、今日ここにいるっていうのも、みなさんにとっては小さなきっかけになるんじゃないかなぁと思っております。
我々が実際どんな会社を育ててきたかというと、ご存知の方がいらっしゃるかわかりませんが、日本のグルーポン「グルーポン・ジャパン」っていう会社をゼロから立ち上げて、それをグルーポンの子会社にするところまで育てて、1年間でこのぐらいの会社にしたいというようなことをやっております。
世界中にアライアンスパートナーがいるんですが、日本と中国で活動をしていて、40社ぐらい投資をして、100億円ぐらいのファンドを動かしています。
そんなことをやってるんですが、私はもともと全然違う経歴を辿ってきておりまして、これは後ほどお話させていただこうと思います。みなさん今日は本当にいろんなベンチャーの話が聞けると思って来たと思うんですが、残念ながら私、早速趣味の話からスタートさせていただきたいと思います。
実は走り始めたのはつい最近のことでして、5年ぐらい前ですね。今39歳なんですが、そもそも30歳を過ぎて初めて運動というものを真面目にやって、ランニングを始めて4年間で本になっちゃったんですね。
何でこんな風になったのかというのを、さっきのノータイムポチリをふまえて紹介したいと思うんですけれども、もともとは35年間全然運動したことがない人間だったんです。で、まぁちょっとしたきっかけでランニングを始めてみたんです。
人間誰しも、何でもやってみて初めてわかるということがあるんですが、僕にとってはランニングがそうだったんですね。運動なんか嫌いだし、やりたくもないと思ってたんですけれども、走り始めると、「俺ドMだし、ちょっとランニング向いてるんじゃないか」と思って楽しくなって。
2009年の8月にランニングを始めたその時に、ランニングのノータイムポチリをやりました。何をやったかというと、3ヶ月後のフルマラソンにとりあえず、ポチッと。クリック1つで、軽いノリでエントリーしたんですね。ここから僕のランニング人生が花開いて行ったわけなんですが……。
これは初めてフルマラソンを走った時の写真で、なんか今よりもおっさんに見えるんですけれども、当然のことながら、走り始めて3ヶ月の人間がフルマラソンをやると苦しいんですね。
なんですけど、ゴールすると「42kmなんてイメージつかねぇよ」って思っていたのが、「やってみたらできるじゃないか!」っていう達成感になるんです。で、達成感を味わうと人間は向上心が生まれるんですね。「俺、もっとやれるんじゃないかなぁ」って思い始めて、それから僕は趣味で始めたランニングから、どんどんポチポチと、次々にいろんなチャレンジをしていくようになりました。
その結果、ランニングを始めて2年弱でこんな大会に行ってしまいまして。中国のゴビ砂漠というところを250km走るという頭の悪い大会なんですけども、これを見つけた瞬間にポチリと行ってしまったんですね。
だいたいこのあたりを走ってきたんですけれども、この時は、1週間かけて1週間の荷物を全部背中に10kgぐらい背負って、ときどき感染症になりながら走るっていうことをやってきたんですが、終わってみたら160人中19位という、自分としてはびっくりするような成績だったんです。初めてのマラソンと同じように、「なんだ、俺やればできるんじゃないか」とまた向上心が芽生えるんですね。
それでどんどん向上心が芽生えて普通のマラソンじゃ飽き足らなくなってきた時に、こんな写真にインターネットで出会ってしまったんです。「これ、なんだ?」と思って調べたら、なんと「北極点でフルマラソン」っていうのを発見してしまったんですね。
「バカか!?」って思った瞬間、ノータイムポチリしてしまいまして、行ってまいりました。2012年の4月に、北極点の周りをぐるぐる走るっていう北極点マラソンを50人中4位で走って、せっかくなんでおもしろいことをやろうと思って、忍者のコスプレで走って。
忍者のコスプレで走ったのは人類初めてだったんですが、ちゃんとGPSにも記録が残ってますね。あのへんを走りに行ったわけですね。
で、せっかく北極を走ったんだから、今度は南極も走ってみたいなと思って、その半年後に今度は南極に行ってまいりました。
南極はフルマラソンだけじゃなくて100kmマラソンもあるということだったんですが、どうせだったらアップサイドを狙いたいということで、もちろん100kmを選びました。世界中から南極に100km走りたいと言って集まった頭の悪い9名のランナーの、いちばん右端にいるのが私です。この時も無事完走して、ちゃんとGPSの記録も残っておりますね。9名中ではあったんですが、2位という結果だったんですね。世界2位ってかっこいいじゃないですか。9名しかいないんですけれども。
だいたいこのへんに行ってきたんですけれども、この時はひとりで走ってもさすがに実力が足りんっていうことで、3名でチーム戦を走ろうっていうことになって、この3名で走ってきました。実にいろんなところを走ってきました。
藪を超えたり、川を渡ったり、ひたすら砂丘を下ってですね、こんな中ひたすら250km走って、何故か途中で塩湖もくぐり抜けながら、結果的に日本人で初めてチーム戦で砂漠250kmを優勝して、世界一になることができたんですね。
こんなことをこの4年間、おもしろおかしく趣味の時間でたまに休暇で行ったりしながら発信してたら、これが本になったんですね。文藝春秋さんから、「小野さんのブログおもしろいから本にしましょう」と。
みなさんそろそろ勘違いしてると思うんですが、私、趣味の話をしておりまして、あくまでもランナーでメシを食ってるわけではなくて、本業はベンチャーキャピタルをやってるんです。
何が言いたいかというと、僕にとってはこんな未来が来るなんて想像だにしてなかったんです。それもそのはず、35年間全然運動したことないし運動嫌いだった、っていう話をしましたが、運動する前の私は、こんなただのデブのメタボのおっさんだったんですね。
35年間本当に運動したことなかったんですけれども、これが走り始めてたった3年間でこんなにイケメンに変わって、嫁から結婚詐欺だって言われるぐらい変われるんです。何なら本も出て、すごい売れてるように見えますが一ヶ所の平積みをたくさん並べて横に侵食しただけなんですけれども(笑)。
それもそのはず、僕はインターネットも大好きなんですがゲームも大好きで、5年ぐらい前まで、週末はひたすら家でお菓子を食べながら、インターネットでニコ生とか見ながらゲームをひたすらやるという生活をしていたんです。
そうしたところ、どんどんブクブク太っていったんですけれども、さすがに太りすぎてやばいだろうと思って「大好きなゲームで痩せられるんだったら、まぁちょっとやってみるか」っていう軽いノリでポチッとWii Fitを買ってやってみたんです。
その中のバーチャルランニングがスタートだったんですね。それで走り始めて、初めてランニングが自分に向いているということがわかって。せっかくならフルマラソンをポチリとやってみると、「フルマラソン走れたわ」ということで、ポチポチチャレンジを続けていったんです。
砂漠に行ったり、南極行ったり、北極走ったりとかして。最初は非常に小さな1つのきっかけにポチリとアクションを起こしたことによって、次々とまた次の目標が見つかって、それにまたポチリとやっていったらどんどんスケールが大きくなっていったんですね。
一瞬5ヶ月だけIBMで新卒でサラリーマンやって、ベンチャーやって、今はこの仕事をやっているんですが、もともとは最近流行りのなんとか細胞ではないですけれども、生物の研究をやっていました。
でも、大学院で研究室にいる間にコンピュータを触るようになってインターネットを始めるようになって、「インターネットでサイト作ったらおもしろいじゃん」といろいろとやっていくうちに、たまたまテレビでiモードっていうもののCMを見たんですね。
iモードってもう死語になってるかもしれませんが、みなさんが当たり前にやっている携帯のインターネット、これが世界でいちばん初めに始まったのがこの15年前のiモードだったんです。
このCMを見た瞬間、自分の大好きなインターネットが手元でできるんだったらこれはおもしろい未来につながるんじゃないかなと思って、貧乏学生ながら、当時5~6万円したのかな? 今でもたぶんみなさんがスマホを買うのは結構大きな出費になると思うんですが、当時の僕もそうだったんです。
貧乏研究生活をやりながら、「ちょっとこれおもしろそうだから買いに行くか」っていうことで買って、「せっかく買ったから、じゃあiモードでサイトでも作ってみようか」ってやっていくうちに、だんだん研究者よりもこっちのほうがおもしろいなと思い始めたんですね。
それまで生まれてからずっと20年間ぐらいは研究者になろうと思って必死に頑張って勉強してきたんですが、キャリアを変えたんですね。
ちょっとITの道に行ってみようということで、ITだったらIBMがいちばんすごそうだなと思って入ったんです。
でも、このIBMも、入ってたった5ヶ月で辞めてしまったんですね。新卒だったのにもかかわらず。CAモバイルという、サイバーエージェントグループがモバイルのインターネットの会社を藤田さんの肝入りで作るということで、「小野くん来ないか?」という話を受けて、もうその話を聞いて1週間足らずでIBMをやめてCAモバイルに入ってるんです。
この時もまさにノータイムポチリで、聞いておもしろいと思ったらすぐ行きますと答えてしまって、入ってみたんですね。「新卒やめていいんだろうか」と思ったんですが。
入ってみてびっくりしたんですけれども、なんと私が正社員1号目でして、売上もなければ社員もほとんどいないから「自分の給料は自分で作れ」と言われて「騙されたな」と思ったんですけれども。
でも、自分でせっかくやりたいと思ってポチッっと入ったので、せっかくなら頑張ろうとやっていったら、たまたまモバイルのインターネットの時流に乗ったというのもあるんですけれども、8年間この会社にいて、入った時にはほぼゼロだった会社を、出るときにはこのぐらい(年商約180億円、従業員約500名)の会社にすることができたんですね。
ですが、モバイルのインターネットの可能性は日本だけじゃないだろう、と。もっと世界でチャンスがあるだろうってことですごい悩んでいた時に、先ほど言った小林と田中に出会えて、インフィニティ・ベンチャーズというんですが、独立しようということで今の仕事に至ってるんですね。もう6年ぐらい経ちましたが。
これも先ほどのランニングと似たような話でして、最初は研究室にたまたまあったパソコンでインターネットのサイトを作ってみようだとか、ちょっとお金ないけどiモード買ってみようかなとか、本当に小さなポチッとしたきっかけから次のきっかけが見えて、次々乗っかっていく中で、どんどんどんどん新しい目標ができてくるんですね。
しかも、スケールが大きくなっていったんです。ですので、大事なことは、最初は本当に小さいきっかけから始まるということ。「チャレンジ」って言うと重いんですけれども、小さなポチリから始まっていくんです。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには