昨日は「夢なんじゃないか」という思いが強かった

司会者:みなさんおはようございます。それではただいまより日本代表選手団女子卓球チーム、昨日の団体3位決定戦で勝利し、銅メダルを獲得しました。

手前から石川佳純選手、福原愛選手、伊藤美誠選手。それではまず石川さんから。一夜明けましたけれども、あらためて銅メダルをとった今の気持ちを。

石川佳純氏(以下、石川):はい。銅メダルを獲得することができて、あらためてすごくうれしいのと、ほっとした気持ちというのがあって、朝起きた時も「ああ、よかったな」って思っています。

司会者:福原選手、お願いします。

福原愛(以下、福原):一夜明けて、どんどん実感が湧いてきたなと思います。試合が終わってから、昨日はずっと「夢なんじゃないかな」という思いがすごく強かったんですけれども、だんだん実感が湧いてきました。

司会者:伊藤選手、お願いします。

伊藤美誠(以下、伊藤):初めてメダルを獲得して、メダルを取ることが目標だったので、首にかけてもらってすごくうれしいなと思いました。

司会者:それではみなさんからの質問をお受けしたいと思います。どうぞ。

記者1:みなさんお気づきになられたかわからないんですけど、アメリカ人とブラジル人と日本人の即席応援団みたいなものができて、ブラジルのリズムで応援されてたんですけど、それに気付いたかどうかと、気付いたとしたらそれに対する印象を教えていただきたいです。

司会者:石川さんいかがですか?

石川:はい、もちろん気付いてましたし、ずっと聞こえてましたし、本当に初戦から日本のホームのような感じで、温かく大声援を送っていただいて、私たちの力になりました。

司会者:福原さんどんな感じですか?

福原:本当に今、佳純ちゃんがお話しした通り、初戦から会場が一体となって、ブラジルの方も、ほかの国籍の方も日本のことを応援してくださって、とても温かな雰囲気のなかでプレーをさせていただくことができました。

司会者:伊藤さんいかがでしょう?

伊藤:本当にブラジルのたくさんの方が日本の選手をすごく応援してくださって、私たちも応援してくれる方が増えると、やっぱりすごく「勝とう」という思いが強くなって、本当に応援してくださってありがとうございますと伝えたいです。

怪我を経験して精神的に成長

記者2:朝日新聞出版AERA編集部のフカザワと申します。昨日は本当におめでとうございます。4年前に銀メダルをとって、今大会、最低でも銀メダルということも大会前におっしゃってましたけれども、この4年間どのような点が一番成長して、今回の2大会連続のメダルに繋がったのかということと、このメダルを4年後の東京にどうつなぐかっていうことをそれぞれうかがいたです。

卓球界全体をこうしていきたいっていうことと、それぞれの目標だとか、今後、まだ決まっていないかもしれないんですけれども、今の想いを聞かせてください。

司会者:福原さんいかがですか?

福原:私はロンドンオリンピックから、リオオリンピックまで、怪我がものすごく多くて、周りにご迷惑をたくさんおかけしてしまった4年間だったんですけれども、怪我を経験したことによって、精神的にとても強くなったと思いますし、あらためて卓球ができるうれしさとか喜びというのをさらに感じることが多かった4年間でした。

4年後の東京につきましては、今は終わったばかりなので、まずはゆっくり休んで、喜びに浸りたいと思います。

司会者:石川さんいかがでしょう?

石川:ロンドンからの4年間で、やっぱり精神的に、技術的に、どれか1つとは挙げられないんですけど、全体的にレベルアップできたんじゃないかと思っています。

東京に向けて4年間、これからもっともっと努力をして、やっぱり今回悔しい思いっていうのもしたので、シングルスでも団体でもリベンジできたらいいなと思っています。

司会者:伊藤さん、東京2020についてはどのように感じていますか?

伊藤:私が小学校6年生の時に2020年に東京でやるということが決まって、やっぱりその前にはリオオリンピックに出場したいという気持ちがすごくあって。

そのあとには東京オリンピックで個人戦と団体戦でしっかり出場してそこでしっかり金メダルを取りたいというのが私の目標なので、まずはリオオリンピックの舞台でメダルをとれたことがまず第一歩かなと思います。

司会者:次の質問いかがでしょう。

「メダルをとって帰ってくる」被災地の子供との約束

記者3:産経新聞社ササキと申します。大変お疲れさまでした。あらためて今、食べたいもの、会いたい人、最後に自分へのご褒美はなにか、教えてください。

司会者:石川さん、会いたい人と自分へのご褒美をお願いします。

石川:食べたいものは、私と福原さんはお寿司です。あ、会いたい人? 会いたい人は、応援してくれたたくさんの方に会えるだけ会いたいなと思います。

司会者:自分へのご褒美は?

石川:目覚ましかけずに、寝れるところまで寝たいです。

司会者:福原さんいかがですか?

福原:私も佳純ちゃんと同じでお寿司が食べたいです。

司会者:会いたい人は?

福原:今回、メダルを獲得するにあたって、仙台で合宿をしたり、被災地の子供たちとも「メダルをとって帰ってくる」と約束したので、被災地のみんなに、東北のみんなに会いに行きたいのと、オリンピック前に奄美大島の宇検村で練習をさせていただいたので、宇検村に行きたいです。

司会者:伊藤さん。

伊藤:私はお肉が大好きなので、帰ったらお肉をガツガツ食べたいなと思います(笑)。

会いたい人は、地元の静岡の応援してくださった方だったりとか、オリンピック前に練習をたくさんしてくださった、選手のみなさんやトレーナーのみなさんに会ってメダルを見せてあげたいなと思います。

吉田沙保里氏の励ましで切り替えられた

記者3:産経新聞のアマノと申します。質問というよりも、お願いというようなもので恐縮なんですけども、すべて試合が終わって、ほかの2人の選手に対して今、伝えたいこと。感謝であったり謝罪であったり、今後について。

司会者:じゃあ石川選手。

石川:団体戦で一緒にこうして3人で戦うことができて、私自身すごく幸せですし、とくに一番最後の3位決定戦では本当にみんなが力を合わせて3人とも最高のプレーができたので、チームメイトにも感謝の気持ちでいっぱいです。

福原:オリンピックの出場が決まってから、たくさんのみなさんの協力のもと、3人でずっと合宿を重ねてきて、こうして今回3人で団体をとることができて、本当に最高のチームメイトに恵まれて、私はとても幸せだなと思っています。

伊藤:石川さん、福原さん、先輩方2人は本当に心強い先輩でもありましたし、私が負けて少し落ち込んでいるときに「大丈夫、次がある!」ってすぐ慰めてくださったり、本当に私にとって心強い先輩だったなと思います。

記者4:朝日新聞イナガキです。おめでとうございます。石川選手にうかがいたいんですけど、シングルスでショックな負けですごく落ち込んだと思うんですけど、落ち込んでいることがあったとき、短期間でどういったかたちで立て直すのか、自分はどういったかたちで団体戦に臨めたのか、なにか支えになった言葉だとか、そういったものをお聞かせください。

石川:シングルスで負けてしまってすごく残念で、自分自身もすごく落ち込んだんですけど、ほかのアスリートの方にも声をかけてもらいました。

ハイパフォーマンスセンターから選手村に行くまでのバスで、たまたま隣の席に吉田(沙保里)さんに座っていただいて。オリンピックの難しさだったりとか、なにが起こるかわからない大変さっていうのを、あれだけチャンピオンになっていても感じているんだなっていうのを、シングルスが終わったあとにちょうどお話しすることができて、自分自身気持ちも切り替えられましたし、お話しできたことがすごく大きかったなと思います。

構造を調べて選手村のトイレを修理

司会者:次の質問いかがでしょうか?

記者5:福原選手におうかがいしたいんですけれども、2点ありまして、ビクトリーセレモニーのときに中国人の方が「愛ちゃん愛ちゃん」と言っていて、そういう方たちと話をしたらみんな福原選手のことが好きで。

それと報道でしか見かけてないんですけど、選手村のトイレを直されたみたいな話についてうかがえればと思います。

福原:中国の方は本当にずっと昔から、変わらずどんなときでも応援してくださっていますし、今回もそうなんですけれども、中国の国旗を持っているにもかかわらず日本の応援をしてくださったりとか、いつもとても温かく応援してくださっています。

選手村のお手洗いは、到着してすぐだったんですけれども、壊れてしまったので、直しました。

(会場笑)

記者5:あまり僕は直した経験がないんですけれども、専門的な知識とかいるんですか?

福原:日本では一人暮らしをしているので、もしなにか壊れてしまったりしたら自分で対応することが多いんですけれども、選手村のお手洗いが壊れてしまって、私のコーチも選手村に泊まっていたので、お部屋に4人で1つのお手洗いしかなかったので、「これは直さないと大変なことになるな」と思ったので、タンクを開けて、なかの構造を調べて、原因を突き止めて、「どういうふうになってるんだろう、なんでこうなってるんだろう」というのを考えて直しました。

記者6:先ほどの質問と少し重なる部分もあるかもしれないんですけれども、ライバルでもあって仲間でもある3人。それぞれどんなところが身近で見ていてすごいなと思ったのか、人間性としてこういうところを尊敬しているっていうところをそれぞれうかがいたいんですけれども。

できればリオ入りしてからの印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。

司会者:石川さん、2選手に対してリオ入りしてからなにかありますか。

美誠に比べたら自分が15歳のときは幼かった

石川:選手村でもずっと一緒に生活をしていたので、日に日に団結力も高まっていきましたし、私は2人と一緒に団体戦を戦って、試合ですごく心強いですし、2人だったら勝ってくれるんじゃないかと本当にずっと信じているので、私も自信を持って戦うことができましたし、全力で自分が点数をとれば必ずチームが勝てると信じて試合ができたので、自分自身もいいプレーができたんじゃないかなと思います。

福原さんはキャプテンとして、今回みんなをまとめてくれたり声をかけてくれたり気にかけてくれたりして、チームとしてすごく団結力が高まったと思いますし、そういうふうに人を気にかけたりできるのはすごいなと思いましたし、美誠ちゃんは15歳でオリンピックに出場して、これだけ強気のプレーが最初からできるというのは本当に難しいことなので、すごいなと思いましたし、最後、決勝点も決めてくれたので、すごく頼りになるなと思いました。

福原:佳純ちゃんは、ふだんから本当にすごくがんばっていますし、一緒に味の素トレーニングセンターで練習をしているので、ふだんからどれだけ努力をしているかというのをずっと身近でいちライバルとしてもずっと見てきたので、佳純ちゃんがシングルスで負けたあとは、私も本当に悔しかったですし、その分団体戦を頑張るという気持ちも手に取るようにわかったので。

あの後ですぐに気持ちを切り替えて、今回の団体戦で絶対に2点を取ってくれるという信頼のなか戦って、本当に精神面が強いなってあらためて思いました。

美誠は佳純ちゃんが言ったとおり、まだ15歳なんですけど、本当にふだんから15歳とはお思えないような……プレイであったり、自分が15歳のときと比べると、私は本当に幼かったなってすごく思います。

伊藤:福原さんはキャプテンとして私をすごい引っ張ってくれて、話をしてくれたり気にかけてくれて、私もこういう先輩になりたいなって思いました。

石川さんは本当に心が強いというか、精神面が強くて、本当に出たら勝ってくれるというところがあって、私も4番で勝ったんですけど、5番で石川さんが出るから思い切ってできたということがあるので。そういうところもしっかり見習いたいと思います。

声を出すと退場になるんだとわかったので拍手で応援

記者7:福原さんにおうかがいしたいんですけど、昨日伊藤選手が試合をしているときに、ベンチでものすごい手を叩いて、今までにないくらい強く叩いて、「痛いんじゃないかな?」というくらいだったんですけど(笑)、どんな気持ちだったのか。また、伊藤さんは、拍手が聞こたりしたときに、どんなことを感じてやっていたんでしょうか。

福原:ドイツ戦のときに、佳純ちゃんがものすごく応援をしてくれて、イエローカードになって退場になってしまったんですけど(笑)、本当にたくさんのパワーをくれたので、私も絶対にそれ以上の気持ちで応援しなきゃいけないなと思ったし、でも声を出してしまうと退場になってしまうんだというのがわかったので、これはもう拍手で応援するしかないと思って、拍手にありったけの気持ちを込めていました。

伊藤:私もすごい拍手の音も聞こえてましたし、やっぱり自分がその場で戦っていたので、みなさんのためにしっかり勝とうと思ってやっていました。

記者8:昨日はそれぞれのお母さん方がスタンドで応援されているのを見ましたけれども、今、お母さん方に対してどのような気持ちなのか。とくに福原選手と伊藤選手は、本当に物心がつく前から厳しい指導を受けられていて、そのへんについておうかがいできればと思います。

福原:この4大会、ずっと現地に応援に来てくれているんですけど、今回もすごく遠かったので「大丈夫だよ」というふうには話したんですけど、でも日本の食材をもって応援に来てくれて、毎日おにぎりとかソーメンとか野菜炒めとか、そういったものをつくって持ってきてくれて、食事の面でもすごくサポートしてくれましたし、精神的にもすごく大きなサポートをしてくれました。

伊藤:私はお母さんもそうなんですけど、おじいちゃん、おばあちゃんも応援に来てくれて、本当に遠いのに日本の選手のために来てくれてすごくうれしいですし、すごく心強くて、おじいちゃん、おばあちゃんはお寿司屋さんをやっているので、小さい頃からお寿司をつくってくれたり、お母さんも小さい頃から熱心に教えてくれて、やっぱりメダルを獲って恩返しができたかなと思いますし、メダルを獲る瞬間を生で見てくれてよかったなって思います。

石川:ロンドン、リオと現地に来てくれて、やっぱりすごく心強いですし、ふだんから一緒に練習も見てくれていて、やっぱり現地に応援に来てくれるというのは、すごく心強かったです。