プロジェクトマネジメントの大きな課題の1つは、「人に任せる」ことの難しさ。サイボウズ株式会社のパートナーマーケティング部 部長の平林佳華氏とエン・ジャパン株式会社 DX推進グループ グループマネージャーの高橋淳也氏が、それぞれのプロジェクトマネージャーとしての紆余曲折を語りつつ、攻略法に迫ります。後編では、高橋淳也氏がプロジェクトを“冒険”に例えながら、マネジメントのコツについてアドバイスしました。
「現場、時々プロジェクト」期で起きていた“負の連鎖”
高橋淳也氏(以下、高橋):今日ここからが本題に入ってくるんですが、私が歩んできた道のりと、その中でのプロジェクトマネジメントの気づきを、時系列に沿ってご説明いたします。テーマは「プロジェクトと試行錯誤と私」ですね。これでくすっと笑ってくれる方は、年代がかぶってるんじゃないかなと思います(笑)。

まず最初にフェーズ1ですね。最初の10年間は「現場、時々プロジェクト」です。これは私の業務の比重を示していると思っていただければと思うんですが、現場業務、求人広告のコピーライターがメインで、一部でプロジェクトやっているような状態でした。

この時に何が起こっていたか。課題としては、プロジェクトの負の連鎖が起きてたんですよ。現場でいろんな課題が出てくると「プロジェクト的に動かそう!」という掛け声が出るんです。みなさんのところで出ませんか? うちの会社だけですかね、めっちゃ出るんですよ。

プロジェクトにとりあえず人が集められます。盛り上がってますね。これもやろう、あれもやりたい、夢がどんどんもりもり膨らむ。……なんですが、だんだん忙しくなって、計画がだんだん遅れていくんですね。ありません? あるんじゃないかなと思うんですよね(笑)。
翠氏(以下、翠):ずれ込みますね。どんどんずれていきますよね。
高橋:それで、だんだん「なんかうまくいかなそう」という雰囲気が出ると、熱が薄れて自然消滅するんですよ。こういう負のサイクルが起こっていたんですね。なんでなんだろうと。ずっと繰り返してるのがイヤだなと思って、いろいろ考えていったら、まずはやはり「時間が足りないんだな」という整理になったんです。
プロジェクトマネジメントで大事なのは「計画的な時間の投資」
高橋:上のバーが私の時間の配分ですね。通常業務が優先で、一部残り時間でプロジェクトをやってるので、通常業務が忙しくなるとプロジェクトにかける時間が減るんですよ。

左側にある1ヶ月のカレンダーの中で、だいたい「来月はこれをやろうかな」ということをいろいろ考えるんですけど、月末に忙しくなるので頓挫するんですよね。
私がいた部署は、業務量として月初が比較的余裕があって、中旬が一番暇で、月末一気に忙しくなるようなところだったので、実行フェーズで時間が足りない状態になっちゃうんですよ。うまくいくはずないですよね。
なのでどうしたかというと、2ヶ月単位で考えました。余裕がある段階や忙しい時に、ちょっと歯を食い縛ってがんばって計画を立てると。そして、来月の余裕のある時には「絶対実行、やりきるぞ」ということで、時間を無駄にしないようにしました。
なので、まずプロジェクトマネジメントで大事なのは、時間であると。時間が生まれるタイミングを絶対に逃さないという覚悟でやって、前進させることができました。
今日のこの会場のテーマがゲームなので、ゲームの画像にしました(笑)。こちらはCanvaというソフトで、生成AIで画像を作っていただきました。「某RPGゲーム風に作って」ということで作ってもらったものですね。

このフェーズ1の学びは、やはり時間が一番希少な資源であること。ですので計画的に時間を投資して、ちゃんと1ヶ月とか2ヶ月の短期で終わるものにテーマを絞ることが大事だなと気づいたのが、最初のフェーズ1でございました。
プロジェクトはそもそも「無理ゲー」という気づき
高橋:次はフェーズ2ですね。「プロジェクトが本業になった」という異動です。企画部門に異動してプロジェクトが本業になり、ずっと「時間が足りない」と言ってたんですけど、(今度は)プロジェクトに割ける時間が100パーセントになったんですよ。時間は十分ですよね。

じゃあうまくいくのかというと、まあいかないんですよ。専任担当になったんですけど、五里霧中で「何やったらいいの?」と悩み始めるんですね。
「どのペースで進めたらいいの?」とか「1人でやるのが正解なの?」とか。「失敗しないためには何をしたらいいの? 誰も教えてくれないんだけど」という状態になって、けっこう困ったんですよ。
それで私が何をしたかというと、この状態ですね。もうなくなっちゃったんですけど、渋谷にジュンク堂という巨大な本屋さんがあったので駆け込んで、ひたすらプロジェクトマネジメントの本を探しまくったんですよ。

出てくるのはだいたいエンジニア向けの専門書で、ちょっと歯応えがありすぎて。まだ非エンジニアでもわかりそうなものをがんばって探して読み込んで、やっと自分が何に苦労していたかがわかったんですね。
何かというと、プロジェクトの正体を知らなかったということです。先ほど(平林さんから)「敵は周りの人だ」という話があったんですが、私が挑んでいた敵はプロジェクトだったと。みなさん、「プロジェクトの定義とは何だ」と言われて、答えられますか?

私は答えられなかったんです。それで、いろいろ調べていく中で、こういう定義が書いてありました。「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有機的な業務」。これをプロジェクトと言うんですよと、アメリカのプロジェクトマネジメント協会が定義しています。
もうちょっとわかりやすく言うと、今回の会場がゲームのテーマなので、「誰も見たこともやったこともないことを期限までに完成せよ」という“無理ゲー”なんですよ。
プロジェクトという“冒険”の攻略法を作っていく
高橋:となると「今まで自分が10年間やってきた業務は、陸上競技なんだな」と、ちょっと整理したんです。どういうことかというと、明確なルールがあってレールが決まっていて、その中で正確にスピーディに対応する。ミスをしないことが求められる業務だったと。
一方でプロジェクトって、冒険なんだと思うんですよね。先ほどの平林さんの話にあった「アドレナリンが出る」って感覚、わかるんですよ。だって冒険なんですもん。山を登りきったら「やった!」ってなるじゃないですか。これがたぶんプロジェクトです。
そうなると、冒険していたら多少の寄り道ってしょうがないですよね。なので多少のロスは許容しながらも、最終ゴールにどうたどり着くかというのがプロジェクトなんだ。だからゲームチェンジしたんだなということを、自分でちゃんと理解をしたところが大きいです。

私はエン・ジャパン社内でたくさんのプロジェクトをやっていたんですけれども、ゲームでも攻略方法ってありますよね。「プロジェクトの攻略法」がプロジェクトマネジメントなんだなということで、社内で研修を作り始めたというふうになります。
まず、プロジェクトは冒険である。これまた冒険風の画像をAIに作ってもらったんですけど、海に出たら波立ちますよね。嵐がくるじゃないですか。

なので、冒険で言うと航海術ですね。予想外なことがあることは覚悟しながら、正しいプロジェクトマネジメントの知識に基づいて、正しく理解した上で計画を練ることが大事だったんだなと理解しました。
プロジェクトを任せる時の上司と部下の気持ちの「ズレ」
高橋:それで最終のフェーズ3ですね。私もがんばってプロジェクトをやってたんですが、だんだん回らなくなりました(笑)。人に任せなきゃいけないフェーズになってきたので、私が主担当で動かすものと、人に任せるプロジェクトに分かれていったんですよ。

それで「課題:いかに人に任せるか」という、今日のテーマになります。プロジェクトメンバーに任せていても、最初は介入しちゃうんですよね。このグラフは横軸が時間経過です。縦軸がモチベーションです。オレンジがプロマネ・上司側で、青のラインがメンバーです。

プロジェクト開始前、私はだんだんモチベーションが上がってくるんですよ。「期待して任せたしな、がんばれよ!」という感じですね。若手は「私にできるのかな……」と思いつつ、なんか期待されてるから徐々に上がっていく感じですね。ここでズレがあると。
次に(プロジェクトが)始まった時、メンバーは最初は楽しいんですよ。やはり今までやったことがないことをやっているので、なんだか楽しくなるんですよね。紆余曲折しながらも楽しい。
そこで私は、グッと我慢の時期なんですよ。「なんか回り道してるな」「無駄してるな」とわかるけど「今はまだ手を出してはいけない……」と思って、グッと我慢してると。
プロジェクトが進捗すると、本当にやばいなというラインを越えてくるんですよね。この時に「このまま終わらせたら失敗体験で終わるから、ちゃんと介入しなきゃいけない」と本気で介入し始めるんですね。
プロジェクトが終わった時にどうなるかというと、私自身は「ちゃんとゴールに導いたな」という達成感を味わってるんですが。メンバー側はやはり「最後に手を出してもらったな」という感覚があるので、「失敗だった」「私は期待に応えられなかった」という挫折感に変わっちゃうんですよ。
翠:めっちゃわかります。
高橋:わかります? ありがとうございます。
翠:先輩が「こうなんだよね」と言い始めた瞬間の「私は間違った……」というの(笑)。期待に応えられなかったというのが。
高橋:そうなんです。プロと言いつつ、プロジェクトマネジメント研修を社内でやりながら、やはりここの葛藤を乗り越えられなくて。たぶんそこが平林さんのお話にもつながってくる部分だと思うんですよね。
失敗が無駄にならないか命取りか、「プロジェクトの見極め」をする
高橋:失敗させないために介入しているのに、メンバーのモチベーションが低下する。「どうしよう」と悩んだんですよ。結論は「失敗は無駄だという思い込み」なんですが、私がお世話になっている上司の岩崎(拓央)という者がいるんですね。

岩崎が見かねて、「淳也さん。子どもってさ、なんでジャングルジムが好きなんだと思う?」っていきなり言い始めたわけですよ。私は「この人、何言ってんだろ」と思ったんですけど(笑)。「わかんないですね」って言ったら……。
ジャングルジムって、なんで子どもが登るんですかねって。「ゲームと一緒で、ドキドキが楽しいんでしょ」と。「落ちるかもしれない、登れないかもしれない。でも、ちょっと上に行けたところが楽しいんじゃん。それができるから成長実感につながるんだよね。それを奪ってない?」って言われて、すごくハッとしたんですよ。
「確かに大怪我をさせないことは大事だから、高い所まで行ったら(受け止められるように)下に行くことは大事だけど、でも低い所は別に落ちたっていいじゃん。多少のかすり傷なんてさ、勲章だよ」みたいなことを言われて「あぁ……」って(笑)。けっこういいこと言うな、さすが取締役と思いました。
翠:(笑)。
高橋:これまでに話した10年間の私のエピソードも、結局ずっと試行錯誤してるんですよね。痛い目を見ているから理解している。
平林さんの話も、今けっこうおもしろおかしく話していただきましたが、それぞれ真剣に考えて取り組んだ中で、ハッとすることが全部「プロマネの基礎」になっていると思うんですよね。だから無駄はなくて、全部大事な学びなんだなと理解したんです。
大事なのは「プロジェクトを見極める」ことですね。若手が経験値を稼ぐためのプロジェクトとして使えるのか、ミスが絶対許されない強敵だったら自分が行くしかないので、そこをちゃんと見極めようと。
この絵は宿屋ですね。RPGゲームでは、だいたい全滅すると宿屋や教会に復活するじゃないですか。でも死なないですよね。またゲームを始められるじゃないですか。

だから、プロジェクトの失敗はけっこう許容できるものもある、という理解のもとで考えていただくといいんじゃないかなと思っております。(会場の)後ろを見たら、けっこう立ち見の人がいて、お付き合いいただいてありがとうございます。
こんなかたちでプロジェクトマネジメントをいろいろ学んできましたので、プロとご紹介いただいたんですが、順風満帆ではございません。平林さんが紆余曲折と言われていましたが、私もそうです。紆余曲折をちゃんと理論に落とし込んだので、今は人前で話せるようになってるかなと思っております。
プロジェクトマネージャーがマネジメントすべき2つのこと
高橋:私のパートのまとめに入ります。まずプロジェクトの正体とはということで、(今日のイベントのテーマは)ノーコードランドなので、「制限時間内にミッションをクリアするゲーム」です。プロジェクトマネージャーは「無理ゲーを攻略するプレイヤー」なんですね。

じゃあ、このプロジェクトマネージャーがマネジメントするものは何かというと、たぶん2つに分かれてきます。プロジェクト自体のマネジメントと、メンバーのマネジメントは別なので、まず分けなきゃいけない。

プロジェクト自体の管理は「そもそも時間が足りてる?」とか「プロジェクトの難易度的に、これを若手に任せて大丈夫なの?」「これはラスボス級だから、やっぱり経験ある人がいかなきゃいけないよね」ということをちゃんと見極める部分。
メンバーの管理の部分だと、まずメンバーは「その業務をする時間はあるの? 兼務で時間が足りてないんじゃないの」というところとか。航海術というふうにご説明した、「プロマネの知見を持ってるの?」ということを知らなきゃいけないんですよ。
知らないんだったら、マイクロマネジメントをしてあげたほうがいいですね。それから、参加メンバーの特性も見なきゃいけないです。平林さんがおっしゃったとおり、指示してほしくない人もいるので、うまく相手を見て任せ方を考えなきゃいけないところがございます。
有名な「敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」という言葉がありますが、敵は仲間じゃなくてプロジェクトです。プロジェクトの強さをちゃんと把握しましょう。その上で、己というのはプロジェクトチームなので、チームの総力をちゃんと把握することが大事だと思っております。
特性の部分は知らない方も多いかなと思うので、ちょっとご説明いたします。こちらは弊社の開発している適性テストの結果です。これが私の結果なんですが、上から主体性、変革性と書いてあって、自分から変えていくのが好きなタイプなんです。

次のオレンジのところは、論理的表現力や意思伝達力と書いてあるので、自分の意思をわかりやすく伝えるのが得意な人なんです。こういった特性って、みなさんが今回のセッションにご応募いただく時は(私のプロフィールを見ても)読み解けないですよね。
私がどんな人かというのは、こうやって話している態度やキャリアを見ていただくと、なんとなくわかるんですが、内面みたいなものはわからないんですよ。これを解き明かすのが適性テストになってきます。
個々のメンバーの特性を理解した上で、うまく手綱を引いていく
高橋:適性テストで出る内面の部分は、実はあんまり変わりません。三つ子の魂百までというところです。これが弊社のテストだと5つに類型されます。「セルフスターター」「スペシャリスト」「カメレオン」「コメンテーター」「フォロワー」です。おそらく平林さんはセルフスターターで、翠さんもセルフスターターですね。
翠:このセッションを考える時に受けさせていただいて、それぞれの違いがすごく出て、おもしろかったです。
高橋:ちょっと違うんですけど、みなさんセルフスターターで、私もそうなんですね。なので、このタイプをマネジメントする時は、細かく指示しちゃだめですね。
翠:私も放任主義が好きですね(笑)。
高橋:そう、気持ちよく突っ走らせるほうがいいんですよ(笑)。ということで、メンバーが自分をちゃんと理解することと、理解した上でうまく手綱を引くところが大事になってきます。
1個だけ、フォロワーというところをわかりやすくご紹介いたします。「プロマネの指示を待つ人って優秀じゃないの?」という問いですね。こんなシーンってありませんか?

上司側が「できないならどうして相談しに来ないんだよ」と。メンバー側は「すいません」と言いながら、心の声では「だって忙しそうだしさ、なんか質問したら迷惑かかりそうだしさ。私のことなんか聞いても……」と、もやもやってするタイプの人がいるじゃないですか。
もし弊社の適性テストの結果でフォロワータイプだったら、この方の行動は当たり前なんですよ。こういうタイプなんです。このタイプの強みは、チームワークを重んじます。周りがしっかり見られる。だから周りを見て動こうとします。
一方で弱みに転じると、周りを見ちゃうので、自分から動き出せないんですよ。なので、このタイプの人をマネジメントする時は、本人の自主性に任せると危険なんです。
効果的な関わり方としては、組織内の役割や職務をちゃんと明確に定義してあげて、レールを作ってあげたり。指示を出す時は、5W1Hで「いつまでに、何を、なぜ、どうやるか」というのをちゃんと指示してあげると、このメンバーは本領を発揮してくれます。
ですのでプロジェクトマネジメントをする時に、この特性のところまで深く理解してあげると、しっかりコントロールができるんじゃないかなと思います。
マネジメントは、部下の習熟度に合わせて変えていくもの
高橋:次に任せ方。先ほどマイクロマネジメントという話があったんですが、マネジメントやリーダーシップって実は型があるんです。人材領域だと、SL理論(Situational Leadership)というものがあります。
要するにシチュエーションに応じて、リーダーシップを変えなきゃいけないというものですね。先ほど平林さんからあった、上司が細かく指示する「指示型」と、もう1つはある程度任せる「放任型」というものがありますね。
「どちらが正解ですか?」と言われるんですけど、正解はありません。基本的には部下の習熟度ですね。発達度に応じて、どこまで手を放すかを考えるほうが正しいです。
細かく言うともっと段階があって、最初は指示をある程度出す。知らない人は手取り足取り教えてあげた上で、ある程度援助をする。本人に考えさせながらも、いっぱい指示を出すというコーチ型にいって。

そのあとに、指示を減らすけど援助はいっぱいするという援助型にいきます。これである程度自走するようになってから、最後の委任型にいくときれいだというふうに一般的には言われています。
さあみなさん、この中で自分が指示を出す時にどれがやりやすいとかあります? 思わずやっちゃうこととかありません? もしくは自分が受ける時、メンバーとして働く時に、どれがやりやすいというのはきっとありますよね。
みんな得意不得意があります。私はわりと指示型になっちゃうんですよ(笑)。なので気をつけなきゃいけなくって、なるべく委任型でいこうと思っています。平林さんはどれになります?
平林佳華氏(以下、平林):委任をしたいと思いつつも、指示型になっているかもしれません!
高橋:(笑)。そういうふうに型で分かれてくると、「自分が今どこにいるかな」「ほかのやり方ないかな」という考え方になると思うので、今日ちょっとご紹介をいたしました。リーダーシップ、マネジメントは、部下の習熟度に合わせて変えていくことが大事になってまいります。
今回のテーマで言うと、正解のあるプロジェクトは存在しないので、成功も失敗もすべて貴重な経験です。PMとメンバーがともに学ぶ姿勢がとても大事じゃないかなと思っております。

このあたりはやはり知見が必要だということで、今いろんな研修をさせていただいてます。kintoneの研修に限らず、ここまでご説明したようなプロジェクトマネジメント研修ですね。
私も研修の講師をしたり、伴走支援をしたりもしていますので、もしお困りの方がいたら1人で悩まずに、ぜひお声がけいただければと思います。私の発表は以上でございます。

(会場拍手)
「正解がないプロジェクト」を人に託す時の方法論
翠:ありがとうございます。こうやって型に入れてもらうと、「今はどこなんだろう」「ここになっちゃってるからうまく回ってないんだな」とか、「この人にはこれしたほうがいいな」ということが、すごく見えてくると感じました。

最後にもう1回、振り返り的なところなんですけれども。プロジェクトを楽しむためにという部分で、プロジェクトマネジメントの知見は絶対大事だなと思います。
マネージャーもメンバーも知見があることによって、お互いがコミュニケーションする時に、共通言語を持てることが大事かなと思いました。それで「これはしょうがないよね」ということをちゃんと理解できるようにする。
あとはプロジェクトの性質。失敗していいものなのか、それとも本当にちゃんとやらなきゃいけないから任せられないのか。そこの見極めがそれぞれ大事だなとわかりました。あとは部下の特性。「この人にはこうしよう」ということを使い分けていくところは、やはり大事だなと思います。
私が一番心に響いたのが、「プロジェクトに正解がない」というのは、マネージャーにとってもやる側のメンバーにとってもそうだなということです。1個のポイントとして、正解がないから、「間違ってるかも。助けてもらえる?」というふうに持っていけたらいいんじゃないかなと思いました。
ということでみなさま、ちょっとお時間を過ぎてしまいましたが、こちらで本セッションは終了とさせていただきます。ご清聴いただき誠にありがとうございました。
(会場拍手)