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国内シェアNo1ベンダーが語る、マーケターが抑えるべきデジタルマーケティング新戦略(全2記事)

2017.01.10

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少子高齢化はマーケティングをどう変える? 企業のフェーズ別、次世代デジタル新戦略

提供:株式会社ロックオン

12月2日に開催された、各企業のマーケターが一堂に会すイベント「Marketing Special DAY」。マーケターの価値向上への寄与のため、最新の取り組みや事例を各社が紹介しました。株式会社ロックオンの足立愛樹氏は、「国内シェアNo1ベンダーが語る、マーケターが抑えるべきデジタルマーケティング新戦略」というテーマで、人口の推移とマーケティング環境の変化を取り上げ、来たるべき新時代のマーケティング戦略について語りました。

国内シェアNo.1のアドエビス

足立愛樹氏:よろしくお願いします。弊社ロックオンは、「アドエビス」という国内シェアNo.1の広告効果測定から始まった、マーケティング施策全般を計測できるツールを提供しています。本セッションでは、アドエビスの実績・事例を基に、これから求められるマーケティングの新戦略をテーマにお話させていただきます。

本日の最終セッションとなっています。朝から来られた方はかなりお疲れかと思います。トレンドがあって、事例があって、最後に新戦略という流れなので前半は少しリラックスして聞いていただいて大丈夫です。45分貴重な時間をいただきますが、よろしくお願いします。

会社の紹介と自己紹介をさせていただく前に、本日どんな話をするのかというのを簡単に触れておきます。

私は毎日3社様ほど、クライアントさまを訪問することが多いのですが、マーケターの方から一番よくご相談いただく悩みになってます。「テクノロジーが進化しているが、自社のフェーズに合うデジタルマーケティングの活用をしたい」というところがすごく本質的だと感じています。今の会社に合うソリューション選びたいという課題に、弊社がどう向き合えるかは日々考えているので、今日はここに沿ってお話しをしたいと考えております。

もう1つ、すごく試された質問に思えるのですが、「これからデジタルマーケティング成功したいんだけど、なにが鍵だと思う?」ということもよく聞かれます。これも自分なりの答えがあるので、最後のほうに触れていきたいと思っています。

では、前段のところで会社の紹介と自己紹介をさせていただきます。

株式会社ロックオンは、EC-CUBEという製品とアドエビスという製品の2つを自社で開発しているベンダーで、5つの拠点を持っています。日本で3拠点と海外で2拠点です。2014年にマザーズに上場しています。アドエビスのトピックを3つほどご紹介します。

アドエビスは2004年にリリースをしていて、国内シェアNo.1取ったのは2006年。そこからアカウントが増え続けていて、非常に多くご利用いただいて、月額の広告費10万円から億単位まで幅広い層のお客様をご支援をさせていただいております。

導入の実績は、累計7,500アカウントを突破しており、無償アカウントはございません。

人口の推移とマーケティング環境の変化

私は、コーポレート戦略部というところで製品の企画・戦略を担当しています。

いろいろな業種のお客様がお持ちのマーケティング課題をヒアリングし、どういった機能がアドエビスに求められているのかを考える仕事をしています。

2013年からいろいろとテーマを深掘って発信してきました。2013年だと「記事広告のアトリビューションは効果」について「Web担(Web担当者Forum)」に寄稿しております。直近だとMarkeZineでカスタマージャーニーについて寄稿しているので、興味がある方はぜひ見ていただければと思います。

では、本日の内容を進めさせていただきます。

まず「少子高齢化」について。「マーケティングのセッションでいきなりこの内容?」と思われるかもしれませんが、弊社としては非常に重要な観点だと捉えています。人口推移は、ここから100年で過去100年前の水準に戻ります。

これはグラフの時系列を長く取った場合の推移です。現時点で約1億2,000万人いる人口が、2050年には約9,500万人になると言われています。

人口予測は非常に精度が高い学問と言われています。人口学ですね。過去1960年代に国連が世界の人口を予測して、40年経った2000年での差異というのが0.09パーセントしかなかったくらい人口学の予測は精度は非常に高く、その予測は大きく外れることは無いと考えています。

なにが起こるかというと、少子高齢化です。高齢化が起こって、若年層がすごく減ります。ここから先、マーケットの市場環境がどう変わっていくのかが非常に重要になります。間違いなくマーケットの市場規模は縮小します。

(スライドを指して)一見わかりづらい数字なのですが、数字が人口だと思ってください。1億2,770万人が2005年だとします。そこから2050年になったときに、9,515万人になるという予測が出ています。

ここでお伝えしたいことはたった1つ。1人あたりのLTVを上げない限り同じ売上を維持できないということです。

2005年の段階で1人あたり、1の売上を得ていたと仮定して、同じ売上を担保しようとすると、1人あたり1.4倍顧客単価を上げないといけないのです。飲食店で言うと、3食食べていた人に「もう1食食べてくれ」という状態になります。

さらに、一番お金を使う若年層に寄ってくると2.2倍です。「6食食べてくれ」という状態になります。人口減少はマーケティング環境に対して非常に大きな影響力があることがわかります。

デジタルマーケティングが注目される理由

続いて、ニーズの多様化。これは非常にふわっとした話にはなるんですけども、肌感覚は一番ある話かなと思っています。

直近だと、所有の欲がなくなって、シェアリングエコノミーが流行っているということも、まさに消費者ニーズの変化といえます。所得が増えたり、情報収集が容易になることで、消費者は選り好みするようになりました。

最後に、メディアの多様化です。これは今日の(イベントで行われた)ほかのセッションでも多く語られていることなので、飛ばし気味でいきます。今まではテレビというものすごく大きい高速道路がありました。テレビの高速道路を使えば、辿り着きたい人にズドンと辿り着けるのがこれまででした。

今は細かい道路がたくさんある状況です。その道路しか通らない若者がたくさんいるので、その道路を使わざるを得ないのです。

これらの背景をまとめると、少子高齢化という大きい波があるなかで、市場規模が縮小し、ニーズは多様化、より精緻なコミュニケーションで1人のLTVを高めないといけないということが1つ。

もう1つは、メディアの多様化によりコミュニケーション手段が複雑化します。FacebookとTwitter、メールとSEM、同じ広告であっても、媒体によってリーチできるユーザー層、検討のフェーズ、ニーズも変化してきます。それに伴って制作物や得られる成果も変わってきます。

デジタルマーケティングが注目されるのは、これら2つの背景があるからだと思っています。デジタルには、それらが解決できる環境があります。小さく始めて小さく改善していくこともできるし。メディアごといろんな表現ができるのはデジタルのいいところで、デジタルマーケティング戦略を語る上で、これらの文脈は欠かせません

こういったが背景があるなかで、「どうやってフェーズ別に改善をしていけばいいんだ」というご相談をよくいただきます。すごく悩みましたが、シンプルに2段階でお話しいたします。

売上を上げたければ「顧客数×顧客獲得率」だとか、効率を上げるのか量を上げるのかみたいなフェーズで事例を挙げていければと思います。

効率の改善の第1歩

まずは効率から。リレーで例えたいと思います。みなさんが監督で今から400メートル走で4人のリレー選手を選ぶとなった場合、どう選びますか?

シンプルにいくと、一番速い選手、一番強い選手を4人集めてくれば勝てますよね。効率の改善の第1歩はここです。

マーケティング戦略上、なにか1つだけやっているということはないはずです。4つやっていたり、5つやっていたり、多岐に渡る策を実施しているはずです。まず効率を高めたい最初のステップは、強い選手を早く見つけ出すことです。

マーケティングにおいて、比べるべき施策は実はそんなに多くないです。例えば、動画広告の場合は、よりユーザーが見てくれてよりコンバージョンしてくれるのはどれか比べればいいですし、リスティング広告やバナーを出す際は、どれがたくさんコンバージョンを取れるのか比べればよい。A/Bテストをたくさんやって、この経路が一番コンバージョンがたくさん取れるということがわかれば、その経路を強化すればよい。「強めるものを選ぼう」ということをやれば、必然的に効率は改善します。

この時ポイントになるのが、データが点在していると、この一覧表を作るのがとても大変だということ。例えば、全国の関東の高校選抜を作ろうとなって、4人選ぼうとなったときに、高校各所で手書きでタイムを計っていたら、後で集めてきて、それを一人ひとり見なければいけません。

「100メートル走だったら彼だけど、200メートル走だと遅いね」とかやっていると、それだけで時間がかかって、最強の選手を選べなくなるということがあるので、一覧表は常にリアルタイムで簡潔である必要があります。それを広告効果、マーケティング施策全般で一覧で見られるようにするのがファーストステップ。ここにそんなにお金はかからないと思っています。

弊社だと、月額1万円から扱えるようになっています。アナリティクスで頑張って設定してダッシュボードを作って、ということでも近いことができます。デジタルマーケティングにおいては一覧表をうまく作れているかというのがもっとも重要だと思っています。

ここから先がちょっと重要です。データを1つのツールで計っておいて、それが一覧で見れる状態を使っておけば、速い選手が瞬時に選べるようにる。それでも、リレーは速い選手が4人集まっても勝てないことがあります。例えば、バトンパスの失敗。

マーケティングも一緒です。A、B、Cの施策があった時に、Aが強くてB、Cが要らないのかというよりは、BがあるおかげでAが活きるとか、純広があるおかげでリスティングが活きるということがあるので。その流れをデータとして取れているのかというのが、次の論点になります。

「直接効果」と「間接効果」で広告を評価

「直接効果」と「間接効果」という言葉を使わせていただきます。直接効果というのが、その広告に接触してそのままコンバージョンしたもの。コンバージョンする手前に当たった施策です。間接効果がコンバージョンをアシストしているもの全般を指します。

「最後にリスティング広告でコンバージョンした。その手前に実は記事の広告を見ていた」だったら、記事広告は間接効果で、リスティングが直接効果という考えが、アトリビューションというものですね。「アトリビュート」というのは貢献という意味なんですけども、コンバージョンに間接的に貢献しているという表現です。

データを取ったときに、(スライドを指して)A、B、C、Dでマッピングしているのはなにかと言うと、縦軸が直接効果です。

最後にクリックさせてコンバージョンさせている広告が、A、Bに入ってくるよう一覧化されています。横軸は、間接効果があるか・ないかです。1回目のラストクリックにはなってないけど、手前のどこかで当たったことがあるというのは、評価する必要があります。

それを横軸に並べた時に、Aはもっとも優秀で、Bは直接に強くて間接に弱い。Dは直接は取れてないけど、アシストを多くする。その広告自体は、リレーに例えると、足は早くないけどバトンパスがやたらうまいみたいなかたちですね。

そして、Cはなにも役に立っていないですね。今は効率の話をしていて、「成果=量×効率」なので、効率を改善するなら、はっきり言ってCは要らなくなります。強い選手だけ残せばいいのでCは要らなくなる。

Cを削った場合の実績ですが、Cは今までコンバージョンに一切貢献してないので、削ってもリスクがありません。売上は下がらない。今出している広告の効果が見えてないと、広告を止めるとコンバージョン数が下がってしまう不安があるので、簡単に止められませんでしたが、間接も直接も効いてないものであれば、自信を持って止められる。そして、施策を止められるとなった場合に、棒グラフが売上の推移です。

切り替えたタイミングでも売上は一切下がらずに、そこから投資して売上を上げるという事例です。

青いほうは間接効果を見ずに広告を削った場合です。間接効果のおかげでコンバージョンを取れているケースもあります間接効果も加味しておかないと、売上を下げてしまうリスクがあるというところをお伝えしたいです。

効率だけでは限界が訪れる

効率を高めていくのは限界がきます。これがマーケティングトレンドです。

今、潜在要素から顕在要素に向けていろいろなメディアが存在します。顕在層寄りのものだとSEM、SEO、DSPのリターゲティングなどがメインになりますが、面が限られていることもあり、競争がとても激化しています。

別のセッションでも語られていたのですが、最近はCPCが非常に高騰化しているため、結果的にCPMも高騰しています。1クリックあたりの単価が上がってしまうと、アクイジション・コストが高まります。なので、もう少し手前で当たろうという施策が増えてきます。広告手法の多様化です。

しかし、彼らにコンバージョンは期待できないです。認知してから、どんどん好きになってもらいたい、「育成したい」というニーズに対してのメディアだと、直接コンバージョンしづらい。間接効果も、期待できないかもしれない。

なので、潜在層向けマーケティングにシフトした、「育成型のマーケティング」が次のフェーズです。強い選手を選ぶだけでは勝てなくなってきます。

「強い選手をまだ選び切れていない」という方はそこからやるべきだと思います。いきなりすべてを包括的にデータをとろうというところは、正直言って手余りなので、強い選手を瞬時に選べていないのであれば、そこからスタートすべきです。

これは実データになりますが。

弊社で実際のコンバージョンに至る広告接触回数を算出してみたところ、67パーセントが、広告もしくはその他施策、自然検索を含めて2回以上施策に触れていることがわかりました。1度の接触でコンバージョンしているのは、30パーセントしかないんですね。

これが先ほどお伝えしたメディアの多様化が進んでる要因になっています。1発で「あ、これいい」というよりは、順番に検討されていく。知って、好きになって、検討して、購入するということが起こっている。

よく「アドエビスさんっていろんな業界があるから、混ざっていてあまり参考にならないよね」と言われるので、代表的にデジタルが使われている領域を引っこ抜いてきましたが、それでも50パーセント以上が複数の接触でコンバージョンしていることがわかります。

不動産、アパレル、金融でも50パーセント以上は、2回以上なにかに接触して購入しているという実例があります。単発の施策では必ず限界は来るということをお伝えしたい。

いい選手を選ぶだけでは、2回、3回当たることを考えてコミュニケーションをとっている企業には勝てない。バトンパスまで鍛錬したリレーのチームには勝てなくなるということが次のフェーズであります。

なので、そこから先は量に話を移していきたいと思います。効率だけ高めていってもいつか頭打ちになるので、次は遠い層に出会うためにはどうすればいいかというところ。弊社としても目下の課題で、お客様と試行錯誤しながら事例を作っていっているところです。そこをご紹介したいと思います。

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