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国内シェアNo1ベンダーが語る、マーケターが抑えるべきデジタルマーケティング新戦略(全2記事)

2017.01.11

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潜在層を動かすための“2つの指標”とは? 2017年、新たに考えるべき次世代型マーケティング

提供:株式会社ロックオン

12月2日に開催された、各企業のマーケターが一堂に会すイベント「Marketing Special DAY」。マーケターの価値向上への寄与のため、最新の取り組みや事例を各社が紹介しました。株式会社ロックオンの足立愛樹氏は、「国内シェアNo1ベンダーが語る、マーケターが抑えるべきデジタルマーケティング新戦略」というテーマで、潜在層を検討層へ移行させていくためのデジタルマーケティングについて語りました。デジタル時代全盛の今、企業の資産価値を高めるデータの活用法とは。

潜在層を検討層へ移行させていく

足立愛樹氏:では、フェーズ2です。潜在層を検討層へ移行させていくという考え方です。

卵みたいな図になっていますが、一番お客さんになるのが顕在層。その手前の少し悩み始めてるぐらいが検討層で、「まだ知らないけど見込みはありそうだよね」というのが潜在層だと思ってください。「探す」「想起する」のもっと手前の、「知る」というところにいらっしゃる方々です。

お金を使って、ブログを作ったり、メルマガを作ったりする行動をすごく端的に表すと、図の矢印の行動をやっていると思っています。

この時に重要になるのが、指標です。コンバージョンだけを指標に置いていると、潜在層を検討層に寄せることができている施策を、コンバージョンしていないことを理由に、止めてしまう可能性があります。結局、検討層と潜在層のボリュームのなかでしか戦うことができなくて、効率を改善し切ったら終わりということが起こります。

コンバージョンとは違う指標を見つけるのが次のフェーズです。CVに貢献しない施策をどう評価するのかというと、2つ指標をご紹介します。先ほどの一覧表、成績表に2つ指標を追加します。

1つ目が「接触新規率」です。この施策はどれだけ新規に当たっているのか。今まで当たった人に何回も当たっているのではなくて、新しいユーザーを見つけてこれたかを評価してあげるのが「接触新規率」です。

では、検討層に移行した数を測る指標はなにになるかというと「アクション喚起率」です。今、非常にご評価いただいている独自指標で、初回施策後に別バナークリックや自然検索に移行できた、「アクションを喚起できた割合」を出すことができます。

バナーや記事広告に当たってなにもアクションがないというのは素通りされている可能性があるけども、バナーに当たったことがあるユーザーがクリックを多くしていると。記事広告を閲覧したユーザーが100人で、閲覧後に別広告をクリックした人が10人だったら、10パーセントがアクション喚起率として算出することができます。これが、1人しかクリックしなかったら1パーセントになるので、10パーセントのほうがよりユーザーのアクションを喚起できた媒体になる、という考え方です。

クライアント名は申し上げられないのですが、実際にこのレポートで評価いただいて、潜在層向け施策のPDCAを回されている企業さまがいらっしゃいます。彼らは、新規率とアクション喚起率という2つの指標を見ていくと、どの潜在層施策が期待に沿った役割を果たせているのかがわかってきます。潜在層施策に沿った指標があれば、アロケーション、予算を寄せていこうということが意思決定できるようになります。

今までの潜在層向け施策は、何を基準に評価していいかわからないことが多く、なににお金を使っていいかわからないケースがありました。指標が明確になれば、予算を多めに出してみるというアクションをとれるようになり、データ分析の成果を出すことが可能になります。

実際の事例で見てみると

刈取り型施策はCPAとかコンバージョン率。良い成果の広告を選べばOKですが、その次のフェーズになってくると、新規率、アクション喚起率といった、効率だけではなく、より優良なユーザーを増やす施策が重要になってきます。

アドエビスのお客様にご提案させていただいて、実績が出ている分析手法なのでご紹介させていただきました。

実際の事例で「青汁」「ぐるぐるぐるグルコサミン」の世田谷自然食品様でも、近いことをやりました。

単品通販では通常、潜在層への記事広告はあまりやらないのですが、今回は大手メディアの「All About」さんに記事広告を出してみて、どんな成果が出せるか調べてみました。

もともとはAll Aboutからランディングページへ送客を期待して出稿を行いましたが、アドエビスのデータを見てみるとAll Aboutの記事広告を見て、後日別の広告や自然検索でクリックして入ってきたユーザーが、ランディングページへ到達したユーザーのなかで40パーセントもいらっしゃっいました。

記事広告を閲覧後、一度離れたユーザーが、別経路から再来訪することは、非常に大きい成果だと思っています。

また、記事広告を閲覧した人と、一切閲覧せずに入ってきた人と、どう違うんだろうというのを分析した時に、記事を見た人のほうがクリックしやすさが上がっているということもわかりました。

なので、別の広告を見た時に、「あ、これ見たことあるな」「クリックしてみよう」となりやすくなっているということが、記事広告を出している1つの成果としてわかりました。

少し検討してみようと思わせることが、潜在層向け施策の本質であり、事例も少しずつではありますが、出始めてきています。これをうまく使えれば量を増やすメソッドも開発できるんじゃないかなと思っています。

実際にユーザーの動きを見ても、記事広告を6月11日に閲覧後、7月3日に再来訪、7月4日に別広告をクリックしているユーザーがいて、ユーザーの経路はアドエビスで全部見られるようになっています。

デジタルで出会えるユーザーの数

最後のタイトルの本題にいきたいと思っています。

「デジタルマーケティングの成功になくてはならない考え方」ということを強気で書かせていただいているんですが、ひと言でこのページで言っていることがすべてです。

「デジタルで出会えたユーザーを資産化する」ということが、今後なくてはならない考え方だと思っています。どういうことかと言うと、オーディエンスデータという考えは、メディアさんで語られたりすることが多くあります。このメディアから何人、どんな属性の人が来ているか。これを、自社で施策を改善するそのタイミングから、月額広告コストが10万円の時からずっとオーディエンスデータを蓄積するという考え方でデジタルマーケティングができていれば、会社の資産価値が上がります。

データというものがものすごく大事だと語られるんですけども、とくにユーザープロファイルデータがものすごく大事だと思っています。少し補足をさせていただくと、CRMは非常にマーケティングにおいて重要で、ここを極めている会社は勝つと思っています。

例えばAmazonさんは、顧客の求めていることがわかっています。どのタイミングで、どういう施策を出せば購入してくれるかということがわかっていれば、新規のお客さんを獲得した瞬間からその法則が当てはまる。なので、仕組み化されていく。会社のなかで売上を上げていく。ユーザーが満足してもらえる仕組みがどんどん蓄積されていく。ということで、CRMはものすごく大事であるということが前提として、デジタルにおいて、もう少し新しい概念を提唱したいと思います。

見込み顧客になる前、会員登録などをする前のユーザーをリスト化できるのが、デジタルのすごくいいところです。会員登録のコンバージョンレートが1パーセントだとすると、サイトではその100倍のユーザーに出会っているわけですね。さらに、CTRが1パーセントだとすると、さらにその100倍いろいろなメディア上でユーザーに出会っていることになります。

この「出会っている」ということが非常に重要で、最近、毎月100万UU獲得しているメディアの担当者さんにお会いした際に、「すごいですね」という話になりました。だって、100万人来てるんですよ。

「いやいや、1億PVいってるメディアさんもいますし、まだまだですよ」みたいなことをおっしゃられていて、「いや、めちゃくちゃすごいことです」と。なぜかと言うと「年間で言ったら1,200万人が店舗に来ているようなものですよ」と。

ちなみに1,000万人ってどんなものかというのをパッとその場で調べていたら、Jリーグが昨年初めて来場1,000万人を超えたんですね。ピンとこなかったら申しわけないのですが、Jリーグってすごく長い歴史を持ったスポーツで、その歴史を積み上げて、積み上げて、ようやく超えた1,000万人というのが、デジタルでは出会えている。

もちろん濃度もありますし、すべてが感情に訴えかけられているわけではないにしろ、年間1,000万人が来る店舗を持っているということは、会社の資産価値としてはものすごく大きい。使った広告費の利益ベースがPLで見られるとしたら、抱えているリスト数自体が資産になるBSの考え方のほうに移行されていくと思っています。デジタルではそれくらいの資産を作っていけるかが重要だと思っています。

ユーザーの“顔”が見えるように

弊社でアプローチしているところはすごくユニークな領域だと自負しています。マーケティングオートメーションやCRMは、メールアドレスが獲得できた後に、ユーザーデータを蓄積していくものですが、弊社の場合だと出会ったタイミングからリスト化していきます。

広告に一度しか接触したことがないユーザーでも、どのIDで管理しているということがわかり、このユーザーがコンバージョンした際は、コンバージョンした際のIDを紐付けることができるようになっています。

アドレス取得の手前にいる100倍、1,000倍のユーザーをリスト化していくことで、たくさんのユーザーたちが自社の見込み顧客であることを実感しながら、データ蓄積していくことができます。

しかし、個人情報を取得する前のユーザーなので、どんな属性のユーザーであるかは知ることができませんでした。男性なのか年齢はいくつなのかということがわかると、よりユーザーリストとして有用性が増すのではないかと考え、直近でバージョンアップします。来週月曜日に、アドエビスのデジタルマーケティング分析に人軸が追加されます。

なにができるかというと、アドエビスの計測領域で出会ったユーザー情報と、外部のモニターネットワークをシンクさせて、ユーザーの年齢と性別と地域の情報を参照できるようになります。

具体的にお伝えすると、この媒体から流入しているユーザーは、男性が8割で、10代以下が多い、ということが管理画面のダッシュボード上から参照できます。これにより、見込みで出会ったユーザーがどういった構成になっているのか、例えばターゲットだと思っていた20代女性に全然リーチできていなかったということがわかるかもしれませんし、30代女性はこんなに興味を持ってくれているんだという発見があるかもしれません。30代女性に向けて打った広告が、実はプレゼント用ということで40代男性にものすごく刺さっていたみたいなことがわかるようになります。

どの媒体が、一番きてほしい顧客層を連れてこれているかがわかるようになります。こういった技術は、元々弊社でライオン様のプライベートDMPを作ってきた、裏側のCookieシンク技術やNTTデータ様に提供しているDMP基盤の技術を使っています。

追加で細かな情報も付与して行くことができるように作っていて、例えば「車の保有車メーカーは何で、どの車種に乗っている」といった情報も連携することができるようになっています。

要は、この車に乗っている人たちには、車の広告を出そうというようなシンプルな話なんですが、それをプライベートDMPのライト版のようなかたちで提供することができるようになります。「ゴルフダイジェスト・オンライン」さん事例も近日公開させていただくのでこちらもご期待ください。

「ゴルフダイジェスト・オンライン」さんは、メディアとしてすごくおもしろい取り組みをしていて、出会えたユーザーがどのような属性の人たちなのかが、メディアのコンテンツ作りにおいて、非常に重要であると考えられています。今回の新機能についても、テストマーケティングをお手伝いいただいたのですが、上手に活用いただいているなと思っているので、近々発表させていただきます。

新戦略のキーワード

ユーザーデータが蓄積できていれば、コミュニケーション取ることができるようになります。次は格安スマホのBiglobeさんの事例になります。データをいくつか編集させて埋めさせていただいたのですが、やったことは事例としてご紹介させていただきました。

格安スマホなので非常に競争が激化している環境ですね。どれがいいのかわからないというユーザーが多いなかで、サイトを訪問したユーザーのなかで「アンケート・リサーチとってもいいよ」と言ってくれてるお客さんを抽出して、彼らに「なんで申し込まなかったんですか?」「最終的にどこで申し込んだんですか?」といった質問を直接できるインターネットリサーチの技術があります。

「アドエビス リサーチ」というソリューションになります。来訪したユーザーに「なんで買ったんですか?」「今どこに満足していただいているんですか?」というのを直接聞けるようになります。

これを聞くことで「こういった会社に申し込みましたよ」「なんでですか?」みたいな突っ込んだ質問ができる。それによって事業戦略に反映していくことができます。

これがいわゆるオーディエンスデータを資産にして、それを事業に活かしていくということをやっていただいている、進んだ事例かなと思っています。

言いたいことをまとめます。自社でできるところからオーディエンスデータを蓄積する。これが新戦略のキーワードです。

一番最初は成果を改善しながら、強い選手を選び、ユーザーがじわじわと貯まっていくと、潜在層へのアプローチをすると見込み顧客が増えます。「増えたデータをこう使う」というソリューションは今ものすごく増えてきてるんですね。オンラインを強みとした企業群では一足先に、テクノロジーを活かしたプランニングが今後の主流になります。

代表的なのは人工知能です。人工知能はいずれみなさんがものすごく格安、もうゼロ円で享受できるテクノロジーになると思っています。先日、アメリカの人工知能のカンファレンスにも行ってきたんですけど、すごく良い具体的な事例も出始めていて、思っているよりもすぐに、生活の中で人工知能が一般的な世界になっていくと思っています。

例えば医療機関でナースの方が、業務で忙しいなか「今日面会時間は何時ですか?」みたいな質問を受ける。その時間に業務の10パーセントのリソースを使ったとしたら、その10パーセントを人工知能で代替できる世界がすぐそこにあって、マーケティングでも同じことが言えます。

「このデータをどう使っていけばいいんだ」という課題に、それをうまく使うソリューションと事例が今後はどんどん出てきます。その時、独自データが貯まっているかどうかが、自社の資産価値を上げる唯一の方法であると考えています。なので、このグラフを書かせていただきました。自社で蓄積したオーディエンスデータと売上や資産価値は非線形に相関するものだと思っています。

最後に宣伝です。アドエビスは月額1万円から必要機能をを必要なタイミングで選べます。高価なDMPのソリューションはたくさんあるかと思います。導入コストを1,000万から億単位で掛ければ、すごくいいプライベートDMPが手に入りますが、みなさんがいきなりそこに投資できるかというと難しいはずです。

でも1万円で広告の効果を測り始めて、次に5万円で自然検索とかを測り始めて、たまっていったデータをリサーチに使ってみようとか、このデータを配信してみようとなっていったら、もうそれがDMPになる。そのステージが上がっていく過程でオーディエンスデータはしっかりためていきましょうというのが弊社から提唱したいクラウド型のプライベートDMPのかたちです。

まとめます。少子高齢化に伴って市場規模は縮小するので、LTVを高めていかないといけない。1人あたりにもっと精緻なコミュニケーションをとっていかないといけないので、デジタルマーケティングの活用が急務になってきています。

ただ、いきなり自社のフェーズと違うソリューション入れても違ったかたちになってしまうので、必要な機能をフェーズに合わせて使うことで、改善は必ずできると思います。そのときに常にオーディエンスデータを蓄積していくことが、次の時代のデジタルマーケティングの新戦略になっていると弊社は考えます。

以上です。ありがとうございました。

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