2024.12.19
74歳の事務員がたった1人で請求業務を担当…… 作業時間を105時間→10時間まで削減させた、介護DX成功の舞台裏
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佐俣アンリ氏(以下、佐俣): 1番の老獪と言われている佐々木さん(笑)。仕事としてのIVPとの出会いとはどういう感じだったんですか。
佐々木大輔氏(以下、佐々木):僕は、別のベンチャーキャピタルで、最初にDCMというところが入っていたんですけれども、そこの新年会っていうのがあるんですよね。そこで、小林さん(小林雅氏)と久々に再会して、なんか実は起業したんですよって話をしていてですね。
そうしたら、「ぜひIVSとかも来てくださいよ」と誘っていただいて、僕はそのインタースコープからのつながりで、IVSの前身のNILSってどういうものかをずっと話を聞いてきたので、「すげえ、そんなの誘われちゃった」って思って嬉しかったですね。
それに行きますっていうのを、その当時のインタースコープの会長だった山川さんに言ったら、ローンチパッド出ないと意味ないよって言われて「なるほど、そういうイベントがあるんだ」となって、とりあえず応募してみたんですね。
ちょうど僕はfreeeをローンチしたのが3月で、その次のIVS springが5月だったので、タイミング的にはすごくよかったと。出てみたらおかげさまで優勝することができて、ちょうどその時に次の資金調達をしようという予定が既にあったんですね。それで優勝できたので「すごく、いいモーメントだな」と思って。
佐々木:僕たちは、シードラウンドのときにそうだったんですけども、どうしても人数少なくやってるので、資金調達に時間をかけたくないというのがすごくありました。
いろんなところにプレゼンしに行って説明したりだとかやってると開発なり、マーケティングなりって進まなくなっちゃうので、何とかそれを最小化したいということを強く思っていて、もう既に大体このあたりのレンジの条件でやってくれればすぐ決めちゃおう、というふうに思っていたんですね。
そんな頃に、ローンチパッド終わった次の週ですね。VCさんがいくつか声をかけてきて、説明したいということだったんですけども、その中のひとつにIVPも来てくれたんですね。
ちょっと話を戻ると、ローンチパッドの予選みたいなところは個人的にはすごく印象に残っていて、ローンチパッドの予選ではIVPの3人に対してプレゼンをし、予選するんです。
ただプレゼンはプレゼンでして、それをフィードバックっていうのもあったんですけど、それ以上に、「わあ、これすごいな! こういうこともできるじゃん!」みたいなことを3人とも子供に返ったようにディスカッションするみたいな、そういう時間になって、その時間がわりと楽しくてですね。
佐々木:社内にもない、こういう方が引っぱってくれる雰囲気みたいなのがあって、この人たちとディスカッションして楽しいなっていうのをすごく感じて、いい印象を持っていたんですね。
その投資の検討のときにも、是非きてくださいと言われ。「具体的にはこういうこと。ビジネスはこういう計画です」とか説明し、どういう基準でVC選びますかと言われて、その時に僕は「資金調達にお金をかけたくないんで、もう早く決めてくれるところにしようと思ってるんです」と話をしたんです。
そしたら「わかりました」と言って、小林さんと小野さんが帰って行って。そしたらその次の日の朝ですね、小林さんから電話がかかってきて「今日時間ありますか?」と言われて「4時からならありますよ」と言って。3時55分ですね、メールが来て、タームシートが書いてあって「ちょっとこれでやってもらいたいんですけどどうですかね」という。
すごい高速な投資決定プロセスに僕は感動して、ビジネスはこういう人とやらないと何か自分がダメになる気がしたんですよね。だから、いや、じゃあちょっと投資委員会待ってくださいとかっていうのじゃなくて「いや、もう決めました」と、こういう人たちとやれることのほうが多分いろんな局面でバリューがあるんじゃないかなっていうのをそのとき思ったんですね。
佐俣:なるほど。結構、老獪ですね。なんか慣れてる感じがしますね。
佐俣:武石さんはなんでIVPとやろうって決められたんですか。
武石幸之助(以下、武石):佐々木さんの話と、結構近いところがあって、判断というかそのスピード感とか、あおった時のすごくタイムスケールが明快で「ここのタイミングでこのぐらい会社のフェーズでじっくり時間をかけるよりも一気に資金調達して、適当に時間の幅を狭めた方がもう絶対にもっとスケーラビリティになることできるよね」みたいな。
すごいロジカルに言ってくださったときに、ちゃんと時間感覚を含めてあおってくれることに感謝しちゃって。僕って意外と怠け癖がある人間だと自分でも自負しているので、そういう意味で、こういうふうにちゃんとしかるべきタイミングで、しっかり鼓舞してあおってくれる方々と一緒にできるともっと前に進めるな、と思ったのがひとつあるんですよね。
もうひとつはやっぱり、結構起業してみて思ったのが、意外に自分の世界ちっちゃいな、狭いなっていう時がやっぱりあるんですよ。どうしても起業家って、起業家の中での話でしか世界観を見れなかったりして、それを適切なタイミングでぶっ壊してくれるようなことをよく言ってくれる。
そういう人たちと、やりたいなと思ったときに、IVPさんはやっぱりおもしろいなと思って、やってるというのはあります。
佐俣:お三方、並んでると共通しているのは、デシジョンがすごい早いっていうのと、高い方向に引っ張ってくるというか、アグレッシブなんですね。
武石:そういうところありますね。
佐俣:実際に投資を受けてみて、一緒に戦ってみて、IVPのどの方が、どういうふうに支援をしてくれている、って教えていただいてもいいですか。
池谷大吾(以下、池谷):うちはもとから小野さんが結構見てくれていて、今はあんまりなくなりましたけど、起業した時は2週間にいっぺんくらい会って「こういう事業で行くんだ」みたいな子供向けに絞った後ですかね。
これぐらいは僕が想像して、それに対してもっとこうやったらみたいなのも含めて、比較的一緒にやっていた感じだった。しばらくは、小野さんとお話する機会が多くて、また資金使途が出てきて調達なんかがくると、ここは小林さんの出番になるので。
完全な役割分担ですね。事業の細かいディティールは小野さんで、投資になると小林さんで、海外でわかったことを田中さんみたいな。3人の立場がかなり明確なので、我々も声を掛けやすくって、特に誰に声をかけちゃいけないということもないですし、我々がそこに気を使うのはバカバカしいので。
うちは、必要に応じてオファーするっていう。小野さん、よろしくお願いします、これどう思いますか、みたいな話とか、途中でも気になったことがあったら小野さんにちょっと聞いてみるとか、そんな感じですかね。
佐俣:すごい明確なんですよね。
池谷:そうですね。意思決定も早いというか、そこにあると思っていて、我々がすごく憧れたのは、IVP自体がかなり筋肉質な組織だし、合理的でいい会社だなって思ってる部分がたぶんあって、同じ起業家っていうイメージですかね。
役割としては、彼らはそういうVCっていう商売をやってて、我々事業をやっているという意味で、そこの憧れはあったとそもそもありますよね。まさに彼らこそが経営者じゃないかなって思っていて。
佐俣:僕もベンチャーキャピタルやってる人間として、その投資で一緒にやってる人から同じ経営者だなって言われるのはすごい誉れなことだと思ってて。
やっぱりファンドっていう微妙に偉そうな人たちじゃなくて、一緒に事業をやっているパートナーと見てくれるのが1番なんか褒め言葉だと思うんですよね。それはいいなという。
池谷:やっぱりこう、IVS仕切る小林さんの姿を見ても毎回、命をかけて頑張ってますよね。話聞いてても、10年間やってきてみたいな。1個の事業じゃないですか。IVSとかほぼ小林さんがやってるんですかね?
佐俣:やってますね。
池谷:すごいですよね。
佐俣:スタッフやってるとすごいよくわかるんで。
池谷:600人とか呼ぶんですよね。事業家以外ないですよね。別にイベントだけやって、昭和だったら食えそうですよね。大変これは失礼ですけど。
佐俣:600人に直前に1人1人メールを送ってるのを見ると、これは恐ろしいなと。
池谷:恐ろしいですよね。
佐俣:普通の人はできないですよね。あれは経営者だなっていう。ああいう細部をすごい気にするので、プロダクトリリース前の起業家に近いですよね。集中力が高まってって。ちょっとだからセンシティブになっていって。終わると「フー」っとなって、また「スーッ」となって。
池谷:我々の接し方もそういうのをわかってくれるからこそ、無意味なことはあまり言わないっていうか。我々のニーズに合うことをちゃんとやっていただく、お互いにやってることが、投資家の中でもきっちりできているのが、すごい特徴じゃないかなと思いますけどね。
佐俣:武石さんどうですか。ご支援について。
武石:今の話、すごく近しいところがあって、もう僕らは小林さんにかなり手厚くコミットいただいているんですけども。
佐俣:取締役にご就任ですね。
武石:入っていただいてます。今の話でもあった通り、小林さんと話していると、彼自身はすごくそのなんていうんでしょう。起業家というか、事業家の目線で、ちゃんとファンドの長でありながら、事業家としての目線でアドバイスをくれるので、その時その時の、大局観をすごい、いろいろとお話をいただくので。
その点では、どちらかというと僕のメンタリングをしてくれるみたいな感じの存在でいるかなと思ってはいるんですね。小野さんは時折、IVPの投資出資者と、投資先が集まるようなイベントの中で適切にアドバイスいただいたりというのはあります。
田中さんに関しては最近、うちのビジネスで若干、中国とかの関連でいろいろと出る仕事が増えてきていて、アドバイスとか新しいトレンド、海外のトレンドみたいのを教えていただいて。
それを自分たちの事業にフィードバックする、みたいなこともあったりするので、まさに池谷さんがおっしゃったような、お三方の役割分担がしっかりしているなっていうところがありますね。
佐俣:田中さんすごいなと思うのは、あそこまで中国マーケットをちゃんと理解されている日本人っているだろうか、っていうくらいお詳しいですよね。アプリの商売だと中国は結構でかい戦いになっているから、それがわかるというのは確かですね。
佐々木さんはどうですか。
佐々木:うち、役員として小林さんは入ってくれてるんですけれども、ただ、うちのオフィスは小野さん家の目の前っていう。
佐俣:それ狙ったんですか(笑)。
佐々木:いや、たまたま投資する前からそうなんですけど。ということもあって、取締役会では、DCMの本多さんもわりとそういうタイプなので、どうなるかというと、ほぼ、完全にやんちゃブレストになります。
こうやったらもっといいよ! すごいことできないの? ドカンとやろうよ、ドカンと! みたいな、そういう話を1時間ぐらいして、ああなんか、また裾広がったね、っていう会ですね。
だから、すごい楽しい会が月1回あるなっていう感じで、ポジティブに取締役会ができているなと。そこに出てきたアイデアというのは、実際に実現していくものっていうのも結構多いです。
僕のイメージだと、Googleの前の仕事、ALBERTの頃も資金調達は僕がやっていたので、投資家とのコミュニケーションって、その当時やってたんですけども、投資家とのコミュニケーションは、たいていくだらないものが多くてですね。
佐俣:耳が痛い話ですね。
佐々木:この販管費が上がってるのはなんでですかとか、細かいんですよ。今はそういうことはもう一切なくて、どっちかっていうともっと建設的に、どうやったらビジネスを伸ばしていくアイデアがあるかとか、もっと投資をしたらどうなるのかとか。
そういう前向きな話ししかしてない、というところがすごく面白く、よく回ってるなと思いますね。人別でいくと3人ともすごく関与してくださっているなと思っています。
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