2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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大洞マキ氏(以下、大洞):もう1つ紹介します。(スライドを指して)これ、ちょっと読みにくいかもしれませんが、右側の下の写真ですかね。丸亀製麺は、基本的にはお客さまの前でできたてを召し上がっていただくということを信条としているんですが。
作っているシーンって、なかなか写真にふだん撮っていただいたりすることがないんですけれど。そこは試食会でしたので積極的に写真を撮っていただいたので、「一つひとつ作ってますよ」をちゃんと説明した記事を書いてくださいました。
これはお店に来ないと……。もっと言うと、この商品をオーダーしないと見られないシーンをご紹介していただいているので、まだ来たことのない未体験の方へのとてもいいガイドになります。
いわゆるナビゲーターの役目をしていただいているのかなと思っておりまして、これはとてもありがたい投稿でした。こういったことが「あさりうどんっておいしいんだよね」みたいな、商品の拡散にとてもつながったと考えております。
もう1つ、後半のフェーズですね。せっかくなので、販売後期もなにか盛り上がれることがないかと、アジャイルさんとも相談しまして。「おいしいとか、おいしかったとか、どんな味だったっていうことを可視化できるなにかないですかね?」というところで、ハッシュタグを実は工夫しました。
これはあさりうどんという、あさりが実はたくさん入った商品のものなんですけれども、ハッシュタグを固定したんですね。「#あさりカウント」という商品特徴です。あさりがだいたい20~30個ぐらい1人前に入るので、「それを数えてもらう、ということをやりましょう」と。
試食会でも、後半にですね、みなさんが召し上がったどんぶりに殻が残るんですけども。それをみんなで数えるというような、ちょっとイベント的なこともやっていただきました。
当然それがどんどん拡散されまして、記事になりまして。(あさりうどんの写真)これは、みなさんハッシュタグを付けて数えていただいているんですが。すごくきれいに並べていただいている方とか、いろいろありました。
これはちょっとやってみて気付いたことなんですけれども、書いていただきたいことがあって、それを「拡散してください」「書いてください」と、なにかこちらからお願いをするようなことではなく、ちょっとアクションのきっかけになるようなスイッチをちゃんと設定することで、わりと自然発生的にお客さまがちゃんとスイッチを押してくれるんだな、と。しかも、楽しみながらやっていただけるっていうことがわかった、いい事例でございました。
そこから実は味をしめまして、新商品が出るたびに、ちょっとフックになるようなスイッチ、ハッシュタグを設けて今作っております。インスタとか見られる方は、ぜひまたハッシュタグ見ていただけるとわかりやすいかなと思うんですけれども。
おいしいということを「おいしかった」じゃなくて、「このハッシュタグを使ってなにか表現してくださいね」と誘導することで、継続的にインスタやTwitterなんかに、写真がずっと上がり続けるようになりました。
(スライドを指して)今は、右側ですね。鴨を使ったうどんを今、実は販売をしてるんですが。ダジャレで「#鴨ねぎカモン」というハッシュタグを作りまして。今は実験なので、店頭のPOP、スタンドPOPというのがあるんですが、そこに「『#鴨ねぎカモン』ってハッシュタグを付けて投稿してくださいね」という設計のPOPを実は立てています。
ここどうなっているか、ぜひハッシュタグ見ていただけると、笑っていただけるかしらと思いますので、お時間あればご覧になってみてください。
(スライドを指して)最後に結果です。当初、「販売初動の売上をなんとか上げたい」に対するリザルトです。上が先ほどご覧いただいたグラフ、下がその結果といったところなんですが、ピンク色の網掛けからわりと3日ぐらいで、かなりグラフの数値が上がっております。販売前に期待作りをきちんと行った、話題化を人を介して拡散させた成果かなと、社内ではとらえております。
まだまだ実験という段階なので非常にスモールスタート、1回の商品について1回30人ぐらいを集めて、細々と実は試食会をやっているだけではあるんですけれども。今後、当然ながらブランドに対する理解ですとか、商品を売りたいというだけではなく、だんだんブランドの啓蒙であるとかっていうところにも、少し幅を持たせていければなと思っております。
急に全部をKPI立てて、というのはなかなか難しい活動だとは思っています。しかし、できれば、今CMをやっているマスのものから、きちっとファンベースのところに軸足を少しずつシフトして、情報発信していければなと考えております。
私からは以上です。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:はい、ありがとうございます。
じゃあ、このままQ&Aセッションに入らせていただきたいと思います。丸亀さんはね、すごいグラフで。正直、あれは我々がどうこうっていうよりは、丸亀さんのメニューの力があると思うんですけど。個人的に大洞さんとお仕事させていただいた時におもしろかったのが、うちとあれですよね、お仕事する前から、机の上のスタンドPOP、三角メニュー的なやつにインスタのアイコンとハッシュタグだけ書いてみて。
実験的に、メインは他のことを載せないといけないから、「空き枠にそれを書いてみたら、実際に投稿が増えた」みたいな実験をすでにされていたのが、非常に印象的でした。では、ぜひ壇上に上がっていただいて。
(3名登壇)
はい。20分~30分にはなると思いますが、ちょっと簡単に深掘りのセッションをさせていただきたいと思います。いつも私が仕切ると飽きるという話もありましたので、今日はうちの営業部長の出口に仕切ってもらいたいと思います。
では、出口さん、よろしくお願いします。
出口潤氏(以下、出口):みなさん、こんにちは。アジャイルメディアの出口と申します。本日はご来場いただきまして、誠にありがとうございます。私はですね、実は毎年、このサミットで裏方をやってるんですね。
実はPA卓に座っていて、いつもはステージ袖から見ていたんですけども、今回から「ちょっと話してみないか」ってことで、僕もお話させていただくことになりました。
営業部に所属しておりまして、僕以下12名のメンバーとともに、クライアントさんのアンバサダープログラムの導入の部分、そして運用の部分に関わるところまで、トータルでいろいろお手伝いをさせていただいている者です。よろしくお願いいたします。
では、さっそく始めさせていただきたいと思いますが、みなさん3人とも軽くお話をしていたんですが。それぞれやはりみなさん、効果測定をいろいろ試行錯誤されながらやっているなという印象でした。
ただ、やっぱりフェーズによって立てるべきKPIとか効果測定って違ってくるんじゃないのかねっていう話を、実はさっき雑談でしてまして。そのあたりからお話できればいいのかな、と思っております。
さっそくなんですけども、たぶん、本日ご来場いただいているみなさまの中で、「アンバサダープログラムをやってみようかなと思っているけども、まだ始められていない」っていう方々もいらっしゃるかなとは思います。まずはそういったところから、話ができればなと思うんですが。
みなさんが実際にアンバサダープログラムをまず始められる時に、たぶん社内で承認を取らなければいけないというところが必ずあると思うんですけども。その段階で設定されていたKPIとか、どのようにして社内で承認を取られていったのかみたいなところのお話をうかがいたいと思うんですが。
中谷さんからお願いします。
中谷洋氏(以下、中谷):実は、「あまりそこまでやらなくても……」というところはありました。それよりも、今回久しぶりに「バイオハザード」の最新作を出すにあたって、やっぱりファンの人たちの声、ファンの人たちにまず、今度出す「バイオハザード7」はこんななんだよというのを見てもらいたい。そのためにはどうしましょうというところが話として早くて。
今回、先ほどもちょっと話しましたけども、とにかく宣伝とか情報出しをほとんどしてないんですね。実は、ここまでの7ヶ月間に、3〜4回ぐらいしか大きな情報は出してないんですよね。
出口:そうですよね。
中谷:そこはホラーゲームだから。恐怖がテーマのゲームだから、ネタバレしちゃダメだから、というところ。そこを一生懸命考えて。でも、それをちゃんとキャッチして、「あ、なるほど。『バイオ7』っておもしろいね」と言ってもらえるお客さんを集めよう、その声を増やそうっていうことが、どちらかというと重きに置いて始めてる部分が大きい。
出口:なるほど。じゃあ、きっかけはその数字的なKPIを立ててっていうところよりも、「まずはファンとつながる」「コミュニケーションを始めよう」みたいなところからスタートされたってことですね?
中谷:そうですね、はい。
出口:ありがとうございました。じゃあ、洞口さんはどうですか?
洞口寛氏(以下、洞口):私たちは、基本は登録者数と、あとはSNS、Twitterでのポスティングの数でKPIは設定してますね。プラス、営業成績というかたちになりますので、売上の数字も実際には乗ってきたりしてる次第ですね。
出口:ありがとうございます。大洞さん、いかがですか?
大洞:はい。始める時は今お話をさせていただいたように、「どうにかしないといけない」っていうところから始まってまして。今、徳力さん(=司会者)からもお話ありましたけども、「みんなインスタってどれぐらい使うんだろうな」という、ちょっとふとした疑問がありまして。
お店に来られるお客さまって若い女性たちばかりではないので、どれぐらいのパワーがあるかを、ちょっと自分の中でわかりたかったっていうのがありました。
これが3月からですから、その半年前ぐらいの商品販売の時に、さっき言った「ハッシュタグってこれだよ」っていう、ある課題のような、お題のようなものを仕込んだところ、意外とユーザーがそれを見つけてちゃんとやってくれるという実体験がありました。
「じゃあ、スイッチをちゃんと作ってあげればアクションはしてもらえるんだな」が、わりと数字的にというよりは実感ベースでわかっていました。「じゃあ、そこをファンの方に手伝っていただけないかな」が、もともとの始まりですね。
出口:なるほど。じゃあ、テスト的なことをされて、それをちょっと体系化的にまずトライしてみよう、みたいなところから始まったってことですね。
大洞:そうですね。ハッシュタグだけではさすがにアンバサダーっていうのもあれなので、「せっかくなので食べていただければいいんじゃない?」とわりと後付け的な感じで実は始まっていました。
出口:なるほど、ありがとうございます。実は今日お越しいただいている3名の方のブランドは、実はアンバサダープログラムを始めていただいてから、まだ1年経っていないんですね。
なので、実はそんなに経過もしていないので、効果測定などもまだ確立はできていない状態ではあるんですけれども。試行錯誤しながら今進めさせていただいているというようなかたちになりますね。
じゃあ、実際に今、プログラムをやられている中で、スタートする前に描いていたイメージと、逆に良くも悪くも違った点、発見できたことみたいなものは、なにかありますか? 数値的なことかもしれないですし、それ以外の面かもしれないんですけど、いかがですか? 中谷さん。
中谷:「もっといろんな情報を本当は出せるかな」って思ってたところもあるんですけども。この「バイオ7」のプロモーションのお約束というか、ネタバレ禁止がありました。なので、本当はもっといろんな効果を高めて、いろんな人に声を出してもらいたかったんですが、それがちょっとできなかった。
それができないと、どうしても声は少なくなってしまうという意味では、やっぱりいろいろがんばらないといけないんだなと思わされました。
出口:ゲームって、ネタバレって一番大変なところですもんね。
中谷:ネタバレは、他のお客さんにバレることよりも、当の本人にとっても、ネタバレが良くないと思うんですね。その部分はとても大事で。発売前にゲームをする前に知ってしまうのが残念なのは、一般のお客さんだけじゃなくて、当のアンバサダーのみなさんもであるところがポイントかなと思います。
出口:はい、ありがとうございます。洞口さん、いかがですか?
洞口:まあ、想定通りだったんですけれども。良かった点は2つあります。
1つ目は実際にアンバサダーさんとお話をして、製品の開発のきっかけになるような情報ですとか、そういったリクエストですとか、フィードバックをいただけたというところですね。2つ目は、アンバサダーミーティングというかたちで実際にイベントをやったんですが。その時は25名弱ぐらい来られました。
出口:そうですね。それぐらいだったと思いますね。
洞口:その後に、ディスプレイなんですけど、実際に貸し出しをさせていただいて。そのうちの半数ぐらいですかね、みなさん買ってくださったんです。(笑)。売上にもつながったというところは大きかったかな、とは思いますね。
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