2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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山は登れば登るほど、空気は薄くなる。苦しい。一歩一歩は本当に重い。けれど、その空気が薄い中の登山を諦めずに最後までいけば、今まで見ることができなかった景色を見られるはずだと。だから酸素ボンベを積んだって、落石が落ちてきたって、最後まで登り、見たことない景色を見るんだ。そういった言葉をよく使うんですけど。
では、なぜそういう言葉が出てきたかというと、私がみなさんと同じ大学生のときに登った、富士登山のときの体験なんです。この中で、富士山に登ったことある人はいますか?
(会場挙手)
けっこう多いですね! では、この中で、弾丸登山をやった人?
(会場挙手)
僕も、実はそうなんです。
弾丸登山ってなにかというと、夜の10時、11時くらいから登り始めて、頂上に到達するのは朝4時とか5時。それでご来光を拝んで、そのまま降りて帰るのが通称・弾丸登山というらしいんですね。私もそれやったんです。
動機は、ものすごく単純な理由で。アメリカに留学することを決めていましたから、アメリカの人たちや世界の留学生たちと話すときのネタが欲しいと思ったんです。そうしたら一番わかりやすいのは、「日本一高い山に登ったことがあるよ」。富士山は知っているだろうと、それで登ろうと思ったんですね。
それで登ってみた。そうしたら、登った方はわかると思うけど、夜中に登っているから、本当に今まで見たことがない満天の星空が見えて。そしてあそこで僕が勉強になったのは、もう見てもありがたみを感じないくらい流れ星を多く見たんです。そのときに、「流れ星っていうのは、ないんじゃなくて、見えないもんなんだな」というのが勉強になった。
そうやって一歩一歩登っていくうち、無事に登山もできるんですけど。一番苦しかったところがどこかというと、9合目から頂上なんです。空気が薄いって、こういうことか。1歩登ると、息が切れる。まるで一歩がダッシュのようなね。そういった感覚を持って登ったことを、今でも自分の骨が覚えている。
こういった政治の状況で、別に山に登っているわけではないんだけども、今の自分の置かれている状況、またその立場を、自分なりに人に伝えたいと思うその表現のなかに自然と自分の体験から湧き出る言葉が出てくるんです。それは、私にとっては今回登山だった。ずーっと小学校2年生から高校3年生まで長くやっていた野球の言葉ではなかった。
ここからなにが言いたいのかというと、みなさんも、学生時代に多くの体験をしてください。そしてそれがどこかで将来、自分の中でフィットする表現の言葉が、そこに初めて降りてくるという救いになるときが、あるかもしれません。いっぱい体験をして、いっぱい自分の中の言葉の貯金を増やしてもらいたいと思います。
今日は言葉ということと、ビジョンということですけど。私はリーダーに求められるものは、ビジョンだけではないと思います。そこにはその人が今までどんな人生を歩んできたのか、なにを訴え続けてきたのか、どんな道のりを歩み続けてきたのかという、今までの足あと。それを人はビジョンとともに、見ているのではないかなと僕は今思っています。
昨日、トランプ次期大統領は選挙で言っていた通り、TPPから離脱するということを改めて当選後初めて明言をしました。私は野党のときに、当時の民主党政権から生まれたこのTPPのきっかけ。私はあのとき、野党のときからTPPの交渉にすぐに参加すべきだということを自民党内で言っている少数派でした。
今でも忘れないのは、党内反対の大合唱ですから、その中で交渉賛成だということを訴えた後に、ある先輩から部屋に引きずりこまれて、1対1で「なぜお前は賛成なのか」と説き伏せられたことは今でも忘れません。
そんな経緯があった中で、私はそのTPP交渉に即参加すべきだと言い続けてきたことで、選挙のときに、農協の中央会という、これは神奈川県とか都道府県単位である農協の組織ですけど、そこから推薦をもらうことはできませんでした。彼らはTPP反対だからです。
そういった間柄の方々と思いが違い、その後、どんな会話でどんな関係性になったのか。「TPPでは絶対に小泉さんとは思いは合わない。だけど、あなたはずっとそれ言っているからね。だから、応援します」というそんな農協のみなさんが増えてきてくれて。都道府県単位の中央会は小泉進次郎には推薦をしない。だけど、地元の横須賀と三浦の農協のみなさんは、僕を独自に応援してくれている、と。
それはTPPに参加をすることを賛成しているからではなくて、「あなた、ずっとそれ言っているからね」。今こうやってそのTPPが事実上消えたと、アメリカが入るかたちでは消えた。そういったなかで改めて、実は昨日の夜、農協関係者のみなさんと会ったんです。
そのときの話にもちょっと出たけど、結果こういうふうになったことも「あなたがずっと言ってきたことは結局消えたけど、言ったことは変わらなかったね」と言われました。そういったなかでいうと、本当の信頼関係というか、思いが違ってもともにやれるという、そういった支援者が出てきます。
「ビジョン」が今日のテーマだと思いますけど、それを大切にしながらも、今まで自分がどう足あとを残してきたかということも、ものすごく大切だと思います。なのでぜひ今日1日、とくにこれから次は、私よりスピーチのうまい細野先生ときますから。
(会場笑)
いろいろなことを学んでいただきたいなと思います。
(会場挙手)
一番後ろの、その眼鏡かけている方。それと、どなたか。後ろの女性、そしてその前の男性。その3人でいきましょう。どうぞ。
質問者1:お話、ありがとうございました。不登校支援を2年やっている者です。質問は一言で、相手によって体験をどう選ぶかです。先ほどの登山のお話を聞いて、僕はすごく共感しました。なぜかというと僕自身も弾丸登山をしていて、失恋をしてもっと強い男になりてぇと思って飽き足らず、マレーシアの東南アジア最高峰の山にも弾丸登山しに行ったり。
小泉:おー、すごい。
質問者1:そういう経験があったので、すごく言葉が響きました。ただこれって、同じ体験をしているからだとも思います。なので相手が同じ体験をしているかどうかによって、言葉の伝わり方の強度は変わると思います。その上で、学生であったり、政治家であったり、経済人であったり、相手によってどの体験を選ぶかという視点を加えているのかをうかがいしたいです。
小泉:本当にありがとうございます。たぶん、富士山じゃない弾丸登山はもっと激しかったと思いますけど。
そう、言う通りなんです。自分が選んだ体験に基づく言葉がどう響くかは、浅見さんには登山の話が響いたかもしれない。もしかしたら多くのみなさんには響かなかったかもしれない。
だけど、逆に言えばね、今日僕がここに来てその話をして、浅見さんに響いて、今日ここに来てよかったです。200人くらいいて、200人全員に伝わるような話をすることは、全員に伝わらない話をするのと同じ意味なんです。その中の1人に、この会場から出た後に、帰り道の電車とか、家に戻ってからとか、お風呂に入っているときとかに、なにか共鳴したなという思いを持ち続けてくれる1人が生まれたら、それは1つの意義なんです。
だから言葉を選ぶこと、そしてどの体験から言葉を伝えていくかは、もちろん、その思いを持ってくれる大勢のみなさんがこの会場にいることが一番いい。逆に、それを考えすぎると本当に自分がなにを伝えたいのかがわからなくなる、というか、伝わらなくなる。
同時にその体験を的確に選ぶことと、一方ではちょっと逆なんだけど、とにかく腹の底から自分が思っていることを選ぶのは大事です。
僕自身も、どういった人の話を夢中になって聞くか、「すごいな、パワフルだな」と思うかというと、自分と考え方が合っているかどうかではありません。とにかくこの人は本気でそう思っているんだという、腹の底からその人はそう思って言葉を吐いている、というその人の言葉の力に、僕は惹かれます。
だから今日はあなたと会えてよかったな、と思います。ありがとうございます。
質問者1:ありがとうございます。
質問者2:こんにちは。神奈川県の横須賀市出身の者です。お父さまの高校の後輩にあたります。
小泉:横須賀高校!?
質問者2:はい(笑)。
小泉:今日は仕込みじゃないですからね!
(会場笑)
ああ、本当に。ありがとうございます。
質問者2:今はちょっと東京で1人暮らしをしているんですが、
小泉:ちゃんと住民票持って、いつか帰ってきてね。
質問者2:あっ、はい。今はまだ人口流出してないんで大丈夫です(笑)。進次郎さんの体温と体重をかけた言葉に魅了された身近な人が私のまわりにいまして。私の母なんですけれども。
小泉:ありがとうございます。
質問者2:よこすかカレーフェスティバルのときに、2年連続写真を一緒に撮ってもらって、「進次郎さんが今年も一緒に写真撮ってくれたときに、『携帯ケース、キラキラですね』って言ってくれたの!」とすごく覚えていて。
(会場笑)
その言葉を聞いたときに「進次郎さんの言葉は着実に一人ひとりに届いているんだな」と、横須賀で感じていました。そこで、進次郎さんが1対多数に届ける言葉という場面が多いかと思われるんですが、その私の母であったり、有権者一人ひとりであったり、1人に向き合う時間ももちろん多くあると思うんですね。
その中で、私が1つうかがいたいのが、恋愛です。私もちょっと最近いろいろありまして悩むことが多いんですが(笑)。ちょっとそれはまた、ゆっくり相談にのっていただきたいんですけども(笑)。
(会場笑)
小泉:恋愛相談だね(笑)。
質問者2:自分が大好きな人だったり、この人に向き合い続けたいという人、小泉進次郎が1人の男として、体温と体重をかけるということと、骨太の経験は、どう空回りせずに、向き合い続けているのか。言葉とビジョンをテーマに聞けたらなと……すみません、長くなりましたが、お聞きできたらなと思います。
(会場拍手)
小泉:いやあ、やっぱり横須賀の人、すごいですね! 間違いなく今の質問は、今日の僕の話よりも体温と体重が乗っていると思います。だけど、「携帯ケース、キラキラですね」という言葉に体温と体重は乗ってなかったと思います。
(会場笑)
お母さんにくれぐれもよろしくお伝えいただきたいと思いますが。
そうですね、(会場から)終了っていう合図が出ているから、3人目の子(時間が)取れなくて申しわけないんですけど……。要はプライベートの小泉進次郎と、政治家小泉進次郎の中の折り合いというか、それをどうやって自分でつけているのか、というところもあると思うんですけど。僕は政治の道を職業だと思っていないんです。
これは今日、実は最後に、恋愛のことはドッキリしたけどいい話題を振ってくれたなと思うのは、みなさんこれから職業の選択、人生の選択の機会がくると思うんです。でも、僕は政治の道のことを、自分の生き方の選択だと思っています。職業の選択ではないと思っています。
だから一般的に言うと、ワークライフバランスというのはまったくない生き方をしています。みなさんのこれからのワークライフバランスとか、多様な働き方とか新しい働き方とかから言うと、これは逆だと思います。いつも僕は思うのが、働き方改革を政治家と官僚が語るほど説得力のないことはないと思うんですけど。
(会場笑)
だから自分の中では、全部いわゆる一般的には休みだと思われるところも含めて常に政治のほうに、なにかプラスのものがないかなと思いながら、どんな発想もしてしまうというのが、自分の本当に自然な感覚なんですよね。
そういったことを僕は今一番自分の中では、自分の生き方に自分で説明をつけるというか、それが今農業と向き合っているなかで、そういう自分の自覚というか職業じゃなくて生き方を選んでいるんだという思いができて良かったと思っています。
悩んだとき、苦しいとき、精神的にも体力的にもギリギリだなと自分が思うときも、最後に自分を支えてくれることは、「この生き方を選んだのは俺なんだ」。誰かから後を継げとか、この仕事にしなさいとか、そういったことではなくて、自分がこの道を選んだんだという自己決定に対する責任。これが最後自分の力に、すごくなっていますね。
なんか、なんの質問だか忘れちゃうくらいのあれでしたけど(笑)。とにかく、お母さんによろしくお伝えください!
(会場笑)
みなさん、今日は本当にありがとうございました!
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