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SUMMER OPEN CAMPUS 2016(全4記事)

「かめはめ波、打ちます」夢を叶えるためにリクルートを退職、東大卒エリートの挑戦

「バカにされよう。世界を変えよう。」をキャッチコピーに開催されたデジタルハリウッド大学の夏のオープンキャンパス。本パートは、デジハリの在学生でもある株式会社meleapCEO福田浩士氏をゲストに迎え、杉山学長とのトークで進行します。福田氏が手がける「HADO」は、幼い頃、誰もが憧れた手から波動を放つあの技を最新のAR・ウェアラブルデバイス技術で実現。夢のようなテーマに挑む背景にはどんな思いがあるのでしょうか?

大学発ベンチャー創出数11位

杉山知之氏(以下、杉山):僕はけっこう幸せで、ハリウッド映画とかテレビアニメとか、そのスタッフロールに必ず卒業生がいます。これは本当にうれしいなと思います。それからWebの世界では、20年前にはWeb制作会社自体がなかったわけですよ。なので、ここの卒業生がみんな自分で会社を作ったんですね。それが何百社もあります。もう示せないぐらい。

だから、みんなは子供のころから、僕の卒業生の仕事にふだん接して生きています。これは間違いなく。

それで、大学院をなんでやっているかというと、もちろん研究開発もあるんですけれど、そういうクリエイターの人たちにどんどん仕事を作らなきゃいけないというのがあって、会社作りに力を入れています。

この4月に経済産業省が発表した、大学発ベンチャーです。大学発ベンチャーというのは、大学がやってる研究とか開発に関連してベンチャーができているというポジショニングです。見ていただくとわかると思うんですけれど、うち、なんと11位にいるんですよ。42社です。去年は34社ですけどもね。

上を見たら、国からものすごい研究費をもらっている国立がほとんどですよね。だから、けっこうみんなが思ってるのと実態は違う大学だと思うんですね。そういう学校なんです。

受験業界の人が見てる僕たちと、実業界が見てる僕たちは、まったく違うということです。僕たちがいつも研究開発でお付き合いしている先生は、やっぱり慶応か東大か早稲田の先生たちがいつもここに来てワイワイやっています。コンテンツのなかでは、ぜんぜん普通に一緒のレベル。「実業に1番近いところでがんばっているのがデジタルハリウッドだよね」というのが、たぶん外の教授たちが見ているうちの大学だと思います。

オリジナルコンテンツとオリジナルサービスであったり。

さて、だいたいうちの学校の雰囲気は、こんな感じだとお伝えして。細かい大学の中身、なにをやってるかは配っているけっこうぶ厚いパンフレットに細かく書いてあります。カリキュラムとか、どんなことやっているのかとか。それもゆっくり読んでください。

1学部1学科なのに、数十ページ費やしても伝えきれないぐらい、言いたいことがあるんです。そういう特色がたくさんあるので。ということで、今日はそのベンチャー、起業という意味で、ゲストの方に来ていただきました。僕のコーナーは終わって、別のコーナーいきましょう。

「HADO」を手がける福田氏をゲストに

どうぞ。ゲストがいらっしゃいました。拍手をもってお迎えください、福田さんです。

(会場拍手)

ということで、準備している間に福田さんをご紹介します。一応うちの大学院の籍を持っているんですよね(笑)。あまりにも忙しくて、学校に来れていないと思うんですけれど。

よくある例なんですけれど、うちの大学院は学部から来た人が半分、外から社会人で来る人が半分ぐらいいます。

社会人になって来る人は、30歳前後の人が多いんですけれど、出身校は慶応とか東大とか早稲田とかが多かったりするんですね。そういうおもしろいところです。

では、とりあえず福田さんがどんな人か、僕から話していきましょう。どうぞ、マイク持ってください。福田さんは今、29歳ですよね。

福田浩士氏(以下、福田):そうですね。今、29歳です。

杉山:最近29歳ぐらいでめちゃくちゃ優秀な人にたくさん会うんですよ。特徴は、みんなネット時代に大学生だったじゃないですか。

それこそ、Wikipediaとかがものすごく発展してる世界に生きてきているから、たかだか10年間ぐらいで、彼らが持っている知識とか考え方って膨大なんですね。僕らの頃の29歳とかとまったく違うんです。わかってること、知ってることが。

だから、60歳の僕と話していてもぜんぜん普通に話せる。僕が勝っている感じがぜんぜんないんですよ。やはり世代だなと思うんだけど。福田さんは、新潟出身だけど、頭がよすぎて東大に入っちゃったんですよね。

福田:すみません。頭はそんなによくないです(笑)。

杉山:じゃあ、勉強ができて。

福田:勉強は得意でしたね。

杉山:それで、建築学科に行ったの?

福田:そうですね。大学は、建築学専攻でした。学部と大学院も。

「身体をいかに拡張するか」を研究テーマに掲げ

杉山:大学院も。でも、もともと身体に興味があったんだよね?

福田:そうですね。「身体をいかに拡張するか」というところをテーマに、建築の設計・デザインをしていました。

杉山:世の中には、身体ということを基盤に建築を考え直すタイプの建築家もけっこういるんだよね。たぶんその一派ですよね。だけど、昭和の時代の僕たちから見ると、僕も建築学科だったからわかるんだけど、東大の建築出たら、だいたい建設省の官僚になるか、鹿島とか、ああいう超大手のいわゆるゼネコンに入るか。

福田:そうですね。

杉山:それか超有名な日建設計とかに入るか。

福田:それが王道です。

杉山:まったく王道から外して、リクルートに行ったんだって?(笑)。

福田:そうですね。僕が最初就職したのはリクルートです。それで、営業をやっていました。ただ、建築関係ないかといわれるとかろうじて関係がありまして、「SUUMO」を。

杉山:みんな見てるよね? SUUMO、ふわふわしてるやつ。

福田:住宅情報のSUUMOの営業をやっていたので、少し建物とか設計にも関わってまいりました。

杉山:でも、根本的なモチベーションはそういう“どぶ板営業”って言っちゃ悪いんだけど、「営業をやってみたい!」ってことだよね?

福田:そうなんです。リクルートのビジネスに興味があったわけではまったくなくて、営業をとにかくやってみたかったんですね。

それで、日本で営業力が非常に強い、勉強できる環境としてリクルートがあったので、そこでやってみようと。長くて2年いればいいかなって思ってたんですけど、1年半で辞めまして(笑)。

杉山:ね(笑)。昔だったら、リクルートに入ったら、ここで一生やるぞって感じだと思うんですけど。

でも、現実のリクルートって人材輩出企業で、ICT関連で社長やってる人に「元はどこの会社いたんですか?」って聞くと、リクルートっていう答えが半分ぐらいかもしれない。

福田:多いですね。

「かめはめ波を打てるようにします」と言って退職

杉山:とにかく多いですね。その1人になったわけですけど。じゃあ、辞めて会社を作ると言って、なんの会社をやろうと思ったんですか?

福田: 事業ドメインはとくに決めてなかったんですけど、リアルとバーチャルをかけ合わせて、身体の可能性を広げていきたいというのが、最初の思いだったんですね。

例えば、魔法を使えるようになりたいし、空だって飛べるようになりたい。そういったものがリアルの空間、自分の身体と、これから来る新しいIT技術を組み合わせることで実現できるんじゃないかって。

杉山:ふつうに考えれば、それってすごい小学生の夢みたいなものじゃないですか。

福田:そうですね。SFの世界ですね。

杉山:ね。それを本気で取り組む。それは技術がもうそこまできてるから、なにかできそうだなって確信ぐらいはあって、会社を始めたの?

福田:そうですね。技術があって……。ただ、やはり実現するのは難しいとは思っていました。今も思っていますけど、それを実現することこそが自分の人生の使命だなと感じたので、やるしかないみたいな。

杉山:すごい。それで、結局いろいろ試してみて、わかりやすくそうしたんだと思うんだけど、「かめはめ波、打ちます」って言うわけよ。

ふつうに考えたら、「いい大人がかめはめ波打つんですか? この人バカなんじゃないか?」って思うよね。東大の大学院まで出て「かめはめ波を打たないきゃいけないんだ!」みたいな。

でも、そういうの気にならないからいいんだよね。だいたい気にならない人がやるんですよ。こういうのってね。

福田:リクルートを僕がやめる時も、「なにするの?」って言われて、「魔法を放ちます。かめはめ波打てるようにします」って挨拶をして辞めたんですけど、すごい、なんでしょう、それこそバカにされたような。

杉山:爆笑だよね。

福田:唖然ですよね。

杉山:唖然だよね。クスクスというか、「この人大丈夫かな?」という。でも、やるわけですよ。

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