過去3回もFXで失敗しながら講師に

——佐々木さんはどうしてUdemyでFXの講義をやろうと思ったんですか?

佐々木徹氏(以下、佐々木氏):実はFXで失敗をして3回ほど証拠金を失くしているんです。本当に、何のために生きているのかが分からないところまで追いつめられました。しかしそこが、自分の考え方が甘かったと気づいたきっかけでもあったんです。

毎日早朝から欧米のトレード手法を必死に学び、なんとかパフォーマンスを安定させることができました。けれど、日本国内でのトレード関連情報があまりに不足していたので、自分の知識を伝えるため副業として動画配信を始めました。

ただ、当時採用していたダウンロード式の配信システムに限界を感じていたので、今後販売を続けるにあたってどのようにしていったら良いかと悩んでいました。

そんな矢先の2013年ごろ「FOUNDER INSTITUTE」という、スタートアップを支援する団体の説明を聞きに行った時に、Udemyの無料講義クーポンをもらったんです。せっかくならと登録したところ、あまりの便利さに驚きました。

ログインすればすぐに講義を始められて、次の講義はスワイプするだけ。パソコンで見ていた場合、続きはスマホやタブレットでも見られるのが画期的でした。

日本語翻訳がなされた段階ですぐに簡単なコースを作り、自分の顧客にクーポンを配ってお知らせしました。すると思いのほか好評で、過去の講義もUdemyにアップしてほしいという要望が多く寄せられたんです。

それを受けて、いままでの講義をUdemyに登録し、既存の顧客には無料で、新規の方にもオファーすると大きな反響があったんです。

そして、それまでのダウンロード販売から、Udemyにすべて切り替えました。その後気づきましたが、ダウンロード販売だと自分のパソコンでしか見ませんよね。けれどUdemyではログインすると関連コースが表示されるので、毎回販売チャンスがあることになります。

現在の受講者数は1000人を超えていますが、受講者数が爆発的に伸びているわけではありません。6~7コースを提供して、購入していただいているのが3500講座ほどですので、お一人につきだいたい3つほど受講してくれている計算です。

一度購入してくれた人が続けて買う抵抗感が薄くなったのでしょうね。Udemyならではの特徴ではないかと感じています。

サラリーマン生活15年間で昇給した分を一日で稼いだ

——過去に講師の経験はあったのでしょうか?

佐々木氏:講師の経験はまったくなく、単なる繊維系会社のサラリーマンだったんですよ。ただ、米国の支社に駐在していた時に、WordPressを使ってウェブサイトを作り、Eメールでキャンペーンを打って……という欧米流の効率的なやり方を目の当たりにしていたので、売り込み方は心得ていました。

しかし、講義を作るという意味ではまったくの初めてで、他人の動画を見てどんなソフトウェアを使っているのか調べるところからのスタートでしたね。試しにそういった動画用ソフトウェアをダウンロードして触っているうちに稚拙ながらもだんだんに慣れていきました。

まず最初にブログを作って、YouTubeに無料の動画をアップして、ある程度の人数がフォローしてくれた頃、「これなら自分でコースを作ったら売れるんじゃないか」と思い、2時間くらいの動画を作ってウェブサイトで販売したら、70ドルくらいのコースが10本ほどすぐに売れたんです。

動画編集のソフトウェアは30日間無料ですし、当時使っていたマイクは20ドルくらいの安物。パソコンもその辺にあったもので、ディスプレイもごく小さいものでした。でも「買う人が価値があると思えば売れるんだ」ということが、それでわかりました。

そして、私がサラリーマン生活の15年間で昇給した分を一日で稼いだ結果、世界が変わったんです。こちらに注力したら、自分はどれだけ成長できるのだろう? そう思った時、しんどいとか苦しいという思いは一切なくなり、「自由になるんだ!」と独立を決意しました。

そして一生懸命に動画を配信して、お客様が購入してくれたり、質問に答えて新しい講義を作ったりして、どんどん面白くなって。

それを広げていくうち、ソフトウェアのマネジメントやダウンロード販売の限界などの壁にぶち当たったんですが、その時に出会ったUdemyに、かなり助けられましたよ。

あなたの自由度とは、給与収入がなくなった時に生活できる月数だ

——Udemyの講師となったいまの働き方はどんなスタイルですか?

佐々木氏:サラリーマンをしていた時には細かくいろいろと決められていて、新しいことなんて非常に狭い範囲でしかできませんでした。いまは、自分で好きなこと、新しいことができるようになったことが楽しいですね。

ごく最近わかったことなんですが、ひょっとしたら自分は「自由になりたかった」のではなくて「もっともっと成長したかった」「いろんなことをやりたかった」のかなと思うんです。

私が「自由になりたい」と思ったきっかけは、「あなたの自由度とは、もしいま給与収入がなくなった時に生活できる月数だ」という言葉なんですが、それを自分に当てはめて考えた時に自由度がたったの10ヵ月くらいだったんです。

それでいずれ独立をと決意したんですが、実際に独立をしてから、ここまで数字を伸ばすと決めた目標をクリアして、さてこれから何をしようと考えました。すると、やはり新しい価値を作り出すこと自体が楽しいと気づきました。

成果が売り上げという形で見えるのも嬉しいものです。1年を待たずして総売り上げベースでは1000万円を超えましたが、お金ばかりを追って売ろう売ろうとするとまったく売れず、逆に売り上げのことを考えずに出した記事からの方がぽんぽん売り上げにつながるんです。お金の不思議なところですね。

どうせ不安があるなら、自分でコントロールすればいい

佐々木氏:それはさておき、不自由さの中にいるとまるで振り子のように自由が欲しくなります。そして私が手に入れた自由は、平日の昼間、好きな時間に必要なトレードができたり、子どもが熱を出しても家にいてやれたり、ジムに行こうと思ったら時間を決めて行けたりする……どれも素晴らしいことです。

しかし、やはり自分が新しく作ったコースで問題解決をしてくれる人がいて、その手応えが分かるのがいちばん楽しいのかもしれません。誰かのためになることをしていると自分も楽しくなるんだなと気づきました。

不安ももちろんあります。いまはおかげさまで売れていますが、お客様と直接対面しているわけではありませんから、明日売れなくなったらどうしようとか、もしサーバが落ちてデータが飛んだらとか考えてしまうことがあります。

そんなことは杞憂でしかないのですけれど、やはり心配性なのでそれは抜けませんね。しかし、サラリーマンでも会社がいつまで存続するかわかりませんし、そこが潰れた時に自分に何が残るのか、という不安の方が大きかったんです。

両者を比べた時に独立する不安の方が小さく感じましたし、どうせなら不安は自分でコントロールできるところに置いておきたいと思いました。

集客のコツは有望な見込み客を作ること

——自社サイトでやれば直接の収入になる中、コストをかけてUdemyを使う理由は。

佐々木氏:1日に使える時間が8時間ほどしかない中で、自分だけでシステムまでやろうとすればその時間のほとんどをシステムに回さなくてはなりません。しかし、本来お客様にとって価値があるのはシステムではなく自分の作った講義のはずです。

システム面をバックアップしてくれるUdemyがあることで、自分の講義を充実させて価値を高めることができ、結果的にトータルで売り上げが増えていると感じます。

また、副業でUdemy講師をやろうと考える人もいるかと思いますが、そういう人にこそUdemyはおすすめしたいですね。

お客様の登録をしてくれて、課金を代行してくれて、コンテンツを配信してくれる。余分なことを一切せずにコンテンツだけ作れば良いという状態であれば、恐らく私自身もスタートがもっと早かっただろうと思います。

——集客のコツは何かありますか。

佐々木氏:私はトレーディングをやる人に向けてかなり深く掘り下げているので、いらない人にとってはお金をもらってもいらないものですが、必要な人には本当に必要なものです。このような何かに特化した講座であれば、第一には有望な見込み客を作ることでしょうか。

自分のブログなどでファンを作り、その人たちに何度もメールや無料の記事を書く。講義を受講してくれている人から質問があれば想定以上の答えを返し、受講していない人にも有用な情報を無料で提供する。

そして、「佐々木さんのウェブサイトに来れば、他では手に入らない貴重な情報が手に入り、購入後にもメンテナンスができていてフォローもしっかりしてくれる」と思ってもらえるよう、いわゆる満足度を高めていきます。

そうしておくと、新しい商品を出した時にあまりいろいろ言わなくても購入してもらえる。私はそれを目指しています。