SNSでのツッコミを逆算してネタ出し--バーグ・シモダテツヤ氏が真面目に語った、ヒット企画の作りかた

スペシャルトークイベント『企画力』 #1/2

Grand Night
に開催

グラニ主催のイベントGrand Nightにおいて、バーグハンバーグバーグ・シモダテツヤ氏、アカツキ・塩田元規氏、Nagisa・横山佳幸氏が登壇し「企画力」をテーマに意見を交わしました。本パートでは、ヒット企画の作りかたやアイディアを生み出すためのインプット方法について語りました。(Grand Style「企画力」より)

サービスヒットの秘訣は?

司会:最初のテーマですが、「ヒットした企画、サービスについて」です。具体的にどういうきっかけでサービスを売られて、なぜヒットしたとそれぞれお三方が考えているか? その辺の分析を聞ければと思っております。

まずはNagisaの横山さんから、『GOODTIME』というアプリが今すごく流行ってますので、こちらについて聞かせていただければと思います。よろしくお願いします。

横山佳幸氏(以下、横山):現在『GOODTIME』は累計で120万DLのアプリなんすが、最近は木下優樹菜さんをはじめとした芸能人の方に使っていただき、高い評価をいただいて、広まっています。

ヒットしたきっかけですよね。最近動画をみんな撮る機会が、すごく増えてきている中で、Twitter、Facebook、Instagramに、どんどん自分が撮った写真を共有していたんですけど、動画を共有すること自体あまり文化としてなかったんですね。

そんな中で「動画を撮ることってすごい難しく、クオリティーが高い動画を作って、それを共有すること自体に、ユーザー自体はかなりハードルが高いと感じているのではないか?」という仮説を持っていました。そこで、簡単に15秒の動画をつないで音楽をかけてフィルターをつけるというものを作ることによって、ユーザーの課題解決をした。これが流行った理由なのではないかと思っています。

その中でも、弊社のアプリケーションは、SNS上に簡単に共有できるような仕組みをスムーズに作っていて、ユーザー1人が使ってくれたら、ユーザーがどんどん増えていく仕組みがあること。これもまたヒットの秘訣だったのではないかと考えています。

Instagramでの拡散を意識したサービスづくり

塩田元規氏(以下、塩田):質問なんですけど、動画アプリって結構あるじゃないですか? 競合が多く、いいもの作っても流行らない可能性もあると思うんです。さっき(広まっていく仕組みとして)SNSがあるっていう話だったんですけど、どういうふうに広がっていくのか、ぜひ教えてほしいです。

横山:Twitterではシェアの際にハッシュタグをつけていて「goodtimeapp」と検索すると、5分から10分に1個、ユーザーが作ったGOODTIMEの動画が上がってくるんですね。そのフォローしているユーザーが何百人っていう人を見ていくので、多くの人が見てくれるんですよ。

また、インスタグラムでは動画の右下にウォーターマークをつけていて、右下に「GOODTIME」という文字が入っているんです。

InstagramはURLを貼り付けられないので、動画自体に『GOODTIME』のブランド名を入れることによって、Apple Storeの検索のレコメンドに「GOODTIME」というワードが載ってくるぐらい効果がありました。

だからTwitter、Facebook、Instagram、LINE、それぞれのサービスに広まり方があるので、サービスに応じた動画作りっていうのをしてあげる必要があると思います。

塩田:(ユーザーが投稿するのは)ほとんどTwitterですか?

横山:最近はInstagramがすごい増えてますね。『GOODTIME』って15秒の動画しか作れないですが、それもInstagramを意識したサービス作りになっています。

売り上げよりも、ゲームの持つメッセージを大切にした

司会:続きまして塩田さんへのご質問に移っていきたいんですけど、アカツキさんでは、『サウザンドメモリーズ』がやっぱり1番のヒットだったということで、このお話でお願いします。どういうきっかけで、サービスが生まれて、どこでヒットしたと思います?

塩田:ゲームなので、そもそも「おもしろい」ものが作れるのかっていうのがヒットするための前提です。その上で当時は、ブラウザーゲームの内容や特徴をほぼ踏襲したスマホのアプリケーションが多くて、(当時は)あまりネイティブネイティブしているゲームが(市場に)出ていなかったかなと思います。

ヒットするかしないかには、タイミングも大事だと思います。スマホでRPGでは、ちょうど「ブレイブフロンティア」が出ていたんですけど、それ以外はそんなにマーケットに出ていなかったので、自分たちが『サウザンドメモリーズ』を出したタイミングもよかったと思います。

また、特にゲームって、「売上を立てる」が先行しやすいじゃないですか。でも、僕たちの場合、「メッセージとして何を伝えるのか、このゲームが伝えるメッセージや本質価値はなんなんだろう?」ということを意識して作っています。

そうすると、そのおもしろい体験がある上で、定量的数字を見るので、つまらないゲームはできないんじゃないかなと。少なくとも自分たちは面白い、価値があると思えるゲームを作れる。それが第1基盤だと思っています。

あとは、マーケティングに関しては、当時キャッチコピーというか、コンセプトを大事にしていました。最初のワードは「ちびキャラでつないでボッコボコ」というワードにしていました。そのキーワードを作るときに7時間ぐらい、そのワード1つのためにみんなで集まり議論していました。「今ほかのプロダクトがどういうマーケットに位置して、自分たちのワーディングはどうするか、どういう言葉を使うか?」というのを議論していました。そういうことをちゃんとやるかということだと思います。

CMも含めて全部がメッセージ

司会:ありがとうございます。マーケティングといえば、『サウザンドメモリーズ』では当初、CMで松崎しげるさんを起用されていますが、CMのターゲットは何を意識して採用されたんですか?

塩田:インパクトとメッセージですね。僕らは「ユーザーの記憶に残る」ということが大事かなと思っていたので、インパクトを重視したCMにしました。つながるっていうメッセージを引き出して、「愛のメモリーと千のメモリーを掛ける」というおもしろさもいれて。

僕達のCMも作品だと思っているので、ちょっとおもしろい斜め上をいくCMというのは意識しましたね。自分たちは世界にワクワクを届ける会社をイメージしているので、CM含めておもしろさを込めた全部をメッセージとして、シゲールに頑張ってもらった感じですね。松崎先生、ありがとうございます。

ツッコミから逆算してネタを考える

司会:ありがとうございます。続きまして、バーグハンバーグさんにお話をお聞きしたいのですが、バーグさんは決まったサービスアプリではなく、たくさんのプローモションをされていると思いますので、よかったら1番印象に残っているものを例にあげてください。

シモダテツヤ氏(以下、シモダ):そうですね、僕はお二方と同じITではあるんですが、ちょっと違う感じなんで。

司会:僕らは仲間だと思っています。

シモダ:本当ですか? ありがとうございます。基本的に作ったプロモーションサイトを見てくれた人が、別の誰かにそれを広げていくときって、TwitteやFacebookを使うことになるので、ソーシャル上でどういうツッコミをしてもらえるかというのを逆算して、ものを作っていったりしますね。

だからあまりにもちょっとマニアックな企画だったり、とんがりすぎているものを置いてしまうと、普通の人ってTwitterで突っ込めないじゃないですか。

ちょっと高度なツッコミとかになると、それって誰も追いつけないものになってしまうから、やっぱり多少温度感合わして、ツッコミやすい要素を文脈に何個か仕込んでおくんです。

競合他社のいないバーグハンバーグ

司会:次の質問について、会場の皆様でこれテーマ聞いてみたいなどあれば、ぜひご質問ください。

質問者:「ずばりライバルは?」ということを聞きたいと思います。

司会:確かに気になりますね。「ずばりライバル」。企業名出てしまうと思うんですけど、気にせずに。

シモダ:ホントにないですね。

司会:なしはないですよね? せめて意識してるとか。

シモダ:特にないですね。

司会:すべてがオリジナリティー? 独立したものですか?

シモダ:最初僕の業界で会社作ったときに、バカを専門的にやってるっていう会社がいなかったんです。

司会:間違いなくいないです。今でもいない。

シモダ:いなかったから、憧れる場所があんまりなくて、だからずっと先輩がいない状態なんですよ。

司会:もともとあった会社を意識して、とか全くないんです?

シモダ:なかったですね。

アカツキはゲーム会社という枠に収まらない

司会:では、アカツキさんはいかがでしょうか?

塩田:本当真面目な話なんですけど、自分たちをいわゆるゲーム会社だと定義はしていないんですね。僕達はもともと僕が最初会社作るときに、全盛期のソニーとホンダというふうに定義をしていて、世界を変えるために存在しているし、アカツキって夜明けという意味なので、「ライフスタイルを劇的に変える」っていう由来なんです。

いまだそこを追っていますし、例えばGoogleとか、ものづくりのピクサーとかを、ライバルだと勝手に思っています。そうしないと、中途半端なところで満足しちゃうので。

小さいチームでも感動を生み出すLINE

司会:では今すごく成長している会社Nagisaさんの競合をお教えください。

横山:そうですね、うちは今スマートフォンアプリしか作っていないのですが、小さなチームで、とにかくクオリティー高いものづくりをするっていう意味では、意識しているのはLINEさんです。

大企業が大勢のチームで大資本を入れて勝負する会社は多いんですけど、小さいメンバーでお金を入れても、大勢のメンバーでお金を入れても勝てるのがLINEさんだと思っています。

唯一国内において、スマートアプリのものづくりに対する感動だとか、リリースされたアプリケーションのクオリティーの高さをみると、LINEさんをライバルとしたいなと勝手に思っています。

司会:ただ、Nagisaさんか先日リリースされた『今日、彼女が死んだ』というアプリがあるんですけど、こちらが先日AppStoreランキングで、なんとLINEを抜いて今1位になっています。皆さん拍手をお願いします。

横山:ありがとうございます。

スマートアプリ開発への人員投入は最小限にすべき

塩田:横山さんに質問していいですか? 小さいチームでクオリティーの高いものづくりという話だったのですが、その場合は組織を大きくしていかないのか? という質問です。

たくさんのプロダクトを作ろうとすると、人材の量について考えなければならないのですが、その部分、どう考えて組織を作っているのかな、ということを聞きたいです。

横山:うちは今月でいうとアプリを25個ぐらいリリースする予定で、1チーム3人から5人で開発しています。その中で、重要なのは2つだと思っています。

1つはアプリケーションを作る上で、ものづくりの文化が会社にどれだけ根付いているか。うちはまだまだだと思っているんですけど。2つ目が、そこでものづくりができるキーマン、チームがあるかどうか。

なので組織を大きくしていくことは、優れたキーマン・メンバー集めて、チームを作っていけばいいことだけなんだと思うんですよ。ただ、スマートフォンアプリにおいて、最初から20人から30人というチーム体制は、ゲームやSNS開発においては必要だと思っています。

ミーティングは大喜利方式

司会:では、続いてのテーマに移りましょう。何かどなたかに聞いてみたいご質問ありますか?

塩田:シモダさんに「インプット方法とアイデアがどうしても出ない時、どうやったか」をぜひ教えて頂きたいです。

シモダ:うちは基本的に、アイデア出しミーティングというのを毎週1回か2回やっているんですよ。基本的には大喜利でやっていますね。ホワイトボードに、例えば、クライアントがいて、これ広めたいというのがあって、予算これぐらいとかいろいろあるじゃないですか。

それを書き出して、話を聞きにいったメンバーが「こういうゲームでした」とか「こういう商品でした」とかを言って、そこから大喜利がスタートします。ありもなしも含めて全部、とりあえずその場が笑えばいいみたいな状態で作ってきますね。

横山:準備とかしないんですか? 例えば営業が、前もって1週間前に、クライアントのほうでこういう構成を踏まえて、こういう企画を出してください、みたいなのはない?

シモダ:基本的にうちってあまり何か言われることないんですよ。営業がいないので、「うちに仕事ください」と言いにいく機会がないんです。なので、クライアントから声をかけていただく形になるんですが、大体「任せます」とかですね。

クライアントも「バーグはそんな感じでしょう」というのがあるので、わりかし自由にさせて頂いてます。唯一ヒアリングするとしたら、NGワードだけ聞きますね。

横山:もう集まった瞬間にみんなでバッと意見を出すんですね。事前準備もなしで。

シモダ:全くないですね。

横山:すごいですね。

連想ゲームから生まれる、これまでにないアイディア

シモダ:バーッと出していくやり方というか、あと連想ゲームで作ってたりとか。

横山:連想ゲーム?

シモダ:例えばゲームで例えると、よくRPGとかでありそうな「剣」というのがテーマだったら、「剣」とは関係ない「冬」というワードから連想ゲームで出していくんです。すると、「雪」とか「うさぎ」とか出てくるじゃないですか。

そして「剣」+「連想で出てきた言葉」という形でつないでいくんです。すると、すごく突飛なワードと「剣」がつながるじゃないですか、そのつながったものが、今までなかった型だと面白い見せ方になったりとか。

司会:具体的に、今まで出た組み合わせでおもしろかったのありますか?

シモダ:例えば仮ですけども、よくベルセルクとかにある「身の丈ほどもある大剣」ってあるじゃないですか、それと全く世界観の違う「主婦」って言葉が合体したときとかですね。主婦に背負わせたほうがなんか映えるなとか。

塩田:それが最初の?

シモダ:例えばそのCM打つと、大剣がメインのCMをするとしたら、主婦に大剣を背負わせて、掃除機かけているというCM流して、「主婦もはまっている」とかコピーを入れたらCMになるじゃないですか? 

塩田:ちなみに、そのたくさん出たアイデアで、最後、1個に選ぶ際、誰か1人か決めているのか、みんなの同意のところで決めているのか、どちらなんですか?

シモダ:「あまりにもクライアントを煽ってる」とか、NGワードなどはやめとこかみたいなのはあるんですけど、基本的には、使える案は全部持っていきますね。3つ4つ持って行って、「絶対通らなさそうな威嚇案」ってのも混ぜたりして。

例えば、某企業さんの社内がちょっとゴミがあふれていて、社内をきれいにしたいと。でもどうしたらいいかわからず、どうすればよいか、という相談があり。

じゃあ、机汚いやつのテーブルの上にう○こしていこう、と。「もっと汚れるの嫌だったら片付けよう!」みたいな。それをプレゼンで出したんですよ。恐怖う○こおじさんみたいな。通らなかったです。

横山:通らなくて安心しましたよ。それ通ったのかなって一瞬。

「自分の葬式を想像してもらう」アカツキの面接トピックス

司会:では続きまして、アカツキさんのインプット方法をぜひ教えてください。

塩田:僕もインプットそんなに意識的にはしてないですね。僕たちは、ゲームとは人の心がどう動くかを徹底的に考える学問だ、と定義しています。

なので、人に対してどこまで掘り下げて考えられるかということを大切にしています。例えばうちのメンバーと話した際に、そのメンバーのことをより深く観察して掘り下げられる人が、ゲームづくりに向いてたりすると思うんですよ。人間に対するインサイトですね。あとは、面接の際、死ぬときの質問とかするんですよね。死ぬときにどう考えるかを聞くんですよ。

シモダ:面接で死ぬときのこと聞くの?

塩田:聞きます、聞きます。

シモダ:「どんな死に方がしたい?」とか?

塩田:それもなくはないのですが、普通に死ぬときに葬式を想像してもらい、周りに自分がなんて言われているか、という質問はよく聞きますね。なんて言われたいか・自分をどういうふうに定義するか、を聞きます。

シモダ:めちゃあついですね。

横山:すごいですね。

塩田:死ぬときのことは、あまり普段考えないじゃないですか。普段考えないことをその一瞬に考えるときに、どんな答えが出るかっていうのが、聞いていておもしろいんですよね。ああ、こういうふうに死ぬときのこと考えるんだっていうのが、インプットになったりしてますね。

アンテナを常に張ることが大切

司会:ありがとうございます。では続いて、横山さん、インプット方法についてお教えください。

横山:うちは会社にディレクターが10人ぐらいいるのですが、基本的に毎日みんなAppStoreのアプリをダウンロードして、たくさん研究しているというのがまず1つありますね。

結局どういう新しいものが出てきているかって市場を知らないと、競合に対して新しいアイディアが出ないので、まずは使ってみます。もう1つはエンタメ系の映画とか漫画とかお笑いとか、そういうものを、多分、みんな見ているんじゃないかなっていう気がします……。

司会:気がしてる?

横山:その辺は聞いたことはないので。AppStoreを見ているのは知っているんですけど、それ以外みんなが何をしているかっていうのは正直それぞれですね。

司会:社員の方の話もいいのですが、横山さんのインプット方法はなにかありますか?

横山:そうですね、僕もAppStoreも見ますし、あとは僕の場合、ちょっと真面目な話ですけど、結構本を読んでいます。

司会:『日本一「ふざけた」会社のギリギリセーフな仕事術』とか?

横山:そうなんですよ。有名な本なんですけど、僕は見たことがなくて。

司会:見たことないんだ。

横山:今日見ます。これから。

シモダ:有名ですよ。

横山:なので、いつも本当にいろんなサービスを触っているということと、本を読むことっていうのがインプットになって、あとは「どういうサービスを生もうか」と常に考えて、常にアンテナをはっていますね。

制作協力:VoXT

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