2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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『片付けパパの最強メソッド』の著者・大村信夫氏が旬なトピックでゲストと対談するシリーズ。第20回目は『ネガティブフィードバック』の著者・難波猛氏が登壇。人間関係を壊さないためのポジティブとネガティブの黄金比や、職場で使える心理学的なテクニックの重要性について語られました。
難波猛氏(以下、難波):最後にロジカル面ということで、スキルセットのお話になります。こちらも5つほどあります。
「①合意を得る」「②不協和を作る」「③話すより聞く」「④面談を綺麗に終わらせない」「⑤諦める」。このあたりをお伝えしていきたいと思います。
まず、「合意を得る」ことに関しては、先ほどお話ししたとおりです。本人に決めてもらうことが大事です。一方的にネガティブなフィードバックをすると、相手にとっては、ただの「いちゃもん」にしか聞こえないんですよ。「自分が聞きたいと思っていないのにひたすら言われた」みたいなかたちになります。
例えば、「仕事上のパフォーマンスにちょっと問題点があるように私には見えるんだけど、そのことについてお伝えしてもいいですか?」ということです。「こういうギャップが生じていると思うんだけど、あなたはどう認識していますか?」というかたちで、いったん相手にボールを預けることが重要になるかと思います。
そこに対して、相手がいろいろと悩んだ結果、「確かに私にもこの点はギャップがあって、この問題を放置したらまずいですね」と。自分で考えて、自分で結論を出してもらうまで、粘り強く話し合うことが大事になります。
どうしても上司側も部下側も、1回の面談で終わらせようとします。後半の「綺麗に終わらせない」にもありますけど、「合意できないことに合意する」ということでもいいと思います。
大村信夫氏(以下、大村):なるほど。合意できないことに合意する。「今回はそこまでは至らなかったよね」という、合意をするということですね。
難波:そういうことです。その上で、「不協和を作る」ということです。こういう耳の痛いことを伝えると相手は9割方嫌な顔をします。当然ですよね。自分はこれでいいと思っていたのに、周りから「そうじゃないよ」と言われるわけですからね。
その時に、言った側としては「気分を害しちゃってごめんね」みたいなかたちで、フォローしたくなりますよね。
大村:なる(笑)。僕、すごくやります。
難波:本当ですか?
大村:はい。
難波:そういう時には……絶対にしないでください。
大村:そうなんですか。
難波:中途半端なフォローほど、無意味なものはないです。
大村:(笑)。
難波:相手が苦虫を噛み潰したような顔をしたら、そのあとは「黙って待つ」が正解です。ここが、アクティブリスニング・傾聴になります。人が苦虫を噛み潰しているのは、認知の不協和が起こっている状態なんですよ。
大村:「認知の不協和」というのは?
難波:例えば、自分はこれでいいと思っている認識・認知に対して、外部から「それじゃまずいよ」という違う認識、「今の成績だったら降格しちゃうよ」と言われると、本人は、「なんでそんなこと言われなきゃいけないの?」というモヤモヤが発生するんですね。居心地の悪さです。
人はこの「居心地の悪さ」をほったらかしにできないので、何か行動を変え始めるんですよ。まずは不協和を起こして、相手が嫌な顔をしたら、自分のボールがちゃんと相手にいったん渡ったということです。
その時に、フォローと合わせてダメなのは、説得と論破です。「そんな顔をされても会社の決まりだからさ」みたいな話とか、「そう言うけどね、こうじゃない?」みたいに全部言い切ってしまうと、相手としてはモヤモヤしている感情を整理できません。なので、いったんそのモヤモヤを100パーセント吐き出させる。それが、「傾聴」ですね。
大村:なるほど。間が怖いんですよね。
難波:そうなんです。面談のロールプレイとかをやると、上司側がめっちゃしゃべるんですよ。
大村:ですよね。バーっと口達者に言っちゃうんですよね。
難波:そうです。8割方しゃべります。
大村:「あなたのため思ってね」とかね。
難波:「うるせえ」みたいなね。
大村:そういうことになっちゃうんですよ。
難波:「黙ってろ」ということです。
大村:「黙ってろ」なんですね。
難波:そうです。やっぱりそこがポイントになります。
難波:その上で、「1回で終わらせようとしない」。上司側、面談する側としては、1回で終わらせたくなるんですけど、やっぱりちゃんと待ってあげて、答えが出なかったら「今回は合意できないね。じゃあ、次回またあらためて話そうか。ちなみに、この点は考えてきてね」というかたちで、続きにします。
大村:宿題とかも出してということですね。
難波:そうです。これは「ツァイガルニク効果」と言われています。例えば、ドラマとかも完結しちゃうと、次の回は見たくないじゃないですか。
大村:うん、うん。
難波:でもモヤモヤが残っていると、「来週どうなるの?」みたいになります。
大村:『24 -TWENTY FOUR-』の「ジャック・バウアーが」みたいなね。
難波:そうです。残り2秒くらいで死にそうになるじゃないですか。
大村:そうすると、次回も気になっちゃう。
難波:そうです。次回も見ますよね。だから「何かの宿題を残す」ことが、実はポイントだったりします。
大村:ちなみに、1回の面談の時間はどのくらいですか? 3時間は嫌でしょう?
難波:3時間やると、お互い精神的に疲れてきてイライラし始めて、ハラスメントのリスクが高くなります。なので30分から、どんなに長くても1時間です。例えば、小さなギャップだったら日常の1on1で、15分でもいいです。
大村:15分ですね。なるほど。
難波:ポイントは何かというと、一定期間は本気で向き合うことです。「大人なんだから1回言ったらわかるよね」という話じゃなくて、人の行動が変わるまでには、一定の期間がかかるんです。
大村:はい、はい。
難波:どのくらいかというと、だいたい3ヶ月かかります。これはロンドン大学の研究結果で、「人の新しい行動が習慣になるまで66日かかる」と言われています。月(の営業日が)20日間だとして、かける3ヶ月です。
大村:なるほどね。
難波:そのくらいの期間は定期的にミーティングを持って、「この間決めた行動についてどうでしたか?」と、ちゃんと残していくということですね。
大村:逆に3ヶ月間は、ある意味長い目で見てあげるということですか?
難波:そうですね。
大村:多少、変化していってくれれば、うれしいなということですね。
難波:そうですね。だから、小さな変化が起こったら、「いいね」ボタンをチョンチョン押していきます。
大村:ここは、「いいね」ボタンをやっていけばいいんですね。
難波:はい。
難波:ちなみに「ネガティブフィードバック」と言っていますが、100パーセントネガティブだったら、人間関係なんて簡単に破綻します。
大村:(笑)。
難波:当たり前です(笑)。私も常時ネガティブだったら、たぶん社会人として成立していません。
大村:そうですよね。
難波:実は「ゴットマン率」という数字があって。研究者が、ポジティブ・ネガティブ、どのくらいの比率だったら人間関係が壊れないのかを調査したんですけど、職場の人間関係は、だいたい4対1です。ポジティブ4、ネガティブ1です。それを超えちゃうと、「いつもうるさいことを言っている。この人の言うことを聞いていても無駄だ」とか、「自分は何をやってもいつも怒られる」みたいなかたちになります。
学習性無力感という、「私はダメだ。いつも怒られる」みたいな状態になって、逆にどんどんやる気をなくしていきます。なので、やっぱり4くらいはポジティブなコミュニケーションで、1がネガティブです。
大村:サンドイッチというか、ポジティブを言って、ネガティブを言って、でもポジティブみたいなこともありますよね。
難波:それは面談の時にやったら絶対にダメなんです。
大村:ダメなんですか?
難波:よく言われますよね。「サンドイッチ型」みたいな話で、いいことを伝えて、ちょっと厳しいことを言って、最後、綺麗にポジティブに言う。
大村:それを、けっこう習った気がします。
難波:それを現実的にやると、「今日は褒められたんだっけ? 叱られたんだっけ?」という話になるんですよ。
大村:なるほど。
難波:「今日のこの場は結局なんだったんですかね?」みたいな話になるので、ネガティブなことを伝える時には、「今日は厳しいことをちゃんと伝えますよ。しっかり受け止めてくださいね」というかたちで、言い切ることが大事です。
大村:なるほどね。その時間はネガティブな話をするけど、ふだんのコミュニケーションはその4倍くらいポジティブということですね。
難波:そうです。そして、立てた行動についてできたことがあったら、「それすごくいいじゃん」と、ちゃんと伝え続けるということですね。
大村:なるほど。そこはポジティブということですね。
難波:そういうことです。
大村:コメントに、けっこう「いいね」が来ていますね。ポジティブ4、ネガティブ1が職場関係ですか。
難波:そうですね。ちなみに友人関係は8対1です。要は利害関係がないからです。仕事は雇用契約関係があるから、ある程度の強制力があるんですよ。
大村:なるほど。
難波:ちなみに、親子だと3対1くらいらしいです(笑)。
大村:親子は3対1ですか。
難波:要は血縁関係があって、切っても切れない状態だということですね。
大村:なるほどね。
難波:ちなみにパートナーとの関係だと、4対1くらいです。
大村:会社と同じくらいですね。
難波:そうです。
大村:契約みたいなものですよね。
難波:そうです。要は婚姻関係、婚姻契約を結んでいるということです。
大村:なるほど。そこは仕事と同じで、割り切ってということですね。
難波:そうです。だから、ネガティブなフィードバックを聞いたから、いきなり「ネガティブ一辺倒」みたいなことじゃなくて、まずはポジティブに褒めるとか、笑顔を見せるとか、感謝するとか。
褒める以外でも、何でもいいんですよ。「あなたに対して好意を持っていますよ」「あなたに対して信頼していますよ」「あなたに期待していますよ」というメッセージを伝える。全体として「いいね」ボタンを押すとかでも、何でもいいんです。それを8割というイメージを持っていただけたらと思います。
大村:なるほど。4対1じゃなくて、10対1でもいいわけですよね。
難波:そうですね。
大村:「いい分にはいい」ということなんですね。
難波:「友人関係の割合が聞こえなかった」というコメントが来ていますが、友人関係は8対1です。9割方いいことを言っておかないと、残りの1割で人間関係がいきなり崩れます。「LINEブロックされる」といったことがありますので、その点はご了承ください。ということで、私からのお話は以上です。
いろんな心理学的なテクニックを使っていくと、人って意外とちゃんと受け止めてくれます。ですから、こういったものをみなさんの中で少し習得していただいて、みなさんが健全にコミュニケーションを取れるようになるといいかなと思います。
率直に話し合いができる組織や人間関係って、いわゆる「心理的安全性」の高い職場だと思っています。なので、その一助になればすごくうれしいと思います。ということで、チェックアウトです。
大村:あっという間ですね。内容がすごく濃かったです。ありがとうございます。
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