2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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昨今では、新規事業に加えて既存事業における事業変革、DXによる組織改革など、企業のさまざまな領域でイノベーション人材の必要性が高まっています。本イベントでは、人事担当者や新規事業担当者に向けて、イノベーション人材の育成のヒントをお伝えします。本記事では、ベンチャーキャピタリストの中垣徹二郎氏と株式会社ローンディールの原田未来 氏が、大企業とスタートアップのカルチャーの違いについて語りました。
中垣徹二郎氏(以下、中垣):あと7分ですね。ベンチャーキャピタルがスタートアップと一番よく付き合っているとも思われがちなので、その話を少しだけします。ベンチャーキャピタルはお金を預かって、分散して複数のスタートアップに投資をしていきます。
実は、これが結果でリターンが出るための一つの法則ですけれども、なぜこんなに分散して投資をするかと言うと、スタートアップは失敗するんですね。残念ながらなくなっていきます。
これは、アメリカのメディアが出していたちょっとおもしろいデータです。1,119の会社がエンジェル投資家とかシードの投資家とか、とにかく投資を受けて、外部から評価されてスタートを始める。はっきり言って、ここまでいかずに誰からも投資を受けられない会社がいくらでもあるんですよ。
投資を受けた会社がその後増資をし続けられるか、もしくは上場なりM&Aされて卒業できるかを見ていった数字です。1,119社のうち次のラウンド、増資をするのも、もう半分になるんですね。
ガラガラガラと6回の増資をしている会社は、3パーセントしか残っていません。もちろん6回もやらずにM&Aは上場する会社もたくさんあるので、そっちはそっちでM&Aしていくんですけど。結果的に7割はなくなります。
つまり投資を受けるくらい評価を受けている会社も、7割失敗するんです。例えば僕の体感値で言うと、僕も100社に1社ぐらいしか投資をしないで今までVC(ベンチャーキャピタル)をやってきています。(成功するのは)100社に1社のうちの3割です。
まさに千三つです。きれいに言葉と合うんですけど、千三つでしか成功しないんですね。だから本当に失敗する。ただ、これを生き延びると、大成功するんですね。さっきの会社みたいに、ドカンという会社が出てきます。こんな条件でビジネスモデルが成り立っているんです。
中垣:伝統的な企業や大企業とスタートアップの違いを簡単に言うと、伝統的企業は寿命がすごく長いのは当たり前ですよね。スタートアップは多産多死で、死んでしまう会社はたくさんあります。
あと伝統的企業は、やっぱり失敗しないことがすごく大事な価値になっていて、守らないといけないものがたくさんある。今のお客さんを守って、わかりやすい期待に応えないといけない。これは決して悪いことではないです。
スタートアップは人と違うことをやらないといけないんです。シリコンバレーにもいっぱい行ってきましたけど、「Change the world」といまだに言う人がたくさんいるんです。それが僕らが生きている意味であると。
(伝統的企業が)まさに安全や安心といったブランドをしっかりと重視するのに対して、スタートアップは、ブランドは後からついてくると考える。(重視するのは)スピードで、人がやっていないことをどんどんやっていく。
結果として、(伝統的企業の)イノベーションは、Incremental。漸進的とか改善という言葉に近いイメージですね。徐々に良くしていくというイノベーションに対して、スタートアップは人がやっていないことをやっているから、Disruptiveとか破壊的。
(両者の違いは)詳しく言うと、(スライドに出ているように)こんなにいっぱいあるんです。これは本から抜粋したものですけれども、とにかくいっぱい違いがあります。それは先ほどみたいなものを実現する上で、例えば目標に対しても、達成することが大事な伝統的な企業に対して、結果としてもっとチャンスが膨らめばいいスタートアップ、みたいな大きな違いがあります。
ここ(のスライド)は、今回はしょっていきますけど、この間にいる人は、その違う両方をつなぐのは難しいんですね。本当にまったく違う生物です。ビジネスのポリネーター(受粉媒介者)は、単純に花と花の間をいくミツバチより、実は難しいんですね。つながないといけないけど、簡単ではない。それをちゃんと理解していかないと噛み合わない。
2つのぜんぜん違うリズムで動いてる歯車の間に入るカム(運動の方向と大きさを変える機械要素)みたいにならないといけないという意味で、難しいんだけど、それができるかどうかがオープンイノベーションの肝であると本に書きました。
中垣:じゃあ何をするかと言うと、ここの部分。スタートアップ的な動き方を理解しないといけないんですね。理解できないのは頭がいいから悪いからの問題ではなく、知らないからです。もともとのやり方に対して、癖がついているんですよ。違う癖を持っているスタートアップの動き方を理解することがすごく大事です。
いきなり「明日から理解しよう」と本で読んでもできないんですよね。なので、いろんな手段が必要です。ここにも書いていますけど、それを経験させるか、時間をかけて触れ合う機会を増やさないといけない。
だから、やろうとするなら、そういうトレーニングを受けないと無理だとはすごく思っています。DNXも、いろんな事業会社からお金だけでなくて人も預かったりしていたんですけど、そういうことをやってみるとか。
まさにスタートアップに出向することは、「スタートアップはこうやって動いている」と体感するすごくいい機会だなと思っています。
ちなみに、その中でもアメリカを代表するVCたちは、まさに勉強もよくできるんですけど、そのパートナー代表の人たちは、起業経験とともに事業会社の経験を持っている人がものすごく多いんですよ。
なので、やはり両方を知りながらビジネスを作る。アメリカは特に、最終的に大企業に売っていく会社が多いので、そこをつなぐ役割を果たしているとも言えると思います。
ただそれをやるのは、さっき言ったようにすごく難しい。理解して動くのも大変ですけど、もう1個は、スタートアップにいこうとすると、大企業のまさに(スピード感が)遅い人が来たと思われて、それに合わせるのが大変です。
そこで共感をまず得て「あなたとなら一緒にやりたい、○○会社さんならやりたいんです」と言われるようになる。今度はそれを大企業の中に持っていくと、「スタートアップかぶれになりやがって。お前だって俺たちのリズムはわかってるだろ」みたいな感じで、今度そこでまたすれ違うんですね。
この両方のまったく違うところを行ったり来たりしないといけない難しさが、非常にある。そこを上手にやらないといけない。当然経営層からのバックアップがあって、「これは会社のために大事だから」という強いサポートもものすごく大事です。
中垣:あと同じく、最終的に事業部門をどう巻き込むかが非常に大事です。僕は本にも書いてたんですけど、そこに対してポリネーターの方は、非常に上手に社内を巻き込むことをたくさんやっています。
思った以上にスタートアップだけではなくて、中の人とのコミュニケーションを大事にして、最終的にあなたのためになるんだよとか。「あなたに変なリスクをとらせず、こっちがちゃんと受けるからただ見ていてくれよ。おもしろくなったら付き合ってくれよ」と。それを非常に上手に絡めながら動いている人たちが多い。
それをやるには行動原則が大事だと本にもたくさん書いているんですけど、トップとどう連動していくかとか、社内の人をどうやって巻き込むか。本当に社内の勉強会とかをまめにやっている人が多いんですね。
あとは各部門長に対して、「今は別に協力はいらないです。ただ僕が何をやっているか知っていてください」と啓蒙活動をずっとしている人が本当に多いです。そういう努力の中で行ったり来たりの媒介ができるようになっていくのを意識している人が多いと思っています。
「スタートアップを知らないといけない」と言うと、よく社内の全否定になってしまう人がいるんですね。「うちの会社はだめすぎるんだわ」と。でもそうしたら、最後に社内の人を巻き込めないんですよ。
いろいろ外で苦労されて、カチンと来ていると思うんですね。ただ、社内の人と上手に手を握り合いながら、しかもそれを、自分は社内を味方につけていることをバリューに、今度はスタートアップに行くようになることを意識して動いている人が多いんですね。
ぜひそういうことを意識しながら動いていただければなと思っているところでございます。ちょうど時間になりましたので、いったん私のお話はここまでにして、あとは原田さんからもいっぱい突っ込んでいただければと思います。ありがとうございます。
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