2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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阿部:ちづるさんという方が本を読んだ感想をnoteに書いてくれて。「『後悔』の『悔』の字って『解釈』の『解』とも(言えるんじゃないか)。後から解釈ができるんじゃないか」って書いてくれて。本当そのとおりだなと思いました。僕なりに思うのは「後悔先に立たず」なんだけど、後悔は後で解けるんだと。
「後悔」ってみんなあると思うんですよ。「うわー」って抱えていることでも、「後でほぐせるんだ」って思うと、なんとかなれるかもしれないって。希望を持っていたいなって思いますね。
田中:後悔することはいっぱいあるじゃない。でも「あの時にあれをやってしまったから、もうおしまいだ」ってことはなくて。ここに座っているからね。言い訳じみているのか、前向きなのかわからないけれども、あの時のことをとにかく違う捉え方にしないと、しょうがないですよね。
阿部:そうですよね。後悔することはみんなあるし、「なんとかできなかったかな?」って悔やむこともあると思うんですけど、それは後で解き明かせる・ほぐせる・解釈できるというのも、本の中で伝えたかったことなんです。
阿部:キャリアについて、例えば転職とか就職活動とか、独立とか起業とかもそうなんですけど。解釈というか、自分の決めつけてしまった枠組みを越えるためには、僕の中では「手を引っ張ってくれる人」が不可欠な気がしていて。
僕は音楽がすごく好きで、好きすぎたがゆえに「自分なんかがまさか作詞なんて」という、ちょっと自分をみくびってしまっていたことがありました。それを決めつけの枠組みの外側に引っ張ってくれたのは、友人の映像ディレクターで。「ちょっと阿部さんに頼みたいんです」って、本当にその一言だけなんですけど。
その言葉で枠組み・線引きを越えさせてくれたことが、僕の中ですごく印象深くて、本に書いたんです。泰延さんも、自分で決めてしまった枠組みを越えさせてくれた人、手を引っ張ってくれた人っていましたか?
田中:もちろん、そればっかりですね。例えばダイヤモンド社の今野良介さんは、「僕が本を書くとか、そういうアレじゃないですから」って言っているところに、「とんでもない、あなたに書いてほしいのです」って。相当手を引っ張られないと、こうはなってないです。
あと出版社を作るのもそうです。30年来の知り合いで、弊社の取締役の加藤順彦さんに、「出版社を作りたい気持ちはあるんですけど」って言ったら、「わかった」と。
会社を作るにはお金がいるから、お金を集めたり、それから登記をするのが必要で。加藤さんが「そういったことは俺が全部指導するから、やろう」って言ってくださったからできてるんですよね。誰かが「よし、やろう」「手伝おうか」「一緒にやるか」って言ってくれない限り、一人ではムリですよ。
阿部:そうですよね。手を引っ張ってくれる人はどこかにいるし、誰にも絶対にいるって、僕は信じたいタイプなんですけど、どうやったらこういう手を引っ張ってくれる人に出会えるんだろうって考えていて。自分の関心や興味があるんだったら、その先にいるんじゃないかって。会いにいったり、近づいていったり、イベント参加したり、なんでもいいんですけど。
泰延さんは、なんで自分を引っ張ってくれる人が現れると思いますか。
田中:不思議ですよね。なんだろうね。会社にいた時も「広告コピーはこう書くんだよ」って手を引っ張ってくれた人がいたわけだし、自分が体調悪くした時も「大丈夫、戻っておいで」って言ってくれた人もいたわけだし、なんでしょうね。
ただ、僕は冗談でいつも「俺は何もしたくない」って言うんだけど、本当に何もしなかったらみんなに非難されて、一文無しになるはずなんです(笑)。「この人は自分のことを憎からず思ってる」っていう人に対しては、なにかしら答えを出そうと自分自身が思うからじゃないかな。だって本当に何もしなかったら、見捨てられるやん(笑)。そうはいかないよね。
阿部:やはり大事なのは「答えを出す」ことですかね。お互い言葉にしないかもしれないけど、「こうしたらいいかも」「こうしたらおもしろくなるかも」みたいな相手への気持ちがそれぞれあって。自分なりにその答えを出して、連絡するとか約束するとか、なにかをして「つながりを太くする」ことを重ねていくと、ピンチの時に助けてくれる人が必ず現れるんですね。
田中:だって会社を作るにあたって、取締役になってくださったり、出資してくださったりしたのは、30年前の仲間たちですからね。当時一緒に仕事をした人たちが、30年経って「いいよ田中、手伝うよ」って言ってくれている。これはやっぱり、30年前に僕がふざけてなかったところを見てもらっていたんでしょうね。
阿部:泰延さんは、学生でありながら起業を目指すグループに参加されて、その後はトラックの運転手になりますけど、やっぱりその時の「一生懸命な自分」が今助けてくれてるというか、つながってるわけですよね。その姿を見てくれていた人が、泰延さんが起業する時に助けてくれるって、すごくつながっていますよね。
田中:本当にそうです。30年越しに手を引っ張ってくれる人がいるんだったら、30年越しに「ちょっと答えを出そうかな」って思ってる、52歳・A型・天秤座の僕がここにいるわけですよ。
阿部:(笑)。よく言われる「〇年越しに」って、一人ひとりに何か必ずありますよね。その時は実を結ばなかったとしても、その後に伏線回収をすることがあるから、それも希望だなと思います。
田中:やばいな。俺、阿部さんといると真面目な人になっちゃうな。
阿部:いやいや(笑)。
田中:僕は阿部さんと会うと浄化されるんですよ。ふだんはふざけることしかしてないけど、阿部さんと会った時だけ「阿部さんだからちゃんと答えるけど」ってなる。あまりほかにこうなる人はいないからね。
阿部:いやいや、本当に恐縮です。次のお題はちょっとほどけた、リラックスした泰延さんでお答えいただきたいんですけど。
(田中氏、踊りだす)
阿部:(笑)。
阿部:「こうじゃなきゃいけない」というような、自分を縛ってしまうことをみんなも思ってしまうし、僕も思っちゃうんです。でも、自分を縛らないためにリラックスしたり、自分を解き放つために自由でいたいよねと伝えたいんです。
なにか一歩を踏み出している人は、自分を縛らないためにどういうことを意識しているのかなって。僕自身は、泰延さんが原稿に向かっている瞬間が大変だって知っているんですけど、それでも自分を縛らないために、機嫌よくいるために意識されてることを、改めて教えていただいてもいいですか。
田中:「本当にイヤなことはやらないこと」ですよね。
阿部:あぁー、そうですよね。
田中:例えば、昨日YouTubeの配信をやっていて、いろんな人から相談を受けたんだけど。イヤなことを「イヤだイヤだ」とわかりつつ、「でも自分はそれをやらなきゃダメなんでしょ」って。会社に行かなくちゃダメだし、イヤな人間関係に耐えなくちゃいけない、でもそれが人生でしょ。だからイヤなんです……って、ぐるぐるしてる人がいっぱいいるの。
阿部:確かに、イヤなのにそっちに行っちゃうことありますよね。「イヤだな、イヤだな」って近づいていっちゃう。
田中:怖いもの見たさとか、臭いもの嗅ぎたさとかないですか。
阿部:ありますね(笑)。
田中:臭いってわかってるのに「くさっ!」って。いや、絶対に臭いからわざわざ鼻を近づけんでええやん、っていう(笑)。
阿部:本当に僕たちって、イヤだと思ってるのに「やらなきゃ」って思ったり、なぜか近づいていっちゃって、また傷ついちゃったりしますよね。
田中:「あの人は性格が悪いから、話しかけても絶対にイヤな答えしか返ってこないよ」っていう人に話しかけるんだよね。あれ、なんでつつくのかな?
阿部:なんででしょうね。スルーすればいいんだけど、近づいていっちゃう。相反する気持ちがありますね。
田中:あれ、なんでかな? 今まで「おはようございます」って言っても、99回「ん」って無視する人に、イヤな感じだなぁと思っていても挨拶してしまうのは、100回目に「おはよう!」って言ってくれると思ってんのかね。絶対にムリやんね(笑)。
阿部:(笑)。ムリですね。でもどこか「変えられるかも」っていう、自分じゃない誰かに対する期待が、そういうコンタクトをとらせてしまうのかもしれないですね。
田中:ダメやんな。だって世界で変えられるのは自分だけで、他人は変えられないじゃん。
阿部:そうですよね。思い出したんですけど、スージーに僕がメールを送り続けていたのは、やっぱり「返事は来るよな」ってどこか期待しちゃってたんですよね。
田中:なるほど。スージーがある日突然、「返事もできなくてごめんね。カレー、食いたいと思ってたんだよ」って(笑)、自分の中で勝手な期待をしていた。
阿部:そうそう(笑)。「相手はこうしてくれるはずだ」って思うから、話しかけてしまうのかもしれないですね。
田中:頭の中の「AIスージー」ですよ。
阿部:まさにそうなんですよ。イメージって怖いもので、「こうしてくれるはずだ」とか「こうなってしまってるんじゃないか」って、悪いほうに悪いほうに作り上げてしまうんです。本の中にも書いた「不安ごとの90何パーセントは実際に起こらない」という調査結果があります。悪いほう悪いほうに考えちゃうけど、実はそうじゃないよってことですよね。
田中:そう。不安ごとは90何パーセント起こらないって、当たり前で。不安なことって、誰にでもあるじゃないですか。それを書き出しておいて、10年後に見てみて。その不安は何一つ起こっていないから、10年後も生きているんだからね(笑)。
阿部:(笑)。不安とか心配ごとをどうやって解消できるのかというと、むしろ目を向けて書き出して自分をちゃんと見つめ直す。イヤなことも放置せずに見つめることによって、解釈して捉え直せるんじゃないかって本で書いたんです。やっぱりイヤなことを頭の片隅に置いちゃうからいけないのであって、しっかりと見つめることによって、自由になれますね。
田中:そう。「自分を縛る」現象で、最近顕著だなぁと思うのは、世の中の人が「トラウマ論」をすごい重視していること。「私には高校時代のこんなトラウマがあるからうまくいかない」「親との関係性の上でこんなトラウマがあるからうまくいかない」「そのトラウマに向き合って克服しないと、私の人生は絶対よくならない」って、すごくしんどい考え方をする人が多くて。
阿部:確かに。
田中:現状を生きてるから、ひょっとしたらそんな過去は関係ないかもよって。今カレーライスを食べてるあなたと、そのトラウマになんの関係が? って俺は聞きたい。カレーライスをパクパクおいしそうに食べながら、「私にはトラウマがあるから」って、「いやいやカレー食ってるよね」って思うよね(笑)。
だから僕が機嫌がいいとしたら、「過去とかトラウマは人間に関係ないんじゃないの?」ってどっかで思ってるからだと思います。
阿部:よく「他人の不幸は蜜の味」って言いますけど、自分の不幸に浸ることも蜜というか。
田中:そうなのよ。
阿部:浸ることで安心してしまうことがあるから、沼化しちゃって、出れなくなっちゃう。好きなことで沼にはまるのはいいと思うんですけど、自分自身をわざわざ、アリジゴク的に閉じ込めなくていい。過去は過去で今は今って、自分を守るための区画整理をしてあげたほうがいいですね。
田中:「自分を肯定してくれなかった親のせいで、私は自分を肯定できない」って、なにかすごいドラマを作ってるけど、それが自分を縛るんじゃないのかな。俺はいつもその人に「でも今カレー食ってるよね」って言いたい。「そこまで悩むんだったらカレーを食うのもやめろよ」って言うと、やめないんだよね。
阿部:そうか、福神漬けみたいになっちゃってるのかな。不幸を添えたくなるのかな。
田中:そう、自分の人生に不幸を添えたくなる。で、「ここが私のポイントなんです」って。いやいや(笑)。
阿部:うまいカレーを食っているんだったら、それでいいじゃんって。自分で自分を決めつけることで、自分を縛ってしまうことがあるけど、そうじゃなくて、まず「なんかイヤだな」とか「変だな」とか思うことを切り離していいんですよね。
田中:そう。『嫌われる勇気』のアドラーは、「人間にトラウマはない」って言ってる。「今ここに生きてるんだから、『過去にこんな原因があったから自分はこうだ』って未来の行動を規定するって、かなり愚かじゃないですか」って言ってるわけだから。
阿部:そうですね。トラウマ的な記憶を、自分がどう捉えるかでしかないと。悪いほうに記憶を上塗りしていく必要はないんだなって。
田中:大ケガが、自分の体に障害を残すことはあるじゃないですか。それと同じように心の問題も捉えてしまうと、どんどん大げさに「自分はケガ人だ」と思う。確かに、本当にひどい場合はあるかもしれないですよ。
でも俺がいつも思うのは、戦後、日本は大発展したじゃないですか。一面焼け野原で、親類・縁者・家族は空襲でみんな焼け死んで、目の前で黒焦げになりましたと。その人たちがそれだけのトラウマを受けたんだったら、戦後日本なんかできるわけがないじゃん。
たまらないくらいしんどかったけど、それはそれで解釈をして先を見たから、東京タワーが建ったんじゃないですか。でも「人間はトラウマがすべてだ」って解釈をしてしまうと、東京タワーは絶対に建ってないわけですよ。
阿部:僕はよく「前向きだね」って言われるんですけど、前向きな人って誰よりも後ろを知ってる人でもあるなって思っていて。誰よりもネガティブな自分を知ってるし、「めんどくさくてイヤだな」とか「まいったな」っていう気持ちも全部知りつつ、少しでも自分が前を向くためのものを選んでいるだけでしかないから。
ネガティブ・ポジティブっていう言葉もよく使われるけど、ネガティブな自分も知りつつ「その中で選べるんだよ」ってことを、ことさら強調して伝えたいなと思いますね。
田中:まったくそうですよ。僕が常に機嫌よく365日ふざけてるのは、自分が生きていくスタイルを選択してるだけだから。生まれつきこんなわけないし。「IZ* ONEについてしゃべります!」と言いながら母親のお腹から生まれてきたわけじゃないから。
阿部:(笑)。
田中:こういう二人でしゃべってる時に「今日はIZ* ONEのことをしゃべります」って選択している。
阿部:そうですよね、選べるんだってことは絶対に忘れないでいたいです。就職活動とか転職活動の「自己分析」って言葉も、「自己選択」と捉えたいんです。選択してきた道のりを振り返るだけで、だいぶ自分のことがわかる。選んだところに自分の個性が出るんだよって。IZ* ONEの話を選んだ泰延さんは、それを選ぶところに個性があるんだよって(笑)。そこなんですよね。
田中:アーカイブでご覧のみなさん、実はカットされてますが、IZ* ONEの話を2時間しました。
阿部:(笑)。
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