kintoneの主な用途は「業務データ管理」だった

住田知基氏(以下、住田):みなさん、こんにちは。「社内RPG」という発表を始めます。よろしくお願いいたします。

まず、簡単な自己紹介からさせていただきます。私、住田知基と申します。名古屋にある株式会社ウィルビジョンでシステムエンジニアとして活動しております。つい先日、22歳になったばかりです。このような場所で発表するのは初めてなので、とても緊張しているんですけれども、最後までお付き合いいただければなと思います。

突然ですがみなさん、kintoneを使いこなせていますか? kintoneってよく(使うのが)簡単と言われているんですけれども、蓋を開けてみるとけっこう難しいところありますよね。私もあまり使えてないと思っています。

私、今までこんなことやっていました。システムエンジニアなのでkintoneのグラフ機能を使うための、グラフを作りやすいデータの加工をするカスタマイズ。そして、レコードの編集画面にグリッドを表示するようなカスタマイズ。そして、kintoneを使って自社のオフィスコンビニのシステムを構築したりしました。

ここまでやってきたんですけれども、kintoneの数ある機能のうちのデータベースやワークフローといった、業務データの管理を行うカスタマイズを中心としてきました。

しかし、kintoneにはもう1つ大きな、コミュニケーションという機能があります。今回はこのコミュニケーションの機能に注目します。そして、感情認識のAPIを連携することで、kintoneに投稿されたコメントの文字から感情を読み取ってみたいなと思います。

コミュニケーション機能×感情認識で社員の“HP”を見える化

ここで「Cybozu Days 2019」のテーマに立ち返ってみたいと思います。みなさん、「モンスターへの挑戦状」、モンスターと聞いてなにか思い当たるフシはありませんか? モンスターと言えば、RPGを想像しますよね。そして、RPGと言えばHP(ヒットポイント)。要は体力が重要なポイントになってきます。

そしてこんな広告、みなさんご存じでしょうか? 以前、JRの品川駅に掲載されていました。「kintoneで働き方改革をしよう」という広告となっています。このキャッチコピー、「結局現場にムチャぶりですか?(社員のHPも知らないのに)」。

kintoneのコミュニケーション機能と感情認識を連携させることで、社員のHPをリアルタイムに見える化する。題して「社内RPG」を作ってみました。

HPの増減ルールは2つです。1つはダメージ。仲間からキツい言葉をかけられたり、働きすぎたりするとダメージ受けてしまいます。

そしてもう1つ、回復ですね。仲間から褒められたり、退勤してしっかり休むことでHPが回復していきます。

では、今回これを実際にkintoneに組み込んでみたので、ご覧いただきたいなと思います。

タイムカードを打つタイミング、同僚からのコメント内容によってHPが増減

これ、何の変哲もないkintoneの画面なんですけれども、まず朝出社したと仮定して、タイムカードを打っていきます。タイムカードに打刻のボタンを作ったので打刻をしていきます。すると、このように出勤したことになりました。この状態でポータル画面に戻っていきます。

すると、このように“サイボウ樹”が現れてきます。そして退勤してからしっかり休んでいたので、しっかりとHPが回復しました。実は上のほうに、今のHPがこのように表示されています。

では続いて、コメントによるHPの増減について見ていきたいと思います。今回は社内のメンバーに、コメントを打ってもらうようにお願いしておきました。コメント来てますかね。

(会場笑)

けっこう悪いこと言われてる。

(会場笑)

今回は、このようにメンション付きのコメントが投稿されると、メンションされた方のHPが増減するようになっています。では、このHP230からどのように変わるか見ていきたいと思います。先ほどと同じように、ポータル画面に戻るとサイボウ樹が現れます。

けっこうダメージくらいましたね。

(会場笑)

このようにだいぶひどい結果になりました。なので、HPも減っていますね。

仕組みとしましては、kintoneからWebhookという仕組みで、コメントや出退勤の情報がAWS Lambdaというサーバーに飛んでいきます。そして、AWS LambdaはGoogleのAPIと連携して感情を分析して、HPをkintoneに書き込み直すということをやっております。

打刻漏れ防止、社員のやる気創出などの効果に期待

最後にこのHPの増減は、1つのアプリにまとまっています。先ほどのメッセージ、増減量がこのように記録されています。

例えば、このアプリを集計することによって、「たくさん褒められた人ランキング」といったような集計をすることができます。

想像にはなりますが、社員の体力と生産性の関係を分析したり、タイムカードを打たないと回復ができないので、打刻漏れを防ぐことができる。

また、コミュニケーションが明るくなって社内で褒め合うことで、みなさんのやる気が生まれるといった効果も期待できると思います。 

みなさんもHPを見える化して、もっと仕事に楽しさとやりがいを作ってみてはいかがでしょうか。ということで私の発表は以上になります、ご清聴ありがとうございました。