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デジタライゼーションがもたらす変革~共創が描く新たなスマートシティ~(全2記事)

JR東日本が推し進める「観光型MaaS」の可能性 共創から生まれる、スマートシティによる社会変革

2019年7月18日〜19日、ザ・プリンス パークタワー東京にて、ソフトバンクグループ最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2019」が開催されました。今年で8回目を迎えるSoftBank Worldは「テクノロジーコラボレーションで、世界を変えていこう。」をテーマに、IoTやAI、ロボットなどのテクノロジー領域に関する、さまざまな展示や講演を実施。本記事では19日に行われた講演より、「デジタライゼーションがもたらす変革 ~共創が描く新たなスマートシティ~」前半の模様をお送りします。

デジタライゼーションがもたらす変革

今井康之氏(以下、今井):本日はSoftBank Worldにお越しいただきまして、ありがとうございます。午前中、宮内から基調講演をさせていただきました。デジタライゼーションがどういうものを将来生み出すのか。そんな話を中心に行わせていただきました。

そのデジタライゼーションを活用して、我々いろんな企業様とご一緒にその成果物を作ってまいりたいと思っておりますが、まずはスマートシティということで講演をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

まず、このデジタライゼーションが何で生まれたかということでございますけれども。2007年〜2008年ぐらいから、コンシューマ個人がスマホを持つということが、インフラとして一気に整備されてきたことがございます。

それによって、インフラを使っていろんな仕事に活用できるという時代が来ています。テクノロジーの部分でそれを活用することで、生活がどんどん豊かになってくる時代が来たということであります。

この部分についても、実際の社会インフラ、それもより快適に安心にエコな社会を作るというようなことができる。これがまさにスマートシティであります。スマートシティでどんなことができるのかということでありますが、ここにありますように、いろいろな応用が効きます。

ロボットだったり、自動運転だったり、あと工場にも。そして今でいうと、働き方改革による在宅勤務だったり、エネルギー、インフラ、あと遠隔医療。そんなようなことがすべて、データを収集して、解析して、そして活用することによって生まれるということであります。

ソフトバンクがすべてのプラットフォームを提供する

今井:そして、この図が一番重要なところになります。この上にありますのが、実際にそれによって、デジタライゼーションによって作り上げることができる成果物です。インフラの点検だったり、オフィスのIoTだったり、MaaS、防災管理、ビル管理、地滑りをチェックする機能。

でも、そこにはプラットフォームがある。よく「プラットフォーム、プラットフォーム」って言いますけど、プラットフォームとは何かと。デバイスはいくつもあるんです。もうありとあらゆるデバイスがある。そして、そこに通信もいろんな種類の通信があるんですね。

そしてそのデータを吸い上げてきて、そのデータを収集して、解析して、分析する。そのクラウドの部分も世の中にはいくつも種類があるんです。そして、アプリ開発の基盤、これも非常に多くのものがある。

ただこれを、それぞれ成果物を作られる企業のみなさまが一つひとつ作っていたのでは、もう時間も労力も本当に無駄であると。そのプラットフォームをソフトバンクがすべて、マルチで作り上げてご提供する。これが我々の役割であります。もちろんそこにはセキュリティを伴って作り上げるというところであります。

そんなことを今ソフトバンクは、企業のみなさまだったり自治体のみなさまとご一緒に、我々は成果物を作っているということであります。事例でいっても、今日登壇いただける東急不動産様、パシフィックといった企業のみなさま、そして行政も。今26かな、包括連携協定をやらさせていただいているというようなことであります。

MaaS・スマートビル・スマートシティの3つのテーマ

今井:本日、その中でも3つ、お話ししたいことがあります。MaaS、スマートビル、そしてスマートシティであります。

我々はいくつもMaaSに関する事業をやっております。先般トヨタさんとご一緒にやっているモネ・テクノロジー。そして自動運転のSB Drive、そしてタクシーのDiDi。これは中国のNo.1のところと組んでやっています。

それとHELLO CYCLINGのような、いくつか我々も取り組んでいるMaaSがありますが、やはりMaaSということであるならば、やはりJRさん。JR東日本様の設立された「モビリティ変革コンソーシアム」に我々参画させていただいております。

3つのキーワードのグループに我々それぞれ参加させていただきながら、ご一緒にこの事業を作り上げていくということにお手伝いができるんじゃないかと、そういうふうに思っております。

そこで本日は、JR東日本のCTOであり、なおかつCISOであります太田常務に来ていただきまして、JRの取り組まれている現状、そして将来何を見据えているか、それをお話しいただきたいと思います。それでは太田常務、よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

これからは「人の生活をいかに豊かにするか」の観点で価値を提供していく

太田朝道氏(以下、太田):みなさん、こんにちは。JR東日本の太田です。常日頃からJR東日本グループの駅や列車や、あるいはSuicaなど、さまざまなものをご利用いただいていると思います。本当にあらためて御礼を申し上げたいと思います。

今日はMaaSを含めてお話をさせていただきたいと思いますけれども、最初にちょっと当社の会社のご紹介をさせてください。鉄道会社だということはご理解いただいていると思うんですけれども、実は東京・首都圏含めて、あるいは新幹線、そして地域鉄道という、あらゆるカテゴリの鉄道を保有をして、そして運用しています。

1日のご利用されるお客様が1,700万人以上ということで、これは海外の方にお話しすると「それはうちの1年間の利用者よりも多いんじゃないか」と言われるんですけれども。でも、新宿の駅をご覧いただくとだいたいご理解いただけます。

こういう鉄道の事業がだいたい3分の2でして、残りの3分の1が、ここに書いてあります駅ナカだとかショッピング、ホテルといった、いわゆるノンレールビジネスということをやっております。

時代はやっぱり今変わっています。当社のJR東日本グループも昨年新しい経営ビジョンである「変革2027」というものを打ち出させていただきました。

これまでの30年間というのはやっぱりとにかく鉄道のインフラだとか、あるいは技術、これを基盤としていかに鉄道のサービスを向上するか・発展させるかということに注力をしてきました。でも、やっぱりこれからはそれだけでは成り立っていかないだろうということです。

基軸を変えました。これからはやはり人の生活をいかに豊かにするか。そして、それをもとに新しい価値を提供する、創造する。そういったところに基軸を移したというところであります。

単なる移動手段ではなく、乗ることが目的になる列車へ

太田:輸送サービスも同じです。単にA地点からB地点へと移動するだけではありません。例えば目的地をつくること。地域の方々・自治体の方々と協力して、観光につなげる。すごくすばらしいものが日本にはまだまだたくさんあります。そういったものを発掘をして創造していく。

あるいは駅も、単に乗ったり降りたりするところではなく、さまざまな交流の場にしていこう。あるいは街とつながっていこう。電車も同じです。単に移動手段じゃありません。乗って楽しい、あるいは乗ること自体が目的となる。そういったような列車を提供していきたいと思っています。

移動についても同様ですね。やはりこれからは鉄道だけではダメです。やはり出発地から目的地まで、さまざまなモビリティと相まってシームレスでストレスフリーな移動を提供していきたいと。そして、それを検索したり予約したり決済したり、そういったようなトータル的なプラットフォームを構築していきたいと考えています。

MaaSって、言葉の定義がなかなか難しいですよね。自動車業界の方々もカーシェアだとか自動運転だとか、さまざまな事柄をされ始めています。そういった単独型のものから、全モビリティを統合して、そしてさらにモビリティ以外のものまで拡大をしていく。そういったあらゆるサービスを統合できるようなプラットフォームが構築できつつあると思っています。

1つの例なんですけどね、東日本アプリ、これは4月にリニューアルをしました。ルート検索だけではなくて、まさにリアルタイムの運行の情報だとか、あるいは指定席の予約などもご提供できるかたちになってきていますし、これから段階的にさまざまな機能を付け加えていきたいと思っています。

観光型MaaSの可能性

太田:さまざまな事業体と連携をしたいと思っております。今ほど申し上げたように、JR東日本だけでできるものではありません。今具体的なMaaSとして展開を始めているのが、いわゆる観光型のMaaSというものです。

東急さんと連携して伊豆のMaaSをやり始めました。秋には新潟で「デスティネーションキャンペーン」という非常に大きな観光イベントがございますので、そこで新潟市、あるいは新潟交通さんと連携しました。そして宮城県仙台市など、さまざまな地域のみなさまと連携してつくりあげていきたいと思っています。

そこはもちろんモビリティだけではなくて、さまざまな観光の情報だとか、あるいは宿泊・飲食、あらゆる情報を組み合わせていけたら、より地域が活性化して、あるいは観光地も、そして移動そのものが活発化していくだろうと思っているわけです。

我々もモネ・テクノロジーさんに参画をさせていただいております。モネさんも、そして鉄道とよりシームレスな移動が構築できてたらと思いますし、そして日常移動、ビジネスユース、旅行者や、あるいはインバウンドツーリスト、交通弱者の方の対応も含めて、あらゆるモードでのすべての人の心豊かな生活が実現できていけたらと思っています。そして、それをオープンイノベーションでやっていけたらと思います。

150以上の団体が参画する「モビリティ変革コンソーシアム」

太田:また、先ほど今井副社長からご紹介いただきました。当社はオープンイノベーションの活動の一環で「モビリティ変革コンソーシアム」というものを立ち上げました。これまでも約150団体の企業の方々に参画いただいています。

Door to Door、あるいはスマートシティ、ロボット活用等々ですね。これは必ずしもMaaSだけではないんですけれども、それぞれ今20ぐらいのテーマで設けて、みなさま方の技術だとか、あるいはノウハウ・知恵といったものを結集して、そして当社のフィールドで具体的に実証実験を繰り返すことによって実現に持っていこうという活動であります。

この「モビリティ変革コンソーシアム」を担当している当社の20数名のグループなんですけれども、この2月に池袋のWeWorkさんに入れさせていただきました。いわゆるモビリティコンソーシアム以外のさまざまなコラボレーションが生まれつつあると思っています。

ここにかいてあるのは当社の社員そのものなんですけどね。ぜひぜひこういったネットワークをもっと増やしていけたらと思います。

さまざまなみなさまとこれからもぜひ連携して進めたいと思っています。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

(会場拍手)

今井:太田さん、WeWorkにご入居いただいたということで。もう行かれましたか?

太田:ええ、私も何回かお邪魔しています。

今井:ありがとうございます。ご感想はいかがでございましょう?

太田:正直申し上げて、こういう服装で行くと非常に浮いてしまうということがあって(笑)。やっぱり新たな発想のためにはもっともっと自由にやっていくんだろうなと思っていまして、次回行くときはぜひちょっとポロシャツかなんかで行こうかなと思っていますけれども。

今井:見にいきますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

太田:ありがとうございました。

(会場拍手)

今井:太田様、ありがとうございました。

まさにこのパートナー様と連携してMaaSというのがやっぱりできてくる。要するに1社ではなくて、いろんな企業様とご一緒にMaaS事業も行われていくということだと思います。これはまさに共創の1つだと思います。

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