現在はイノベーションバブルの崩壊後のような時代

島津翔氏(以下、島津):みなさん、こんばんは。今日はお越しいただきまして、どうもありがとうございます。

(株式会社マクアケの)木内さんからいただいているお題が「連続的事業創出を導く」という、なんというか、非常に大きなお題でして(笑)。それなのに持ち時間が40分しかないという。こういう状況のなかで、私がはじめに思ったのは「導けるわけないだろう」ということでした。これが私のこのイベントの第一印象なんです(笑)。

(会場笑)

島津:今日のコンセプトは「リアル」とか「実地」とか、そういったいわゆる地に足をつけて歩いてる人たちのお話を存分にうかがって、それを来場した方々に持ち帰っていただくようなセッションにできたらな、と思っております。どうぞみなさま、よろしくお願いいたします。

では、さっそく始めたいと思います。まずはこのお題を出された木内さんに口火を切っていただければと思います。「イノベーション」であるとか「新規事業」といった言葉が、今の日本でいったいどういう捉え方をされているのか。木内さんは大企業の新規事業担当者の方とお会いする機会が多いと思いますので、そのお立場からご説明をいただければと思います。

木内文昭氏(以下、木内):はい。いまの状況みたいなことで言うと、たぶんバブル崩壊後から数えて言って、3回目ぐらいのオープンイノベーションというか新規事業ブームが来てるんじゃないかと思っています。

「イノベーションがなぜ難しいか?」とか、「オープンイノベーションをやろう!」という掛け声はたくさんある中で、なかなか具体的に生れ出るものが少ないみたいなことを嘆いたりとか、そういったことがたくさんあるような状況なんじゃないかと思っています。

ポイントは「一気通貫して関わる」ところにある

木内:年間何十件と、新しい事業や商品のお話をいろいろとさせていただく中で感じたことがありまして。そもそも新しい事業をやろうとか、これまでにない商品を創ろうという話は、効率経営を重視して一生懸命既存事業を進めている側の人からしたら非効率極まりない活動という前提の上で取り組む必要があるということです。

バブル崩壊後、効率経営重視でやってきた多くの日本企業においては、新規事業は効率性を極めて損なう活動なんだと思っています。既存事業側からしたら効率性を損なう活動を止めようとすることは合理的な行動なので、そのあたりを踏まえた上で、どうやって突破していくかっていうのは、やっぱりやり方をガラッと変えてやらないと、生まれるわけないなと思っている、っていうのが1つです。

もう1個ですね。(スライドを指して)ここにシリアルイノベーターの図形を書かせていただいてますけども、これは『「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀』という本で、P&Gさんとか伝統的な大きい企業のなかで、4桁億円の事業をたくさん創ってきたシリアルイントレプレナーの共通項を研究した内容となっています。

この中でですね、シリアルイノベーターの砂時計モデルというのが出てくるんですけども。簡単に申し上げると、イノベーションや創造に対するモチベーションがある人が適切な課題を発見して、課題を捉えて、技術開発やサービス開発をすると。そこを世に出せるレベルにするように評価しながらやっていく。

その後に、実際に出てきた案を実行して、市場での普及促進をがんばる。いろいろグルグル改良したりしながら高い完成度で発売していく、っていうのが共通項として見られるという話なんです。

自分自身もたくさんの方とお話しして腹落ちするのが、「初期メンバーが一気通貫して関わる」っていうところでして、ここがすごくポイントだなと思っています。立ち上げた人が、最後のところまでなにがしかのかたちで携らないと、なかなか立ち上がるものも立ち上がらない。

「新規事業はロジックジャンプが必要」みたいな言い方をしてますけども、新規事業は合理的な判断やロジックだけでは通らない局面がいろいろありますので、そこをやっぱり乗り越えるのは情熱というか、ベタなんですけどもそういうものだと思ってます。そういったことを最初の立ち上げた人が最後までやるということが大事かなと。

日本の企業だと、だいたい真ん中の黒くなってるところ(サービス・技術開発と評価)で、売上を立てられる事業部側に移管するみたいなことで、だいたいそこでスタックするんですね。そういうところを狙って変えていくことが大事なんじゃないかなと思っています。

島津:遂行みたいなところが、なかなかすぐにできなかったりとか、事業部門に渡さないとできなかったりといったところで、止まってしまうケースがあるっていうことですよね。

木内:そうですね。

「イノベーションが起きにくくなるのはなぜか」の研究

島津:ありがとうございます。次に宇田川先生におうかがいしたいのですが、経営学的から見て、いまのイノベーションを取り巻く現状を、どうご覧になってどう分析されていらっしゃるのでしょうか。

宇田川元一氏(以下、宇田川):はい、ありがとうございます。宇田川です。

イノベーションが、どうして起きにくくなるのかということに関しては、経営学のなかでも研究があります。(スライドを指して)これはロバート・A・バーゲルマンという経営戦略論の研究者によるの「バーゲルマン・モデル」というものです。

これを簡単に説明すると、一番左の「自律的戦略行動」と「誘導された戦略行動」が現場レベルの話で、「戦略的文脈」と「構造的文脈」がミドル・レベル、「全社戦略のコンセプト」がトップマネジメント・レベルと考えてください。

(スライドに)“E”と“e”がありますよね。この“E”ってEnvironmentのEです。

バーゲルマンは長らくIntelを研究していました。「なんでもともとIntelってDRAMのメーカーだったのに、CPUを作るメーカーにシフトしたのか?」ということを研究していたのです。

そのときに、「実はアンディ・グローブがすごく優秀で「すごい新しいアイデアをパッと思いついた」というような言い方をしてるんだけれど、そうじゃないんですね。実はDRAMは、例えば東芝とかヒュンダイとかがすごく追い上げてきたときに、現場サイドで「同じシリコンウエハーを使ってもっと利益率を最大化するためにどうしたらいいか?」と考えて、CPUを現場主導で作り始めたんですね。

現場が公式されてない環境・事業機会というものを見つけて、それを自律的にやり始めたのをミドルに上げて、ミドルは「これ、いけそうだぞ」っていうことでトップに上げて、CEOだったアンディ・グローブはそこで「これはいけるぞ!」と気がついたのです。そこで、戦略を大幅にシフトして、戦略転換を図り、組織づくりをして、現場に徹底的にやらせました。これがIntelの戦略転換なんです。

(会場を指して)いまこうやって写真を撮ってらっしゃいますよね。例えばiPadとか、iPhoneとか、Androidのスマートフォンとかで。そのCPUをどこが作ってるかと言えば、Intelは作ってないですよね。これはなんでなのか、不思議ですよね。

組織の淘汰環境をどう抜けて資源配分を受けるのか

宇田川:「共進化ロックイン」という概念をバーゲルマンは言っているのですけれど、これは戦略がうまくいったがゆえに、今うまくいっている事業領域にロックインされてしまうことです。

おそらく「Wintel体制」という言葉をみなさん聞いたことがあると思います。Windowsの進化とIntelの進歩が共進化したんですね。これはすごい大成功した。良かったんだけれども、共進化したことに戦略がロックインされちゃったんですね。

その結果、2つ変化がありました。1つ目は、現場にあまり新しいことを考える余裕がなくなってしまいました。玉が出なくなったというのが、1個目の共進化ロックインの現象です。

もう1個、新しいアイデアが上がってきても、ミドルが「それって、今やっている事業よりうまくいくの?」という問いを発するようになるわけです。だってそれ、彼らからしたら自分のキャリアがかかってるから。うまくいくかいかないかわからないものを上に提案して、失敗したら大変なことになりますよね。

実際にIntelでも、CPU以外の非コア事業を展開しようとしてクビになった人がいます。バーゲルマンの研究にも出てきます。ということで、実はアイデアがあっても、イノベーションは起きないということが研究上わかってきてるんですね。

この話を聞いて、おそらくクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』の本を思い浮かべた人もいらっしゃると思います。原著のタイトルは『“イノベーター”のジレンマ』ですけど。彼の概念は、実はバーゲルマンの理論をもとに作ったものです。バーゲルマンの方が戦略論研究者としては、非常にオリジナリティが高いですけども。

ここでクリステンセンも言ってるし、バーゲルマンも言ってることはなにかと言うと、既存の事業と違うイノベーションというものは、アイデアがあってもダメであるということです。アイデアがちゃんと具現化するために、組織のなかの淘汰環境をどうやって抜けていって資源配分を受けるのか、これがなければイノベーションを起こすことはできないということです。

それと同時に、企業にとっては既存の事業がうまくいっている場合は、新しい事業をやる合理的な理由が、実はないんだということです。

ないからこそ、2つの観点が必要です。トップマネジメントが意図的に、そういった環境を変えていくための介入をしなければいけないということと、もう1つは、現場サイドでイントレプレナーの人が、そういった環境を作るために、あるいは、そういった環境を勝ち取るために、なにかの働きかけをしなければイノベーションを起こすことはできないということ。この2つが、いま研究上わかってきてることだと言えます。

“組織として”イノベーションを起こすには

島津:ありがとうございます。いま木内さんのお話と宇田川先生のお話をうかがっていて、共通してるのは「やっぱり組織の話だな」っていうところですね。

宇田川先生からも「アイデアがあってもイノベーションは生まれない」というお話がありましたけれども、私もこのお題をいただいて1つ思ったのは、やっぱりチームとか組織とか、要はトータルとしてどうやってイノベーションを起こしていくのか。そのあたりをキーワードとして掲げたいなと思っています。

なので、前半部分はこの「リアルな組織としての事業創出」をテーマに、少しお話をつなげていきたいなと思っています。

まず浅野さんに、LIXILでいま浅野さんがいらっしゃる部署が、どういう組織で、どういう意思決定の仕組みを持っていて、どういうフローで事業を起こしているのか。そのあたりを少し、サマリーを教えていただければと思います。

浅野靖司氏(以下、浅野):はい、浅野です。

(スライドを指して)こちらがいま私が実際にやっている組織になります。1年ほど前にスタートしたときは5人でしたが、それぞれ専門性を持ったメンバーの集合体という感じです。

会社に必要な機能の部分としては、生産、開発、それから販売、デザイン、マーケティングです。ただ、いままでと違う切り口でやるため、やはりデザインのメンバーとマーケティングのメンバーのレートが非常に高いことが、特徴だと思います。

実際に事業をスタートしていくにあたり、どのように意思決定をしていくかっていうことなんですけど、基本的には大きな年間予算は、私が獲得してきます。そして、すべて意思決定は私が行います。事業のプロセスについては、このメンバーで機能的に、それぞれ専門性を発揮して事業化するっていうことですが、実は各担当がそれぞれの商品の責任者でもあるということで。そのクロスで、お互いの立場を理解しながら、各人のプロフェッショナル性をうまく活用して事業化していく。そういう流れを実際進めています。

従来のビジネス領域からこぼれ落ちるものを汲み取る

島津:いま浅野さんのところで持っているプロジェクトで、実際に製品化されたもの、あるいは、いま進行中のものでお話できるプロジェクトはどんなものがありますか?

浅野:この10月に1つ目の商品を発売しました。それはタイルなんですが、自分の好きな写真をプリントすることができるという、オンデマンド商品です。従来、大きな企業ですと、そういった1つ1つのお客さまに対してオンデマンドで作るっていうのは非効率なのであまりやりたがらないところなんです。

技術はあるので、企画の切り口でいけば、いくらでも育てられるものが、従来のLIXILのビジネスの領域だとか求めるKPIとマッチしないなかで、私たちがくみ取ってやっています。現在は、メンバーが1つもしくは2つ、テーマを抱えながら推進している状況になります。

島津:そのタイルのお話でいうと、実際に商品化するまでどれぐらいのサイクルで回されてるんですか?

浅野:その技術に我々自身が工場で出会ったのが、昨年の7月末ぐらい。その後、テスト販売をしています。社員をお客さまに見立てて、社内でビジネスモデルを手作りで作りながら、テストを兼ねて、そこで得られたことから最終のビジネスモデルを設計しました。最後のシステム構築に時間かかってますけど、それでもビジネスモデルの概要を書いてからでいうと1年以内という感じですね。

島津:なるほど。それは通常のLIXILの事業プロセスのフローよりも、随分短いということですか?

浅野:そうですね。今回の場合、ただの商品開発ではなくて、販売の形態も、いわゆるお客さまにダイレクトに販売するかたちのビジネスモデルですので、そういったビジネスモデルそのものをイチから作っていくということで、1年というのはかなりスピードとしては速いです。

商品によってまちまちなんですが、我々の商品って、そんなに早いサイクルで商品開発はしてないものですから。そうですね、やっぱり2年ぐらいですね。そういう単位で商品開発をするっていうのに比べると、ビジネスモデルも含めて1年と短く、(速い)スピードでやらせていただいたかなと思っています。

島津:わかりました。ありがとうございます。また、後でいろんな話をうかがえればと思います。

「やりたい!」と手を挙げた人がリーダーになる

島津:次は宇野さんに同じような質問をおうかがいしたいんですけれども、宇野さんのところの組織・チームについて、まず概要をご説明いただければと思います。

宇野大介氏(以下、宇野):はい、宇野です。よろしくお願いします。

これはちゃんとした組織図じゃないんですけど。そもそもちゃんとした組織じゃないんで(笑)。

(会場笑)

宇野:ここに出てる写真が我々のメンバーほぼ全員ですね。ご紹介にもあったとおり、ライオンっていう会社の研究開発本部に私たちは属してまして、それもあって当初できあがったときのメンバーは元研究員ばかりでした。

いまはマーケティングのメンバーであったりよその会社のエンジニアだった人が途中で入ってきたりと、少しずつ多様化が進んできている状況ですね。平均年齢は、そこそこ若めの30代前半ぐらいですかね。平均年齢は僕が上げているような感じです。

まずテーマの進め方なんですけども、基本的に「このテーマやります」って手を上げた人間がそのリーダーをやります。それは新入社員だろうが管理職だろうが、誰でもかまわないようにしています。それぞれがメンバーを集めてテーマを推進していく、というかたちです。

意思決定は、僕私の裁量でできる範囲のものはすべて僕私が決めています。それは事業化する前の段階ですね。そこまでは、すべて私が判断します。

テーマによってサイクルはまちまちですが、「ここまでこれをやる」って決めたことがちゃんとできてるかどうか、できなかったときに改善の見込みがあるかといったことで判断をしていっています。

新しいことを評価する仕組みがないところに課題がある

島津:宇野さんのいらっしゃる部署は、既存のR&Dや事業部の商品開発部門となにが違うと理解をすればよろしいですか?

宇野:そうですね。もともと既存事業をやっていたメンバーが集まってはいるんですけども、一番大きな違いはデザインシンキングを忠実にやっている、というところだと思います。

お客さまの困ってるところを探し出して、それを解決できる手段を考える。その手段っていうのは、往々にして社内にない技術ですから、いろんな会社の人と組んで事業を創っていく。それが一番違うところかなと思います。

島津:いま、「ニーズをきちんと見て」みたいなお話がありましたけども、宇野さんは日用品を扱っている会社からいらっしゃっているので、私は消費財の代表者として出てきていただいていると理解しています。

B2Cの領域だと「ニーズを見る」というのは当たり前の世界だと思うのですが、それがいままでできていない、その最大の理由をどうご覧になっていますか?

宇野:まさに最初に宇田川先生のおっしゃった、「ロックインされている」っていうことだと思います。

我々は歯磨剤とか洗剤とかをメインの事業でやっているんですけども、そこでまがりなりにも120年以上事業をやっているとなると、毎年のように新製品・改良品が出していくのが、やっぱり一番評価されることなんですね。

ですから、既存の歯磨剤・洗剤を作るのがやはりメインになってくる。新しいことをやったとしてもしても、既存事業と比較すればそれこそ効率が低いし、販売経路もない提案する先もないってことが大きいと思いますね。

物量作戦で勝ち取った応援体制

島津:わかりました。また詳しい内容はあとでおうかがいできればと思います。宇田川先生はこれまでのお二人のチームや組織を見て、どんな点に注目されていますか?

宇田川:そうですね、2つあります。1つは、こういうチームで新しいアイデアを実際に推進していく仲間がいることは、非常に良いことだと思うんですけど、どうやって会社のなかでちゃんと勝ち取っていったのかというところについて聞いてみたいですね。

そういう「やりやすい環境」っていうのがあればいいなってみんな思うんだけど、その環境がないという場合に、どうやってそれを作るのか。それもやっぱりイントレプレナーの仕事だと思うんです。

もう1つは、「デザインシンキングを使ってる」っていうところです。そうすると、話のプロトコルがちゃんと通りやすくなるということがあるんじゃないかと思うんです。でも一方で、チームのなかはデザインシンキング、チームの外とは言葉が通じない、っていう問題が必ず出てくると思うので、そこのところをどうされてるのかなと。ぜひお聞きしたいなと思いました。

島津:じゃあ、これは宇野さんにお答えいただくのがいいかなと思いますが。

宇野:そうですね。我々も当然のことながら、なかなか社内ではうまく進んでいかないんですね。会社の方針として「新しいことをやっていこう」というのは全員がわかっていて、それはやらなきゃいけないっていうことはあります。

ただ、誰もやったことがないので、やり方がわからない。だから困っているっていうことなんだと思います。私たちはそれを突破するために、ひどいやり方なんですけども、物量作戦を取っています(笑)。

宇田川:物量作戦!(笑)。

宇野:我々は今年の1月にスタートしたんですけども、当然オープンイノベーションをやっていくために、さまざまな会社や企業のみなさんと一緒に仕事をするんですね。そのためには、膨大な決裁書と膨大な契約書が必要になってくるんです。

それをうちのリーガル部門に回すわけなんですね。当然処理はしてくれはいるんですけども、やったこともないですから、完全にパンクします。パンクした後で、怒られながら、それを、「まあ、そうは言ってもなんとかお願いします」みたいな感じで進めていってもらってる。

そうするといつの間にか、「ここまでこいつらは動いてるんだ」っていうことが徐々に浸透していって、「これはやっていかねばならない」と少しずつ、いろんなところで応援をしてもらった。そういうようなひどいやり方をしています(笑)。

島津:デザインシンキングの言葉の違いについてもお願いします。

宇野:言葉の違いについては、デザインシンキングを体験してもらおうっていうこと1つやってます。

イノベーションラボのビジョンを1回作るっていうワークショップをやったんですけども、これはイノベーションラボのメンバーだけじゃなくて、うちの人事部だとか、経営企画部だとか、それこそ既存の事業部っていう人たちも一緒にこのワークショップに入ってもらって、一緒に作り上げていく。そういう体験をしてもらってます。

サービスを簡単にはつぶせないようすることで耐え忍ぶ

島津:次は木内さんにマイクを渡したいんですけども、そもそもマクアケさんもサイバーエージェントの中の新規事業だったわけですよね。立ち上げのときも様々なご苦労あったんじゃないかなと思うんですが、前に進めた理由みたいなものを、ぜひお伺いできればと思いますが。

木内:2013年の5月に会社に作って8月7日にサービスリリースをするんですけれども、プラットフォームのビジネスって、やっぱり簡単には売上があがらなくて。徐々にはずみ車が回っていくんですけど最初がすごく大変で。回り始めるとある程度スムーズに回っていく部分もあるんですけども、どの様に最初のはずみ車を回していくのかがすごく大変でした。

いろんな領域を仮説立てして、クラウドファンディングに合うようなところに営業をかけてやるんですけども、最初はなかなかうまく当たらなくて、いわゆる形のある製品の領域でメーカーさんに使っていただくっていうことがうまくマッチしたときに、最初のはずみ車がようやく回り出したなと感じています。

Makuakeを活用して草野球専用バッグが作られたりとか、ベルトが着せ替えられるMadeinJapanの時計が作られたりと、そういったところで何回か試して当たる領域が見えてくるまで、サイバーエージェントの中で事業撤退の判断をされない様にサバイバルしながらやるっていう点が初期の苦労したポイントでした。

島津:提携をいろいろ発表されてたのもおもしろいというか、対外的にいろいろ出されてたと思うんですけども。それにはなにか理由があるんですか?

木内:役員陣の中でも、定期的な提携等のリリースを出していくことがすごく大事だよねと話しました。クラウドファンディングは6年前ぐらいからわりと旬なテーマだったんでですが、神奈川県との提携を発表したりですとか、横浜市だったりとか、大阪だったりとか、そういった自治体や金融機関等との提携をリリースしていくことで、サイバーエージェント側から見たときに、こういう提携がたくさんあると「簡単にはやめにくいよな」と思ってもらえるんじゃないかと思って、どこまで功を奏したかは分からないんですけれども、そんな意図もありましたね(笑)。

(会場笑)

島津:なるほど(笑)。逆に、モチベーションを上げて「どんどんやってこう」っていう人がいる一方で、やめる理由を探したりだとか、できない理由を探したりとか、そこでストップしてしまうという現象もあるんじゃないかと思っていていました。

アセットライトなアジャイル開発

島津:次、浅野さんにうかがいたいんですけども、今日、先ほど宇野さんが日用品の代表とだとしたら、(浅野さんは)製造業の代表みたいな感じで私は考えていまして。製造業って、いろいろできない理由を探す人が多いなと思うんです。その1つにロットの問題があって。工場を抱えていてですね、そこの効率をどう上げていくかみたいなところを、経営としては見なきゃいけない。

そこで、浅野さん、いま「アセットライト」っていう言葉を使っていて、要は事業のサイクルを短くしていくことが重要だということを説いてらっしゃるんですけども、なんでサイクルを短くできるのか、あるいはなんで小ロットで生産できるのか。そのあたりについてちょっとご解説をいただければと思います。

浅野:私たちがいま取り組んでる新しい新規事業だと、「アセットライトなアジャイル開発」っていう言い方をよくしています。新規事業って、当然何本もいろんなビジネス・商品にチャレンジしていくわけですが、成功する約束はできないわけですね。事業部門からすると、「成功しないかもしれないものに、なんでこんなに投資や時間や人をかけるんだ?」という話が当然出てくるわけです。それを減らせばどんどんチャレンジができるんじゃないかっていうのが、非常にシンプルな考え方の1つです。

じゃあ、アセットライトでやるっていうことはすなわちどういうことか、ってなるんですね。我々のやり方のなかで、ちょっと他の方がやられてることと違うなというところがあります。実は私、LIXILの新規事業推進部という役割も持ってるんですが、子会社の社長も同時にやっておりまして。私たちが取り組んでる商品は、LIXILとして発売してるんじゃなくて、その子会社の商品として発売をしています。

当然、マーケットである程度の市場占有率がある商品を作っているっていうことは、どの地域でも、どの年齢の方にも、高いレベルで満足いただける、LIXILとしての品質であるとか機能を提供しないといけません。でも、最初から全方位で構えて、なにもかも用意した商品を作るって、とても難しいことだと思うんですね。

子会社の商品として販売することで、アジャイルな開発ができる

ちょっとリーンスタートアップの考え方に近いんですけど、いわゆる最小価値、価値のど真ん中のところで、ターゲットを逆に絞り込んでもいいから、その人たちだけにお届けする商品を作ると。これ、LIXILでは実は許されないことになるんじゃないかなと思います。そういうかたちで、本当にこの価値を求めてる方がいらっしゃるかを実験しながら、実際商品として立ち上げて、子会社の商品として発売する。

さっきのロットの壁のところで言うと、そういう考え方なので、自分たちの工場で作ることすら前提ではないということです。必要であれば、外部で最初は立ち上げて、それも初期のロット分だけ作る。売れてから作り方を変えていくっていうような考え方もしていけるんじゃないかなっていうことを、取り組んでます。

次に、ものづくりの投資、つまりアセットライトの話をしました。我々の業界の場合ですと、お客さまにお届けするまでにたくさんの方に関与していただいて商売をさせていただいてるわけですが、販売をするという行為にもかなり投資が必要になってきます。カタログであるとか、営業マンを通じて商品をお伝えする等、時間とお金をかなりかけることになります。

今回の商品は、先ほど申し上げた子会社がダイレクトに販売する商品として立ち上げることで、発売日をコントロールできます。ありがたいことに我々の出した商品が一瞬で完売したら、少しお待ちいただいてから、新しい作り方でバージョン2を立ち上げると。そういったやり方もできるように、この「アセットライトなアジャイル開発」の概念として進めています。

島津:いま子会社っていう話がありましたけれども、いわゆる自社の工場を使わずに発売した製品ってあるんですか?

浅野:当然いろんな商材を扱っていますので、メインのところの素材から作り込むようなところっていうのは、やっぱり大前提としてそこを使うわけですけど、外部で一部そうやって作っていただいていたものもありました。ただ、素材的には本来であれば自分たちの工場で作るものであっても、ロットが小さければあえて自分たちの工場での生産をしないようにしています。

なぜならば、もともとは我々の工場っていうのは、ある程度の量を作ることを前提にしたライン設計されていますので、当然その製造の立ち上げに必要な初期の設備も、やっぱり量があること前提で、もっともコストを最適に作り込むためのラインです。そこでは新規事業の商品って立ち上げられないんですよね。

最終的にそのかたちに持っていけるような数量は目指すにしても、初期ではその枠組みを外してしまうことで、もう少し企画の自由度を上げるっていうことを1つ大切にしてはしています。

島津:なるほど。やっぱり自社の工場になると、当然事業部門に渡さなきゃいけなくなるので、意思決定のスピードも遅くなったりとか、何回もいろんな会議を通さなきゃいけなくなったりとか、そういうところで壁があったケースだと思います。いまは外部の工場を使ったりとかすることで、この「遂行」の部分を自分の組織の意思決定の範囲で行えるようにした、っていう理解でよろしいですか?

浅野:そうですね。今日はメーカーの方もたくさんいらっしゃると思ってるんですが、実は月1万台出る商品も、月10台しか出ない商品も、商品を立ち上げるときの工場の手間と投資はたぶんあまり変わらない。そうなると、どうせ同じリスクを割くなら、当然たくさん量が売れて、売上がそれだけあがる商品をやりたいですよね。そこをやっぱり変えるためにも、「工場を必ず使う」っていうことを前提にしないっていうことで、自由度を持たせてるっていう考え方です。

ソニーの「FES Watch」成功で感じた、マクアケの可能性

島津:わかりました。ありがとうございます。私の理解が正しければですね、この「遂行」の部分って、クラウドファンディングっていうかたちも自分たちの意思決定の中で行えるようにするアウトプットの仕方の1つになると思います。

木内さんがこのMIS(Makuake Incubation Studio)という組織をMakuake内新規事業として作られて、大企業と組みながらクラウドファンディングをやるっていうことを始めたきっかけというか、そのあたりのお話を伺えればと思います。

木内:いろいろと新たな取り組みに挑戦しながら気付いたところも多々あるのですが、もともとマクアケを立ち上げる際に、最初は私の管轄としてエンジニア・デザイナーチームや経営管理業務全般を担当していたのですが、途中で作戦変更があって営業側をやることになりまして。メーカーさんに使っていただきたかったので、そこでメーカーにアプローチしていこうということになりました。

クラウドファンディングって、言ってみればインターネット上の先行予約販売の仕組みなんですけども、それってお客さまの購買行動を伴ったテストマーケティングみたいなことができると、やりながら気付いていったんです。

それで、メーカーさんに新規に半年で300人は会おうと思っていろいろ会っていくうちに、とくに大きな企業は、やっぱり新しいことをやりたいのにやれないと。「このマクアケっていう仕組みを使ったら新しいことがやれそうだ」みたいなお話をたくさん聞きました。

そんなこんなしているうちに、ソニーさんのSAP(Seed Acceleration Program)の初期案件でFES Watchっていう電子ペーパーの時計をマクアケでプロジェクト実施いただきました。2回やってもらって2,000万円ぐらい集まったときに、「これだ!」と思いました。

大企業の中で新しいことができないっていうことがたくさんある中で、ユーザー支持の結果としてお金が集まったり、メディアさんにたくさん取り上げていただいたりすると、会社としては「本格的にGoしようぜ」と言う確率が非常に高まるなと。そんな仕組みだなということに気付きまして。

また、いろいろと企業に伺っているうちに企業の中で世に出ないで眠っている素晴らしい技術がたくさんあるということに気付きました。とすると、その組み合わせによって大企業内での事業を立ち上げられるんじゃないかと、そう思いました。

そんなインターネット上の先行予約販売のマクアケっていう仕組みを、どうやったら企業内の新規事業活用に活かせるかといろいろ考えている中で、そういう事象を元にピンとひらめいた、そんなような経緯です。それを事業化しようということで、Makuake Incubation Studioを作りました。

会社でどうすれば話が通るのか、そのプロトコルを観察する

島津:なるほど。ありがとうございます。これまで組織の話をしてきたわけですけれども、改めて宇田川先生、お二人のお話あるいは木内さんのお話をうかがっていて、なにか気付いた点とか、共通して言えるようなこと、お気付きのことがありましたら、お願いできればと思います。

宇田川:はい。すごく重要だと思ったことは、宇野さんもそうですし、浅野さんもそうなんですけれど、会社のなかでどうやったらそれが通るのかを正確に理解されているところで。大事なことだと思います。

少し前に、『ティール組織』という本がよく売れましたよね。あの本は、書き方もぼやかしてあるところもあるし、書かれていることと違う点が強調されて紹介されてしまったところもあるんですけれど。その本のなかでも言ってることだし、別のもっとアカデミックな研究でも言われてるんですけど、大事なことって「組織には規律が重要だ」っていうことなんですよね。もちろん、規律の形は様々組織によって違うでしょうけれど。

大事な点は、いま三名の方が仰ったやり方を自分の会社で同じようにやっても、うまくいかない可能性があるということです。むしろやるべきことというのは、同じやり方をすることではなくて、会社のなかでどうやったら話が通るのかという、会社の規律、会社のなかでのプロトコルを発見するために、ちゃんと観察をすることです。

その観察をせずに置いておきながら、「こんなに良いやり方をやっているのに、どうしてわからないんだ!」みたいに考えてしまうと、決して組織の中で新しいことを実践することはできません。そのままでイノベーションを起こしていくことはできないので、ぜひ会社の組織の規律がなにかを観察していくのを大事にしていただきたいなと思いました。

島津:自戒も含めて申し上げるんですが、「上がダメだ」「上がわかってくれないからできないんだ」っておっしゃる方がいますけど、いまの先生のお話ってそういうことですかね?

宇田川:そうです。私が研究しているナラティヴ・アプローチで一番大事なのは対話です。対話はなにかと言うと、ハイフェッツというリーダーシップ論の研究者が、「観察・解釈・介入のプロセスを回していきましょう」と言っています。

よく見て、それがいったいどういうことなのかをよく解釈をして、実際にアクションを起こして、ズレていたら観察が足りなかったんだっていうことで、もう1回そのサイクルをやりなおす。それが対話なんですね。向こうにわかってもらうために、なにか雰囲気の良い場を作るのが対話ではなくて、こっちが変わっていくっていうことが必要になってきます。それがまず1つ大事な点かなと思いますね。

アイデアの数と新陳代謝の良さ、そしてやめる判断

島津:わかりました。カンペが「あと1分」って出てるんですけども、私が作ってきたシナリオだと、まだ3分の1ぐらいしか話が終わってなくてですね、「どうしよう」と思ってるんですけれども(笑)。

(会場笑)

島津:今日いただいているテーマが「連続的事業創出」ということで、組織のお話をしているなかで当然「連続」というところとリンクしてるんですけれども。浅野さんと宇野さんに、ちょっと唐突になりますが、お二人のいまのKPI、新規事業担当というかイノベーション担当としてのKPIがなにかについて、ちょっと短めに教えていただければと思います。

浅野:私のところでいうと、いわゆるP/L的なKPIはありません。私自身がどういう考え方でやってるかっていうと、どれだけ多くの商品の立ち上げを同時に進められているかを、自分のなかの目標というか、大事な数字として仕事をしています。

島津:宇野さんはいかがですか?

宇野:私も持ってないです。どれだけの数のアイデアがあるかと、その新陳代謝をどれだけ上げられるかっていうことをいま考えています。

島津:なんで数があったほうがいいとお考えなのか、そのあたりが「連続」とリンクしてくるんだと思うんですけども。宇野さんからお願いできればと思います。

宇野:絶対に成功する確率が低いから、母数を多く持ってなきゃいけないっていう思いですね。

島津:とはいえ、アイデアが出るだけだと、どんどん出ていくというか増えていくだけですよね。さっき新陳代謝っていう話がありましたけれども、どれをどうやってやめるのかという「やめる判断」みたいなところが大事になってくるのかなと思います。その意思決定はどうされていらっしゃいますか?

宇野:基本的に私ができる範囲ですね、事業提案の前の段階のときは、各テーマごとに例えば「この1ヶ月でなにをやる」と。それができなかったときは「その失敗によってなにを学べたのか?」と。もう完全に行き詰っちゃってるっていうんだったら、「じゃあ、それはやめよう」と。そういう判断をします。

島津:浅野さんは?

浅野:私はまだスタートしたばかりで、まだまだ実際に止めたところまでいかないんですけど。実際にプロトタイピングの状態であっても、とにかくファクトを出します。この先、いまある技術の延長上でもやれる見込みが立たないっていうものについては、やっぱり止めます。

「なんとか作る」っていうことにしてしまうと、すごい少ないリソースでやってますので、ファクトがないと私たちも判断ができない。小さなテストでも良いので、ファクトを確実につかんでいきます。我々が想定するターゲットをピボットで検討しても、「これは実現できない」と思えば、そこでスパッといったん止める、それが基本的な考え方です。

島津:なるほど。宇田川先生、いまフィードバックのお話が出たと思うんですけれども、これ、やっぱり大事な視点ですよね?

宇田川:と思います。クリステンセンの研究を受けて出てきた研究の1つにダニールズっていう研究者がいます。彼の研究のなかでも、既存の販売チャネルだと、既存の市場からのフィードバック情報しか得られないので、それによって硬直化が起きると言ってるんですね。

ということは、ちょっと異質な領域に出ていって、それでフィードバックを変えることによって、違う情報が入ってくると。フィードバックされる情報に、我々が考えることはコントロールされているとも言えるので、フィードバック情報の供給源を変えることには、大きな意義があること私は思います。

できない理由を考える時間は、全部「どうしたらできるか」に振る

島津:ありがとうございます。最後、ちょっと一言ずついただければと思います。今日のお題は「連続的事業創造の法則」でしたけれども、自身が考える法則、というよりヒントみたいなものかもしれないんですけれども、ちょっと一言ずついただければと。宇田川先生には最後にまとめをいただければと思います。じゃあ、浅野さんから。

浅野:私自身がいま取り組んでいることそのものですけど、先ほど申し上げたとおり、とにかくやっぱりたくさん実験をするために、アセットライトかつフィードバックを得ながら、対話をしながら商品を育てていく。そういったアジャイル開発をやって、「うまくいくのが当たり前じゃない」と思いながら、ゼロからイチでどうスモールスタートするか。まずイチにならないと、その先確実に大きくはできないので、そのためにたくさんチャレンジするっていうのが、私自身の考えになります。

島津:ありがとうございます。宇野さん、お願いします。

宇野:私もまずは数です。その数を新陳代謝できるか。あともう1つは、やっている本人の熱量をどれだけ本人がキープできるかと、我々が維持させることができるかです。

島津:数って、どれぐらいの数を宇野さんのチームは持ってると想像すればいいですか?

宇野:うちのメンバー1人が、だいたい3つ4つのテーマを兼任して抱えています。当然重いものもあれば軽いものもある。だいたい30から40件ぐらいが回ってると思います。僕も把握してないんで、よくわからないところもありますけども。正直ちょっと多いんだろうなと思うんですけども、それぐらい回ってますね。

島津:なるほど。ありがとうございます。木内さん、お願いします。

木内:今日のお話を踏まえて思ったことで言うと、やっぱり「できる前提で考える」ってことなんじゃないかなと思います。

Makuake Incubation Studioを立ち上げたきっかけはさっきお話させていただいたんですけれども、目の前に素晴らしい技術があって、「でも、通らなそうだ」みたいな状況があったときに、これは「世に生み出すべきだ」と信じて、結果的にMakuakeを通じて世に生み出すって話なんですけども。それをどうやったら実現できるかは、「できる前提を置いて」 考えていきます。できない理由をロジカルに述べる時間は全部、どうしたらできるか考える時間に振るということでやっています。

そうすると、例えば動画を自分たちで作ろうということになったりとか、事業モデルを自分たちで考えようとか、デザインを提案して作ろうとか、そういったことで我々のIncubation Studioのサービス領域ってどんどんどんどん広がっているんですけれども、結果的には、できる前提で考えて一生懸命やってると、通る事例が出てくるので、そういった学びや経験を元にまた別の事例で再現性を増やしていくと。

そうすると、最初は否定されていたことも、「一生懸命やってたらできた」みたいなのがけっこう出てくるので。できる前提で考えて、そこに全時間を割く。そんなことがすごく大事なんじゃないかなと思っています。

話の通る接点を探し、やりたいことの居場所を作っていく

島津:ありがとうございます。じゃあ、宇田川先生、最後に。

宇田川:クリステンセンとオーバードルフの研究で、イノベーションのジレンマを乗り越える際に変えていかなきゃいけないポイントとして、「リソースとプロセスと価値基準」と言ってるんですね。

チームのなかにおいては、例えばリーンスタートアップであるとか、アジャイルであるとか、数をいっぱいやるとかでフィードバックをたくさん受けながら事業を開発していく方法があるという話が今日の中でも出ました。それを実際にやっていくうえでは、その取組に合わせた判断する価値基準を変える必要があります。今日のお話は、この3つがそろっているように思いました。

チームの内側はそうやって進んだとしても、一方で、チームの外側との価値基準のズレというのが、どんなにうまくやったとしても必ず生じます。この部分に取り組むために、ぜひ対話をしてもらいたいと思いますし、それは会社の風を読むとかそういうことですね。

といっても、ぜんぜん会社に迎合する必要はないのです。あくまでも、うまく会社の文脈との接点を探して、自分たちのやっていることの居場所を作っていくってことに取り組んでいただくと、すごくいいだろうと思います。

島津:はい、ありがとうございます。短い時間で駆け足になってしまったんですけれども、前半はチームの話、後半は「連続」っていうことをキーワードに、物量をやっぱりこなしていかなきゃいけないと。大きく2つのパートでお話をさせていただきました。

第2部で、もう少し実地の話や、細かい仕事の内容の話に移ってと思いますので、まずマイクをそちらにお渡しさせていただければと思います。みなさま、どうもありがとうございました。

(会場拍手)