kintone専業SIerが集う株式会社ジョイゾー

四宮靖隆氏:みなさん、こんばんは。

改めまして、私は株式会社ジョイゾーの四宮と申します。

弊社は従業員全員がkintoneのことしかしていない「kintone専業SIer」でございます。

今日みなさんが参加されているこの「Cybozu Days」のメインテーマはご存知ですか? 「楽しいは正義」ですよね。

今日は私がkintone hackで、「kintoneを使って、こんな楽しいことをしましたよ」という話をさせていただこうと思います。

伊那市で開催されたIoTハッカソンで優勝!

10月21日に、「InaHack 2018 3rd Session “Hackathon”」というイベントに参加してきました。これは長野県伊那市で開催されたIoTハッカソンで、防災や農業、福祉に観光といったものをテーマに、地域の課題を解決できるようなプロトタイプを開発するというイベントでした。

これに私も参加させていただきまして、チームのみんなと一緒に開発した後、夜は地場の伊那ローメンや馬刺しといった美味しい食事をいただいたりして、楽しんだんですね。そしてうれしいことに、私が参加したチームがkintoneを活用したアイデアで、見事優勝を飾ることができました。

本日は、この優勝したアイデアについて、みなさんにお見せしようかなと思います。それがこちらです。

リアル『逃走中』を実現する「伊那い伊那いヘルメット」

「伊那い伊那い逃走中~大都会で走り回れない大人たちへ~」というサブタイトルがついていますね。みなさん、『逃走中』というTV番組はご存知ですか? 某テレビ局でやっている、街を使った大人の鬼ごっこですね。

つまり『逃走中』とは、本気でやる鬼ごっこです。そこで私たちが考えたのは、伊那市の商店街周辺を舞台に、我々のチームがつくった「伊那い伊那いヘルメット」というものを使って、『逃走中』をやりましょうというイベントです。

こういったイベントを実施することによって、「地域を活性化させていきましょう」という試みで企画しました。

仕組みについてご説明しますと、「伊那い伊那いヘルメット」にはGPSや衝突センサーが付いており、ボタンも付けて押せるようにしてあります。これを逃走者にかぶってもらい、街中を逃げてもらいます。

このヘルメットには「LoRa」という通信技術を使っていて、GPSの位置情報を定期的にkintoneへ送るようにしました。またkintoneでは、逃走者の位置情報や捕まったかどうかなど、いろんな情報を表示していきます。

さらに、トラブルが起きた時には「kintoneの基本機能を使って関係者に通知する」といった仕組みもつくりました。

kintoneでは、こういったかたちで参加者を管理します。

ハンデの設定や、トラブル発生時の対応も万全

また逃走者の状況については、Googleマップを使って誰がどこにいるのかを可視化します。逃走者を追うハンターにタブレットやスマホを持ってもらって、マップを見ながら逃走者を追いかけてもらうということですね。

このようにGoogleマップを使って、kintone上で誰がどこにいるかを可視化します。マウスを合わせると、誰がどのあたりにいるのかがわかるようになるんです。

データには年齢の情報を持たせていて、若い人の場合はそこにいると想定される円の範囲が小さくなり、逆に年配の方は円が広くなります。年齢によるハンデをちゃんとつけて、誰でも楽しめるようにしています。

(画面を指して)こちら、左下にある大きめの円のところに人がいると思います。海浜公園のところですね。この人が移動すると、例えば「ちょうどイオンのあたりに移動しました」というのが目で見てわかるようになっています。

ポイントとしては、ヘルメットに衝突センサーが付いているので、転んでしまった時にはそのセンサーが反応します。その場合は「トラブル発生」といったかたちで信号が送られるんですね。そうするとkintone側で赤く表示されるので、「やばいぞ、なにかあったぞ」ということが、すぐにわかるようになっています。さらにkintoneの通知機能を介して関係者に通知がいき、みんなが一斉に助けにいくところまで、ちゃんとカバーしています。

ハンターに捕まってしまった人は、ヘルメットについているボタンをポチッと押してもらいます。すると「◯◯さんが捕まった」という情報がkintoneに届き、それによって円が消えます。「この人捕まったな、じゃあ次の逃走者を探しにいこう」というのがすぐに切り替えられるようにしています。kintoneを使って『逃走中』ができるんじゃないかと思い、ハッカソンでこういったものを作りました。

社用車の走行データや認知症患者の徘徊救助などに応用可能

kintoneとGoogleマップは実際にカスタマイズの要望としてうかがうことが多いんです。

いままではこういったkintoneのように、ログインを必要とする非公開サイトにはGoogleのライセンスが必要でした。年間数百万円というライセンス料がかかっていたんですが、それがいまは、ほぼ無料に近い価格でGoogleマップを使えるようになりました。

これと同じような仕組みは、別の用途にも使えます。例えば、社用車にセンサーを付けておくことによって、社用車の走行データを管理することもできます。他にも、認知症高齢者の方の徘徊救助に使うこともできますし、一部の自治体さんなどが別の仕組みでやっている鳥獣害対策にも使えますね。イノシシがどこにいるかをkintone上で管理するようなことも実現できるんじゃないかなと思います。

kintoneであれば、同じような仕組みを使って、さまざまな用途に活用することができる。それがkintoneの優れたところかなと思います。今日はこのあと6人のkintoneマジシャンが、みなさんの業務システムを改革するような、すてきなマジックを見せてくれると思います。ぜひみなさん、お楽しみにしてください。

ありがとうございました。

(会場拍手)