2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第二部 HRMOS User Premium Session ユーザーによる採用ナレッジ発表会(全1記事)
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井澤綾華氏:本日は、どうぞよろしくお願いいたします。株式会社トラストリッジ、採用担当の井澤と申します。
それでは、さっそくはじめさせてただきます。本日は、新米人事が10ヶ月で50人を採用したというテーマでお話させていただきます。
井澤綾華と申します。プレゼンの登壇は今回がはじめてなので、お手柔らかに聞いていただけるとうれしいです。私は、ネット広告代理店の営業を経てトラストリッジに入社しました。もともとは「macaroni」という弊社のメディアの広報を担当していたんですけれども、将来的には人事をやりたいと話していたところ、ちょうど人事部を設立するとのことで人事に異動しました。
弊社はインターネット事業をベースに成長してきました。代表するサービスは、食と暮らしのライフスタイルメディア「macaroni」です。「macaroni」は、月間ユニークユーザー数1,500百万人が訪れてくれるメディアまで成長しました。メディアが急成長し、予測を上回る人員不足に陥りまして、代表2人で、2017年に人事部を設立しました。
ではさっそく、本日のテーマに沿ってお話させていただきます。テーマ、人事が10ヶ月で50人を採用するために行ったこと。それは、人事だけで採用をやらないことです。
昨今の人事としては普通のことなんですけれども、私1人という現状を踏まえて、どうしたらミッションを達成できるのか考えました。
人事未経験の私のスキルと工数では物理的にミッションは難しい、ミッションの達成は難しいと考え、巻き込むことにこだわって採用を行いました。これが私の行ったことなんですけれども。経営陣、メンバーと全社共通認識のスキルマップを作成したことです。
大前提として、50名を採用する、マネージメントする、実行する組織をつくる、そして事業を成長させる。そして、売上、粗利の目標を達成することができます。
当時、マネージャーや事業開発が不足していました。採用していて思ったのが、経営陣とメンバーでマネージャーや事業開発が求めるスキルに乖離がありました。各自が求めているスキルがバラバラで、一貫性がありませんでした。なので、みんなの共通の認識を一貫させるためにスキルマップを作成しました。
(スライドを指して)こちらが完成したスキルマップです。横軸がレイヤー、縦軸が職種です。各職種には、ぜったいに必要なスキルを割り当てています。スキルはぜんぶで6つあり、業務、オペレーション、コミュニケーション、マーケティング、ビジネス、教育という項目があります。
レイヤーごとに、求めるポジションのスキルを経営陣、メンバーに記載してもらいました。そのうえで、採用計画や求人原稿を作成しました。その結果、経営陣とメンバー間で採用ニーズへの乖離が減ってきました。各事業部に必要な人員のレイヤーと、人数を正確に把握できるようになりました。
人物像が明確になったため、ジョブディスクリプションに一貫性が担保されました。そして、事業をグロースできる50人を採用することができました。結果的に、私自身の事業理解やメンバーとのコミュニケーションも深まりました。
これは私たちの当時の会社の状況を前提としていることなんですけれども、大事なことは、採用したい人物像の共通認識をつくること。それを達成するための手段がスキルマップです。以上で、新卒人事が10ヶ月で50名を採用した話を終わります。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:井澤さん、素晴らしい発表をありがとうございました。それでは続きまして、お2人目です。エムオーテックス株式会社、奥澤様になります。奥澤様、よろしくお願いいたします。
奥澤健氏:はい、みなさんよろしくお願いします。奥澤健と申します。
2008年にen japanに入社しまして、その後エムオーテックスに転職し今に至ります。最近はですね、クロールにはまっておりまして。YouTubeを先生として毎週プールに通い、めきめきと成長を果たしております。
会社のことなんですが、エムオーテックスはですね、IT資産管理やセキュリティソフトの企画、開発、販売をしている会社です。法人向けにビジネスを行っていますので、転職希望者への知名度は非常に低いです。続いて採用の話となりますが、今まではですね、採用のメインは新卒だったんですけれども。
それが2年で数十人の中途採用がマストということになりました。中途採用の担当社員は、私1人ですね。小さな会社なので新卒採用の研修、労務、制度、設備などもやっており、中途採用だけに力を入れるというのは非常に難しいという状況でした。
そこで、あることをはじめました。結果としてですね、紹介会社経由の応募数が3倍になり、入社は4倍になりました。あることとは、ランキングを上げたことです。ランキングを上位取ること、賞を受賞することによって知名度や認知度が上がるということは言わずもがなだと思うんですけれども。ネットニュースもそうですし、お店選びもそうですし、アカデミー賞とかノーベル賞もそうだと思っています。
では、採用担当として上げるべきランキングとは何でしょうか。働きがいのある企業ランキングとかですね、就活人気ランキングとか。こちらもぜひ上げたいですけど、そう簡単に上がるものではないと思うんですよね。ましてやエムオーテックスはですね、BtoBの企業となりますのでほとんどの人にとっては知らない企業。
何か売りになるトピックがあればいいんですけれども、社長がですね、育休を取ったりとか夫婦別姓に対して裁判を起こしてくれたりしてくれればいいんですけど(笑)。また代表がですね、プロ野球球団の創業メンバーであったりすればいいんですけれども、なかなかそれは難しいわけなんですよね。
でも採用担当のがんばりだけで上げられるランキングがあったんです。それは、エージェントと呼ばれる、紹介会社の営業の頭の中にある注目企業ランキングです。
エージェントの営業担当に聞いてみると、約60社ぐらいの担当企業を持っていて、アクティブに動いているのはだいたい20社ぐらい。で、推薦の大半はその20社への推薦になるようです。
だから推薦できる人材が増えたときに、あの企業あったなと思い出すランキングの上位にならないと、推薦数が増えるっていうことはないんですね。ただそのランキングによれば、エージェントの営業の先にはですね、何十人というコンサルタントがいて、その先にはもっと多くの転職希望者がいて、倍々ゲームになっていきます。
紹介数が増えれば決定数も増える。決定数が増えれば決まる会社というブランディングができて、そしてまたランキングが上がって紹介数が増えるという、グッドスパイラルに入っていくのかなと思います。
そのランキングを上げるために私がやったことは、こちらの3つだけですね。
まず印象に残すというところなんですけれども。トピックはすぐに共有する。これはメールとか電話ではなく、必ず来てもらって伝えることが重要です。次に、包み隠さず話す。できるだけ組織の大事なことというのはですね、詳しく話したほうがいいです。
次にですね、現場社員絶対に呼んだほうがいいです。紹介会社の方からマーケットについて話してくれるので、現場と採用市場の共通認識観ができます。
続いて、自分から訪問する、ですね。遠慮はしてはいけません。相手に時間をいただくことになるんですけれども、キャリアコンサルタントにとって、企業担当から直接話を聞ける機会っていうのは非常に貴重です。また、遠慮はさせてもいけないんですね。一応お客様になりますので、気は遣っていただけます。ただキャリアコンサルタントが聞きたいことが聞けないっていうのでは意味がないので、なんでも聞いていいよというような雰囲気づくりが非常に大切になります。
お土産も有効です。エムオーテックスはですね、キャリアコンサルタントの執務フロアにばんにゃという猫のぬいぐるみを置いてもらっています。今あちらのテーブルにある赤い……あれでございます(笑)。ぬいぐるみをですね、置いていただいております。
最後はですね、ほめるですね。営業担当のいいところ探しって非常に重要です。やっぱり悪いところが目につくんですよね。でも、会社のことを調べてくれたら「よく知ってますね」とか。「勉強してくれてますね」「さすがですね」っていうふうに、楽しく会話ができるように心がけました。業者さんでなく仲間ということなんですけれども、同じゴールを目指す仲間なので、私たちはチームですよねっていうことを繰り返し伝えるようにしていました。
最後に、ほめるっていうのは会社でなく個人のほうですね。会社がすごいんではなくって、その営業がすごい、というスタンスでほめまくりました。ほめてくれる人のほうが、その人のためにがんばりたいと思えるので、有効だったのかなと思っています。
ポイントは以上です。正直、目新しい情報というのはみなさまに提供できていないのかな、と思うんですけれども。ただ、やっていないのであれば、確実に応募数、推薦数は増えると思っています。応募が増えて処理が大変になっても大丈夫です。我々にはHRMOSがついていますから。
(会場笑)
奥澤:はい、以上です。ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:奥澤様、ありがとうございました。それでは続きまして、3人目の発表者の方です。株式会社デザインワン・ジャパン、弓崎様です。弓崎様、よろしくお願いいたします。
弓崎聡美氏:よろしくお願いします。ただいまご紹介にあずかりました、株式会社デザインワン・ジャパンの弓崎と申します。
本のタイトルのようなテーマなんですが、最初にお伝えしておきます。素晴らしい裏技とか、そういったことは私にはお伝えができません。
私はもともと採用アシスタントというかたちで採用に携わっていたのですが、突然上司であり中途をメインで担当していたマネージャーが退職することになりました。なのでそこから1年間担当者として、まわりに助けていただきながら採用に取り組んでまいりました。今日はその一部について、そしてそこで気付いたことについてお話をさせていただきます。よろしくお願いします。
まずは弊社についてご紹介をさせていただきます。株式会社デザインワン・ジャパンは2005年に設立し、今13期目です。デザインの会社だと間違われるんですが、インターネットメディア事業を運営している会社です。コーポレートミッション「世界を活性化する」のもと、現在2つのサービスを運営しています。
メイン事業が、この口コミランキングサイト「エキテン」です。6月に12年目に突入しました。オールジャンルで掲載できるというのが特徴のひとつで、ほかのメディアでは掲載できないような店舗さんも掲載が可能となっています。そして現在、デザインワン・ジャパンには約190名が在籍をしていて、こういったメンバーに支えられています。
(スライドを指して)これを見ていただいて分かるように、私の採用のメインとなるのは、エンジニアです。年間だいたい30名前後で採用しているんですが、その7、8割がエンジニア採用です。本題の前に簡単に自己紹介をさせていただきます。
出身は九州です。大阪の短大を経て関東で就職しました。5年間接客をしたのち人事に異動し、一昨年2016年にこのデザインワン・ジャパンに入社しました。今現在は中途採用を中心に採用全般を担当しております。
それでは当社の採用についてお話をさせていただきます。(スライドを指して)この1年間の活動をまとめてみました。
正直にお話すると、何か明確に計画を立ててやってきたかと言われると、全然そうではありません。やれてないこと、これからやりたいことはたくさんあるんですが、何から手をつけたらいいか分からないというのがスタートの状態でした。
そこでまず何に取り組んだかというのが、データをきちんと取って現状を分析してみようということからスタートいたしました。何もノウハウがなく、とりあえずはじめてみたので最初はすごくしょぼいデータしかつくれていなかったんですが、ユーザー会に参加をして、たくさんのヒントをもらい、試行錯誤を繰り返してどうにかデータ解析のもとがつくれました。
進捗や目標管理をもとに社内の人間とも相談して進められる土台がつくれたかな、というところで次のステップに移りました。色々としてきた中で、社内を巻き込むという観点で、具体的な部分をお話させていただきます。主にはやはり、マネージメント層との関わりが大きかったんですけれども。みなさんの会社でもあると思うんですが、現場との溝がある、認識の溝があるということに悩まれている方も多いと思います。
私の会社でも、やはり現場の者が求めてくるレベルが高く、「そんな人本当に採用できるの?」といったこともありました。細かく色々やってみたんですが、その中で良かったなっていうのが、一緒にスカウトを打ったことは、その溝を埋めるのにとても役立ちました。
実際に人材のデーターベースを見ていただいたんですけれども、丸投げではなくこちらがある程度精査をして、数名見ていただく。その中で実際に求めている人材が何パーセントいるのかというところを見てもらうというのは、溝を埋めるのに非常に有効に活用できました。
あとはですね、メンバークラスとの関わりなんですけれども。私の採用人生のなかでけっこう大きな事件だったのですが、エンジニア採用について現場メンバーに呼び出されるという事件が起きました(笑)。当時は証人喚問に連れ出されるような気持ちでその場に行ったんですけれども、別に糾弾されることではなく、行ってみると現状どうなっているのか?というヒアリングの場でした。
そこで現状をありのまま正直に伝えたところ、逆に悩みを聞いていただいて、「であれば、こういうことが協力できるよ」というふうにたくさんのアイデアをもらいました。そこでメンバーも実際に一緒にやろうということで、採用に協力いただけるようなかたちになりました。。
この中でですね、私が気付いたことはこの4つです。1つはデータを武器にというところですね。抽象的な話では、(そうしなければ)やはり解決に向けて一緒に協力することができないので、まずはデータをきちっと一緒に見たうえで取り組んだというところです。
2つ目、よいものはTTP。徹底的にパクる、です(笑)。これもほかの方が使っていたのをパクってみたんですけれども、ユーザー会ですとか、その他のセミナーなどで、これはいいなと思ったも・取り組めそうなものに関してはすぐにやってみるっていうことを、この1年間やってきました。
3つ目、エンジニアはこわくない。これはちょっと、言い方が悪いんですけれども(笑)。けっこうこわがっていまして、何て言ったらいいんですかね……。協力してもらうというのは、忙しいエンジニアの方にとってはすごく手間だな、というふうに思っていたんですが、実はすごく採用に協力的で一緒に考えてくれるということが分かりました。これが3つ目に気付いたことです。
そして最後、何を言うかではなく誰が言うか。これは人事だけでなく、お仕事されているみなさん同じことだと思うんですが。やはり日々の仕事でどれだけ信頼していただくかが重要だと思っていますので、日々の仕事でそれを見せていくということを心がけてやっています。もともとは1人で採用担当をやっていたんですけれども、一連の活動を通して少しずつ仲間ができました。
今後も全社をあげて採用に協力いただけるような体制をつくっていくために、また一歩一歩やっていきたいと考えております。以上、ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:弓崎様、ありがとうございました。それでは続きまして、株式会社グッドパッチの小山様です。小山様、よろしくお願いいたします。
小山清和氏:みなさん、こんにちは。グッドパッチの小山と申します。
今日なんですが、採用のお話なんですけれど、手法ついては一切触れてないというですね……大丈夫ですかね。今日は、ちょっと変わったお話をさせていただきたいと思いましてお時間いただいています。
私の簡単な紹介なんですが、、グッドパッチでコミュニティプランナーという肩書きで仕事をしています。経歴が非常に変わっていて、新卒は飲食店で店長を経験していて、そこから色々な業界を経て、今はグッドパッチ に在籍しています。これまで、店長候補から、デザインエグゼクティブ系の人まで、色々な職種の人を採用してきたという、本当に変わった経歴です。
約2年前ぐらいにグッドパッチに入りまして、中途採用をメインにやりながら、そのほかのHR領域のお仕事をさせていただいています。このなかでグッドパッチという会社聞いたことある方、どれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
おっ、3分の1から半分くらいいましたね。素晴らしいですね。会によっては誰も手挙げないときもあるんですよね、ありがとうございます。グッドパッチは、デザイン会社なのですが、デザインと言っても、一般的にイメージをするようなビジュアルをつくるような会社というよりも、デザインの力でクライアントのビジネス課題を解決している会社です。
最近の実績ですと、リンクアンドモチベーションさんの「モチベーションクラウド」などがありまして、、もしかしたらみなさんのなかで導入されている企業様もいらっしゃるかもしれません。今日は少しでも覚えていただけるといいのかなと思います。
さっそくここから本題に入っていきます。みなさんデザイナーを探されていらっしゃる企業さまもあるとと思うのですが、デザイナーという職種をどのような職種と思っていらっしゃるでしょうか。これ私もそうだったんですが、おそらく、ビジュアルをつくる人というイメージですよね。フォトショ(Photoshop)、イラレ(illustrator)を使って、例えばバナーをつくるとか、ロゴをつくるとか。あとはランディングページをつくるとか、そういったイメージを持たれてる方が大半だと思います。私もこの会社に入る前は、そういうイメージでいました。
ただ実際にデザイナーは、実はロジカルで、さらに、デザイン思考という観点を組み合わせて課題解決に導く職種ということに、私がこの会社に入ってから気付きました。
意外にも直感的に仕事をしているわけではないんですね。今の話の中で、ちょっと聞きなれない、デザイン思考という言葉を使いましたが、聞かれたことがある方もいると思うんですが、どいうことかというと、デザインに必要な考えと手法を利用して、ビジネス上の問題を解決する方法です。
ビジネス上の問題を解決するというところがポイントで。一般的にイメージされているデザインとはちょっと違う世界があるんですね。(スライドを指して)マインドとプロセスに分けるとこんな感じです。
常にユーザー視点。コミュニケーションを大事にする。そして、まずはつくってみる。プロトタイプをつくるんですね。あとは1つのアイデアに縛られないことですね。
今日お話させていただいていること、もしかしたらみなさん、今まで考えていらっしゃったデザイナーのイメージとはちょっと違ったものがあったかもしれませんが、グッドパッチのデザイナーは、こういった思考を持ちながら、クライアント様が日々直面しているビジネスの課題に対して、ユーザーによい体験を提供することを意識しながら、向き合っているのです。
ただ、今日はこのデザイナーのことをお伝えをしたいっていう話ではなく、みなさんがデザイン視点を持ちながら採用することの大切さをお伝えしたい。今日はテーマが採用でしたよね。ですので、人事だからといって人事だけの視点を持つだけではなくて、いろんな職種の視点を持って採用に取り組むことが大事だということを、お伝えしたいなと思っています。
まずはそのマインドの部分ですね。先ほどいった、ここのマインドの部分がとくにHRの視点に活かせるということです。じゃあどう活かすのかというと、常に求職者視点であること。あとは面接・面談と言ったインタビューを重視することですね。みなさん、面接と面談って簡単にできると思っている方いるかもしれませんが、実はインタビューほど複雑で難しいものはありません。
なんだよお前は出来ているのか、と思うかもしれませんけれども、私もまだまだぜんぜんできていないと思っています。それぐらい人を見極めるっていうのが難しいということです。みなさん、ありますよね。採用してみたものの、「あれ?」っていう感覚。なんかちょっと違ったってこと、ぜったい一回はあるはずです。それぐらい採用っていうのは難しいことなんですね。
あとはチャレンジすることです。そのほか、業界の固定概念に縛られないというのもポイントです。データだけに頼らないというところ。例えばエージェントの方から「今ちょっとエンジニアの登録者がどうしても少なくて」という情報を聞くと、母集団も少ないし、エンジニアの採用は難しいんだというふうに、思い込んでいらっしゃる方もいると思うんですが、本当にそうなのかっていうところを考えるべきです。
そのなかでやはり1番大事なのはインタビューの部分だと思っています。求職者の方々は我々が思うようには転職はしないわけですね。例えばエンジニアの採用は非常に難しいといわれています。
とはいっても、すべてのエンジニアが、一般的に言われているような給料の高い会社に行くんでしょうか、技術の高い会社に行くんでしょうか、それともすごい有名なエンジニアがいる会社にいきたいのでしょうか。実は必ずしもそうではありません。
例えば就業環境の部分で、リモートワークができる会社に行きたいかもしれない。それともチームワークがすごくいい会社に行きたいとか、色々な志望のある方が必ずいらっしゃるんですね。
それが1番現れる場所というのがインタビューなのです。ですから、最高の情報収集が出来る場でもあるんです。みなさん採用にあたっては、必要なデータを収集していると思いますが、それらにインタビューで収集したことをあわせれば、より精度が高まり、それが採用に繋がっていくわけです。他社の真似をする必要はありません。インタビューを通して、自分の会社の戦い方を見つけていけばいいわけです。これはそんなに難しいことではありません。
日々やっていることを、ちょっと視点を変えてやっていただければできることです。それを蓄積していけば、必ずその会社にとってもっともいい採用というのができるようになるはずだ、と思っています。私自身もこの会社にきて、デザイナーってこういう思考だっていうのは入って気付いたことではあるんですけれども、すごく我々の仕事に繋がっているということに気付きました。
ですから、、ぜひデザイナー視点というものを大事にして、これまでのHRという領域を超えていっていただければ、いい採用ができるんじゃないかな、と思っています。以上になります。みなさん、ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:小山様、ありがとうございました。それではいよいよ最後の方となります。Retty株式会社、柳川様です。柳川様、よろしくお願いいたします。
柳川裕美氏:はい、みなさんよろしくお願いします。
今日は、「採用は全社を巻き込んで成功させよう〜明日からできるノウハウ〜」というタイトルで、みなさんに明日から会社に持ち帰って実践できる内容を、何か1つでも持ち帰ってもらいたいなと思って(スライドを)つくりました。遅れましたが、自己紹介をさせていただきます。Rettyの柳川と申します。
私は3年前、Rettyがまだ40人ぐらいのときに入社して、今では100人の組織となりました。新卒、中途、人事、採用広報をひと通り担当してきたのですが、実は3年前に入社したときには、事業会社の人事ははじめてでした。なので採用担当はみなさんと同じようにはじめてで、どうやってやったらいいかなっていうところから考えて生み出したノウハウなので、何か役に立てればなと思っております。
(スライドを指して)2年前、採用手法がけっこうエージェントに頼りがちで、エージェントではけっこう決まってたんですが、ある日社長からいわれたんですね。「最近リファラルなくない?」みたいな。Rettyは元々リファラル採用が盛んな会社ではあったんですが、組織が大きくなると、今までのやり方ではなかなかリファラル採用を同じ勢いで継続することが難しいということが発生していました。
悩んだ私は、当時のビズリーチの担当者の方を飲みに誘って、ビズリーチさんってけっこうリファラル採用が盛んだと思うので、どうやってるんだっていうことを聞かせていただきました。(スライドを指して)そのときにいわれたのがこの言葉でした。ノウハウを教えてもらったというより喝を入れてもらったという感じなんですけど、その日の夜から意識が変わりまして。
まず結果からですね。(スライドを指して)これは資料をつくった1週間前の最新の採用経路なんですけど、まあまあがんばっているほうじゃないかなと思っています。社員紹介が46パーセントで、Wantedlyからが18パーセント。なるべく採用費用をかけないで採用するということを、社長の武田からよくいわれるのですが、60〜70パーセントぐらいあれば合格点かなと思っています。
ここまでするのにどうやってきたかを、これからノウハウとしてお話させていただきたいなと思うのですが。まずプロローグなんですけど、まずは「社長に本気になってもらう」。ビズリーチさんと飲んだ翌日に、社長の武田に話をしました。「ビズリーチは南さんが社内に呼びかけて、会社全体が社員紹介頑張る機運が出来ているらしいので、うちも武田さんからそういう機運を作っていきたい」みたいな感じで直談判をして話をさせてもらいました。
弊社は決断したらスピードがすごく早いので、(そのあと社内施策をいろいろ練った上で)翌週の全社会議で「みなさん社員紹介がんばりましょう」みたいなことを、話をしてくれたりして。これはけっこう大事です。ここから本番なんですけど、社員を巻き込んで採用を成功させるのは、まず社員の友人を紹介するときに発生する心理障壁を全部取り除くっていうことがけっこう大事かなと思っています。
採用のプロセスはこの流れだと思うんですね。求人が発生して、どういう人が対象かな?とターゲットを思い浮かべて、その人を誘って、興味を持ってくれたら社員紹介をしてくれるっていう、この流れがあると思うんです。だいたいここ(社員紹介)だけにフォーカスされがちなんですが、それより社員紹介を発生させる前に発生する心理障壁を全部取り除くっていうことが大事なんじゃないかなと考えています。
具体的に心理障壁というか、社員紹介を依頼された社員はどういうことを考えているをまず想像します。まず求人が発生すると「この求人ってなんで募集してるのかな」とか、「こんな書き方じゃ応募しないよ」「募集してるけど僕に関係ないかな」とか。「誘えっていわれているけど、どうやって誘ったらいいかわかんない」とか、「断られたらどうしよう。」「会社より友情だから、落ちたら困るから誘えない。」だいたいこんなことをみんな考えてるんですね。この気持ちをどう取り除いていくかっていうことが社員紹介を促進したい採用担当の仕事かなと思っています。
具体的な話に移りますが、まず求人が発生した場合、一緒に働くチームと一緒に求人票をつくることを、私は大事にしています。一方で、みなさんもいろいろ経験があると思うんですが、現場の人だけで求人をつくってもらうと「こんな人、いったいどこにいるの?」という求人票ができあがることもありますので、一緒につくるっていうことが大事です。
私はどうやってやってるかっていうと、例えば「GitHub」でリポジトリをつくって、一緒につくるんですね。まず私が作った求人票をGithubに載せて、エンジニアさんにコメントしてもらう。エンジニアさんが普段から使ってるツールなので参加しやすいみたいで、例えばスプレッドシートで展開したときよりたくさんコメントをしてくれます。
現場を巻き込んで一緒に求人票作るというのは私だけで作るより時間かかっちゃうんですけど、いい求人票ができあがって、みんなお気に入りの求人票になるのでシェアもしてくれやすいのでおすすめです。また求人票作るタイミングで、採用したいターゲットとなりそうな友人のことを思い浮かべてもらうっていうのを、すごく大事にしています。
「具体的にそういう人まわりにいます?」とか「例えば誰ですか?」とか聞いて。その人がもし入社してくれるとしたらどんなことに魅力を感じてもらえそうかっていうことを聞いて、具体的に「何々社のなんとかさんだよね」とかってみんなでペルソナとなりそうな人を思い浮かべながら求人票をつくるっていうことが大事です。
あと求人票ができあがったらその友人を誘ってもらうことを大事にしてるんですけど、みんなまず「どうやって誘ったらいいの?」と思う場合もあるので、その相談にも乗ったりしています。それで、実際「興味持ってるんだよね」っていうことが発生した場合は、最初のコンタクトはまずカジュアルな場を設計するというのも大事です。「断られたらどうするの?」っていうのはたぶん1番の心理障壁なので。
みなさん、採用担当けっこう1人でやられている方多いと思うんですが、ひとりで頑張らず、まずは社内を採用に協力しやすい雰囲気、制度を整えて、みんなで採用する環境を整えることが採用担当の1番の仕事なんじゃないかなと考えています。みなさん明日からぜひ実行してみてください。ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:柳川様、ありがとうございました。
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