
2025.02.19
アルペンの“店舗の現場”までデータドリブンを浸透させる試み 生成AI×kintone活用の3つのポイント
飲食領域(全1記事)
提供:株式会社リクルートホールディングス
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稲垣昌宏氏(以下、稲垣):稲垣より飲食領域を発表させていただきます。『ホットペッパーグルメ』は日本最大級の飲食情報サービスで、現在はPC、スマホ、マガジンの3形態で情報の提供と予約サービスを提供しています。
そんな『ホットペッパーグルメ』が予測する2017年のキーワードは、「おいし援」です。これは、おいしいものを食べて、飲んで、産地を応援する行為です。背景には流通の進化や消費者心理の変化などがあります。流通、飲食店は劇的に進化しており、高品質の地域グルメを都市部で楽しめるようになりました。
一方、消費者の心の中では、「産地や生産者に貢献したい」という思いが強くなっています。外食を通じて、おいしく気軽に地方創生を応援する行動「おいし援」の流れが来ています。
社会背景として、今年は都市と地方の心理的距離が縮まった年でした。テレビ番組でもずいぶん地方ネタの番組がありました。「日本を誇りたい」「地方を誇りたい」というムードの醸成があった1年です。
とくに食の分野で推進したと言えると思います。和食への関心も非常に高まっていますし、ふるさと納税やクラウドファンディングといった、食を通じて地方貢献できる新たな仕組みの確立も目立ちました。
消費者のほうでは、「エシカル」と言われる倫理的消費意識の向上がありました。こちら(のスライド)は内閣府のアンケートですが、社会課題につながることを意識して商品やサービスを選ばれるという方が、多くいらっしゃいます。
さらに、流通の進化と外食店の取り組みの強化も重要でございます。こちらの羽田市場さんでは、水揚げから最短6時間で飲食店に鮮魚が届きます。
構造をまとめると、ここ10年位で消費者の価値観の変化と業界・地域の進化が「地方創生」というキーワードで結びついたものが「おいし援」と言えると思います。
実際に『ホットペッパーグルメ』に載っている店を分析すると店名の上に「なになに料理」と書いてある「店舗キャッチ」と言われる部分に都道府県名が含まれている店舗数が、ここ3年で増加しております。
ここから数ページは、今回のための独自調査の結果を紹介いたします。
「どうせ食べるなら地域に貢献できたほうがいい」と思っている人が、半数以上いらっしゃいます。そしてその数がどれくらい多いことかというと、「地方のおいしいものを都市部で食べたい」と思っている人もだいたい半数近くということなので、ほぼ同じくらいの数がいらっしゃるということです。
実際に、「過去1年間で都内のある特定地域をウリにしたお店に行ったことがある」という方は、全体の約3分の2となっております。
そして「その地域とはどういう繋がりですか?」と質問すると、田舎だったりかつて住んでいた地域だったり、旅行先であったり、約7割の方は何らかの縁のある地域のお店を選んでいるということがわかりました。
そして、「今後そういったお店の利用が増えそうですか?」という質問をしたところ、44パーセントの方が「増えそう」と答えています。
そして「まだ行っていないけれども、今後行きたい」と答えた方に、「どういう条件であれば行きますか?」と聞くと、半分の方が「食べたい地方グルメのお店を見つけたら行きたい」と答えています。
裏を返すとまだまだ店が足りていなくて、今後そういった店がたくさんできると、もっと利用が増えるということを示していると思います。
実際の消費者の方にもお話を聞きました。
上の女性は神戸出身ですが、兵庫県の店はまだまだ少ないので、「もっとたくさんあったら行くのに」とお話されていました。
下の九州出身の方は、かつては連れられて店に行っていたのですが、今では会社の後輩を連れてよく利用するということで、「こういった伝統を受け継いでいきたい」とおっしゃっています。
このように、気軽な気持ちで「おいし援」を実施するハン(飯)バサダーとも言えるカスタマーが増えてきています。
ここからは、お店の紹介をいくつかさせていただきます。まずは、神田の「なみへい」というお店ですが、こちらは「東京から故郷おこし」というコンセプトを先駆け的にはじめたお店です。オーナーは、現在までに100以上の自治体のプロモーションをお手伝いされています。
「目的はあくまで地方に貢献することであって、飲食は手段でしかない」と明言されるほど、強い信念を持って地域の紹介を続けていらっしゃいます。
もう1社、株式会社fun functionですが、こちらは都内を中心に16のご当地酒場を経営しています。自治体からの補助金などを入れることなく、お店とお客さんと地元の三方良しを実現されています。今も各地からオファーが殺到中の会社です。
そして、地元の味を再現するだけでなく、都市部で売るために付加価値をさらにアップさせている事例もありますので、最後に2例ほど紹介したいと思います。
最初はエー・ピーカンパニーの塚田農場です。
(スライド)左のステーキのおいしそうな写真、上に黄身とつくねが乗っていますが、肉に見える部分は実はえのきの切り株、軸の部分です。こういった食べ方は地元でもされていなくて、東京で売るために開発された食べ方です。
そして(スライド)右は、北海道シントク町塚田農場で出ている鳥ジンギスカンです。こちらは北海道産の鶏肉を使用していますが、ジンギスカンの形態で地鶏を出すという食べ方は北海道の地元ではなく、都市部の店舗独自のやり方です。
最後に、京都の「食一」さんという魚屋さんです。こちらはほぼ地元だけで消費されていたお魚を、「海一流」というブランドに認定し、ブランド化した魚を都市部で販売することで、魚によっては取引額が10倍になり、漁師さんの収入アップにも非常に貢献しているという例でした。
ということで、2017年の飲食領域のキーワードは、おいしいものを食べて、飲んで、産地を応援する「おいし援」です。ありがとうございました。
株式会社リクルートホールディングス
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