2024.10.10
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スクラムマスターこそ考えたい、言葉のアウトカム(全1記事)
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金山貴泰氏:それでは始めていきたいと思います。まずはこちらをご覧ください。
(音声付き映像を示し)インターネットの発達により、リモートワーク、オンライン会議が難なくできるようになった時代。一方で、直接の対話を通じて感じることができていた雰囲気などが失われてしまっているという弊害もあります。そんな状態でも1つだけ変わらずに存在しているものがあります。
それが、言葉なのです。このセッションでは、そんな言葉に注目し続けた1人のPodcasterが、言葉のアウトカムという視点でみなさまに言葉の磨き方を教えます。君は言葉のアウトカムを考えたことがあるかい? 「スクラムマスターこそ考えたい、言葉のアウトカム」、開演いたします。
みなさん、こんにちは、「KANE」と申します。よろしくお願いします。私のセッションは、配信画面にこだわってやってみようと思っています。
まずは、自己紹介をしたいと思います。私の本名は、金山貴泰といいます。本名をはじめて聞いた人もたくさんいると思いますが、その金山の金から取って、私はふだん「KANE」という名前で活動をしています。
株式会社うるるの、事業企画課に所属して仕事をしています。称号として、私はPodcasterを自ら名乗っていて、とにかく人と話すのが好きです。その流れで、テーブルトークRPGというボードゲームも好きだったりします。
私が最近よくやっているPodcastです。「くろねこam」「あじゃてくちゃんねる」「ふりかえりam」。みなさんの中にも聞いたことがある人はいるかなと思いますが、これらのPodcastもよろしくお願いします。ぜひ聞いてください。
さて、自己紹介と宣伝は以上にして、本題に入っていきたいと思います。今回、私のタイトルにある「言葉のアウトカム」を考えるために、まずは言葉のアウトプットとアウトカムの違いをお話しします。
まず、「言葉のアウトプット」というのは、わかりやすく言えば、出力のことです。例えば文章を書いたり、相手に話したりすること。今こうやって私が話していることは、まだアウトプットなのかもしれません。
一方で、「言葉のアウトカムは何なのか」を考えると、アウトカムは「成果」と訳されることがあります。例えば、文章が誰かに影響を与えることや、誰かと話すことで相手の行動が変わるような具体的な成果が伴ってくることが、私の中でのアウトカムという言葉の定義です。
アウトプットとアウトカム。似たようなものですが、違いはみなさんもわかっていることだと思います。今回のお話では、そこを注意して聞いてください。
私はこの「アウトカムを大切にしたほうがいいですよ」ということを話していきたいと思います。
なぜこのスクラムマスターと、言葉のアウトカムを取り上げようと思ったのかというと、私は、スクラムマスターのみなさんは、けっこう言葉を使うお仕事なんじゃないかなと思っています。
あなたの言葉はチームを変えます。ただその言葉というのは、よくも悪くも影響力があると思っています。なので「スクラムマスターこそ考えたい、言葉のアウトカム」というテーマにしました。
「言葉のアウトカムがなぜ大切なんですか? アウトプットではダメなの?」と思う人もいるかもしれません。私がこれ(アウトカム)を大切だと思っているのは、言い方が少し極端かもしれませんが、ただ話すことは誰にでもできることだと思うからです。
そして世の中には、言葉を投げっぱなしにする人もいると思っています。はたまた、言葉の影響で成果がマイナスになってしまう。そんなこともあるんじゃないかなと思っています。そこで私は常に、こういう言葉を問いたいのです。「あなたの言葉は、よいアウトカムを生み出していますか?」
私が今回のセッションで伝えたかったのは、ここまでがほぼすべてです。この問いをみなさんに問い掛けたかったのが、今回セッションを持った大きな理由の1つです。
ここからは、そういう問いはされたものの、「ではどうやって言葉のアウトカムを見つめなおしていけばいいんですか」というところを、具体的に私が実践している方法を含めて、みなさんに紹介していきたいと思います。
みなさん、言葉のアウトカムを最大化する特訓方法はなにかわかりますか? この段階でわかる方がいたら、すばらしいです。
私は、言葉のアウトカムを最大化する特訓方法は、「ふりかえり」だと思っています。自分の言葉とその反応を振り返ること。自分の言葉を改善していくことを常にやっていくことが、言葉のアウトカムを意識するきっかけにもなりますし、改善するきっかけにもなると思います。
そして、日常的に「ふりかえり」をしましょう。言葉の「ふりかえり」をしましょうと言われても、なかなかやり方がわからない場合や、どうやってやればいいんだろうと悩まれるかなと思いますので、私は今回2つの方法を紹介したいと思っています。
ではここから、具体的な「ふりかえり」方法の紹介に移ります。ちょっと雰囲気を変えて、「アウトカムを向上する KANE流特訓方法 テキスト編」ということで、今からテキストの場合、どうやって「ふりかえり」をしていくのかを紹介していきたいと思います。
ただ、テキストの場合は比較的簡単だなと思っていて、なぜなら書いたテキストを読めばいいのですから、「ふりかえり」はしやすいと思っています。今回はそれを実際、実感してもらうため、簡単なワークをみなさんとしたいと思います。
具体的な事例のようなものを持ってきたので、みなさんと一緒にやっていきたいと思います。
「こんな時、あなたならなんて言う? あなたはスクラムマスターです。今はチームのふりかえりの時間です。みんなで付箋を使って『ふりかえり』をしています。ふと、あるチームメンバーAさんの様子を見ていると、Aさんは付箋を1枚も貼れていないことに気が付きます」
こういった場面において、「ふりかえり」のファシリテーションをしているスクラムマスターの方は遭遇しがちだと思います。それこそ、「ふりかえりam」へのお悩み相談にも、こういったお悩みはけっこう来るんですよね。
そういう時に、スクラムマスターのみなさんは、1つだけなにか発言できるとしましょう。もちろん、いろいろなことを言って説得するのも大事かもしれませんが、時間は限られています。
一言、そのチームに対してなにか伝えることで、それを改善できる、もしくはなにかチームに気づきを与えることができるんじゃないかと思って、こちらのワークに取り組んでもらいたいです。
ではみなさん、「Discord」のコメントとチャットに、こちらの問いに対する一言、1つだけなにかコメントを書いてみてもらってもいいですか?自分だったらなんて言うかなということを考えて、ちょっとコメントを打ってもらえるといいかなと思います。
いいですね。ちょっと時間を取ります。
(時間経過)
ではみなさんに、次にやってほしいことがあります。
みなさんの書いたコメント。もちろん自分のでもいいです。一度振り返ってみて、いいなと思ったコメントに「わっしょいスタンプ」を付けていきましょう。
「ああ、これいい。この言い方いいな」って思ったものに対して、わっしょいスタンプをどんどん付けていってください。そうですそうです。もうわっしょいわっしょいしていきましょう(笑)。
「この人の、この言い方いいなあ」など、そういったことを、わっしょいスタンプでちょっとアクションしてもらえればと思います。
ちなみに、私だったらどう言うかというと、「ここで、一度みんなの付箋を見てみましょうか?」というような、立ち止まりになることを言うかなと思います。
私は、スクラム自体もそうですし、ふりかえりという立ち止まりを大事にしています。人は立ち止まると周りが見えて、そして周りの状況を自ら判断してくれると思っているので、私だったらそう言ったりします。
このコメント、もちろんあとで見返してほしいのですが「こういう問いがありました。こういう答えをしました」という履歴が今残りました。このコメントを振り返る時に気を付けてほしいこと、意識してほしいことがあります。
「あなたはもし、100回同じシチュエーションがあったら、100回同じコメントを、自信を持って言えますか?」
これはもちろん正解はないので、「このコメントもいいな」と思ったこともあると思います。ただ、もしも今日のコメントの中に、このコメントのほうがいいなという気持ちを少しでも抱いたのであれば、ぜひ、何がいいんだろうということを振り返って、自らの言葉を振り返ってみてほしいですね。
ぜひとも、自分の言葉に自信を持つ。また、どういうことがあってもこういう言い方をすれば、きっといいことが起きると思えるようになってほしいのです。
これが、テキストを使ったコメントの「ふりかえり」です。ふだんからテキストを書いている時に、「ああ、こういう言い方もあるな」など、周りのコメントを見るようにしてもらいたいと思います。
次は「アウトカムを向上するKANE流特訓方法 対話編」です。実際の対話の「ふりかえり」を特訓するのは難しいと思っています。
そもそも、対話の記録を残していることはあまりいないと思うんですね。すべての議事や、すべての対話を録音している人、もしいたらその方はすごいですが、なかなかいないと思っています。
なので、そのような背景から私は、Podcastを人に勧めることがあります。こいつが言うんだからPodcastをどうせ紹介すると思った人もいるでしょうが、それでも私はPodcastをお勧めしています。
Podcastをお勧めする理由は、しっかりとした理由があります。Podcastは、いわゆるラジオ番組みたいなものを想像してもらえればわかると思いますが、対話が中心のコンテンツであることが多いです。
もちろん独り語りするようなPodcastもありますが、対話が中心となって繰り広げられるので、まさに対話の実践の場としてすごくいいです。
ここがとても大切で、Podcastは収録して編集して、リリースをするといったプロセスを踏むことが多いです。その収録と編集の間に、自分の声を聞き直すことで「ふりかえり」になるんですね。
そしてさらに、その収録・編集のおかげで、失敗ができるサンドボックスとしての立ち位置もありますので、私はPodcastを強くお勧めしています。「この言葉はさすがにうまくいかなかった」という部分があったとしても、それはカットすればいいんです。
そういうふうに、対話をやっていても、失敗してもいいと思えること。それがPodcastという、ある種のフレームによって、安心感を持って対話することが、私は実現できると思っています。
私は自分の音声を聞き直して、100回同じシチュエーションに対して、100回同じコメントを、自信を持って言えるのか、常に編集しながら振り返っています。
これも正解はないので、他のコメントもいいなと思うことが、もちろんあってもいいです。ただやはり、あの時こう言えばよかったという思いをなるべくなくすように、日々意識をしていくことがとても大事かなと思っています。
これを極めていくと、遠い昔に収録した音声であっても、このあと自分はなにを言うかなという予想が、忘れていても実はできるのが、おもしろいところです。
本当に中身をぜんぜん覚えていないけど、「私だったらきっとこう言うだろうな」と思ったことを自分が話していた時に、「私は自分の言葉として出せているんだな」といった「ふりかえり」になりますので、Podcastはお勧めなのです。
みなさんに対して、こうやって言葉を実際に出して、そして振り返るということを用いて、言葉のアウトカムへの意識をしてほしいというのが、今回の私のセッションの主題でした。
もしかすると、具体的な内容や、スクラムマスターの具体的な事例を期待されていた方もいるかもしれませんが、やはり何ごとにおいても、個別具体的な事例によっては、適切なコメントは変わってくると思っています。
そういう場面で「自分ならどうするか」をとにかく振り返ってほしいというのが私の思いです。なのでみなさん、ぜひとも「言葉のふりかえり」をやっていってほしいです。
とはいえ、「テキストはできそうだが、Podcastを自分でやるのは、うーん、ちょっとできないかも」というお悩みに対して、今日からできることをみなさんに少し提供しようと思っています。
まずは、本日のスクフェス。もうメッチャ試せる場です。例えば、雑談部屋へ入って、一言なにかを言ってみて、そのあとテキストチャンネルの反応を見たり。これだけでも、すごく「ふりかえり」になります。
それに、このスクフェスという会場の人は、すごくいいコメントを書いてくれるじゃないですか。もう本当に温かい人たちが多くて、安心して言葉を、自分の言葉に対するフィードバックをもらえると思います。なのでみなさん積極的にコメントを書いたり、発言したりしてもらいたいと思います。
そしていつものです。Podcastに出てみませんか? ゲストでいいです。ゲスト出演として、「こんなことを話してみたい」や、「ちょっとPodcastに興味があるんだよね」みたいなことを私に匂わせてください。
今挙がっている3つ以外でも、みなさんのテーマに沿ったPodcastを提供できることが私の強みですので、ぜひともPodcastをやりたいという方、お声掛けください。
ということで、「言葉のアウトカムを大事にしていきましょう」ということをみなさんに伝えたかったのでした。みなさん今日から、ぜひ「言葉のふりかえり」をやっていきましょう。ご清聴ありがとうございました。