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外資の会議は15分 ~名著「トヨタの会議は30分」のさらにその先へ~ 欧州企業から学ぶ最新タイムマネジメント (全3記事)

日本企業の“ムダな会議文化”を変えるには 外資系企業の“15分単位の会議”に見る業務改革のヒント [2/2]

会議は“発言しなければ参加の意味がない”のか?

佐藤:ありがとうございます。他、いかがでしょうかね。ご参加の方の会社で今やっているやり方に対してどうですか? みたいなご質問でもいいのかなと思いますけども。

あ、今、別の方からコメントが来ました。「発言しなければ会議に参加する意味がないので参加する必要がない、というのは言い過ぎだと思いました。意見を言うか言わないかは結果論の場合もあり、内容や状況次第では黙っているほうが良い、または必要な場合もあり得るかと。もちろん意見を言える企業は良い企業ですが、私はまともに意見を言える企業をほとんど存じ上げません」。

なるほど(笑)。そういうご意見もよく理解できます。畠山さん、ここはどうでしょうか。

畠山:実際にすごくあると思います。結局その会社の人間関係の中で生きていくので「言わないほうがいいな」というところと、黙っていたほうがいい雰囲気の場合もあります。その経験もあります。

ただ全部の会議に対して発言しない、だったら出なきゃいい。と言ってるわけではなくて、その会議の中身が協議だったり、チームである問題に対して何かどうしたらいいか話していこうとか、意見を出し合う場で出さないのはどうなのかなと。

その会議全体ではなく、議論の場では参加してくださいとお願いして来てもらっているし、その人はその人の立場で、もしくは業務の中でしかわからない特別な情報とか考え方とかがあるので、そこは逆に意見を出してもらったほうがいいのかなと思います。

出すためにはやはり人間関係というか、その会社の中で「言ってもいいんだよ」という雰囲気を作るのがけっこう大事。ただ、それを作るのが非常に難しいのもわかります。

上司が発言しやすい空気を作ることが肝心

佐藤:ありがとうございます。ちなみに私もアメリカのゴールドマン・サックスという証券会社にいた時に、総務担当者として会議に出ていた時期があるんですが。

そのゴールドマンの有名な話で、「発言しなければ存在価値がない」みたいなお話を言うんですが。実際、やはりアメリカはそういうカルチャーを本当にずっと貫いているところがあるみたいなんです。でも、日本だとどうしても、完全にそういう文化になりきれていないところもあって。

ただ、上層部がこの時間に意思決定をしなければいけない時に発言できないと、やはり日本人が8割を占めていても、「あなたのそこにいるバリューは何だ」と言われるのはあるのかなと思いました。ありがとうございます。

今、もう1名ですかね。「トップや幹部の頭が凝り固まっており、おっしゃるような会議の進め方をしたくて、いくら提案しても跳ね返されてしまう場合は、どこから突き崩せばいいのだろうかと、歯がゆい思いをしています」。これは非常に実践的なお悩みかなと思いますが、畠山さん、どうでしょうかね。

畠山:いや、わかります(笑)。これは本当にすごく苦しいことだと思います。例えば今までの日本のやり方と、外国のやり方でまったく違うので、トップや幹部の方の考え方が変わらないとやりにくいのは、確かに事実としてはあると思います。なので、現実的には「できるところから」になってしまうと思うんですよね。

一番いいのはトップの方にこの話をしてもらうか、実際にそれでうまくいっている会社の方たちのやり方を見ていただくようなお考えがあるとすごくいいんですけども。トップの方たちの考えを変えるのは非常に難しいトピックだなと思います。すみません、回答になっていないですけど。

本質は会議の仕組みではなく「問題解決思考」

佐藤:ありがとうございます。そうですね、今日のセミナーのタイトルが会議と縛ってあるので、どうしてもその話になるのは当然なんですが。

私もずっとお話をうかがっていて、会議の話なんですが、どちらかというと思考方法というか。やはりこれはロジカルに考えて、問題解決思考で出席しないと、あるべき姿にはなっていかないのかなと思いましたね。

だから、上層部の方に思考をシフトしていただく必要があるという意味では、これはけっこうハードルが高いお話をしているのかなとは思います(笑)。

追加で「おそらく現実にそれで会議が機能する状況を体感してもらうことができさえすれば、180度意識が変わると思うのですが」。なるほど。これはいかがでしょうかね。

畠山:おっしゃるとおりだと思います。体感したり、見たり、聞いたりしないと、やはり人が自分の考え方を変えるのはけっこう難しいと思います。

特にもうキャリアを長く積まれていらっしゃる方ほど、新しいやり方に慣れたり、思考を変えたりするハードルが非常に高いと思いますので。そこがこれからの日本のあり方にも、けっこう関わってくるのかなと。

ちょっと話が飛んじゃいますけど、教育のあり方にも影響が出てくるのかなと思います。

休日に仕事をしていて気づいた違和感

佐藤:そうですよね。なので実は畠山さんが本業としてやられている、そういう働き方の中で行動変容をどう促すかみたいな、そういったところがメインの部分になってくるのかな。会議だけを変えていくというよりは、会社のカルチャーを変えていくみたいなお話になるのかなと思いますけどね。「むしろこれが求めていた会議のあり方だ」とすらなるかもしれません。

畠山:会議をしていると、自分自身も「仕事をしているふう」に思ってしまうんです。でも1週間終わってみて、自分が何をアウトプットしたかというと、けっこう中途半端なもので終わっていたりして。

それを挽回するために、土曜日の午後とか日曜日に働いている自分がいて、「何やってんのかな」と思っていた時期があるんです。やはり自分の人生も含めて、仕事のあり方を見つめ直す必要があるのかなと思いました。

佐藤:ありがとうございます。あとは、社内の話と、社外というかお客さんが入ってくるとまた状況が変わってきたりするんですかね。

畠山:まったく違うと思います。社外でもその会社さんの色ってあると思うんですよね。けっこう大きい案件でも1人で来る場合と、そんなに大した内容でもないけど4人で来る場合があったりするので。

その会社さんの事業のあり方というか、コミュニケーションの方法にもよると思うんですけれども。4人で来られる場合は、本当に4人も必要なのかなと思っているところもありますし、やはり「本当にうまいなぁ、この人」と思う会社さんもあったりするので。

要は論点だと思います。この会議に何を話しに来て、お互いに何を宿題として持って帰るのか、何を合意したいのかを冒頭でお話しいただく。その話に集中できる外部のミーティングをすると、すごく勉強になりますね。

グローバル化の時代こそ、企業文化を変えるチャンス

佐藤:そうですね、論点思考がちゃんとできている会議かどうかは、非常に大きな部分になるということですよね。ありがとうございます。ご質問は、以上になりますかね。

「とはいえ、やはり日本の独自のカルチャーの中ではなかなか難しいよね」と感じてしまう部分もあるかなと思ったりもします。そういう方々に向けて最後に1つ、畠山さんから何かメッセージをいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

畠山:すみません、私自身日系企業で働いたことがあまりないので、本当に何か意見を言えるような立場ではないんですけれども。

今後は働く人口がどんどん減っていくことと、あとは外国の方もどんどん日本にいらっしゃって、特に日本語がしゃべれて英語もしゃべれる方、3ヶ国語しゃべれる方も増えるでしょう。日系企業でも、以前は日本人がやるポジションを、外国籍の方が担う状況になってくると思うんですね。

やはり、どんどんグローバル化せざるを得なくなっていくので、少しずつ日本の企業文化を変えていければいいかなとは思います。やはり文化とかいろいろありますので、難しいということも承知しております。ちょっとアドバイスになっていないかもしれませんが。すみません。

佐藤:どうもありがとうございます。それでは、もっとお話をうかがいたいところではあるんですが、まもなく19時になりますので、本日のセミナーは以上とさせていただきたいと思います。

本日は貴重な夜のお時間にご参加くださいまして、本当にありがとうございます。また、このようなセミナーを定期的に開催したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。それでは、どうもありがとうございました。

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