2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
イノベーションラボでのサービスデザインからのプロトタイピング(全1記事)
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篠崎悦郎氏:みなさん、こんばんは。(直前に起こった)地震で、ちょっと今、頭の中が少し白くなりましたが。
(会場笑)
よろしくお願いします。「イノベーションラボでのサービスデザインからのプロトタイピング」題しまして、NTTデータの篠崎が発表させていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
まず自己紹介ですけれども、私はNTTデータのアジャイルプロフェッショナルセンターに所属しております。ここ3~4年ぐらいで、社内のアジャイルの導入とか、100人ぐらいのスクラム開発でのスクラムマスターとかやっていました。昨今ではNTTグループでのアジャイル開発の推進等をやっております。
今日お話ししたいのは、昨年の7月からBeSTA FinTech Labというところに常駐しておりまして、その技術チームのプロダクトオーナー兼スクラムマスターとして仕事をさせていただいています。本日はその内容を発表させていただこうと思います。
まず、BeSTA FinTech Labというところについてですけれども、NTTデータのお客様、とりわけ地方金融機関様の抱えている課題を明確化して、課題解決するようなビジネスを創発することを目的に設立されたイノベーションラボです。
BeSTA(ベスタ)という名前の由来は、NTTデータが開発したバンキングアプリケーションのパッケージ名です。そこがスポンサーになり、ラボが成立されております。いわゆるコワーキングスペースなのですが、スペース的には本会場の半分ぐらいのところを面積を確保していて、イベントとオフィスを兼用できるようなルームになっております。
ここでは週に1~2回程度、ワークショップやイベントを開催しております。日中帯は通常業務をしているのですが、付箋を用いてアイデア出しをしたりといったことを、日常的にやっている組織です。
ここでは、今日お話しするような開発もやっています。例えば銀行業務ですと、窓口業務のロボット化みたいなことが最近では言われていまして、そういったことも行っています。
このラボで行った実証実験ですが、6月に京都で「大人の社会見学」というイベントが実施されました。60分くらい京都の地元企業への入社体験をしていただいて、そのフィードバックを受けるといった概要なんですけども。このイベントは、実は観光目的ではなくて、金融機関の方が地元企業の事業性評価の際に、財務諸表以外で地元企業を評価する取り組みとしてこのPOCが実施されました。
ほかの活動としては、ラボへの集客目的としてラボアプリケーションの開発を行っています。これはラボのユーザーでもある金融機関様向けに、金融機関のFinTechの事例を収集して提供するということをやっております。
実際にこのプロダクトの開発は、リーンUXで紹介されているプラグマティックペルソナやユーザストーリーマップを書いて、プロダクトに必要なファンクションを分析しています。
このラボの取り組みなんですけども、軸は3つあります。
一つ目は、ラボのお客様は地域金融機関や地域企業なので、そこに対しての課題やユーザーへの理解を進めるといった活動をしています。
二つ目は、課題の解決のために積極的に他社の、とくに特徴のあるベンチャー企業様との協業を検討しています。これは、自社でつくるよりもそちらを用いた方が早く結果を提供できるというところに重きを置いているからです。なので、ベンチャー企業様とのリレーション構築に力を入れています。
三つ目は、先進技術と言われている領域の技術探索も並行に進めていきます。
これらをもとに、デザイン思考を用いて地域企業の課題を解決するビジネスプラン、ないしはプロダクト開発を検討します。プロトタイプを開発して、ビジネスのプレゼンテーションを行い、フィードバックを経て事業化を進めるといった活動を行っております。
イノベーションラボはいろいろなことをやっていて、よくわからないってけっこう言われるんですけれども。活動を分析するとAARRRモデルで表現できるのではないかと考えています。ラボ自体をプロダクトと捉えてみると、ユーザーを獲得するフェーズとユーザーを活性化させるといったフェーズに分かれていると分析しております。
例えば、獲得のフェーズであれば、ラボへ訪問することを促進させるような活動ということですね。内部では「にぎわい」という表現をしているんですけれども。このにぎわいを促進する活動として、イベントやワークショップをやっております。
実際にそういったイベントやワークショップをやって、ターゲットユーザーを見つけて、そこからユーザーや事業者を巻き込んでビジネスを創発する、といったフェーズになっていきます。いわゆるデザイン思考を用いてビジネスを具体化し、ユーザーインタビューしたりとか、プロトタイプ開発を行っていきます。
私がいるところは、プロダクトの開発に重きを置いているチームです。このラボで実際にプロトタイプ開発をおこなっております。プロトタイプの開発をおこなう際には、仮説検証の種類を意識しながらバックログを作成するようにしています。
最初はビジネスモデルプロトタイプですが、POC実施としてビジネスやサービスモデルが期待通りに実施できているかをシュミレーションするために、プロトタイプ開発の必要性を検討しています。
次に、昨今よく言われているユーザーエクスペリエンスですね。ユーザーに対して、想定した効果をちゃんと与えられているかどうか。こういったところをプロトタイプで検証するといった点です。
あともう1つは、アーキテクチャーのフィジビリティです。いわゆるオープンマインドでアイデアを具体化していくので、実現性の観点も検討しなければいけないっていうのがあります。なので、ミニマムでアーキテクチャーを設計して、それを実現化をしていくことも並行して実施しています。
最後に、こういったメンバーへの意識付けや、情報共有をしていくことも重視しています。
自分はプロダクトオーナーであり、スクラムマスターも兼ねているんですけども、一番重視していることでいうと、まずはユーザーの課題を解決するということ。これを大前提にしています。実際のユーザーから、ちゃんとフィードバックを貰うこと。デザイン思考でいうところのユーザーのインサイトに耳を傾けるよう、意識しています。
あとは、バランスを取ることを前提にして、ラボに来られる多様の方々と会話をするように仕向けています。新しく3つの機能を出させていただいたんですけれども、開発メンバーにもベンチャー企業様の元に訪問したりとか、場合によっては地方金融機関様のところにおうかがいするといった行動をしてもらうように仕向けています。ユーザーと直接会話をして、どんなユーザーであるのかをちゃんと把握したり、開発作業とのバランスを考えながら割り振るようにしています。
あとは事業者目線に偏らないビジネスやサービスモデルを考えるといったところになりますね。やはり、どうしてもそういう目線から入ってしまう事があって。ビジネスだけを考えたら、それでいうまくいくだろうみたいなところがあるんですが、ちゃんとユーザーのフィードバックを受けるといったところを踏まえて活動することが重要です。
最後にキャッシュフローですね。実際に提供するビジネスモデルが、どういうキャッシュフローなのかをCVCA等でちゃんと分析する。そんなところも考えながらやっています。あとは新しいソリューションや技術ですね。新しい情報を知って、技術視点で新規のアイデアを考えられないか気を付けるようにしています。以上になります。
(会場拍手)
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