2024.10.01
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第29回:暗殺教室「殺たん」と英単語の効果的な覚え方<ラジオ「西澤ロイの頑張らない英語」>(全1記事)
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西澤ロイ氏(以下、ロイ):うん。それで、単に楽しんで読むだけでなくて、さらにこの『殺たん』を効果的に使うための方法を、ちょっと今日ご紹介できたらなと。
上村潤氏(以下、上村):おぉー。ロイさんならではのポイントですね。
ロイ:はい。でも、まずはやっぱり「興味を持つ」ってすごい大事なんですよ。この本を使えば「ちょっと読みたいな」とか「覚えたいな」って思えるんなら……もともと「覚えなきゃいけない」っていうのはあるじゃないですか、試験があったり、受験があったりで。
上村:はい。
ロイ:そこで、やっぱり「これだったら楽しめる」っていうのはすごくいい要素ですよね。
上村:はい。……なかなか机に向かうとね。ついマンガの棚かなんかを見始めちゃうと、「あ、整理しなきゃ」みたいなね(笑)。
ロイ:そうそう。
上村:それで持ってるうちに、「あー懐かしいなこの漫画」みたいに読み始めちゃうんですよね。
ロイ:うーん。
上村:ただそれが、マンガを読みながら、かつ勉強ができると言うか。自然と身に入ってくる、っていうところですかね。……うん、楽しみながら覚えられるって最高じゃないですか。
ロイ:そういうポイントが3つくらいあるのかなぁと思って。その1つ目が、「興味を持つ」っていうことなんですよね。
上村:入り口として、まず。
ロイ:はい。やる気がぜんぜん違いますからね。
上村:ですよね。
ロイ:じゃあ2つ目はなにかって言うと、「繋げること」なんですよ。
上村:「繋げること」。
ロイ:例えば、単語覚えるときってまず綴り、スペルがありますよね。そして、日本語訳があって、音があると。それがちゃんと繋がってることが大事なんですよ。
上村:ふーむ。
ロイ:けっこう学生の時って、読み方わかんない単語とかなかったですか?
上村:あー、いっぱいありました(笑)。
ロイ:そして、読み方はスペル、綴りを書くために語呂で覚えてたりとか。
上村:あぁーやりましたねー。
ロイ:例えば“sometimes”とか、「ソメチメス」とか言って覚えておいて、「正しい読み方何だっけ?」みたいな。そういうのけっこうありますよね。
上村:やりましたねー。……瞬間的に出てこないですけど(笑)。
ロイ:(笑)。
上村:確かにありました。日本語で言うとぜんぜん違うようなかたちで、書くときに覚えてましたね。
ロイ:そうそう。そこでちゃんと正しい発音。今ネットだったら、「辞書」とかで検索するとすぐ音も聞けるので。
上村:そうですよね。
ロイ:そういうので……これにCD付いてればいいんですけど、付いてないので。ネットでちゃんと正しい音を聞いて、こういう音なんだ、と。スペルはこうで、訳はこうなんだ、と。意味はこうなんだ、っていうのをちゃんと繋げて覚える。まずそうやって繋げることが大事で。それだけじゃなくて、他のものもいろいろ繋げるといいんですよね。
上村:ほうほう。
ロイ:例えば、語呂合わせとかあるじゃないですか。あれも知識として繋がることで、非常に覚えやすくなるんですね。まぁ語呂合わせ「だけ」やる人も多いんですけど、そこにこだわる必要はなくて。いろんなものを繋げるといいんです。繋げれば繋げるほど、記憶として残りやすくなるんですよ。
上村:そうですね。元素記号とかもう覚えてないですけど、「水兵リーベ」は今でも覚えてますからね。
ロイ:あっそうそう。
上村:それが何かはもうわからなくなってしまいましたが(笑)。
ロイ:そうそう、そういう感じそういう感じ。あと、例えばですけど、類義語とか派生語とか。
上村:はい。
ロイ:ちょっと似た単語とか、そういうのも「あっそういえば!」みたいな感じで繋げるとか。そういうこともいろいろよくて、どんどん本当、そうやって繋げていくことなんですよね。
上村:ふーむ。
ロイ:だから例えばですけど、“beautiful”って言ったら「美しい」。で、名詞だと?
上村:“beautiful”……ん? “beauty”。
ロイ:“beautiful”は形容詞。そうそう、“beauty”で、「美」ですよね。それって派生語じゃないですか。そしたらすごく楽に2つ3つ覚えられるとか、そういうのもありますし。
上村:ふんふん。
ロイ:あとですね、似た分野の単語とか。例えば、ここです。「殺せんせー」の感情のことが書いてあって。この先生は、感情によって顔の色が変わるんです。普通の時は“neutral”とか書いてあって、「怒ってる」……「怒り」って、英語で言うと?
上村:怒りは“anger”。
ロイ:“anger”とか、“angry”とか。じゃあ、「ナメてる表情」とか。
上村:「ナメてる」……? えーっとそれは……「物理的に舐めてる」わけじゃないですよね?
ロイ:そうそう。「人のことをなめ腐ってる」みたいな。
上村:あーなるほど……。
ロイ:って言うと、出てこない。
上村:出てこないですね。
ロイ:それも“contemptuous”っていうのが出てきて。
上村:あー、はい。
ロイ:そしたら、「あぁそうなんだ」って、繋がって覚えられるんですよね。
上村:はいはい。なんかこう、「ナメてる」って言うと、すごく身近な感情になりますよね。これたぶん英語の単語帳とかだと、別の表現になるんですかね? 「ナメてる」……「ナメてる」ってなかなか。
ロイ:そもそも単語帳に載ってない。
上村:あっ、そうなんですね!(笑)。
ロイ:だって大学受験で「ナメてる」とか使わないからなぁ。
上村:まあ、使わないでしょうねきっと(笑)。……はぁーそうなんですね、“contemptuous”……確かに初めて聞きましたね。
ロイ:例えば「怒り」にしても、「激怒」みたいなものだと“rage”って単語があったりするので。そういうのも「そっか、そうやって違うんだ」っていうふうに繋がっていくと、やっぱり覚えやすいですよね。
上村:なるほどね、そっか。「怒る」のと「激怒」は、また言葉が違ってくるわけですもんね。
ロイ:そうそう。
上村:なるほど。それは確かに非常に有益と言いますか。なかなかその、普通の英単語帳では出せない視点と言うか……に、なってるんですかね。
ロイ:うんうん。で、これを、学ぶ側が自分で繋げようとすることが大事なんですよ。だから興味を持って、「この場合どうだろう」とか、「そういえばこういう単語もあるよね」とか。そうやって自分で繋げることができると、本当に記憶に残りやすいので。だから2つ目のポイントが、いろいろと「繋げる」、ということですね。
上村:はい。そして……もう1つポイントがあるということで。
ロイ:はい。3つ目のポイントは、「思い出す」っていうことなんです。
上村:「思い出す」?
ロイ:多くの人が「覚えよう」とするんです。じゅんじゅんもそうじゃないですか? 「覚えよう」としませんか?
上村:そうですね。
ロイ:でも、大事なのは「思い出す」ことなんです。
上村:ほう、「覚えて」いるのではなく、「思い出す」?
ロイ:「覚えよう」とすると例えば、同じものを繰り返し見たりしますよね。
上村:しますね。
ロイ:あと、繰り返し書いたりしますよね。
上村:しますねぇ。
ロイ:そこで、「思い出そう」と繰り返すと、記憶に残るんですよ。
上村:ほぉー……「覚えよう」とするのではなく「思い出そう」とする。
ロイ:そうそう。だから例えば、この本の最後に赤いシートが付いてるんですね。「赤殺(あかころ)シート」って名前がついてるんですけど(笑)。こういうシートでかぶせると、赤い文字って見えなくなるじゃないですか。
上村:あー、なりますね。
ロイ:それで、自分で「これなんだったっけ」って考えて、思い出そうとする。それが、記憶するためには非常に大事なんですよ。それは記憶の仕組みとか考えると、理にかなってることなんですけど……ちょっと説明すると長くなるので、そこは割愛しますけど。「思い出そう」とするということが非常に大事で。
上村:なるほど。まぁでも確かに……ちょっと前の時期ですけど、やっぱりみなさん電車に乗ってる学生さんたちは、みんな赤いシートを使って。ずーっと読んでましたね。
ロイ:そこで、頭の中で思い出すだけじゃなくて、口に出すと更にいいんですよ。
上村:あぁー。
ロイ:電車の中だと怪しくなっちゃうんですけど(笑)。
上村:そうですね……いくらマスクしてても、やっぱりちょっと怪しいですね。
ロイ:そうそう……でもそこで、目で見るだけじゃなくて口に出すことで、いっぱい五感を使うことになるので。そうやって口に出すこともいいですね。
上村:なるほど。今、目で見て覚えるのもそうですし、いろんな本にCDが付いていて、っていうのも多くて。今、僕、電車乗るときとかは聞きながら乗ってるんですけど。やっぱりこう、聞きながら英文と言いますか……口に出したくなりますね、すごく。
ロイ:うんうん。
上村:まぁ実際出すと、不審者的な感じになってしまうんでしょうけど(笑)。でもやっぱり、口に出すってすごく印象に残ると言うか。その時の口に出したことを、思い出しているような感じなんですかね。それで余計、身体に落とし込まれるような感じはしますね、確かに。
……なるほど。「覚える」のではなく、「思い出す」。
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