2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
Project Award最優秀事例講演(全1記事)
提供:アステリア株式会社
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柳富也氏(以下、柳):本日はDevFes 2022 Summerの場で発表の機会をいただき、ありがとうございます。SCSK株式会社の柳富也と申します。
今回弊社が発表するのは、i-PRO株式会社さまのASTERIA Warpによるシステム連携基盤構築プロジェクトです。短い時間ではございますが、よろしくお願いいたします。
ご覧のアジェンダで説明させていただきます。
まずはプロジェクト概要です。エンドユーザーはi-PRO株式会社さまで、監視カメラなどの製造販売をしている製造業の企業です。パナソニックのセキュリティシステム事業部を母体とし、2019年に独立。2022年4月1日にi-PRO株式会社として社名変更をされました。
もともとパナソニックグループのシステムを利用していましたが、システムとしても独立が必要でした。移行期間を経て、2022年度前半までに、基幹システムを含むほぼすべてのシステムの新規導入が必要となりました。
このプロジェクトの主な課題として、まず20を超えるシステムがほぼすべて新規導入で、各システム間のデータ連携について、1から調整が必要だった点。次に、海外を含め複数ある拠点ごとに立ち上げ時期が異なる点。そしてそれらの対応を、非常にタイトなスケジュールで行わなければならないという、3点でした。
これらの課題に対し、さまざまなプロトコルやファイルフォーマットに対応していて、短期間での開発が可能、かつ流動的なスケジュールにも対応できる製品として、弊社よりASTERIA Warpを提案し、見事採用していただきました。
i-PRO株式会社の市岡さまに採用した理由をおうかがいしたところ、こちらの5点を挙げていただきました。
まず「新規導入システムが多数存在し、データ連携ツールが必要だという認識があった」。次に「データ連携のメインシステムがSAPであり、カスタマイズの場合にコストがかかるため、開発費用の低減が課題となっていた」。
次に「ノーコードかつ標準化により、タイトなスケジュールにも対応できそう」。そして「内製化が可能なツールであり、今後の運用がしやすくなると感じた」。
最後に「他のデータ連携ツールに比べ、SAPとのアダプターがあるなど、SAPとの親和性が高いと判断した」。この5点をコメントいただきました。
次にシステム概要です。今回ASTERIA Warpの活用方法としては、システム連携基盤として構成し、さまざまなシステム間のプロトコルの違いや、フォーマットの違いを吸収する役割としました。
連携システム数は20以上ありましたが、ここでは書ききれないため、図では代表的なシステムを抜粋しております。
ERP(企業資源計画)であるSAPや、DWH、CELFなどのデータベース、または専用アダプターを使用したSalesforce、Active Directory、Excelの連携。そしてこれらの基幹システム以外にもPLMやASPROVA、MESといった製造系システムとの連携など、さまざまなシステムとの連携基盤を構築いたしました。
またASTERIA WarpのURLトリガー機能を使って、ジョブ管理ツールであるJP1からHTTPで呼び出すことにより、他のシステムとASTERIA Warpのジョブを一元管理する仕組みを実現しました。
最終的に連携システム数は23、インターフェース数は214本となりました。
導入効果としては、4点ありました。1点目は短納期を実現できたことです。新規作成が必要であったインターフェース214本を、約4ヶ月で製造テストまで完了することができ、タイトなスケジュールにもかかわらず、遅延なくプロジェクトを遂行できました。
2点目は、柔軟な対応ができたことです。ほぼすべてが新規システムの導入ということもあり、インターフェースの追加や変更が多数発生しました。これらの変更要件をASTERIA Warpが吸収することで、他のシステム側の対応工数や期間を大幅に削減でき、プロジェクトを円滑に進めることができました。
3点目は運用性の向上です。214本ある連携処理をASTERIA Warp上で一元管理することが可能になり、不具合発生時の原因調査や引き継ぎ業務が効率化でき、運用性が向上しました。
4点目は開発コストの削減です。GUI開発による操作性の良さから、エンドユーザーさまがASTERIA Warpを1ヶ月程度で習得でき、社内で発生した改修案件を内製で対応できるようになり、開発コスト削減につながりました。
今回のプロジェクトで苦労した点は大きく2点ございました。1点目はシステム数、拠点数の多さによる関係者多数の大規模なプロジェクトであったということです。システムごとに担当ベンダー会社がいたため、複数会社と連携方式について調整する必要がありました。
このような課題に対し、ASTERIA Warp担当である弊社が中心となって週次で定例を行い、各システム担当者と連携方式や変換定義などを調整しました。
そしてその内容を、インターフェース一覧表などのドキュメントに集約して一元管理することにより、認識齟齬や漏れによる手戻りを防ぐことができ、システム同士の調整工数を大幅に削減することができました。
こちらの苦労点について、お客さまからは「さまざまなシステム担当者との調整で情報量が多い中、共通のドキュメントで仕様管理することで、大きな混乱なく実装することができた」。
また「さまざまなシステム同士の連携において、連携方式のパターンが何通りもあり、一つひとつ決めていくのが困難だと感じていたが、ASTERIA Warpを中心に連携ポリシーを決めることで、システム間での調整工数を減らすことができた」といったコメントをいただいております。
苦労した点の2つ目は、多数発生したインターフェースの追加、変更要件の対応です。ほぼすべての連携システムが新規導入であったため、プロジェクトを進める中で、仕様変更が多数発生しました。
インターフェースは当初80本程度となる予定でしたが、最終的には214本のインターフェースを作成し、仕様変更についても80件程度発生しました。仕様変更を含めると、プロジェクト中に3倍以上、対応本数が増加しました。
統合テストやユーザーテストをスケジュールどおりに進めるため、各連携システムの担当者より迅速な対応を求められる中、ASTERIA Warpで汎用処理の共通化やインターフェース処理のテンプレート化を行うことにより、大幅な生産性向上につながりました。(その結果)遅延なくプロジェクトを進めることができました。
こちらの点につきまして、お客さまからは「不意に発生するインターフェース追加や仕様変更の数の多さ、そして連携先から求められる納期の短さから大変な作業であったが、既存のフローを流用し開発工数を減らすことで納期を守ることができた」。
また「ASTERIA Warp導入当初は初心者であったが、操作性の良さとSCSK社のサポートにより、早い段階で内製が可能となり、より流動的に対応できた」といったコメントをいただいております。
他にもお客さまより、今後の展望と課題に関するコメントをいただいております。まず1点目は「今後発生する新規のインターフェースについても、ASTERIA Warpで実装し、連携処理を一元管理していきたい」。
次に「現在ASTERIA Warpで使っている機能はほんの一部であり、もっとたくさんの機能を活用していきたい。例えばExcelアダプターや、メール通知トリガー機能など、さまざまな機能を使っていきたい」というコメントがございました。
そして「連携処理の追加や連携データ量の増加を見据えリソースの増強やサーバー冗長化などの検討が今後の課題になる」といったようなコメントをいただいております。
発表は以上となります。ご清聴ありがとうございました。
アステリア株式会社
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