2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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森川亮氏(以下、森川):本日は「ANNA SUI COSMETICSはコロナ禍で宣伝・PR活動がどう変わったのか?」というところで、ANNA SUI・PRマネージャーの澤田さんにお越しいただきました。じゃあ簡単に自己紹介をお願いします。
澤田樹里氏(以下、澤田):はい、初めまして。ANNA SUI COSMETICS・PRマネージャーの澤田と申します。この度は貴重なご機会をいただきまして、ありがとうございます。森川さん、よろしくお願いいたします。
森川:はい。お願いします。私、C Channel株式会社社長の森川でございます。みなさんお忙しいところ今日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。200人を超えるぐらいのみなさんにご参加いただいている、ということでございます。
ではさっそく始めたいと思います。澤田さん、コロナ前後でPR・宣伝活動がどのように変わったのか、お話しいただけますでしょうか。
澤田:はい。よろしくお願いいたします。このお題をいただきまして、すごくコスメ業界が変わったなと思うことがたくさんあるんですけれども。
まず我々、化粧品業界というのは……弊社の場合ですけれども、大きく言うと年4回。細かく言うと年8回ぐらいは新商品が発売になるので、コロナ前まではマーケティングもPRもそれに向かってプロモーションをかけていた、計画していたというところがあるんですけれども。
コロナになってから、まず発売が延期になったりですとかで、そういうことに関してはプロモーションも止まりますし。あとは店頭に関してもそうですよね。新商品があるので毎回それに向かって動いていたのが「今ある商品でどう動こうか?」。そういうところは、すごく変わったところの1つになります。
森川:特に、店舗の方にお客さまが来るのがなかなか難しかったり、ということもあると思うんですけれど、そのあたりはどのように対策されたのでしょうか。
澤田:弊社全体がECよりも対面販売、実際にお客さまにお越しいただいての販売というものを大切にしていたので、その点はけっこうダメージというか、大変な局面ではあったんですけれども。ANNA SUIにおきましてはECを立ち上げようという時期でもあったので、ちょうどコロナに間に合ったのはすごく良かったかなと思っております。ちょうど自粛期、6月ぐらいに立ち上がっています。
森川:なるほど。
澤田:まだまだ本当に初めてのことが多いのですが、おかげさまでそのECを立ち上げてから、店舗1店舗分強ぐらいは売り上げがありますね。
森川:なるほど。じゃあかなりECのスタートも順調だということですね。
澤田:そうですね。まだ手探りの部分は多いのですが、店頭に行きたかったお客さまがECで買われているケースもありますし、店舗といっても全国どこにでもあるわけではないので。これまで買いたかったけど機会がなかったお客さまも、ECで買われるケースが多いように見受けられていますね。
森川:なるほど。ちなみに店舗で、BA(ビューティアドバイザー)さんががんばっていらっしゃると思うのですが、何か変わったことはありますか?
澤田:どうしてもシフトが減ってしまったりとか、自宅待機の機会も多かったかと思います。それに関しましては、自宅でできることをやってみたりですとか。あとはこの後もお話に出るかもしれませんが、例えばSNSのほうで美容部員さんに協力してもらったりですとか、そういう動きにはなっていたりしますね。
森川:そうですよね。そういう意味でInstagramを活用したマーケティング施策というところで、いろいろ工夫されたと聞きました。元々はどうされていて、コロナでどう変わったのかをお話をいただけると。
澤田:実は私はPR専門でして、他にマーケティング部隊がいて。マーケティング部隊が中心で動いているので、私が知っている範囲でお話をさせていただきます。
これまでは、どちらかというと「イメージの訴求」ですね。新商品が発売になると、プロダクトのきれいな写真をインスタにあげたりですとか、モデルの写真をあげたりですとか。そういうイメージで訴求して、みなさんにお買い求めいただけるような、購買意欲をそそるような感じのことを投稿していました。コロナ期になった中では、なかなか対面販売ができないために、商品に関してもう少しリアルな情報をお伝えする(必要がある)という面で。美容部員というよりは、美容部員をレクチャーしているトレーナーですとか、そういった者が実際に出ている投稿もするようになってけっこう反響が良かったりしますね。
森川:我々もSNSでいろんなコンテンツを配信する時に、エンゲージメントと呼ばれるlikeとかコメントとかを気にしているんですけど、そのあたりの反応ってどうでしたでしょうか?
澤田:エンゲージメント数も良かったですが、目に一番留まったのは、コメント数の多さかと思っています。
やっぱり「モデルさんが商品を使っている素敵なシーンの投稿」にコメントする方って、なかなか少ないかなと思うんですけど、それが(トレーナーがInstagramに登場することで)よりリアルになったので。「私も欲しいです」とか「それどうやって使うんですか?」といった、コミュニケーションとしてのインスタが活用されるようにも見受けられたりしますね。
森川:逆に積極的に質問を受け付けたりとか、そういうこともやられているんですか?
澤田:そこまで積極的にはしてはいなくて、今後やってみてもいいかなと思うんですけれど、先月から2週間おきぐらいの頻度で、インスタライブとかを始めていまして。そういう時はやっぱり、質問を受け付けてリアルに答えられる場が設けられているかなと思っています。
森川:どんなライブ配信をされているんですか?
澤田:実は先ほどの「新商品の発売がしばらくない」というお話にもつながるんですけれど、そのために我々が何を考えたかというと、ANNA SUIが今年で21年目になるので。なので、やっぱり長く愛されてた商品も実はあって。それを我々も訴え続けることがなかなか難しかったので、立ち返ってその企画をしていまして。
第1弾がここにもあるんですけれども「ゲルファンデーションプライマー」という。つけてあげると、形状記憶をしてハリが出てくる……。
森川:すごいですね。
澤田:そうなんです。そんなアイテムがあったりですとか。
もう1つがこちらですね。「ポアスムージングプライマー」。こちらは元々すごく人気があるアイテムなんですけど、毛穴とかが気になる方に仕込んであげるというアイテムで。ロングセラーというのももちろんそうなんですけれども、やっぱりコロナ禍の中で、口元のメイクがマスクで難しい中で。
森川:あ、なるほど。
澤田:「どうしても、マスクの中のメイクが崩れてしまう」という女性の悩みを解決してくれるアイテム2品でもあったので。そのことについて、最初、インスタライブでトレーナー2人で配信しました。せっかくメイクのブランドでもあるので、フルメイクでライブ配信したんですね。
その時も、店舗によっては「(インスタライブで)紹介されていたフルセットをください」という方が店頭に現れたりとか。
森川:本当ですか。すごいですね。
澤田:やっぱり数字としても、この(配信企画)『We love it』はライブだけではなくていろいろなSNSとかでも配信している中で、商品によってはそれまでの5倍ぐらいの売り上げであったりとか、かなり数字に直結しているので。新商品が発売延期になったのは残念なところもあるんですけれども、結果としてこういう企画をやってみたのはすごく良かったかなと思っています。
森川:なるほど。やっぱり(発売開始から)長い商品は認知度が上がっても、実際にその使い方とか機能に関して、意外に知らない方が多いんじゃないかなと思うんですが。そういうところも、きっちりと説明をされたことが良かったんでしょうか?
澤田:そうですね。まさにおっしゃるとおりです。弊社は対面販売を大事にしていたというのも、新商品の頃は雑誌にいっぱい出たりします。商品とただ説明(の文章)を見るだけでは伝わらないというところが、ライブで使い方の紹介や、あと実際につけたところを見せてあげることによって理解が深まって。(その結果、店舗を訪れて)実際に手に取っていただく、購買につながるというところがすごく大きかった気がします。
森川:なるほど。ライブにスタッフの方が出ることに関しては賛否両論あったと思うんですが、どんな議論がされたんでしょうか?
澤田:私もそこに直接携わったわけではないので、知っている範囲にはなります。
過去はやっぱり、個人のセキュリティというか、一般人なので……というところはありました。コロナ禍で業界全体が(感じているのが)「モデルやインフルエンサーよりも、店員さん・美容部員さんのリアルな配信の方がすごく刺さる」というか。やっぱり共感を得るのかな、というのは実感していますね。
森川:なるほど。我々もライブ配信とかライブコマースをやったりする中で、おっしゃるとおり特に若いユーザーほど「自分ごと化しやすい方(モデル)」が出ている方が(ウケがいい)。例えばファッションの配信を我々はやっているんですけれども、あまりモデルのスタイルがいいと、(ユーザーが)自分に似合うかどうかわからなくて。
(モデルの)背が低いとか。ぽっちゃりな方でも痩せて見えるとか、あと高く見えるとか。そういうところを宣伝してあげることによって、自分でも買いやすいかなみたいなところはあるかもしれないですね。
澤田:まさにおっしゃるとおり、自分ごと化というのはすごく感じますね。SNSの中でも、そういう紹介の仕方をしていると変わってくるかなと思います。
森川:そこから、ECに流し込むみたいなこともやられたんですか?
澤田:そうですね。いろんなやり方を模索しながらやっています。特にインスタライブについては……もう『We love it』も第2回で、商品を紹介しながらで恐縮なんですが。こういう、マスカラのプライマーという商品がありまして。
まつ毛の下地を作ってくれるものなんですね。これがやっぱり、コロナ禍でマスクをしているとどうしてもまつげが下がるので、急に売れ出したんですね。やっぱり、そういうのを求めている方が多いのかなという。
森川:なるほど。
澤田:それでその時のライブに、これを長年紹介してくださっていた(瀬戸)麻実さまという美容家さんがいらっしゃって。その方もインスタとかでどんどん人気が上がってきた方で。その方にお声がけして。
あとはマスクをしている状態で目と眉しか映らないので、この商品と、あともう1個。リボン型の可愛いアイブロウがあるんですけれども。これで「ちゃんと目元をメイクしましょうね」というテーマのライブ配信をしました。
その時せっかくなので、限定キットをライブ配信後にECのみで発売したんですけれども、すごく待ち構えていた(瀬戸麻実氏の)ファンの方とかもすごく多かったので。本当にすぐ、商品が動きました。
森川:そうなんですね。今後もやっぱり、そういうものは増やしていこうとお考えなんですか?
澤田:そうですね。定期的にライブ配信をして、それはファン育成にもなっていくと思いますし。まだまだリアルでショッピングがスムーズにはできない中で、お客さまが欲しくなるような施策は立てていきたいなとは思っておりますね。
森川:なるほど。でも、澤田さんもすごく慣れていらっしゃいますね。
澤田:え?
森川:なんかちょっと、YouTuberみたいな感じで。
澤田:初めてやりましたよ(笑)。
(一同笑)
森川:ぜひ今度、チャンネルを立ち上げてみてください。
澤田:無理です、無理です(笑)。
森川:(笑)。ちなみに、Instagramをいろいろご活用されていると思うんですけれども。「Instagramをやる意義」みたいなところとかって、どんなふうにお考えですか?
澤田:やっぱりリサーチしていても、(ユーザーの)接触回数が一番多いのがインスタだったりすると思うので。その中で、引き続きリアルな発信ばっかりではなくて、イメージで「ものすごく素敵だな」と思ってもらえるような訴求も必要だと思いますし。
一方で、時折そういうライブとかを中心に、リアルで店頭になかなか行けない中でも「自分ごと化」できるような、そんなイベントを開催していくことで、ファン育成にはつながりやすいのかなと思っています。
森川:なるほど。いろいろ物を買う時に、ネットで口コミを調べるみたいなところがあると思うんですけれども。そういう口コミ施策みたいな感じではどうでしょうか。
澤田:口コミ施策に関しては、やっぱりリサーチしたり、若い方とかにヒアリングする中では、いろんな接触で商品って買いたくなるみたいで。インスタだけに限らずTwitterであったりとか。あとはコスメのサイトを見たりとか。
1つのアイテムを買うのに、実はいろんなSNSを駆使して商品にたどり着くそうで。やっぱり、そこまでして初めて購買につながるということが、特に若い方は多いみたいなので。やっぱりそういう口コミは、いろんなところで貯めていきたいなと思っています。
森川:確かにそうですよね。特に若い方は、お金がないと買うのも慎重になっちゃうというか、本当に損しないような買い方をするのかなと思ったりします。逆にそのあたりで、課題だなと思うことはありますか?
澤田:我々のようなマーケティングとかPR(の立場)って、ある意味、商品を知ってしまっているので。逆にお客さまの立場で、どう接触してどう購買していくか。特にECとかを含めてというのは、まだまだこれからリサーチをかけたりして、効果的なところを見つけていきたいというところもありますし。そういうチャネルが増えていくのは、すごくいいかなと思いますね。
森川:なるほど、ありがとうございます。そんな中で今回Lemon Square(C Channelが運営する、マッチングプラットフォーム)を使っていただいたというところで。いかがでしたでしょうか?
澤田:立ち上げ段階で声をかけていただいたかな? と思っているんですけれども。実際にその時は商材として、4月に発売になった小さい5種のスキンケアのボトルが入ったセットでやらせていただきました。
投稿もすごく素敵で、とても丁寧にインスタにあげていただいているので。その結果がエンゲージメントとして、すごく高い数値に上がっていったのは、私としてもいい意味で驚きではありました。
森川:そうですね。Lemon Squareに登録されている方が「ナノインフルエンサー」ということで、今までそういうことに慣れていない分、スレていないというか。すごく真面目にやっていただくというところで、それがまたユーザーさんに響くというか。そういうところはあるような気がしますね。
澤田:はい、そうですね。ちゃんと投稿の内容とかも見させていただいたんですけれども。やっぱりコメントとかに関しても、丁寧に返されたりとかしていて。そういうことの繰り返しで、その方も「ナノ」から「マイクロインフルエンサー」になられたりするのかなと思いますけど。
やっぱりそういう方を見つけて、ファンになったりとか。それこそ本当にオタクみたいな子たちというのは「イエベ・ブルベ」(自分の肌に合う色の診断)みたいな。(インフルエンサーが)自分と似ている肌だからとか、そういうのでファンになって追いかけている方も多いって聞くので。やっぱりそのあたりの層の方の投稿というのは、すごく大事かなと思います。
森川:なるほど。やっぱりアレですね。メディアもそうですけど、どんどん分散化していって、自分の趣味趣向に合う人を選んでいくみたいなかたちになるんですかね。
澤田:そんな気はしますよね。我々の世代は「雑誌で見て」とかそんなんだったんですけども。それが今では、自分に近い人のオススメであったりとか、そういうのを見られるのは楽しいと思いますし。
どんどん没入していくというか、のめり込んでいくんでしょうね。そういうの見ていて、伺える気がします。
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