2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Yet More Evidence That Vaping Is Probably Terrible | SciShow News(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:怖い思いをしたり、ストレスがかかったりすると、体は「闘争・逃走反応」を起こし、心拍数が上昇したり呼吸が早まったりします。
長い間、この反応は、副腎から分泌されるホルモンが原因だと思われてきました。しかし『Cell Metabolism』誌上で発表された論文によると、なんと、骨から分泌されるホルモンが、この反応を引き起こしているというのです。
自律神経系の一つである交感神経は、危険に反応し備える働きをします。腎臓の上部にある副腎から分泌される、アドレナリンやコルチゾールのような“ストレスホルモン”により、交感神経はコントロールされていると考えられています。
しかしこれだけでは、なんらかの理由によってストレスホルモンを分泌できない人や動物でも、鼓動や呼吸が早まり、急性ストレス反応が起こる理由が説明できませんでした。
事実、副腎を全摘出したマウスであっても、脅威に直面すると「闘争・逃走反応」によく似た反応を起こします。つまり、交感神経を活性化するホルモンの分泌源は、副腎の他にもある可能性があるのです。
ここ数年で、1つの研究グループが、骨がそのホルモンの分泌源であるという可能性を突き止めていました。そもそも骨格の役割は、捕食者から逃れ、臓器を危険から守ることです。研究でも、骨から分泌される「オステオカルシン」というホルモンが、運動中の筋肉の機能を高める働きをすることがわかり、これはよいスタート地点に見えました。
研究グループは、マウスの脚に電気刺激を与えて(ストレス反応を起こして)から、血中のホルモンを測定しました。案の定、オステオカルシンの量はわずか15分の間に150パーセントも上昇しました。
さらに研究グループが、マウスにキツネの尿の成分を嗅がせたところ、電気刺激と同様に、オステオカルシンの数値は急上昇しました。マウスが尿成分の臭いを嗅いでから数分でピーク値に達し、そのままの状態が数時間持続されたのです。
人間の被験者でも、ストレスに晒されると、オステオカルシンが同じような上昇を見せました。人の場合は、キツネのおしっこの臭いを嗅がされるのではなく、大勢の前で話すタスクを与えられたのですが……。
さて、研究チームのさらなる課題は、この骨のホルモンが“脳のストレス処理とどう関連しているのか”を探ることでした。研究チームは、オステオカルシンを注射されただけで、マウスがストレス反応を起こすことを突き止めました。
また、神経を鎮静化させる薬品を、マウスの脳の恐怖を司る部位に注入したところ、副腎を全摘出しても抑えられなかった、オステオカルシンの上昇が抑えられました。オステオカルシンによる反応は、副腎のストレスホルモンに頼らず、補完的に切り替わることがわかったのです。
研究グループはさらに、オステオカルシンがどのように「闘争・逃走反応」を引き起こすのかについて調べる実験を行いました。すると、オステオカルシンが「闘争・逃走反応」を引き起こすのではなく、“オステオカルシンがある物にブレーキをかける”ことで、反応が起きることがわかったのです。
マウスにオステオカルシンを注入したら、骨の中にある骨芽細胞が、グルタミン酸という神経伝達物質を奪います。
すると、交感神経に対して心拍数を下げるなどの働きをする副交感神経が、一連の生体反応の過程の中で弱められます。つまり、オステオカルシンは、興奮を抑える副交感神経系の活動を阻害して、交感神経を活性化させるのです。
このような交代するストレス反応は、私たちの理解を進めるのに役立ってくれますが、「ホルモンやホルモンが体に与える影響については、まだまだわからないことがたくさんある」と研究者たちは言います。脳と骨の関係を理解するには、“交代制のストレス反応”と“副腎の反応”が、どのように関わってくるのかを知る必要があるのです。
より研究が必要なものといえば、電子タバコ「VAPE(ベイプ)」が挙げられます。電子タバコが発売されて以来、医師たちは、通常の喫煙とはどのような違いがあるのか、健康面で調べてきました。電子タバコのメーカーは、「電子タバコは無害であり、少なくとも通常の喫煙よりは遥かに安全である」と主張しています。しかし喫煙とは別に、どうやら電子タバコ特有の問題があるらしいことがわかってきました。
『Clinical Investigation』誌上で最近発表された論文には、これを裏付ける検証結果が掲載されています。論文によると、電子タバコはマウスの肺の免疫細胞を変異させ、感染症にかかりやすくさせるというのです。実験では、昔ながらのタバコの煙を吸わせたマウスと、ニコチン入りとニコチン無しの両種の電子タバコの煙を吸わせたマウスを、その後に通常の空気に入れました。
電子タバコの煙を吸わせたマウスには、通常のタバコを吸った時に見られるような、肺気腫などの発症につながる肺の炎症や構造の変異は見られませんでした。これは、良いことですね。
しかし、顕微鏡で肺の組織を見たところ、奇妙なことが起こっているのがわかりました。具体的には、マクロファージという免疫細胞が、(脂肪によって)過剰に肥大していたのです。脂質と呼ばれる脂肪は、細胞の大切な成分であり、肺機能と免疫機能において重要な役割を果たしています。
肺は、侵入者を防ぎ、酸素を通す粘液に覆われています。粘液の働きは、脂質とたんぱく質の絶妙なバランスによって保たれています。マクロファージの役割は、この粘液に必要な脂質の量をバランスよく保つことです。マクロファージに脂質が蓄積してしまっている場合、この粘液に異常が起こっているということ。このような状態の肺は、感染症になりやすくなってしまいます。
研究チームは、もう一つ実験を行いました。この実験では、3ヶ月間、ニコチンありの電子たばこを吸わせたマウス、ニコチンなしの電子タバコを吸わせたマウスと、通常の空気を吸わせたマウスに、致死率の高いインフルエンザウイルスを投与しました。すると、ニコチンの有無に関わらず、電子タバコを吸ったマウスは、明らかに致死率が上昇しました。
致死率がそれほど高くない病原菌を投与した場合も、電子タバコを吸ったマウスの体重は減少し、研究者たちは、これは免疫反応が弱体化したためと考えました。また、マウスの肺の炎症マーカーも上昇しました。
結論は明らかのように見えました。電子タバコは、ニコチンの有無に関わらず、肺の免疫機能に害を与えるのです。ただ、この結果はマウスの場合の話ではありますが。
とはいえ、人体でも似た現象が起こるとしたら、近年、電子タバコの愛煙者の間で肺炎が急増していることの説明がつきます。研究では、肺炎患者の肺のマクロファージにも、同じように脂質が蓄積されていることがわかりました。このように、人間と動物の類似点は憂慮すべき結論です。とはいえ、「電子タバコを吸った人」と「肺の感染症」との直接の関連性を立証するものではありません。
また、肺の免疫細胞を変異させるものが、電子タバコのどの成分であるかもわかっていないのです。もしそれを特定できれば、成分を置き換えて、電子タバコを安全な製品にすることができるかもしれません。
しかし、数々の研究が、電子タバコには電子タバコ特有の害があることを示しているように見えます。アメリカ食品医薬品局をはじめとする、医療のルールを取り決めている団体が、「電子タバコは安全だ」とする企業の申請を却下し続けているのは、そのためです。また、通常の喫煙に比べて、電子タバコのリスクが低いか否かは、残念なことに未だ疑問のまま残されています。
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