人口減少により学校が潰れていく

中島一明氏(以下、中島):先生方、こんにちは。龍谷高等学校で教務主任兼ICT教育推進室長を務めます、中島と申します。どうぞよろしくお願いします。今日は私から「ICTの運用と組織マネジメント」について少しだけ話をしたいと思います。

本校では「5プラス1」という教育方針を掲げてICT教育の取り組みをしております。

いきなり「学校が潰れる」という題名になっていますね。このグラフは、佐賀県内の18歳以下の人口の推移になります。ちょっと減り続けておりまして、今年の高校3年生は9,023名です。中学3年生は8,214名。単純に引き算すると、約800名は減っているということです。うちの学校(の生徒数)は800名ですから、このままでは完全に潰れることになります(笑)。

さらに10年後は、7,196名。1,000名も減っていますから、さらにもう1校なくなるということになります。ちょっと冗談ぽく言ってますが、これはもう現実のものとなってきているのかなと思っております。

新しい時代に合った新しい学校を創る

冒頭で喜多校長から話がありましたように、本校は今年で140周年を迎える古い学校で、良く言えば歴史がある学校です。3年くらい前までの本校のイメージは古豪というか、保守的なイメージが非常に強かったと思います。

私が教務主任になったのは今から4年前になりますが、子どもがどんどん減り続けているなかで同じことをしていても、どんどん生徒数が減っていくとなると、いずれジリ貧になって最後にはなくなってしまう。そう考えておりました。

古さを残し、建学の精神を守りつつも、新しい時代に合った新しい学校を創っていかなければならない。新しいことに挑戦していかないといけないなという気持ちでした。

龍谷高校を紹介した動画がありますので、今から少し流したいと思います。

(動画が流れる)

動画の中にもありましたが、特別進学科があるものの、部活動のイメージが強かったこともあり、これからはやはり学力をつけていかなければならないという危機感がありました。

今後を見据えたICTのソフト環境を創る

ここからは、現在のICT活用状況を説明していきたいと思います。

やりたいことに合わせたツール選択ということで、ハードの面についてはまだまだのところはありますが、ソフトは少しずつ体制が整ってきております。e-Portfolioと保護者との連携については、今年度よりClassi(ICT教育をサポートするクラウドサービス)を活用しております。

これは、中学1年生から3年生、高校1年生から3年生の6学年に、今年度から一気に導入しました。年次進行という考え方もありましたが、やはり共通のプラットフォームがあったほうが改革が進むんじゃないかなと考え、一気に導入することとなりました。

(スライドを指して)まだ研究段階ではありますが、ロイロノート・スクールも一部で活用しております。

それから学習教材についてです。(スライドを指して)これは1番最初の先進的な取り組みになるんですが、総合・保育コースのすららをはじめとして、文理進学コースのClassiや特別進学科のスタディサプリをコースに合わせたeラーニング教材として導入しております。

サービスの利用と使い分け

まず特別進学科については、リクルートのスタディサプリというサービスを使っております。

これは動画が中心で、比較的長い時間視聴する必要があります。ある程度学力がないと退屈してしまうような点もあるので、そういった意味では難関大学に広く対応したスタディサプリを活用しているということです。

文理進学コースについてはClassiを使っています。先ほど「今年度よりClassiを導入した」と言ったんですが、それとサービスは同じで、使っているコンテンツがちょっと違います。文理進学コースで使っているのは学習機能です。

例えば、Webテストや学習動画の配信など、コンテンツを分けて使っています。ちなみに特別進学科もClassiのIDを持っていますが、学習機能ではスタディサプリを使っている状況です。

学力に関係なく万人に使える「すらら」

そしてすららについては、本校の学力層では中間層から下位層のコースになりますが、総合コースと保育コースで使っている状況です。

すららとの出会いは、ちょうど3年前の11月ごろだったと思いますが、広島県にある広陵高校さんでセミナーがありまして。たまたま当時の校長に「行ってこい」と言われまして、渋々行くことになりました(笑)。

実はそのとき、特別進学科ではスタディサプリの導入は決まっていたんですよ。(総合コース・保育コースでは)スタディサプリを使うのは少し無理がありますから、どうしようかと思っていたんですが、すでに基礎学力を伸ばすためマナトレをやっていました。ただ、紙の媒体であるということに難しさを感じていました。

総合コースと保育コースの生徒たちは、中学校全般の学力がしっかりついていない状況で高校へ入学してきます。早く解ける人と時間のかかる人が同じ教室のなかにいると、どうしてもうまくいかないんですね。まだ解けていないうちからあちこちでしゃべり始めるということが起きてしまうので、これではまずいことになりますね。

そこで「なにかいいのないかなぁ?」と思い、たまたますららのセミナーに行ったら、「万人に使えるので大丈夫ですよ」というようなことをセミナーで言っていまして。最初はちょっと怪しいなと思ったんですけど(笑)。

まあちょっと聞いてみるか、ということで詳しく話を聞いてみたところ、すららならできるのではないかと思い、最終的に導入を決定したということになります。ICTにしかできないすごさを知ったところは大きかったですね。

すらら導入を決めた3つのポイント

教材の選定ポイントはいくつかありますが、やはり基礎学力向上の実現が大きなテーマかなと思っております。

まず1点目は、総合コースと保育コースに入学してくる生徒は、中学校の範囲の学力の定着が不十分です。

もちろん、きちんと定着している人もいますが、全部の層に対応していないと意味がありません。上位層だけに使えるとか、下位層だけに使えるというのは意味がないということです。

ICT教材を使うことで、これまでできなかったことができるようになりました。自動化された機能があるかというのは、導入の大きなポイントになるかなと思っております。

実際にすららで使っているドリルでは、一人ひとりに合った問題が出題されます。なので、その点についても我々が要求していたものになっていたかなと思います。

2点目は、生徒の家庭学習を充実させられるということ。恥ずかしながら、特別進学科には頻繁に課題を出していたんですけれども、総合コースと保育コースについてはそれほど多く課してなかったんですね。だから、家庭学習をしっかりさせるということは大きなテーマだったんですね。

その点、すららにはわかりやすいレクチャーもありますし、個別に出題されるドリルもありますから、自分で勉強を進めていくことができます。家庭でもできるという点で、我々の要求していたことを満たすことができました。

3点目は、教材会社が豊富な成功事例を持っていることです。これはけっこう重要で、先生方は授業をすることは得意なんですが、ICT機器を扱うことは意外と不得意なんですね。困ったらやらなくなる、ということが起きてしまうんです。

それをすららは全部助けてくれます。こちらが持っていないノウハウでも、「これ、ちょっとできないからお願いします」と言うと担当の方が全部やってくれるので、比較的スムーズに導入することができますね。その点もすごくよかったかなと思っています。