「継続的に農業改革をバックアップしている政権は今までにない」
小泉進次郎氏(以下、小泉):農業改革は特区とはまた別だけど、やっぱり官邸の農業改革に対する継続的な意欲。これって言うのが改革の大きなテコですよ。
これは農水省だけではできない。やっぱり官邸を含めて農業改革をやらなきゃいけない。これだけ農業改革に官邸を含めて継続的にバックアップをしている、そういう政権は今までないですよ。
生田よしかつ氏(以下、生田):ああなるほど。そりゃそうだわ。
小泉:僕、今でも思い出しますけど。去年の改革でかなり激しいぶつかり合いがあった時期に、たまたま国会の本会議場で総理とすれ違ったんですよ。そのときにね、総理から「(肩を叩きながら)農業改革、農業改革」って言われてね。「ハイ。がんばります」っていうのがありましたけど。そこで官邸がしっかりとウォッチしてくれてるというね。
生田:なるほど、なるほど。安心感もあるしね。
小泉:この部分って、やっぱり大事なんですよ。
平将明氏(以下、平):本当にこれは、僕は安倍総理のリーダーシップと人柄だと思いますよ。こっちが深刻な顔をして言っても、明るいんだよね(笑)。それで「これやったら本当に怒られちゃうでしょ」と言いながら、「でも、やろう」と言ってくれるのは、やっぱり勘もいいし、我々としては助かるよね。
あれで総理に知らん顔されたら、できないもんな。特区なんかな。
生田:ハシゴを外されるんだったら、そんなのできないよな(笑)。
平:だから今の議論はドンドン脇道に逸れて行っちゃってるし「なにかあったら特区を潰してやろう」っていう人はいっぱいいるわけです。間違いなく。だから、それにも乗っかってはいけない。
生田:ここにもいるよ。
平:そんなのいっぱいいますよ。
反対派は声が大きく、賛成派は声が小さい
小泉:基本的に賛成の人って声をあげてくれないんですよ。
生田:ああ、移転問題と一緒。
小泉:だから、反対する人は徹底的。しかも、これはどの世界でも共通だけど、反対する人のほうが理論武装できているんですよ。やたら最後のところで「そんなことわからないから」というところを徹底して追及する。
生田:だって、それが手だもの。
小泉:これはどの業界でもそうだと思う。農業改革もそうだったけど、農協と向き合って、いろいろおもしろくないこともわかるけどね。「でも、このままでいいわけないじゃないですか」と。いろんなかたちで向き合って言うわけですよ。その会が終わった後に組合長とかが僕のところにきて、「小泉さんの言う通りだよ」って言う。だからマイクで言ってよ、と。
生田:その場で言ってよ、みたいな。
小泉:絶対に言わない。そして、マイクで言う人は反対派。マスコミが書くのは「反対一色!」とか。
生田:だからさぁ、マスコミなんて「両論併記だ」としながらよく言うよ。俺の話なんて4行だよ。あとは全部、移転反対だよ。バカヤロ、まったく。
平:でも本当にそうだよね。「民泊」もそうだったよ。後からきて「いやぁ平さん、実は俺は反対じゃなんだよ」ってけっこう言ってたけどね。
小泉:いやだから、トランプ大統領が言ってたけど。ファイクニュースって言ってるけど、日本にもいっぱいフェイクニュースがあるから、本当に。
平:だから規制改革とか特区というのは、自民党の中では進めようとする人は少数派なんですよ。
ただアベノミクスを見たときに、金融緩和限界があるし、財政出動に限界がある中で、成長戦略は自由貿易の推進と規制改革。それでTPPがこんな状況の中で規制改革しかないわけです。そうしたら特区を進めるしかないじゃん。という今の環境の中でそういう見方をしている人は、特区だとわかるんだけど。
でも、違うアプローチで現場のディテールを積み上げてくる人、後は利害関係で繋がっている人は、そういう理屈は通じない。だから「またなにか平とか小泉とかが調子に乗ってやってるな」という話なんですよ。少し冷静な議論をしほうがいいと思います。
生田:でも、変えていかないとダメだよ。
平:もう、ぜんぜん違うから。
「人生100年時代の〜」はボトムアップだった
ということで、せっかく小泉さんが来られたので。最近、小泉さんはですね、副大臣と政務官のときはほとんど一緒で、家族のようにずっと一緒にいた。今ちょっとお互いに違う仕事をやっているんですけどね。
今お話しいただいた農林部会長の話と、もう1つはですね。これ、長いんですよ。「人生100年時代の制度設計特命委員会」事務局長。なにか保険会社の宣伝みたいですけど。ということで、今マスコミでいろいろ議論になったのは、「こども保険」ですね。
一方で、民進党なんかは「こども国債」。言葉はみなさんもい聞いたことがあるかもしれないけど、どういうところに背景があって、どういうところに手当てをしようとしてるのか。そのお金をどこから持ってくるのか。だいたい3つぐらいの論点があると思うんですけど、これについて議論をリードして、急にできたんだからね。政調にね。この特命が。
小泉:そうですね。その特命委員会ができた経緯自体が、僕は自民党の政策決定過程のイノベーションだと思ってて。
生田:どうやってできたの?
小泉:基本的には、自民党の中で政調会長が関心があるテーマについて特命委員会でやろう。
平:だから、経済構造改革の特命委員会は政調会長なんですよ。
小泉:政調会長のトップダウンなんですね。だけど、今回の「人生100年時代の制度設計特命委員会」は、僕らの小委員会で提案したことを受けて、「じゃあそれは特命委員会にしてやろう」というボトムアップだったんですよ。
今までのトップダウンと今回のボトムアップということで。自民党の中になかった特命委員会の設置のプロセスをとった。
平:しかも、時期の途中でいきなり特命委員会ができるってあまりないですよ。
生田:政調会長が決めるわけだろ。
平:もちろん。だから僕らのところは、経済構造改革と働き方改革というメインじゃない。だから去年の9月にできているわけ。この特命委員会はボトムアップできて、「これはおもしろい」というので急遽、特命委員会になったんです。
生田:自民党も変わってきたな。だいぶ。
小泉:本当にありがたいですよね。
「こども保険」も、舞台を小委員会から特命委員会へ
だから今回の「こども保険」も、そういったかたちで小委員会から特命委員会に舞台を移したものだった。最近は、先週ですけど中間取りまとめを行なって、政府の方針の骨太の方針に反映をしてもらう。
平:これは今日、明日が最終のピークなんですよ。
生田:あら、そうなの。
平:今日ぐらいかな。だからこのあたりで今、政府と党で駆け引きやって「なにが入ってなにが入らないか」をまさに決めているところです。
生田:こんなところで喋ってる場合じゃないな(笑)。
平:これ終わったら私も電波規制の緩和のほうでやるし、小泉さんも政府といろいろやらなきゃいけないわけです。生田さんに説明している場合じゃないんですけど、今日は特別にね。見ていらっしゃる方もいるので。
小泉:(正面の画面を指して)これ、さっきからコメントがいっぱい出てますけど、批判をしている人は中身は全部読んでないですね。
生田:いや、わからないんだよ。
小泉:わからないですね。だからこれも報道で1面的なところも多いので。
平:ネガティブに報道されてる感じがするね。
小泉:あるよね。だけどこれネガティブにしてもね、やっぱり悪名は無名に勝るということもあるから。
平:片山さつきさんですね。違いますね。ごめんなさい。
小泉:まったく聞こえない(笑)。
生田:すみません。今の編集でお願いします(笑)。
小泉:僕はそこはちゃんと伝えていかないといけない。こっちの説明の努力も必要だし、やっぱりまず聞いてもらいたいですよね。
生田:聞きたいです。
小泉:その中で「本当に少子化対策って待ったなし」は共有できますよね。だったら、もっと子ども向けの予算、少子化対策ということはやっていかないといけないという。そういったところでしっかりと建設的な議論をするための「こども保険」なんです。