
2025.02.19
アルペンの“店舗の現場”までデータドリブンを浸透させる試み 生成AI×kintone活用の3つのポイント
10Xの紹介(全1記事)
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石川洋資 氏(以下、石川):今回、株式会社10Xの紹介をしますCTOの石川です。よろしくお願いします。今日お話しする内容は、会社の簡単な概要と今やっている事業、使っている技術についてです。
10Xという会社は、僕と社長の矢本の2人で創業しました。名前の由来は、10倍を創る「10xを創る」というミッションが基になっています。10xは何かというと、10倍を意味していて、それなりに事業をやろうではなく、社会に対してインパクトがあるものを作る意思表示です。
僕らが取り組む課題は、基本的に人が生活の中で抱えているような問題を解くことで、巨大なマーケットにエントリーできるものを探しています。今やっている「Stailer(ステイラー)」という事業は、その1つの例という位置づけです。
簡単に会社の沿革を説明しますと、創業は2017年6月。創業して3年経っています。創業した当初は「タベリー」という献立アプリを作っていました。このアプリは、代表の矢本が育休中に料理の献立を考えるのが大変だった体験をしまして、それを解決するプロダクトです。これを2017年にリリースしました。
いろいろ運用していって2019年に1個のターニングポイントを迎えます。タベリーで作った献立に必要な食材をネットスーパーで注文できる機能をリリースしました。
ネットスーパーも5社ぐらい対応している状態です。それを運用していく中で、ユーザーサイドの課題や食品小売の方とも接点ができました。そこから少し舵を切りまして、2020年5月に食品小売プラットフォーム「Stailer」をリリースして今に至ります。
現在の会社のチーム構成は13人。経営チームが僕と代表の矢本とファイナンスを担当している山田という者がいます。その他にソフトウェアエンジニアが6名とデザイナー1名、グロース1名、事業開発1名、カスタマーサクセス1名で、約半数がソフトウェアエンジニアです。やっているプロダクトも、基本的にはソフトウェアの強みを生かして活動しています。
次は事業紹介です。このStailerは、開発をほとんどしないでネットスーパーを立ち上げられます。スーパーなど小売業者の方に採用していただいて、そこを通じてエンドユーザーの方にリーチしていきます。
今、食品小売の方に採用していただいてエンドユーザーに届ける話をしましたが、最初のパートナーがイトーヨーカドーさんですね。これはもう既にリリースされていまして、App StoreやGoogle Playでもダウンロード可能です。このアプリは何ができるかと言いますと、普通に食品の売り場が見れて、そこから注文ができるものになっています。
Stailerがどんなものなのかについて。日本の中でも食品小売のプレイヤーはさまざまな方がいらっしゃいます。しかし、EC化できているのは、楽天西友ネットスーパーさんやイトーヨーカドーさん、ライフさんなどごく一部の大手の方だけです。企業規模が大きくてECに投資する余裕のある会社しかエントリーできていません。
それに対してStailerは、開発リソースや開発リスクを抱えられない業者であっても、ネットスーパーのアプリがリリースできるイメージで進めています。食品小売をEC化するのは、単純にECに出せばいいというものではありません。配送のオペレーションとか在庫管理とか、いろいろな問題がありますが、将来的にはそこまでエントリーしていきたいと思っています。
僕らはまだこのStailerで描いている絵の第一歩しか進んでいません。とりあえず既存の在庫管理や配送をシステム化ができているパートナーと組んで、まずは自分たちが得意な売り場のアプリを出すことを足掛かりとしています。これがもっと進んだら将来的には全国津々浦々のスーパーのEC化を支えるところまでいきたいです。
東京出身の方はイメージしづらいかなと思うんですけど、地方にはその地域に根づいた強いスーパーがあります。
例えば僕の地元ですと、フレッセイとかトーセンというお店が強いんですが。地元の人にしかわからないような強いスーパーは全国にたくさんあります。例えば北陸だとアルビスさん、中部地方だとバローさん。東京ではぜんぜん見ないようなスーパーがあるので、その人たちすべてに届けようとしている状態です。
なぜこの問題に取り組んでいるかというと、食品・飲料のマーケットは非常に大きく魅力があります。他の市場を見るとアパレルとか家具とか自動車関連とかいろいろありますが。その辺のジャンルは、例えばZOZOやニトリとかが順調にEC化を進めています。しかし、食品・飲料は市場規模が64兆円あるにもかかわらずEC化率が1パーセントとか2パーセント程度です。
そのため、市場としては非常にポテンシャルを秘めています。そこに対してこのEC化率を上げて、このオレンジの玉を右にもっていくのが、僕らがやろうとしていることです。
昨今の新型コロナウイルスの影響で、食品小売に関するオンライン化の需要が非常に高まっています。これはアメリカのデータですが、赤いほうがWalmart、青いほうがAmazonです。Walmartは、日本でいうと西友などが傘下に入っているスーパーマーケットです。ここのアプリが今需要が急増している状態で、この波はいずれ日本にも来るだろうと考えています。
そのように市場のポテンシャルや需要が高まっている状況です。しかし、今の食品小売のECには問題があります。従来のネットスーパーを始めるときに作ったシステムが非常にレガシーで、現在動こうにも動けない状態です。
要するにアジリティがすごい低い状態で、ユーザー体験を改善しようと思ってもできていないのが現状です。そのため、今は運用でカバーする方法しかありません。そこに対して我々は、アジリティの高いシステムを提供してこの現状を変えることをやろうとしています。
アジリティが低いのもある意味しょうがなくて、既存のシステム開発会社と食品小売の関係は受託みたいな関係です。要するに食品小売の方から「いくら払うからこういうシステムを作って」と言われて、開発会社は「わかりました」という関係になっています。そうなると、一歩動く度にお金がすごいかかる状態なので、放っておいても状態は改善しません。
そこに対してStailerはちょっと違うアプローチ......レベニューシェアのビジネスモデルをとっています。要するに注文数が増えれば増えるほど、その食品小売の方も我々も儲かる仕組みです。システムを改善していくことに対して、我々のほうが動機をもつ状態で契約を結んでいます。
なおかつ仕様や優先順位は我々10Xが決めます。こういう取り決めとか契約を結ぶことによって、仕様のコントロールは10Xの社内で収まるので、高いアジリティを実現しています。理由はもう1個あって、食品小売業者が開発のリスクを最小化できるメリットです。要するにお金が出る場所というのは、リリース移行のレベニューベースであって、初期投資ではありません。
例えば、ECサイトのリニューアルに10億円がかかる場合。開発したシステムがまったく改善しない可能性もあるので、10億円はリスクのお金になります。しかし、我々の場合はそういった開発費用のかたちではお金を取らないので、その開発リスクが発生しない状態を実現しています。
次は技術スタックについて。今はネットスーパーさんと連携してアプリを運用しています。どんなかたちになっているかというと、イトーヨーカドーさんの場合は既存のネットスーパーのWebがあります。そこのサイトを自動操作やクローリングをしたりして10X側にもデータをもらい、それをベースにAPIをモバイルアプリ向けに提供している流れです。
社内のシステム構成は、iOSアプリとAndroidアプリがあって、サーバでは主にGCPを使っています。要素を読み上げていくとBigQueryやKubernetes Engine、Cloud Endpointsなど。その後ろではCloud RunやPub/Sub、Cloud Functionsとかが動いています。
それぞれのシステムがどうやって動いているかというと、まずクライアントはFlutterで動いています。FlutterからのリクエストがGCPに届いて、サーバとの連携はgRPCを使う。その後ろのサーバもまたDartで書かれていて、さらにCloud RunとかFirestoreにアクセスしています。
さっき言っていたサイトの自動操作はここのCloud Runで動いて、TypeScriptで書かれています。そのサイトコントローラとの連携も、gRPCで実施。このCloud RunのところがECサイトにアクセスしてカートの追加や決済処理を行なうところです。
10Xの紹介は以上となります。ありがとうございました。
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