株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、10分でできる「正しい学び方」の習慣についてお伝えします。
成長する人としない人の違い
伊庭正康氏:研修トレーナーの伊庭です。今日のテーマは「成長する人としない人の違い」です。本を読んでも、YouTubeを見ても、1年経っても、2年経っても、そんなに変わらないということはよくあることですよね。私も反省することがあります。
では、これは何が原因なんでしょうか? 能力でしょうか? 実は違うんです。「ある時間」を持っていないことが一番の原因なんです。たった10分だけで、あなたは確実に成長しますから、ぜひやってください。
さあ、ではいきましょう。今日のメニューです。本やYouTube、もしくはSNS、何でもいいです。「正しい学び方」とは。その上で2つ目、「ある時間」を10分でもいいので持ってくださいという話をします。めちゃくちゃ簡単な話をします。そして最後に、成長につなげるための具体的なアクションを紹介していきます。
このチャンネルは、年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、ちょっと知っているだけで仕事人生のクオリティがドンとアップする、そんな本物のヒントを紹介しています。最後までお願いします。そして、チャンネル登録をぜひよろしくお願いします。
さあ、いきましょう。1つ目。本やYouTube、SNS、いろんなインプットするツールがあります。でも、力にならないんですよね。正しい学び方を紹介していきます。大事なことは「解釈力」。「意味付け力」と言ってもいいでしょうね。見ていきましょう。
まず、「インプット」「スループット」「アウトプット」。私はいつもこの動画で言っています。「インプット」は情報を収集する。「スループット」では、それに対してどう解釈するか。そして「アウトプット」は行動につなげる。この3つがポイントですよという話をしていきます。「スループット」は解釈で変わってくるという話をしていきます。
どんなにインプットしても「整理」ができなければ意味がない
例えば、よくこんな人がいるんですよね。「1ヶ月で本を10冊読むぞ」とか「年に50冊読むぞ」と、情報を入れるだけ入れる。年に50冊本を読んで、「あの人、50倍成長したな」という人は見たことがありません。例えばインプットをどんどんと仕入れても、整理ができなければ意味がないんですよ。
例えば、Amazonでポチ、ポチと押すのはいいんですけども、家が散らかりまくるということはないでしょうか? 部屋も整理整頓しておかないと生活の質が悪くなるように、思考の質も悪くなっていくんですよ。
ですから、もう一度言います。情報を集めればいいというものじゃないんです。「解釈力」が大きな差を生むという話なんです。例えばこのように情報を多く仕入れたとしても、整理ができていないのであれば、どんな行動にもつながらないですよね。
芸能界のスキャンダルをどう解釈するか?
さあ、その上で、よくあるケースをもう1つ紹介します。これはあるあるなので、ぜひチェックしてください。例えばYouTubeで、芸能人とテレビ局のスキャンダルがたくさん流れてきたとしましょう。「へぇ」と思うわけですよね。
「スループット(解釈)」のところで、こんな解釈をしたとしましょう。「あー、テレビ局はグレーな世界なんだろうな」とか、「あのタレントさんは許せない」とか、場合によっては「芸能界というのは所詮」みたいな解釈をしたとしましょう。
さあ、これって何がもったいないんでしょうか? それは「アウトプット(行動)」につながる解釈力をやってないということなんですよ。じゃあ行動につながる、つまり成長できる人というのは、どんな解釈力をしているんでしょうか?
一例です。例えば先ほどのスキャンダルに対して、このような解釈をする人もいるとは思いますね。まず1つは、「本質的な問題って、これは何かな?」と考えるかどうかというのもあります。
「え? そんなこと考えるの?」と思われたかもしれませんが、今このYouTubeを見てくださっている方の中には、「そう、そう!」と思う方もいらっしゃると思います。もう一度言います。このようなスキャンダルのニュースが流れてきた。その時に「へぇ」とは思うけれども、「この本当の問題って何かな?」と。
本質的な問題をとらえ、我が身に置き換える
例えば、「倫理観が大きく時代とともに変わる中で、対応ができなかったことが問題なんだろう。以前は問題にはなっていなかったかもしれないけど、今はこれだけの大きな問題になる。倫理観のズレは、以前より大きな問題になりやすいんだ。それが本当の問題なんだ」と。つまり、倫理観が大きく変わっているのに、対応できなかったこと。

これだけじゃありません。そこで「我が身に置き換え、振り返ると」ということです。例えば、「自分自身に問題はないかな?」「職場に問題はないかな?」「時代の先を行くために、自分はどんな行動が取れるんだろうな?」。あと、「まず今、何を変えていくべきなんだろうか?」ということを考えているかどうかなんですね。
もしこれができていれば、アウトプットは変わりますよね。例えばこのようにスループットしたら、アウトプットは「1回うちの職場でも、みんなの意見を聞いてみたほうがいいかもな。職場で話し合いの機会を持つのもいいかも」。
倫理観のズレがあった場合、ちょっとここであぶり出したほうがいいかもしれませんよね。自分では気づけないことも多いものです。ですから、「一度こういった話をしてもいいのかな」とやったとしましょう。すると、1週間後にこの時間を持てたとしたら、成長していますよね。
もう一度言いますね。大事なことは、行動につなげるための解釈をしているかどうかなんです。あなたはそれをしているかどうか、どうでしょう?
私は白状しますと、していないことがけっこうありました。いや、今でもあります。でも、それは自覚しています。自覚していればちょっと許されると思っているのは甘いでしょうか? まあ、それは横へ置いておきましょう。
10分間「振り返り」をする
では、何をすればいいのか? 「振り返りの時間」を持つことなんです。能力じゃないんですよ。振り返りの時間、スループットの時間を持つということなんです。具体的に言いますね。これをやっていただくだけで、確実に成長しますので。
まず、1日忙しいんですよね。そしてタスクを効率的にこなすことに必死になっているわけですよ。でも、それを繰り返して(いるだけでは)成長しないですよね。それは振り返りをしていないからなんです。
もう少し見ていきましょう。大事なことは、「振り返りの時間を持つこと」です。具体的に言いましょう。1日ごと、1週間ごと、もしくは1ヶ月ごとでもいいです。僕自身は、1日1回もしくは2日に1回はやっています。

どんなことをやるのかですが、10分でいいので、ノートとペンを取り出して、もしくはどんなものでもいいです。紙が1枚あればできます。もしくはメモアプリでもけっこうです。
例えば、1日の振り返りとしましょうか。私は研修トレーナーなので、「もう少し発言を促せなかったかな?」。「もっとできなかったかな?」とか、「ここを変えたら、もっと受講者さんはわかりやすかったかも」とか。
あと、「今からやるべきことの優先順位を考えると、今はこれではなく、これかな?」。あと、「あー、この反応はショックだけれど、この経験は未来につながるはず。例えばこういうことをすれば」。ショッキングな出来事やネガティブな状況はどんな仕事でもありますよね。それを学びに変えるための解釈をしたりもします。
どうでしょう? これを1日1回やっていると変わってきますよね。翌日からやることが変わります。これを繰り返して1年、2年経ったら、圧倒的な差になるんですよね。
本を読む、YouTubeを見るのは大事だと思っているんですけども、それをアウトプットにつなげるための解釈をどれだけしているかということなんですね。それが「振り返りの時間を持つ」なんです。
ですから、どのように解釈をするのかをノートに書いてもいいですし、あと、1日1日の仕事を振り返って、自分なりの解釈を加えるという振り返りの時間を持つこともおすすめです。
会社の「帰りの電車」やお風呂の時間を使う
では、「忙しいのにいつやるねん」という話ですよね。私のおすすめは、会社の帰りの電車の中。これ、めちゃくちゃいいですよ。スマホを見ているよりよほどいいです。次に、会社の帰り、カフェで10分だけ紙に書くのもおすすめです。私は会社員の時、この2つはやっていました。
そして、最近やっていることがこちら。これは実際、私が振り返りで使っているノートですね。お風呂に入る時に、ペンとこのノートを持って入って、考え事をします。ここにいろいろ書いていますが、これで見開きが1日分ぐらいです。多い時は見開き2ページぐらい書きます。

でも、考えている時間は10分ぐらいで、勝手にペンが動いているような感じです。「あ、これをやったらどうかな?」「あれをやったらどうかな?」「これ、結局はこうだよな」とか、頭の中を整理しているような時間ですね。これだけでも、明日からのやることが見つかったりします。
具体的な振り返りの内容
さあ、ではここまでが前半です。後半では、「じゃあ具体的に何を振り返ったらいいの? 成長につなげるための具体的なアクション」を紹介していきます。
成長につなげるために、何の振り返りをすればいいのか? それを確認していきましょう。10分でOKで、長くても20分で十分です。さあ、このノートで何を考えたらいいのか?

1つは、うまくいったことを書いてみてください。「なんでうまくいったのかな?」と考えると再現性が生まれます。次に、改善したいこと。「良かったんだけれども、もっとやりようはなかったかな?」「もっと発言を引き出せなかったかな?」。
次に3つ目、もっと工夫できるとすれば? 「別に問題ではないんだけども、ちょっとやってみたいな。あれ、こうしたらもっと良くなるかな?」。そんな感じです。
そして4つ目、どんなアイデアを試してみたい? これはどちらかというとイノベーションですね。イノベーションと言うと大げさですけれども、改善というより、もっと大胆に変えてみたいこととか、自分なりにまったく新しいチャレンジをしてみたり。こんなことを考えてもいいでしょう。
「将来の迷い」がなくなる方法
例えば僕はYouTubeをやっていますけれども、これも2018年か2019年かにお風呂で考えました。コロナ前でしたが、「これからオンラインの時代が来るんだよな」と。なんかちょっと焦りまして、「これはやっておかないとやばいぞ。何ができるかな? まずはYouTubeからやろうか」というのがきっかけです。
お客さまから、「伊庭さん、YouTubeで発信しないんですか?」とお尋ねいただいたことがあったので、そことも合いまして、「そっか。お客さまもそういうことをおっしゃっていただいている。じゃあ今やってみようか」とやったのがきっかけでございます。
5番目。これは超おすすめです。「自分は将来どうなりたいのか?」を紙に書いていく。これをすると、今やることが明確になって、将来の迷いがなくなります。これは私もやっています。
今、私の書いているのは101歳までです。馬鹿野郎ですよね。101歳まで元気だったらいいんですけどね。いや、ノート上では、めちゃくちゃ元気なんですよ。
90歳でも、まだ仕事をしてゴルフをしています。ゴルフは下手くそですけども、90歳の私は、ゴルフがうまくなっているんです。妄想です。それでも人生が楽しくなりますので、書けば書くほど未来が楽しくなります。これもおすすめです。