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新春イベント : 赤羽雄二の提言 ~2025年はどういう年になるか、何に取り組んでおくべきか(全6記事)

AIを使いこなせない人が直面する本当の課題 元マッキンゼー・赤羽雄二氏が“英語の情報”を追い続ける理由

日本を元気にするイノベーションの創出を目的としたプロジェクト型コミュニティ「MBAオンラインキャンパス」。同コミュニティが開催した今年の新春イベントに、『ゼロ秒思考』の著者・赤羽雄二氏が登壇。日本を代表するコンサルタントの赤羽氏が、激動の時代に生き残るための情報の集め方を語りました。

AIを使いこなせない人が直面する本当の課題

赤羽雄二氏(以下、赤羽):2025年には、これまでの考え方や信じていた常識が根本から変わります。今、ご覧になっている方や、ここにいらっしゃる方の多くは、日本のテレビや新聞を見ていると思います。ですが、英語のYouTubeはあまり見ていないのではないでしょうか。

もし、私が話していることに対して「えっ、本当なの?」「そんな話、陰謀論では?」と思われる方がいたら、ぜひ自分で情報を確認してください。私は、自分で調べたうえで結論を出しています。決して誰かに騙されているとは思っていません。

とにかく、世の中は大きく変わります。マスメディアの報道は、もはや信用できません。役に立たないどころか、ミスリードされるので、私は見ていません。テレビを見るのは、NHKの日曜夜7時半の『ダーウィンが来た!』ぐらいです。動物の番組だけですね。

これからの時代、マスメディア以外の情報を把握し、真相を見極められる人だけが生き残ります。イーロン・マスクも言っているように、今回の米大統領選挙の結果に驚いた人は、自分の情報源をよく考えたほうがいい、ということです。

勝者はさらに勝ち、弱者はさらに不利になる時代に突入します。AIの進化がこの変化を加速させています。AIを使いこなせない人は、単にAIに置き換えられるのではなく、AIを活用できる人との競争に勝てなくなります。AIを駆使できる人は、圧倒的にパワフルになるので、使いこなせない人との格差はますます広がるでしょう。

激動の時代に積極的に取り組むか、それとも逃げ腰になるか。自分と大切な家族、大切な会社の未来を決めるのは、自分自身です。今こそ、リーダーシップの抜本的な強化と発揮が求められています。「見たくないものは見ない」のではなく、「見たくないものも含めて、すべて見る」ことが重要です。

私は2023年の10月7日、イスラエル・ハマス戦争勃発以降、ずっと英語のYouTube動画を見続けてきました。1.5倍速で視聴し、1日に何本も見ています。さらに、英語の記事を何本も読み、本もたくさん読んできました。正直、それが楽しいかと言われれば、決して楽しいことではありません。それでも、見ざるを得ないと感じています。

あまりにもおかしなことが世の中で起きている中で、できる限り一次情報に近いものを確認し、操作されていない情報を探し続けてきました。そして、その結論として、今日お話しした内容に至っています。

未来を読むための動画や書籍

続いて、理解を深めるための発想のヒントになる動画・書籍・ブログを紹介します。さまざまな意見があると思いますが、藤井厳喜さんの『ワールド・フォーキャスト』というYouTubeチャンネルでは、多くのテーマが取り上げられています。

藤井さんはわりと断言するスタイルの方ですが、内容は非常にわかりやすく、参考になります。

唯一、私が理解できず、もし会う機会があれば議論したいのが、彼のイスラエル擁護のスタンスです。アメリカでは、イスラエルのロビー団体であるAPACが、ほとんどの議員に影響力を持っており、法律違反ではないものの、実質的に買収しているような状況があります。にもかかわらず、藤井さんはその点を批判しないため、そこだけは少し違和感を持っています。

ただし、それ以外の点については非常にわかりやすく説明されており、バランスも悪くないと感じています。有料版では、月に2〜3回、1時間程度の動画が配信されており、一部は無料でYouTubeでも視聴できます。私も数カ月前まで知らなかったのですが、情報の整理が上手で、参考になる部分が多いです。

彼の著書には、1年前に出版された『フォーキャスト2024』と、昨年12月末に発売された『フォーキャスト2025』があります。

『フォーキャスト2024』を読んでみると、実際にこの1年でどの程度予測が当たっていたかを確認できるので、そういう視点で読んでみるのもおもしろいかもしれません。

2025年を展望する上で重要な3つの概念

特に重要な概念として、スライドにもある「民主的ナショナリズム」「独裁的ナショナリズム」「無国籍企業的グローバリズム」の3つが挙げられています。

「民主的ナショナリズム」とは、先ほどからお話ししているように、トランプ大統領の「アメリカファースト」のような、自国の利益を重視しながらも民主的に進めるナショナリズムのことです。

「独裁的ナショナリズム」というのは、おそらくみなさんがイメージする、大日本帝国の国策的なナショナリズムや、ヒトラー政権下のドイツのようなものを指します。ただし、藤井さんが言うナショナリズムは、そうした独裁的なものではなく、あくまで民主的な範囲でのナショナリズムという点が重要です。

また、「無国籍企業的グローバリズム」は、私が先ほどから否定しているように、国家を超えた企業が自国の利益よりもグローバルな利益を優先し、その結果、特定の国や国民が不利益を被るような状況を指します。これが世界で大きな問題を引き起こしている、というのが藤井さんの主張の1つです。

まず、1年前に出版された『フォーキャスト2024』を読むと、彼の予測の多くが的中していることがわかります。その内容を振り返ることで、藤井さんが単なる極端な主張をする人物ではなく、論理的な視点で物事を分析していることが理解できます。

そして、3週間ほど前に発売された『フォーキャスト2025』を読むと、前作の内容を踏まえながら、さらに現在の世界情勢や今後の展望について深く理解できる構成になっています。

生き残るために必要な情報の集め方

次に、右側にあるのが、元ウクライナ駐在大使の馬渕睦夫さんの書籍です。これは10年ほど前の本ですが、グローバリズムについて非常にわかりやすく説明されています。

もう1人、「マイキーの非道徳な経済学」というYouTubeチャンネルを運営しているマイキー氏も非常に参考になります。

彼はIQ150で、驚異的なスピードでさまざまな情報を発信しています。話し方や見た目にやや癖がありますが、主張そのものは極めて王道で、真っ当な視点を持っています。

特に、中国経済の現状やAIの進展について、豊富な読書と情報収集に基づいた鋭い分析をしています。彼は数字や事実を的確に把握し、それを論理的に説明してくれるため、動画を見れば見るほど知識が深まり、学びが得られるという点で非常に有益です。

そして、アメリカのジャーナリストであるタッカー・カールソン。もしアメリカで1人だけ情報源を選ぶなら、彼のYouTubeやインタビューをチェックすることをおすすめします。

彼はプーチン大統領に直接インタビューを行い、さまざまな視点を提供してきました。そのため、メディアからは激しく批判されることも多いですが、彼の発言を直接聞けば、どのような意図で話しているのかがよくわかると思います。

彼が最近取り上げたのが、OpenAIを辞め、その後「みんなのデータを勝手に利用している」と非難する記事をニューヨーク・タイムズに寄稿したインド人のエンジニアです。彼はサンフランシスコで突然亡くなりましたが、その死因は「自殺」と報じられました。しかし、状況を詳しく見ていくと、明らかに不審な点が多く、むしろ他殺ではないかと疑われています。

例えば、彼は27歳で健康状態にも問題がなかったはずですが、安全なマンションの一室で不可解なかたちで亡くなっていました。さらに、カツラや彼の髪の毛ではないものが現場に落ちていたり、撃たれた弾の方向が自殺ではありえないものだったりと、不審な点がいくつもあります。最近、お母さんへのインタビューも公開されましたが、その話を聞けば聞くほど、自殺ではなく他殺の可能性が高いと感じます。

タッカー・カールソンに関しては、メディアから「右翼的で偏っている」と批判されることもありますが、それも含めて、自分の耳で直接確認してほしいと思います。何が事実なのか、何がプロパガンダなのかを見極めるためには、自分自身で情報を取りにいくことが重要です。

どんなことも「すぐ動く」が鍵になる

ここに並んでいるのが馬渕睦夫さんの本です。

全部で9冊ありますが、私は1冊読んで「すごい」と思ったら、すぐに全部購入するタイプなので、これらは昨年お勧めしたものです。悪いことは言わないので、できるだけ多くの本を読まれることをお勧めします。

ただし、新刊の『2025年世界の真実』が12月に出版されましたが、これは少し内容がふわふわと飛びすぎてしまっていて、「馬渕さん、どうしたの?」と感じる部分もありました。そのため、この本はあまりお勧めしません。しかし、その他の本は非常に優れた内容だと思います。

次に、昨年もお勧めした中島聡さん。

彼は「まぐまぐ!」で圧倒的ナンバーワンの人気を誇り、非常に内容が濃いです。特にAIについての具体的な提案が多く、エンジニアに限らず、すべての人が読むべき内容だと思います。

また、イーロン・マスク、ジェフ・ベゾスも、引き続き注目すべき人物です。

特にイーロン・マスクは現在も「時の人」となっています。彼らの考えや行動を知ることは、これからのビジネスやテクノロジーの動向を理解するうえで非常に重要です。

さらに、「え、こんなことができるの?」と驚くような書籍もあります。

下の段の左から2番目にある本では、逆ハングで崖にぶら下がっている写真が表紙になっていますが、これは正しい姿勢でぶら下がっているものです。しかも、おそらく命綱なしで。この本には、常識を覆すような驚きのエピソードが満載です。

上の段の右から2番目には、青山学院大学の原晋監督の本があります。今年も箱根駅伝で優勝しましたね。原監督の考え方や指導法は、経営や組織運営にも応用できる部分が多いので、ぜひ読んでみてください。昨年お勧めした本をすべて読んだ人は少ないと思いますので、今からでも読んでみると良いでしょう。

また、ブレークスルーリーダー養成講座の中で「自信を持つことの重要性」をお話ししましたが、関連する書籍として『愛着障害』や『自分に気づく心理学』をお勧めします。

もし「自信がない」「自己肯定感が低い」「人の言うことが気になる」「つい感情的になってしまう」「パートナーや上司・部下との関係に悩んでいる」「教師のパワハラが気になる」といった悩みをお持ちなら、これらの本をぜひ読んでみてください。私が130冊読んだ中で、特にお勧めする27冊の一部です。

そして、明日、新刊が発売されます。私の27冊目となる本です。

タイトルは『7日でマスター 瞬時に動く技術』。結局、どんなことも「すぐ動いたほうがいい」というのが私の考えです。難しい話ではなく、シンプルに「すぐ動く」。明日から書店に並びますので、よろしければ手に取ってみてください。

私からは以上です。

主催:MBAオンラインキャンパス

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