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3 Animals That Keep Their Whole Ecosystem Together(全1記事)

オオカミが増えると小鳥も増える? 生態系に大きな影響を与える“キーストーン種”

生態系は微妙なバランスで成り立っています。そのバランスが少し崩れてしまうだけで、大きく変わってしまうこともあります。例えば、アメリカのイエローストーン国立公園では、キーストーン種であるオオカミの数が生態系に大きな影響を与えます。キーストーンというのは、石のアーチの頂上にあるくさび形の石版を指します。キーストーンを外すと、全体が落ちる危険があります。生態系はこれと同様に機能していて、一部のキーストーン種に依存しているのです。今回のYouTube科学系チャンネル「SciShow」では、そんな生態系のバランスについて解説します。

生態系に大きな影響を持つキーストーン種とは?

オリビア・ゴードン氏:もともと“キーストーン”というのは、石のアーチの頂上にあるくさび形の石版を指します。キーストーンを外すと、全体が落ちる危険があります。

生態系はこれと同様に機能していて、一部のキーストーン種に依存しています。

生物学において、キーストーン種は彼らの大きさや数から、生息地に対して不均衡なほど多大な影響を与えています。

彼らの日々の活動は、ほかのあらゆる種類の生物に直接的または間接的に影響があります。彼らの数が変化すると、生態系全体に効果が波及し、驚くほどの栄養連鎖が発生する可能性があるのです。

ワイオミング州のイエローストーン国立公園のオオカミを例に見てみましょう。

狩りによって、彼らの数は、1930年代初めにほとんどゼロになりました。しかし、1995年にオオカミが公園に再誘致され、それ以来オオカミが公園内の生態系に与える影響を監視し続けています。そして、その影響が非常に重要だということが判明したのです。

オオカミの不足と再誘致は、まさに川の流れと同じように、大きくイエローストーンを変えました。

変化の要因の1つは、オオカミはヘラジカを捕食しているということです。そして、ヘラジカは自分たちが捕食されるということを知っています。そのため、オオカミが同じ地域にいる場合、ヘラジカたちの行動は自然と変わります。

ヘラジカは一般的に遊牧性のある動物であり、植物を食べるために移動を続けます。

しかし、オオカミがまわりにまったくいない場合、ヘラジカの警戒心がうすまり、1箇所に滞在する傾向があらわれました。すると、ヘラジカは川岸まで生えている植物を食べつくしてしまいました。

いろいろな植物から少しずつ食べるのではなく、一度に大量に食べてしまうため、ビーバーや小鳥が食料としているポプラの木やヤナギの数が減少してしまいました。

また、ビーバーは特別な技術力を持っているため、彼ら自身もキーストーン種といえます。彼らの作るダムは川の流れを遅らせ、洪水を防ぎ、あらゆる種の生息地を広範囲に維持させています。

オオカミがイエローストーンに再誘致されて以来、ヤナギがよく育つようになり、ビーバーの植民地はわずか1から9に増加し、小鳥たちも繁殖していきました。

ヘラジカの数字は最初は減少したものの、現在は安定しているようです。また、ヘラジカとの競争が減少したため、バイソンの数が増えています。

現在、この複雑な生態系においてたくさんの微妙な相互関係について考慮し、オオカミの長期的に及ぼす影響についての調査が行われています。

しかし、捕食者としてはオオカミの生息、欠乏、再誘致がイエローストーン全体に影響を及ぼしていることは明らかです。そしてほかのオオカミの生息地についても同様に調査することで、何がイエローストーン特有のものなのか、そして何が他の地域にも当てはまるものなのかを知ることができます。

アフリカゾウの生態系への影響力

ゾウもまた、彼らが口にするものから、彼らが排出するものまで、周辺環境を管理するために多くのことをしています。

彼らは時おり「森の巨大な庭師」と呼ばれます。例えば、アフリカゾウがいなければ、アフリカの森林ではアカシアの木のある1種が森を支配する可能性があります。その種はとても速く成長し、ほかの植物からの光を遮断してしまいます。そして、アフリカゾウはそれに逆らうような働きをします。

しばしば彼らは、食べ物を探索するためにアカシアの木を叩き、空間を広げ、大切な光の通る路をひらきます。ほかの植物種はこのチャンスを逃さず、光を浴びて成長することで森林の生物多様性に貢献しています。また、アフリカゾウがなぎ倒す木の枝は、トカゲたちの隠れ家も提供しています。

また、木の葉や果物をとる際に、ゾウはたくさんの房を叩き払います。そして、落ちてきたこれらの房を、イノシシや羊のような小さな陸上生物が食べます。これらすべての食の結果、排出されるフンは毎週数トンもの量に達します。

そして、これらのフンは栄養分が豊富なので、それ自体が小さい生態系となっています。カブトムシの幼虫、コオロギ、クモのような昆虫と同様に、菌類も多くその中に住んでいます。2009年には、アジアゾウのフンに生息する3種類のカエルが見つかりました。

また、彼らのフンはもちろん優れた肥料にもなります。多くの植物は、ほかのどの動物のフンよりもゾウのフンによって、よく生育します。彼らの広範囲にわたる活動は、新しい場所に種子を広げることに、とくに役立っています。

しかし、生態系に大きな影響を及ぼすには、ゾウのように大きい必要はありません。アオブダイという鯛の一種は、丈夫で嘴のような口の部分にちなんで名付けられています。

この硬化した唇は、暖かいサンゴ礁の環境において主な食料源であるサンゴの藻類を食べるのに適しています。それは不格好かもしれませんが、サンゴ礁を健康に保つためには不可欠であることが判明しています。

アオブダイがいなければ、大型藻類がサンゴ礁を窒息死させてしまい、絶滅まで追い込んでしまうでしょう。これは、サンゴ礁を棲み家としている種にとっては、とても重要な問題です。

カリブ海での40年にわたる調査についてのある報告書は、アオブダイにとくに注目をしています。一般的にサンゴ礁は、気候変動、海洋酸性化や海洋汚染が生態系を悪化させるなど、厳しい問題をかかえています。アオブダイのメンテナンス作業は、サンゴ礁の弾力性を保ち、突然の発熱やハリケーンのような吹き返しからの回復に役立っています。

アオブダイが大量に釣られてしまっているカリブ海のサンゴ礁が、もっとも苦しんでいます。

つまり、すべてのキーストーン種と同様に、彼らは共に生態系を維持しているのです。

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