移動平均線(方向線)を意識した株の買い方

アシスタント:仕手株を買うタイミングが気になります。

坪倉知紀氏(以下、坪倉):この緑色の線を見てください。基本的には「方向線」って呼んでいるんですけども、株価というのは、この方向線に沿うように動くんですね。

例えば、この銘柄とかそうなんですけれども、方向線がぐーっと上向きで、株価は右肩上がりになってますよね。

こういうとき株価というのは、方向線に対して、上に膨らんでは戻る、上に膨らんでは戻る。このように方向線に沿うように動くので、私たちはこういう方向線付近に来たときに株を買うということをやるわけですね。

方向線から離れたところでは、株価はどういう動き方をするでしょうか。離れていくと、戻ってきますよね。ということは、こういう方向線から大きく離れたところで買うというのは、リスクがあるわけです。戻ってきてしまいますので。

さっきのガンホーなんか見てみますと、個人投資家がめちゃくちゃ損したところはここですよね。これはちょっと過去のチャートなので、方向線が消えてしまってるんですけど。方向線から非常に離れてしまったとことで買ってしまうと、方向線に戻ってきてしまうわけです。

ですから、こういうところで飛びつく、ここで買うということ自体がもうすでに間違いということなんですね。買うのであれば、「できるだけ方向線に近いところで買う」ということが必要になってきます。

アシスタント:この方向線というのは、自分たちで引くものなんですよね?

坪倉:いえ、この方向線はチャートソフトが自動的に引いてくれます。

アシスタント:そうなんですね。

移動平均線(方向線)を抜けてくる瞬間に買う

坪倉:これは「移動平均線」という線なんですけども。この緑色の線は75日移動平均線と呼びます。これを、私たちは「方向線」と呼んでいるんですね。

75日の移動平均線というのは、株価の75日間の終値の平均値を線で結んだものです。チャートソフトが計算して、自動的に引っ張ってくれますので、私たちはなにもすることないんですよね。

アシスタント:じゃあ、これにタッチしてるところで買って、それ以外のときは手を出さない。

坪倉:そうなんです。まずそれが基本ですね。仕手株を狙いたいなというときも、基本的には、この方向線付近にいる銘柄じゃないと手は出しちゃダメなんですね。方向線付近にいるときって、どういう動き方をしているのかというのを見てみますと。

坪倉:例えば、この銘柄なんかは、見てください。ここ。ちょうど、ここから急上昇していますよね。株価が。ここの値段がだいたい240円くらいだったんですけれども、それが一気に、1200円くらいになってますね。このあたりで。

ここ見てください。少し拡大しますね。

私たちが見ている方向線という緑色の線がありますけれども。ちょうど上昇する瞬間に、この方向線を株価が抜けてきてるんですね。ずっとそれまで方向線の下で横這いの動きになっていて、ほとんど地を這うような動きになっていたわけですけど、ここを抜けた途端に急上昇。

アシスタント:上がる。

坪倉:ということなんですよね。ですから、僕らは、こういう方向線がちょっと横這いで推移していて、株価がそれに沿うように、じわじわ、じわじわと地を這うような動きになっている銘柄が、ちょっと方向線を抜けてきたときを狙うんですよ。

アシスタント:そしたら、仕手株かもしれないから。

坪倉:できるだけ長期で横這いの動きが続いているほうがいいですね。その期間、ずーっと力を貯めてると思ってください。

アシスタント:長いこと見てて「上がるような、下がらないような、上がるような、下がらないような……昇りそうだ、ここだ」っていうことなんですね。

坪倉:そうです。ですけど、何回も、いきそうでいかない、いきそうでいかないっていう動きを、もっと続けることもあります。

アシスタント:あ〜、続ければ続けるほど、来るぞ、来るぞって感じですか。

坪倉:いつか来るかもしれないけど、そのまま来ないこともありますね(笑)。

アシスタント:じゃあ、やっぱり賭けなんですね。

坪倉:そうなんですよ。ある意味、そういう賭けみたいな部分もある。残念ながら。

アシスタント:期待しすぎず。

坪倉:期待しすぎず。ですけども、いくかもしれないので、僕らは、こういう方向線を見ていて、抜けてきたところで買ってみる。そしたら、この上昇が取れるかもしれないということですよね。

ですから、まず、買うポイントは、仕手株であっても、僕らは方向線というものを見ていて、ここを抜けてくる瞬間に買う、ということをやるわけですね。

アシスタント:はい。わかりました。