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アジャイルよもやま話 ~ 川口 恭伸さんとアジャイルの歴史を振り返りながら学ぼう !(全6記事)

次の転換期に備えて、過去から振る舞いを学ぶ 川口恭伸氏が考える、アジャイル開発とDevOpsの歴史

アジャイル開発の夜明け前から現在に至るまでの歴史と流れについて語ることで、アジャイル開発についての理解を深める「アジャイルよもやま話 ~ 川口 恭伸さんとアジャイルの歴史を振り返りながら学ぼう !」。ここでアギレルゴコンサルティング株式会社の川口氏、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の福井氏と松本氏が登壇。まずは、アジャイル開発とDevOpsの歴史の分類について話します。

川口氏の自己紹介

松本雅博氏(以下、松本):本日のスピーカーをお呼びしたいと思います。福井さん、準備はいかがでしょうか。

福井厚氏(以下、福井):準備できています。みなさんこんにちは。AWSのソリューションアーキテクトの福井です。今日は、私が古くから仲良くしている、アジャイルコーチとしても有名な川口さんに、アジャイル開発とDevOpsの歴史について語ってもらいたいと思います。

私も(お話の)内容をワクワクして待っていたので、今日を非常に楽しみにしていました。それではさっそく川口さんを呼びたいと思います。川口さん。

川口恭伸氏(以下、川口):こんにちは。アジャイルコーチの川口と申します。よろしくお願いします。福井さんとは長らくの付き合いでお世話になっています。

福井:こちらこそ、ずっと仲良くしてもらってありがとうございます。今日は川口さんのすばらしいセッションを楽しみにしているので、横でガヤとして茶々を入れたいと思います。

川口:ムッチャ緊張しますわ、それ。

福井:いやいや(笑)。

川口:よろしくお願いします。

福井:お願いします。

川口:最初30分ほどお話をして、その後に雑談をできればと思っています。よろしくお願いします。

福井:楽しみにしています。よろしくお願いします。

松本:よろしくお願いします。

福井:それではさっそく、川口さんからお願いします。

川口:よろしくお願いします。川口からまず話をします。今日はその後の雑談がメインということで、福井さんと後で雑談をするために、アジャイルとDevOpsの歴史を。歴史と言っても長いので、チェリーピックして適当なところをちょっと取って、ある程度私の観点からお話をします。

その後で仙人、仙人とは福井さんのことで、(私は)“アジャイル仙人”と呼んでいるんですが、仙人と語れればなと思っています。よろしくお願いします。

福井:よろしくお願いします。

川口:川口と申します。私はアギレルゴコンサルティングという会社と、ホロラボという会社でシニアアジャイルコーチをやっています。それから一般社団法人スクラムギャザリング東京実行委員会と、一般社団法人DevOpsDays Tokyoの代表理事をやっている人間です。よろしくお願いします。

2022年は10月1日に「XP祭り」というイベントがあるんですが、そのスタッフとして関わってから、干支が1周するぐらいやらせてもらっています。そんな人間です。

アギレルゴコンサルティングとしては研修などをメインでやっていて、あとはコーチングやコンサルティングなどをやっている感じです。一応、受講者数が5,000人を超えていて。

福井:おお、すばらしい。

松本:すごいですね。

川口:「月に5,000人とかやっているんだ」みたいな感じでびっくりしちゃいますよね。

福井:すごいですよね。

川口:たぶん日本で一番研修しているんじゃないかなと思います。

福井:すばらしい。

川口:今日はこれから雑に話をしていきます。歴史に関わるところでなにをやりたいかというと、勝手なことを話しておけばだんだん仙人がウズウズして話したくなるだろうということで。

福井:(笑)。

川口:私は仙人からいろいろなノウハウをコミュニティのために引き出すことをライフワークとしているので、そういう感じでいきたいと思います。前段の前さばきみたいな感じでいきたいと思います。

川口氏によるアジャイル開発とDevOpsの歴史感

川口:(スライドを示して)まことに勝手なんですが、私の中での歴史観をここで定義しています。みなさん知っているとおり、2001年にITバブルの崩壊というものがあり、世界的にはこれが1つ目のきっかけになっているかなと。

あとこの次に、おとといが9.11でしたが、(アメリカ同時多発テロから)ちょうど20周年ちょっとか。風化の危機みたいな話をNHKとかでもやっていましたが、2001年という大きな契機ですね。

それから2009年にリーマンショックがありました(※)。リーマン・ブラザーズという証券会社が自己破産というか、再生法を出すということがありました。そのあたりで景気がまた一気に変動しました。2回景気の変動があったんですね。

※リーマンブラザーズが破綻したのは2008年。それらを契機として2009年からDevOps時代に入った。

日本としてはもちろん2011年の東日本大震災がありますが、グローバルには2009年というのが1つ大きな契機で、社会的に大きなきっかけがあるとだいたいなにかが起こるという感じです。

一応、2001年にはアジャイルマニフェストというものが出ています。その前を“先アジャイル期”とここで勝手に(言います)。誰も定義していないですよ。私が勝手に今呼んでいるだけです。

2001年のアジャイルマニフェストが出た後を、いったん“アジャイル期”と呼んで、それから後ろの2009年以降、DevOpsが出たりリーンスタートアップが出たりみたいなリーマンショック以降を“DevOps期”と呼んでみようと思います。

なんでそんな話をするのか。別に歴史の話をしたいわけじゃなくて、単に古い人間なので福井さんと一緒にふりかえりたいな(という気持ち)なんですけれど。

今、ちょうど次の転換期が来ている感がすごくあるじゃないですか。2020年からコロナですよね。それから2022年。2022年は戦争とかインフレとか円安とか、ものすごい怒涛のごとく波が来ていて、2023年はもっとすごくヤバいんじゃないかという話すらあるんですけれど。

我々にとってはチャンスかもしれないし、みなさんにとってピンチもたぶんあるだろうと思うんですが、なにか生活のヒント……。これまで2回の変動期で起きたこと、起きたことというか「それをきっかけになにが出てきたか」みたいな話がわかっていくとおもしろいと思うのですが、資料がそれと結びついているかはちょっとよくわからないです。

福井:(笑)。

川口:ただ、歴史を学ぶのはすごく大事だと思っています。

福井:そうですね。

川口:アジャイルの歴史に限らず社会の歴史を普通に学ぶことは、我々にとってはこの先を考える時とか、自分の周りが変動している時に、自分事としてどういうふうに振る舞うべきかとか。「どっちにいこうか」と考える時に、やはり歴史は非常に示唆を与えてくれるものだと思うので、みなさんもぜひ。

福井:大きな変動・変化に対応していく必要があると。

川口:そうですね。

福井:なるほど。

川口:変化は必ず来てしまうので、どう考えていくかというところですかね。

“先アジャイル期”と“アジャイル期”と“DevOps期”

川口:前段が長くなってしまいましたが、一応ちょうど3つスライドがあって。

“先アジャイル期”に関するスライドは、2005年に出ているスライドです。私は“スクラム the ORIGIN”と呼んでいるのですが、スクラムのオリジンを作ったジェフ・サザーランドさんが「Roots of Scrum」というスライドを出しています。

1990年代にスクラムはどう成立したかみたいな話。なにを勉強してスクラムを作ったかみたいな話が出ているので、これを取りたいと思います。XPが大好きな方やケント・ベックがどうしたかを聞きたい方はいると思うんですけれど、今日はこっちの演題でいきたいと思います。

(スライドを示して)それから真ん中が「アジャイル開発の時代」。「アジャイルとは何なのか?」ということで、アジャイルマニフェストの紹介を中心にやりたいと思います。

それから、(私は)2009年以降を“DevOps期”と呼んでいます。これはさまざまなことが同時に起きて、AIやスマホシフトとかいろいろ起きていますが、ここはいったんDevOpsを中心に話をしたいと思います。

DevOpsの源流が、Flickrの「10+ Deploys per Day」というスライドにあります。あまりに有名なスライドとトークがあるので、ここを紹介できればなと。かなり駆け足になりますが、このあたりをネタに、後で仙人と雑談できればと思っています。

福井:楽しみですね(笑)。

川口:よろしくお願いします(笑)。コンセプトはすごくいいと私は思いますが、ちゃんと話していけるかはまた別問題なので緊張しています。よろしくお願いします。

福井:いえいえ。

(次回につづく)

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