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株式会社A.C.O. UIデザイナー/デザインマネージャー 石井 宏樹氏(全2記事)

「UXデザインを考えるより作っちゃったほうが早いだろう」 作っては壊しを繰り返してできた「ほぼ日の學校」

「Designer Meetup」は、株式会社グッドパッチが主催するデザイナーのためのオンラインイベントです。今回のテーマは「デザイナーの専門性とキャリア」。ここで登壇したのは、株式会社A.C.O. の石井氏。A.C.O. で活躍するデザイナーのキャリアの変遷について発表しました。(なお、会社情報・役職タイトル等はイベント開催時のもの)全2回。後半は、新規サービス開発の事例について。前半はこちら。

入社前にできていたこと・できていなかったこと

石井宏樹氏(以下、石井):こちら、入社前のスキルと書いてあるのですが、UI/Webデザイナーで未経験からどうやってなったのかをけっこう知りたい人も多いかなと思います。

僕が入社前からできていたことでいうと、デザイン全般の基本的なことは、建築設計でもUIでも一緒なのでできていました。また「Photoshop」は、もともと触っていましたね。

あとは、デザインとは直接は関係ないかもしれませんが、ライティングや、編集をやっていたり、大学時代にプレゼンとか提案をけっこう鍛えられていたので、そのへんは今でもすごく活きているなと思うことが多いです。

逆にできなかったことで、Webデザイン、UIデザイン、プログラミングがあるのですが、こちらは就職活動する時に1ヶ月ぐらい独学で勉強したぐらいで、ほとんどその頃はまだできていなくてですね。入社してからかなり勉強したというのが大きかったです。

今みたいにUIデザインの教材や教科書がなかったりとか、そういうのもありますが、入ってからかなり勉強したかなと思っています。

クライアントワークではUIデザイン全般を担当

これは今の仕事の割合ですが、だいたいクライアントワークが6割で、あとマネジメントとその他で2割ずつみたいな感じでふだんの業務は行っています。

クライアントワークの実際の内容ですが、これに関していうと、けっこうUIデザインに関するものは全部やっています。

最初にお問い合わせいただいたところから、ヒアリングして、開発までは見ませんが、デザインに関するディレクションのところですね。スケジュールだったり、あとはデザイナー同士の分担だったり、そういったところを見ています。

最終的にはUIデザインの設計、要件定義、ワイヤーフレームを引いたり、あとは表層的なスタイリング、トンマナ(トーン&マナー)みたいなところまで全部自分でやっています。

逆にあまりやっていないところでいうと、アートディレクションとか、ロゴデザインみたいなビジュアル中心のものとか、ワークショップのファシリテーションとか、ユーザーリサーチとか、けっこう本格的なUXデザインのところは、あまりやっていないかなという感じです。

マネジメント・その他のところでいうと、スライドに書いたようなことをやっているのですが、僕は8人のデザインチームを見ていて、2週間に1回、1on1をやったり、あとはプロジェクトのアサインの調整だったり、人事評価を今やっています。

今やっていることをいろいろまとめてみたのですが、かなりやっていることが多くて、UIデザインとマネジメントを中心に、組織デザイン、ディレクターをやっているキャリアなのかなと自分では思っています。

特にマネジメントのところでいうと、単にチームを見ているだけというよりは、会社全体でナレッジを蓄積したり、いろいろなプロセスを改善したりというような、組織デザインに近いことも、まだ始めたばかりなので得意とまでは言えないのですが、今やっていて、これからもやっていきたいなと思っています。

逆にこれはそんなにやっていないよというのは、アートディレクションとUIデザインのところですね。さっきも言ったと思いますが、そのへんのところは、アートディレクターや、特にUXデザインのと一緒にチームを組んでやることが僕は多いです。

作っては壊しを繰り返してできたプロジェクト

最後に、具体的な実際の事例をちょっと紹介したいなと思っています。これは僕もかかわっていた事例です。

「ほぼ日の學校」という、ほぼ日さんと一緒に作った新しいサービスです。こちらは、6月末にリリースされた新規サービスです。

コンセプトとして、「人に会おう。話を聞こう。」と書いているのですが、実際に動画で話を聞きながら文字が読めるというサービスになっています。

ちょっと文字が多いので、左下のほうだけ見てもらえばいいかなと思うのですが、ほぼ日さんが企画・ディレクションをやっていて、A.C.O.とMonstarlabがそれぞれデザインと開発を担当したプロジェクトになっています。

スケジュール感で見てみると、だいたい2020年の9月ぐらいから私たちが参加して、11月頃に大枠のデザインが確定して、2021年1月に予告サイトを公開して、6月にリリースして、今は運用改善を進めているという状態です。

こちらが、ほぼ日さんがもともと作っていたプロトタイプとかスケッチですが、ほぼ日さんは、自分たちでどんどん物を作るタイプのクライアントさんなので、Figmaとかでプロトタイプを作っていたりして、かなり具体的なところまで考えられていたんですね。

これは会議の様子ですが、真ん中に立っているのが糸井重里さんです。右側の首に黄色いのがかかっているのが僕で、顔合わせミーティングがこんな感じで行われて、そこからデザインを始めたという感じです。

ここのプロセスはちょっと特徴的で、UXデザインとUIデザインのプロセスをあまり分けずに、どんどん繰り返して行うということをやっていました。

ほぼ日さんにはどんどん物を作れるタイプの人たちが集まっていたので、UXデザインで抽象的なことを考えるよりも、作っちゃったほうが早いだろうと、作っては壊しを繰り返して、サービスの立ち上げをやっていました。

こんな感じで、デザインは主にFigmaで作っていたのですが、ほぼ日さんもA.C.O.もみんな見える状態で、とにかく大量のTopページのデザインをたくさん作りました。もちろん全体的な体験だけではなくて、ディテールも細かくピクセル単位で文字のサイズを見たりということを繰り返して作ったというプロセスになっています。

こんな感じで、ダウンロードできるのでよかったら見てみてください。ちょっと飛ばしますが、「App Store」で検索しても見られるので見てください。

デザインの相談・雑談ができるデザインコミュニティ「Yard」を開始

という感じで、発表はだいたい以上ですが、最後にちょっとだけ採用のご案内をさせてください。

「A.C.O.で一緒に働きませんか。」というところで、UIデザイナー、アートディレクター、UXデザイナー、プロジェクトマネージャーとかを募集しています。興味のある方は「Wantedly」でぜひ見てみてください。

あとはもう1個、「Yard」というデザインコミュニティをこっそり始めています。

これは「Discord」という「Slack」に似たチャットアプリで主にやっているのですが、デザイン系の相談だったり雑談だったりができる場所が少ないなと最近会社で始めてみたので、こちらもよかったら参加してみてほしいなと思っています。

という感じで、今日は以上になります。ありがとうございました。

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