2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
リンクをコピー
記事をブックマーク
和田卓人氏:では、2つ目のメニューにいきましょう。1つ目、「信頼性の高い」にいきました。2つ目は、実行結果の話です。自動テストの実行結果。
自動テストの実行結果は何かっていうと、ただ単に自動テストの結果というだけではなくて、私は、自動テストの結果は情報であってほしいと思っています。データではなくて情報。情報って何かっていうと、人間に行動を促すもののことです。情報っていうのは、それを見た人間に意思決定と行動を促すというものです。
じゃあ、テストの実行結果を見た人間は何をするべきか。さっき言っていましたね。例えばプルリクエストのテスト結果だったらマージで本番、メインラインのテスト結果だったらデプロイできる。テスト結果が失敗だったら、原因を特定して直しにいかなければならないというわけですね。
とにかく、さっき言ったテストの結果に嘘がなければ、人間の行動は2択に収束していくわけです。緑であれば「前に進め」、赤であれば「コードを直せ」というわけですよね。さっきの象限とは違うところになると。プロダクトコードが正しい、テスト結果が成功ならデプロイ、マージに進めるぞ。誤っているなら、テストが失敗するなら、自分たちのコードをどこを直すか探しにいくという話です。
ということで、自動テストっていうのは信号機なんですよね。緑は進め、赤は止まれです。赤はバグを探しにいけっていう話ですね。たぶんこれ、どうやらそのとおり信号機のメタファーとして始まっていまして。なので、伝統的に自動テストの世界では、テストの成功を緑、失敗を赤で伝えてくれます。緑だったら前に進めるし、赤だったら止まれというわけですね。
機械にとっては色で示すというのは若干わかりにくくて、機械にとっては終了のステータスコードで返すほうがうれしいので、0と1、あるいは1以上というわけですね。0だったら「進め」、1以上だったら「止まれ」というわけです。というので、CIの世界とかではよく「0」「1」でやっていますというような感じですね。人間向けの信号、機械向けの信号があると。
実はその赤のほうには、2種類あります。自動テストの失敗には2種類あって、これはだいぶ細かい話になってくるんですが、みなさんも考えてみると、「なるほど、2つあるな」と思われると思います。
Execution Errorっていうやつと、Assertion Failureっていうやつがあります。Execution Errorって何かって、自動テストの実行中にプロダクトコードのどこかから発生する実行時エラーのことです。NullPointerExceptionとかそういうやつですね。
Assertion Failureって何か。自動テストを書いていて、テスト対象を動かしました。テスト対象から結果が戻ってきて、結果のアサーションをしている期待値と、「そのとおり正しいかな? 期待値と一致するかな?」っていうところで失敗するやつ。つまり、テストコードまで制御が戻ってきて、テストコードの結果のアサーションのところで失敗するやつをAssertion Failureといいます。
この2つっていうのは、失敗した時の行動が若干異なります。Execution Errorのところは、コードのどこで失敗したかをスタックトレースとかから探しにいって、何が起こったかを推測するという話になりますね。
それに対してAssertion Failureは、失敗なく戻ってきてしまっているけど期待と違うので、何がおかしいかなっていうのを推測する。実はAssertion Failureのほうが、若干難易度が高いんですね。ボコッと落っこちているんじゃないから。なので、「なんでこれ、思ったとおりに動かんのだろうな?」と調べにいかなきゃいけないというような話です。
ということで、アサーションの書き方っていうのは、失敗時に輝きます。失敗した時に助けになるアサーションを書いていかなきゃいけないんですね。試しに、わざと悪い例、頼りにならないアサーションを書いてみました。これもまた軽減税率のロジックだと思ってください。
レシートの税額欄のところ、reducedだから「軽減税額の合計が40であること」というようなアサーションをテストのほうで書いていますが、これは単なる論理式で書いているんです。「assertTrue」で、「reduced() == 40」。
なので、このテストが成功している時はグリーンで「前に進め」でOKなんだけど、失敗した時の情報量に問題があって、失敗した時に「trueだと思ったらfalseでしたよ」ぐらいの情報量しかない。これだと、この次の一歩が難易度高いんですよね。いざという時に「じゃあ、いくらだったの?」みたいな話になるので。
これ、テストが成功している時は、何ていうんですかね、この危うさに気づかないんですよ。失敗した時に初めて、「こいつ、頼りにならんな」と気づいてしまうので、ちゃんと書いていきましょうという話です。
例えば期待値と比較する。Javaで言うとassertEqualsっていうやつですね。となると、40を期待していたけど、返ってきたのは39だったっていうと、39と40、1ずれているから、ということはこれって切り捨てのところのロジックの誤りだなと。これが例えば、40じゃなくてnullだったとか、40じゃなくて0だったとかだと、調べるべきところが、初動が違いますよね。
こういう細かいところに、生産性の差というものが表れてきます。ここはだから、実測値が39だったのかnullだったのか0だったのかによって探すところが変わるというかたちですね。
(次回につづく)
2025.01.09
マッキンゼーのマネージャーが「資料を作る前」に準備する すべてのアウトプットを支える論理的なフレームワーク
2025.01.08
職場にいる「嫌われた上司」がたどる末路 よくあるダメな嫌われ方・良い嫌われ方の違いとは
2025.01.07
資料は3日前に完成 「伝え方」で差がつく、マッキンゼー流プレゼン準備術
2025.01.10
プレゼンで突っ込まれそうなポイントの事前準備術 マッキンゼー流、顧客や上司の「意思決定」を加速させる工夫
2025.01.08
どんなに説明しても話が伝わらない“マトリョーシカ現象”とは? マッキンゼー流、メッセージが明確になる構造的アプローチ
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.01.09
記憶力に自信がない人におすすめな「メモ」の取り方 無理に覚えようとせず、精神的にも楽になる仕事術
2025.01.09
職場に必要なのは「仲良し集団」ではなく「対立」 メンバーのやる気を引き出すチームビルディング理論
2025.01.06
上司からの「ふわっとした指示」に対し、デキる人がやっていること 4タイプ別で見る、仕事を依頼された時に重要なスタンス
2025.01.10
職場にいる「できる上司」と「できない上司」の違いとは 優秀な人が辞めることも…マネジメントのNGパターン