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飯髙悠太が語る 成果につながるSNSマーケティングの鉄則(全4記事)

売上144%、フォロワー数10倍を達成した美容院がやったこと 「インフルエンサーはフォロワー数で選ばない」理由

マーケティングを行う上で欠かせないSNS。目標達成に向けて頭を悩ませているマーケティング責任者や運用担当者向けの本イベントでは、株式会社GiftXの飯髙悠太氏と、株式会社ニュートラルワークス取締役CMOの石田哲也氏が、SNSマーケティングの成功の秘訣を語りました。本記事では、SNSだけでなくマーケティング全体に強い組織を作ることの大切さを解説します。

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「インフルエンサーはフォロワー数で選ばない」

飯髙悠太氏(以下、飯髙):次が「インフルエンサーはフォロワー数で選ばない」。これもトリプルメディアで分解した場合のインフルエンサーの役割です。

ペイドメディアとしては、これはインフルエンサーとして、案件としてどう活用していくかとか。オウンドメディアだったら、どうしたら社員をインフルエンサー化できるんだろう、みたいなことです。

ちょっと余談ですけれども、表参道に「Violet(バイオレット)」という美容室があるんですね。この仕事は、ヘアケアブランドのミルボンさんというブランドの依頼で「美容室のスタッフの方をインフルエンサー化したらどうなるんだろうね?」というところから始まったプロジェクトです。

そこの女性が武者(ひなの)さんという方で、実際メディアにも取り上げられている。もともとフォロワー数が1,700人で、今は1万を超えています。ヘアアレンジを得意としてる方だったんですね。韓国が好きで、すごくトレンドを押さえていて。シンプルに言うと、自分が得意なところをリールであげ続けたんですね。

これによって、フォロワー数は10倍、そして売上は144%になりました。やはり社員の方をどうインフルエンサー化させるのかも重要です。

あとは口コミの場所では、リレーションを深めていく。ペイド(メディア)でインフルエンサーとして活用した方が本当にその商品が好きだったら、もちろん自分で買った時に投稿していくので。どうリレーションを深めるか(が大切)になります。

ここで重要なのは、「フォロワー数だけでインフルエンサーをキャスティングしてないか?」ということ。これはすごく重要になってきています。今はやはりユーザーも、どういう情報が嘘なのか、怪しいのかは見えてきているので。

フォロワーの数だけで言うと、インプレッションの概念になるんですけれども。どういう人に自社の商品をあげてもらったら、その人のフォロワーさんに有益な情報を届けられるのかが重要です。このへんはしっかりと、目星をつけてリストを作っていきましょう。

日々変化するプラットフォームごとの“法律”

飯髙:6つ目ですね、「プラットフォームごとの『法律』が変われば対策も変わる」。これはもう本当にそのとおりです。今の時代は、「フォローされる」から「レコメンドされる」みたいになっていますよね。

TwitterがXになって、タイムラインも時系列だったものが、今はかなりレコメンデーションに変わってきてしまっている。あとは例えば、プラットフォーマーが外部への遷移をすごく嫌がります。やはり各プラットフォームで、URLがついた投稿が優先的に上位に出てこないです。

各プラットフォームは、せっかくXを開いてもらったのに、そこからInstagramに遷移されてしまう。要はユーザーの可処分時間は決まっている中で、せっかくXで出会いが来たのにInstagramに行ってしまったとなると、その時間をあげてしまっていることになるんですね。これはやはりプラットフォーマーもすごく懸念しているポイントです。

まあ法律はプラットフォームごとの法律なので、そこをどう捉えるかがポイントになってきます。アルゴリズムはやはり日々いろいろ変わってきていて、アルゴリズムに逆らうような投稿とかコミュニケーションをしてしまっていないかは、常に考える必要があります。

あとは、そのアルゴリズム、変動は予知できる部分もあります。目先の変動に左右されすぎないのも、とても重要ですよね。

すごくわかりやすいところで言うと、Instagramって、TikTokが登場して短縮動画がすごく流行った時に、リールにすごく力を入れたんですね。発見タブでも、リールの出る可能性がすごく高かったりとか。

ハッシュタグで検索した場合に、そのハッシュタグの中の複数はリールになっているわけです。そうなると、リールをあげる重要度は上がっていきます。

今、このへんがどこまで細かくなっているかは、すべてを把握はできないですけど。ただ、やはりリールは相変わらず伸びるよね、と。そこをどう理解してコンテンツをマッピングするかは、重要だという考え方です。

SNSだけでなく、マーケティング全体に強い組織を作る

飯髙:次が最後ですね、「組織のスキルアップがSNSマーケティングを成功させる」。これはやはりSNS本なので、SNSは強調しているんですけれども、そもそもスキルアップはSNSに関係なくめちゃめちゃ重要ですよね。今教育もリカレント教育からリスキリング教育になっているみたいに、学びも実質的に自分の仕事にまつわることへの理解とか、いかに経験値を高めるかが重要になってきている。

このへんも書籍にそれぞれ細かく書いています。ベースのスキルは、普通にSNSに関係なく重要ですよねとか。コミュニケーションも、コンテンツの作り方とかリレーションシップも、別にSNSだけのことではないですよね。

トリプルメディアの分類に関しても、普通にマーケティングをやっていればすごく重要なものになっている。SNSマーケを成功させるイコール、マーケティングの全体をちゃんと普遍的に見られて、何が何に寄与してるのかを捉える。SNSという単体ではなくて、マーケティング全体の中でのスキルアップが重要になります。

これも、本当に戦略実行できる組織を作れているかはもちろんポイントですけど。何の施策が短期的なものか、何の施策が中長期的なものなのか。短期的な施策は、確かに売上はすぐ作れるかもしれないですけれども。ブランドイメージをつけるのは、簡単にはできないことですよね。なので中長期的な施策になってくる。

今この施策は何のためにやっているんだろう? とか、中長期は何のためにやっているんだろう? としっかり分類して、すぐの成果ではなくて、長期の成果で見ていくものもすごく重要になります。

経営とSNSが分断されてしまっていないか

飯髙:マーケティングの全体像がわかる人は、SNS活用にも絡んでもらえることによって、よりこの理解ができてくるし。あとは戦略策定と同様に、やはり組織作りはめちゃめちゃ重要だと思っています。

書籍の中にも、経営とSNSが分断されてしまっていると書いているんですけれども。やはり会社としてどこまで理解しているかは、とても重要なポイントになってくるので、このへんを押さえていければいいと思っています。

まとめとしては、今7つのポイントを20分なので、本当に1個2分半ぐらいで説明しているので。まだまだわからないところはあると思います。

もし本当に興味がある方は、この書籍を手に取っていただいたりとか。この書籍自体も今の時代に沿って書いているというよりは、アルゴリズムが変わったりしても、そもそもの考え方のベースは変わらないよねというところを、日経BP 日本経済新聞出版社さまと一緒に進めてきました。

確かに手法論の場所とか説明してる図が変わってしまうことはあると思うんですけど、常に隣に置いておいてほしいイメージでこの書籍を書いているので。今の話でより理解を深めたいとか、「ここがわからなかったよね」みたいなポイントがあれば、ぜひ手に取って読んでいただけたらうれしいです。

ちょっと足早ですけど、いったん僕の説明は以上になります。

「フォロワー数がKPIになると、キャンペーン漬けになってしまう」

司会者:飯髙さん、ありがとうございました。事例も含めて本当に惜しみなくぎゅぎゅっとお伝えいただきました。読了された方もあらためて飯髙さんからのご説明を聞かれて、より響く内容になったのではないかなと思います。そうしましたら、本編の2に入っていきたいと思います。石田さん、カメラとマイク、オンに切り替えをお願いいたします。

石田哲也氏(以下、石田):よろしくお願いします。

司会者:あらためてご紹介します。株式会社ニュートラルワークス取締役CMOの石田哲也さんです。ここからは、先ほど飯髙さんからご説明いただいた鉄則の深掘りをさせていただきたいと思います。まず石田さんのほうで、書籍を読まれての所感や、印象的なパートやメソッドなどございましたでしょうか。

石田:先ほど飯髙さんよりお話しいただいたことと重複する部分もあるんですけれど、まず、読んだ所感としてはかなり本質的な話が多い印象です。私自身も、前職でSNSの責任者としていろいろやらせていただいていました。例えば「フォロワー数がKPIになると、キャンペーン漬けになってしまう」というのはかなりあるあるだなと思います。

私が以前いた会社も、評価指標でフォロワー数がありました。ここを達成すると、会社としても個人としても評価されたので。どうしてもその数字を達成するために、フォロー&リツイートキャンペーンを定期的にやっていました。

ただ一方で、これは本質的ではないとはわかってはいたんですけれども、やっぱりそこに目標があるので、どうしても(他のことに)取り組みづらいところはありました。そういった意味では、けっこう突っ込んだお話をされている印象です。

アカウントのフェーズに沿った投稿内容のポイント

司会者:ありがとうございます。本当にあるあるのお話ですよね。それではさっそく、深堀りに入らせていただきたいと思います。

まず鉄則の2からですね。言及在庫の具体的な内容について、ちょっと深掘りしてみたいと思います。SNSのアカウント開設初期。成長してきた時。成熟してきた時。それぞれのフェーズで刺さる内容が異なってくるのではないかなと考えております。具体的にどんな内容が反応がいいかを飯髙さんにおうかがいできればと思います。

飯髙:そうですね。難しい質問だなと思っていて。もちろんそのフェーズごとはあると思っています。

例えばそのアカウントを開設初期に、そもそも自社のブランドが老舗なのか、新興のブランドなのか、企業によっても在庫の捉え方は変わってきています。いろんなパターンがあると思うんです。一番オーソドックスなところで言うと、アカウント開設の初期は、言及在庫の考え方は、まずトピックの量を広げることです。

より具体的に話させていただくと、例えば、自社のブランドと言えば何々というキーワードを10個以上考えてもらうんですね。

一例で話をさせていただくと、ホットリンク社は丸亀製麺さんを支援しているんですけど。丸亀製麺と言えば、みなさんうどんと言いますよね。でももう丸亀製麺さんは、自社ではうどんと捉えていないんですよ。ファストフードの領域と考えてらっしゃいました。

彼らがファストフードの領域を取りたい、となった時に、うどんはもちろん絡めるキーワードは考えるんですけど。これは開設初期も成長期も成熟期も全部そうですけど、まず、例えば自社と言えば何々というキーワードを10個考えて、これを1回入庫します。

回してみた時にどう回るかは、ここはもう確認作業になってきています。こういう投稿だったら真似されるんだとか、こういう投稿だったらだめなんだなと、コアタイム、タイミングに関係なくやっている。

ソーセージのジョンソンヴィルが行ったある仕掛け

飯髙:成長期になってくると、ユーザーが真似を始めるんですよね。まずはアカウントのベースを作るところから始めて、「こういう投稿だったらいいんだろうね」みたいなものがわかってくる。すると次のフェーズは、じゃあ自社の投稿をきっかけにどんな投稿が生まれるんだろう、みたいな話になってきます。

今回の書籍の中でも、ソーセージブランドのジョンソンヴィルさんを取り上げています。ジョンソンヴィルさんって、言ってしまえばソーセージです。バーベキューの時に使う方が多いソーセージなのですが、そのシーンだけだとUGC(企業側ではなく消費者であるユーザーによって制作・発信されるコンテンツ)は多くは出ません。

UGCのネタとして、例えばソーセージをめちゃめちゃおいしく食べられるレシピを教えてあげるとか。そうしたらそれをユーザーが真似て、「これをやったらめっちゃ美味しかった」と、また入庫したものが回っていく。

となった時に、じゃあホットドックにしたら写真も少し映えるじゃないですか、とか。結果、ホットサンドプレートで焼いたらめちゃくちゃうまいという投稿がとても伸びまして。コロナ禍中にジョンソンヴィルはコンビニでも買えるようになったので、とても身近になりました。

成熟期になると自社があげたものを真似るのではなくて、ユーザーが違うものをあげるんですね。例えばシャトレーゼさんは、酸っぱいレモンのアイスでカクテルを作ったのを投稿すると、ユーザーが勝手にイチゴのアイスで投稿してくれる。となると、これはもうかなり成熟した状態で、自社のものが違うものに変わっていく。

なので「どうしたらUGCが出るんだろう」という軸の中で在庫を入庫して、そこに質とバランスを保つ考え方がたぶん一番、流れとしてはオーソドックスなパターンになるかなと思いますね。

司会者:まずは自社のサービスや商品としっかりと向き合って、良いところやポイントをしっかり見つめ直すところですかね。

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