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Generative AI × シリコンバレー (全5記事)

Meta社へ転職するも、入社約1年で突然のレイオフ 米国在住エンジニアたちが語る、米テック企業の現状

キリロムグローバルフォーラムが主催したパネルディスカッションのテーマは、「Generative AI × シリコンバレー」。シリコンバレーで働くエンジニアたちが「シリコンバレーの今」についてディスカッションをしました。全5回。1回目は、登壇者の自己紹介。

セッションテーマは「シリコンバレーの今」

猪塚武氏(以下、猪塚):みなさんこんにちは。今日はキリロムグローバルフォーラムのセッションです。

みなさんシリコンバレーから参加してくださっています。しかも、日本のエンジニアが憧れる人たちですね。知っている人も知らない人もいるかもしれませんが、このセッションを聞いた後は「ああなりたい」とみなさんきっと思うかなと。

ちょっと今シリコンバレーは大変なので、そのあたりも含めて、成功されている3人から、どういうことが起こっているのかを、ぜひ聞いていただけたらと思っています。

なので、今日のテーマはちょっと難しいのですが、「シリコンバレーの今」みたいな感じで、技術動向などが中心になります。ChatGPT、Web3.0、レイオフなど、そういうのをお聞きできたらと思っているので、今日はよろしくお願いします。

私から自己紹介をします。キリロム工科大学の学長の猪塚と申します。よろしくお願いします。それでは自己紹介を、酒井さんからお願いできますでしょうか。

酒井潤氏の自己紹介

酒井潤氏(以下、酒井):よろしくお願いします。酒井潤です。私は最近転職をしたのですが、現在、シリコンバレーのビッグデータ産業の会社でソフトウェアエンジニアをしています。アメリカで働いてかれこれもう14年間ぐらいですが、私の最初のキャリアは日本で、私は生まれも育ちも日本なんですよね。

今はシリコンバレーでエンジニアをしているのですが、日本で生まれ育って、初めはNTTドコモという会社に入って、そこで2年ぐらい働きました。その時はプロジェクトマネージャーやエンジニア的なことをやって、そこからアメリカにある小さなスタートアップ企業に転職しました。

そこは日系企業だったので、その頃は英語もぜんぜんできませんでした。TOEICもだいたいドコモの時に受けたのがもう300点ぐらいで、転職した時も本当にTOEIC500点ぐらいで、英語ができなかったのですが、アメリカにある日系企業だったので、そちらに転職できました。

その会社で働いていたのは2、3年でした。その時にリーマンショックがあって会社が倒産してしまったので、アメリカにあったNTTの研究所に転職しました。その後、ビッグデータ産業のsplunkという会社に転職して、つい最近また新たなスタートアップ企業に転職したというかたちです。

ということで、今日はレイオフなんかのネタもあるので、そのあたりも含めてシリコンバレーでどうやったらエンジニアとして働けるのかとかをお話できたらいいなと思っています。よろしくお願いします。

猪塚:はい、よろしくお願いします。

中屋敷量貴氏の自己紹介

猪塚:では次に、中屋敷さんお願いします。

中屋敷量貴氏(以下、中屋敷):はい、中屋敷量貴と申します。よろしくお願いします。自分は今サンフランシスコにいて、ベイエリアに来てもう6、7年経ちます。もともとは日本で大学院まで行ってケミストリーを専攻していて、卒業後にこちらに来て、最初はバークレーで1年ぐらいビジネスを勉強しました。その時に実は「シリコンバレーワーカーズ」というインタビューメディアを立ち上げて、酒井潤さんも過去に取材させていただいたことがあります。

卒業後はこっちのコンピュータサイエンスのマスターも取って、大手の企業でちょっと働いたり。4、5年前から起業家として活動していて、今は厳密に言うと2社目なのですが、2年ぐらい会社をやっていて、人が学んだことを共有し合えるような知識共有系のプロダクトを作っています。

最近は、それこそOpenAIのChatGPTがすごく有名になっていますが、それを使ってYouTubeの動画をサマライズするツールを作って、3、4ヶ月ぐらいで40万ぐらいインストールされたり。それ以外では、OpenAIのChatGPTを使っていろいろと遊んだりしています。そんな感じのバックグラウンドです。今日はどうぞよろしくお願いします。

猪塚:はい、よろしくお願いします。やはり英語でやると40万いっちゃうんですね。すごいですね。

河根氏の自己紹介

猪塚:じゃあ最後に河根さん、お願いします。

河根拓文氏(以下、河根):初めまして、河根です。こっちではタクと呼ばれています。あと、量貴さんのYouTubeサマリー機能はたまに使っています。ユーザーです。

自己紹介ですよね。ベイエリア、シリコンバレーに来て17、18年ぐらいになります。けっこう長くなっちゃいました。来たきっかけはUCバークレーのMBAを取るためです。学生として来てMBAを取って、日本に帰らずにこっちに残って転職をしちゃったタイプです。

転職先はeBayという、大手Eコマースオークションサイトだったのですが、そこで4年ぐらい働いた後、その頃はiPhoneとかで『Angry Birds』などのモバイルゲームが旬だったので、モバイルゲーム業界に2社ぐらい行きました。1つはグリーで、U.S. オフィスの立ち上げでした。

普通のゲームスタジオにも入って、その後、ゲームでないモバイルアプリ系の会社に入り、その会社でプロダクトマネージャーやデザイナーを統括するヘッドプロダクトというポジションになりました。その会社は5年半くらいいたのですが、一応売却というかイグジットができたので、その後また2社ぐらい違ったスタートアップで同じようなポジション、プロダクトマネージャーのヘッドみたいなポジションをやりました。

1年半ぐらい前にFacebookのMetaに入って、「Messenger」のチームにいたのですが、入社から1年ぐらい経った時にメールが飛んできてレイオフされてしまって、それ以来無職を数ヶ月やっています。

日本にいた頃は、マッキンゼーでコンサルタントをやっていました。こっちの天気がいいのと仕事がおもしろいのと、あと妻も子どもも気に入ったということで、そのままずーっとこちらにいます。なのでエンジニアではありませんが、私が答えられることでなにか役に立てればと思います。

猪塚:はい、ありがとうございます。

レイオフに対して河根氏が思うこと

猪塚:当初はぜんぜん想定していなかったのですが、やはりレイオフについてみなさんは聞いてみたいんじゃないかなと思います。先ほど、お話をちょっとはしていただけるということだったので、思い切って聞いてみたいと思います。

本当に衝撃ですし、河根さんからレイオフされたという話がありましたが、酒井さんの転職も実はレイオフなんじゃないかと、こっそり思っている人もいると思うんですね。そのあたりも含めてちょっとお話を聞けたらと思います。

まず河根さんからお聞きできたらと思いますが、レイオフというのは、ご自身のことも会社のことも含めて、どんな感じなんでしょうか? ものすごく給料を貰っているから、リスクは織り込み済みという感じなのでしょうか?

河根:いや、つらいですよ。当然ショックだし、十把一絡にやられたと思っても、納得いかないところもあるし、自己否定みたいな気分にもなります。それは当然ポジティブではないですよね。

特にMetaやGoogleみたいな企業は、すごく良いパッケージで、数ヶ月分の給料が出たり、その後も健康保険をカバーしてもらえたりなど、いろいろすごく手厚いんですが、それでもやはり最初はポジティブじゃないですよね。

でも、多くの人はそこからポジティブに捉えますよね。これを機会にまったく新しいことをしてみようとか、それこそレイオフが起きたタイミングとChatGPTが出た時期がほとんど一緒なので、そういうので遊んでる人もいます。

あとはもともとAI、MLの仕事をしていた人たちの中には、さらに知見を深めるためにオンラインコースに行ってディグリーを取ろうとしたり、自分でPodCastを始めたりという人がどんどん出てきていますよね。

もちろん、スタートアップに入ろうとしてる人もいます。なので、ショックなんだけど、だんだんだんだんそれをポジティブな機会に捉えるという感じがあります。日本ではそういうことがほとんど起こらないから「起こったら超ショックで、超自己否定みたいになる」とは確かに違うというのは確かにおっしゃるとおりです。

2007年にeBayに入って、2008年にリーマンショックがあって、確か2009年ぐらいにeBayでも10パーセント以上のレイオフがあったんですよね。私は受けなかったんですが、こっちに来てすぐにそういうことを経験しているし、私も他にもレイオフじゃないですが、それに近いことを受けたことがありますし、そもそも自分でも2回ぐらいそういうふうに人を切ったことあるんですよね。

なので日常茶飯事かと言われると、茶飯事までいきませんがわりとそういう感覚はあります。こういうのは僕も初めての経験ではないです。なので、僕みたいな2008年とかを経験したようなオジサンのほうが耐性があるというのはすごく思いましたね。

新卒でGoogleに入って、Metaに転職したみたいな子は、やはり「Oh My God」という気分になっているっぽいですけどね。

猪塚:なるほど。お会いした時にマッキンゼーからMetaってあり得ないぐらいエリートに感じたので、そういう人でもレイオフされるのかって、僕はそこが一番ショックでした。

河根:いや、そういう人ばかりなので別に(笑)。

猪塚:今回は部署ごとドンって感じなのですか。

河根:部署ごとドンではないです。部署ごとに何パーセント切ってくださいと、某コンサル会社が入って分析して、こう切ったら一番効率良いですよとトップにプロポーズするんですよ。

猪塚:なるほど、そうなのですね。

河根:なので十把一絡な感じですね。

猪塚:なるほど、わかりました。Googleもそんな感じだと聞いた覚えがあります。

河根:Googleをやったのが同じコンサル会社なので。

猪塚:あ、そうなんですか。

河根:そうなんです。

猪塚:どこのコンサルティング会社ですか? まさかマッキンゼーじゃないですよね? まぁ冗談です。

河根:僕が言うのもアレですが、マッキンゼーじゃないっていうのは知っています。マッキンゼーじゃないです。

(次回へつづく)

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