2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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けんすう氏(以下、けんすう):ちょっと次のテーマとして、web1.0から2.0の歴史から、現在も通用しそうな教訓はっていうのを聞きたいなと思うんですけれど、ありますか。
石濵嵩博氏(以下、石濵):まず僕、いや、本当に、web3で世界変わると思ってて。本当に2年ぐらいでみんなウォレットを持って、ナチュラルにNFTとかトークンっていうのを、まあ今若い子がInstagramとか使ってるじゃないですか。Googleとかで検索したりとか。それと同じような感じ。
あとは、メールを使うような感じで使っていくって本当に思っています。と言った時に、今、正直短期的に見ると、まあITバブルが弾けたタイミングかなと思っています。2000年から2001年みたいな。
それこそ、その時のブログとかニュース記事とか見ると、「インターネットはオタクのものに過ぎなかった」とか、「孫正義、夢に散る」みたいな、そういうのがわーって書いてあって。まあ、実際ソフトバンク100分の1とかに最初はなっていて。
web3もFTXの崩壊によってけっこうダメージ受けたりとか、トークンのバリュエーション、バーンって下がったりとかしたなと思ってて。でも、これ、まったく同じこと起こるなって正直思ってます。結局過去20年間見ると、じゃあその2000年、2001年でへこんじゃった企業で生き延びていたら、今どうなんだと。
サイバーエージェント見てくださいと。ソフトバンク見てくださいっていうことが必ず起こると思ってるんで。1回、ITバブルが崩壊した時に、みんなが何を言っていたかっていうのを見て、今回web3で「トークンだめだったか~」みたいな、そういうのがけっこう流れてると思うんですけど、そん時にもう1回それを見て、違いを見てほしくって。
石濵:僕はむしろweb3のほうが早く復活すると思ってるんで。それは4倍速ぐらいでいく。なんで、2000年の崩壊から2012年とかで、たぶんバリュエーションってついてると思うんですけど。その4倍速でいくんで。僕はそれぐらいの角度でわーっていくんで。もう今が底だと思ってますね。
けんすう:うーん。あ、おもしろい。
石濵:なので、web1.0、web2.0から学ぶとしたらそこかなと思って。
けんすう:なるほど。
石濵:あきらかにイノベーションがあるのに、みんな変なニュース記事とかに騙されて、「あ、トークンだめや」、「NFTだめや」とか言って終わっちゃってるんですけど。もう4倍速で一気にいくと思います。
けんすう:僕も2000年ぐらいのインターネットの空気、めっちゃ覚えてるんですけど。僕も思ってたんですけど、インターネットでやれること、全部やりつくしたなと思ってました。
石濵:(笑)
けんすう:もうないでしょって(笑)。本気でみんな、そういう議論でしたね。「もうないね」って。2ちゃんねるがもうこれ、終着点だと思ってましたね。
石濵:期待外れやーんみたいな。
けんすう:そうですね。
けんすう:たぶん近しいことを、僕も今日投稿してたんですけど。僕、あんまり意味ない議論なんですけど、僕97年ぐらいって感じがしていて。
石濵:うん。
けんすう:Googleがまだ出てないぐらいの感覚すらあるんですよ。当時の、95年ぐらいの『インターネットはからっぽの洞窟』っていう本があって。
有名なギークの人がいろいろ書いてるんですけど。それがおもしろくて。「ネットショップなんて来ない」とか、「オンデマンドで映像楽しみたいなんて、誰も欲しがってない」とか。「もう、ペーパーレスとかないよ」とか、「在宅勤務とかありえない」とか。もう全部間違ってるんすね。めちゃくちゃこれおもしろいなぁと思ってるんですけど。
当時は、やっぱりこれがそこそこウケてて。「あ、自分もそう思ってた」と。「すごい、みんな『インターネットすごい』って言ってるけど、しょせんこんなもんだよね」みたいなのがあったんですね。
石濵:めちゃめちゃおもしろいな。
けんすう:これ、けっこうおもしろいなと思ったのが、総合的に言うと、大前研一さんとかは当たってんですよ。だから「もうそのうち動画とかインターネットで見るようになるし、誰でも情報発信するようになるので、新聞は衰退する」みたいな。
石濵:そのとおりですね。
けんすう:だけど、専門家はけっこう間違ってて。「いやいや、動画ってどんぐらい帯域使うか知ってますか」とか、「使う人が増えれば増えるほど重くなるから、コストに見合わない」とか、それっぽいことをたくさん言うんですよ。なので、実はよくわかってる専門家はけっこう外してて。
石濵:それ、おもしろいっすね。
けんすう:よくわかってない声のでかいビジネスパーソンみたいな人の適当なやつのほうが当たってて。おもしろいなと思ってます。これweb3に超当たりそうと思って。
石濵:いや、まさに。
けんすう:謎のビジネスパーソンのweb3インフルエンサーみたいな人がすごいもう、「これからはこういうのができる」って言ってるのを見て、専門家が「いや、そんなんうさんくさい」とか、「技術的にこれ無理だ」って言ってる。もうどっちが正しいかって意外とわからんなと。
石濵:(笑)。でも、本当に同じこと、起きそうですよね。
けんすう:そうなんですよね。
石濵:その感じが。批判されるたびに、僕は「あーそういう感じかぁ」みたいな、思ったりするんですけど。
けんすう:そうなんですよねぇ。ただ、多くの人は専門家の言うことのほうが正しい気がするので。技術者とか専門家の意見を、「あぁ、そうなんだ。やっぱりこれ、詐欺なんだな」とか「結局来ないんだな」とか思っちゃうので、けっこうそのギャップもおもしろいなと思っています。
石濵:確かに。やり続けた人が、やっぱり今、世界を握っている部分はあると思うんで。
けんすう:いや、そうですね。
石濵:もう、それを諦めずにやるっていう。たぶん、それでかなり変わってくるかなと思いますね。
けんすう:おっしゃるとおり2000年ぐらいの藤田(晋)さんとか、熊谷(正寿)さんとか、けっこうやっぱり技術わかってないし、ビジネスパーソンだよねみたいな扱いだったんすよね。
だから「インターネットのことわかってないんじゃない?」みたいな感じだったけど、やっぱり彼らのほうが成功してるっていうのは……。
石濵:そうですよね。本とか見るとめちゃめちゃ壮絶じゃないですか。藤田さんの本とか、めちゃめちゃおもしろいっすよね。『起業家』でしたっけ。
けんすう:そうですね。
石濵:あれ、めっちゃ……。だから生々しくて。まぁ、こういう感じだなと。やっぱりここで投資家とかが早く気づいて、同じことなんで。
けんすう:うん。
石濵:それこそ、そのNTTドコモさんがweb3に6,000億円のファンドを立ち上げましたみたいなこと、ありましたけど。もっと入れてってほしいなと思います。同じことになりそうなんで、今のままだと。
でも、本当に今ここってITバブルが弾けたタイミングで。底なんで。こっからとんでもないことがぼこぼこ起きていくのにもかかわらず、けっこうやっぱり投資も進んでないなとかは思っちゃうんで。まあそのあたりとかは、しっかりと投資をしていくべきだなって思っています。
けんすう:そうっすね。
石濵:(笑)。
けんすう:意外と来るか来ないか議論をしちゃうという挙動を人はしがちだけど。まあ来るよねって張って、がっと投資するはできないんですよね。
石濵:いや、そうなんすよ。でも、もうそこをどうにかしたいなって思ってますね。
けんすう:どうにかね。
石濵:なんでこういう機会で伝えていかないと。
けんすう:伝えてね。
石濵:いかにやばいかみたいな。でも、もうあきらかだと思うんですよね。インターネットみたいな自律分散ネットワークにブロックチェーンで価格をつけられるようになるみたいなものがあった時に、いや、僕たちだってインターネット最高じゃないですか。今となっては。それがバリュエーションできるって、とんでもなくって。
そこに対して、そこがばって横に広がってるんで。そんなの、その人のアプリケーション来るに決まってるわけなんですよ。なので、もう当たり前な話ではあるんですけど、もっとそれを、当たり前を伝えていかなきゃなって思って。
石濵:確かに。
けんすう:じゃあ、最後、プレイヤーは今何に気をつけるべきか、何をするべきかみたいなのを最後にお聞きしたいんですけど、何したらいいんですか? 今後。「あーわかった」と。「やるぞ」と思った人が、何をするといいか。
石濵:イメージ。やっぱりそのインターネットを思い浮かべたら、すごいすっとweb3に馴染めると思ってて。そのインターネットっていうのはどういうことかって、インターネットそのものですね。
要はそこがAppleみたいな守られた世界のことと考えると、web3ってああでもないこうでもないみたいな、Appleで守られてたものに対して目がいっちゃうんで。それが守られてないと、ああだこうだ言っちゃってそこが欠点に見えちゃうみたいな問題があるかなと思っていて。
もうちょっとweb3自体を、本当のインターネットそのものみたいなふうに受け取ってもらって。参加者が自由自在に自分がやりたいことっていうのを、そこにホストすることができますと。
ウェブサイトを公開するように、自分たちのエコシステム付きのアプリケーションを公開できて。ユーザーはウォレットを持ってるんで、その状態で、自分たちのエコシステム、あるいは経済圏を楽しむことができるんだみたいな感じを、そのインターネットの例に合わせて考えてみると……。
あ、これはああだこうだAppleで守られた世界と比べると、欠点のように見えるけど、実際インターネット自体も同じやんみたいな。漫画村もいるし、エロサイトもあるし、インターネットって有象無象です。その中でぼこぼことイノベーションが生まれてきて、それを使ってるじゃないですか。
だから、自分たちが使うものを選ぶみたいなことって、そもそもインターネットで起きてたことなので。それが別にweb3でも起こりますよって言った時に、「それは守られてない」とか「詐欺の温床だ」とか。それはそう。インターネットと一緒ですっていう話なんですよ。
ただ、それが悪く見えちゃうっていうところを、まず思考として正していくっていうか、それを受け入れた上で、でもインターネットって歴史を見れば、死ぬほどいろんなイノベーションがぼこぼこ起きたわけじゃないですか。それが起きるんですよ。
でも、守られてましたか? いや、そうじゃないですね。詐欺は起きましたか? 起きましたね。いろんな問題ありましたね。でも、我々人類は乗り越えてきたんで。
もうそこは楽観してしっかりと飛び込んで、しっかりと価値を。じゃあ経済圏、次のアプリケーション、なんだ? みたいなところに、こう落とし込むっていうのが重要なんじゃないかなって思ってます。
けんすう:うーん。おもしろい。ちょっと思い出したのが、僕、リクルートという会社にいたんですけど。2000年代になっても、やっぱりホットペッパーは紙からやったんですよ。R25とかも紙でやったんですね。
やっぱりそのへんの、まだ2000年前後ぐらいってインターネットのほうが非効率なことってけっこうあって。「コストかかるじゃん」とか、「見てる人少ないじゃん」とか。あと、なんだろうな。そういうのがあったんです。
だから、本作ったほうが安いよねみたいなのがあって、web3もけっこう似てるなと思って。ブロックチェーンって、壮大に無駄じゃないですか。
石濵:そうですね(笑)。いろんなマシンパワー、使いますからね。
けんすう:そうですね。最初見た時、「マジでこんなシステム使うの?」っていうぐらい無駄だなと思ったんですけど。その中でもやっぱり経済圏作れるみたいな1つのメリットがすさまじすぎて。
石濵:すさまじいっす。
けんすう:こんなに無駄な状態でも立ち上がってるし。そこの部分はどんどん解決していっちゃうと思うので。そうなるともう本当加速度的に広がるような気はしてますね。
石濵:いや、もうおっしゃるとおりです。
けんすう:さっき紹介した『インターネットはからっぽの洞窟』はすごい、それがわかるので、ぜひみんなに読んでほしいんですけど。
石濵:いや、読みたい。笑いながら読む本ですよね。
けんすう:笑いながら読む本ですね。
石濵:「こんなこと言ってたんか~」。
けんすう:「メールよりもFAXのほうがぜんぜん早い」みたいなことを言ってて。当時は1文字打つのにこんぐらいコストかかってるとか、そういう話なので。まったく同じだなと思ってました。
石濵:いや、めちゃめちゃおもしろいです。だから、今のNFTとかもそうですよね。「それ、別に自分たちのサーバーでやったらええやん」みたいな話とかも含めて、たぶん同じことが今後いろいろ起こっていくわけじゃないですか。
けんすう:もうまさに。
石濵:なんで、それで、その価値がないって判断するんじゃなくて、もっといろんなコンテキストで見ると、いろんなユースケース出てくるんで。
けんすう:そうですね。
石濵:それに気づいて、やっぱり先に作った人たちっていうのが次のGoogleになるし、次のFacebookになるし、次のAmazonになるっていうのはもう確定しているので。そこに今大量にいろんな頭のいい人たちがアプリケーションレイヤー、次はL1がもうほぼ勝負決まったんで、次はアプリだって言って、世界中からわーって集まっていて。
そこにAIが掛け合わさって、すごいイノベーションがこっからとんでもないことが起こるんですけど。まだ、僕たちは詐欺だのなんだのっていう話をしちゃってるんで。おいおい、大丈夫かと。これ、この前学んだやろっていう気持ちでいっぱいですね。
けんすう:まあ、でもめちゃくちゃ楽しいはずですけどね。毎日、「うわ、こんなんあったんだ」とか。
石濵:いやいや。もう本当にそうですね。
けんすう:「これできるんだ~」みたいなのがありましたもんね。web2だともうたぶんないですもんね。
石濵:ないですね。もうなんとなくやりつくした感あるじゃないですか。フィールドに出てくるものも、まあ、どんどんニッチになってくんで。まあまあまあまあっていう。
けんすう:というわけでお時間になりましたので、以上になりますが、ありがとうございます。めちゃくちゃおもしろかったです。
石濵:いえいえ、こちらこそ。ありがとうございます。
けんすう:あと4時間ぐらいしゃべれるなと思ったんですが、お時間なのでいったん司会の方にお戻しします。ありがとうございます。
司会者:ありがとうございます。けんすうさん、石濵さん、非常に興味深いお話をありがとうございました。
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